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2024年03月30日
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テーマ: ニュース(96859)
カテゴリ: ニュース
県立公園にあった朝鮮人追悼碑を群馬県が破壊し撤去した事件について、早稲田大学教授の李鍾元氏は14日の朝日新聞に、次のように書いている;




 戦後50年となる1995年の「村山(富市首相)談話」では植民地支配と侵略を反省し、おわびを述べました。3年後、この精神を生かして小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領が、過去の反省と未来志向をうたうパートナーシップ宣言に署名。両国関係が最も良好になり、交流が広がりました。

 群馬県で追悼碑ができたのは2004年です。 アジアに開かれた日本という時代の雰囲気の中で、「保守王国」でも、県議会が追悼碑建立に全会一致で賛同したのです。

 しかし10年代に入ると状況が変わります。日本は中国に国内総生産(GDP)で抜かれ、東日本大震災では大きな被害を受けました。12年に「日本を取り戻す」を掲げた第2次安倍政権が発足しました。「中国や韓国に見下されないように」とする、国家主義的な内向きのナショナリズムが力をつけていきます。

15年の「安倍談話」 は、「子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と述べました。 負の歴史にふたをする論理が、傷ついた社会に徐々に広がっているようです。

 群馬県は、朝鮮人追悼式であった「強制連行」などの発言を「政治的だ」と問題視し、条件に反すると設置許可の更新を認めませんでした。碑の前で式が行われなくなったのに、群馬県は過去のことをことさら取り上げ、碑を壊してしまった。 歴史を記憶し過ちを反省し未来へつなぐ、という碑の趣旨を生かす気持ちがあれば、式の運営改善で対応できたはずです。

 確かに植民地時代の朝鮮人の労務動員を、一律に「強制連行」と表現するのは正確ではありません。しかし 部分的に問題があるからと、全体をひっくるめて否定する。ナチスによるホロコーストの否定論者にもみられる歴史修正主義の手口で、あまりに乱暴です。

 日本で未来志向の日韓関係というと、過去のことは言わないとか、忘れ去る、と受け取られがちです。しかし未来志向は過去の直視とセットで考えなければなりません。
(聞き手・桜井泉)

     *

<リー・ジョンウォン> 1953年韓国生まれ、82年に留学のため来日。立教大学教授をへて早稲田大学大学院教授。専攻は国際政治学、東アジア国際関係論。


2024年3月14日 朝日新聞朝刊 13版 15ページ 「耕論・群馬の森で壊されたもの-追悼碑は未来をみていた」から引用

 2004年に群馬県議会が全会一致で追悼碑の建立に賛成した頃は、保守勢力もそれなりに理解力があって、過去の戦争への反省なども国民共通の理解の一翼を担っていたと言えます。それが、何時の間にか世襲議員が増えるにつれて、誰の入れ知恵か、妙な右翼思想にかぶれるようになり、平和な東アジアを目指すという「大局」を忘れ、隣国を見下すことで優越感を維持するというような変な態度をとるようになったことは、実に残念なことです。日韓パートナーシップ宣言に書かれた未来志向の日韓関係は、過去の史実は史実として認め、反省すべき側は謙虚に反省してこそ将来の共存共栄が約束されるものであることを、私たちは理解するべきだと思います。





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最終更新日  2024年03月30日 01時00分08秒


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