2019/01/03
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GAFAのうち2社は習近平のお膝元=後節=
= NewsWeek_Column_2018年12月27日 遠藤誉 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。


情報を抜いているのは誰か
今年12月18日、人民大会堂で改革開放40周年記念祝賀大会が開催され、習近平は1時間以上に及ぶ演説をした。この分析に関しては追って考察するつもりではいるが、とりあえず注目したいのは同大会で、改革開放に貢献したとして表彰された100人の中にAlibabaの馬雲やBaidu(百度)の李彦宏、あるいはテンセントの馬化騰やレノボの柳傳志・・・などの姿はあったが、Huaweiの創業者である任正非の姿がなかったことだ。任正非は招待されなかったのである。

いま習近平が国家運命の全てを注ぎ、それ故に米中対立の根幹になっている「中国製造2025」が目指す中国製半導体において、その最先端を行っているのはHuaweiの頭脳であるハイシリコン社だ。ハイシリコン製半導体がなければアメリカに勝てない。売れ行きにおいてもHuaweiが中国国内で断トツのトップを走っている。

だからこそトランプ大統領はHuaweiを攻撃している。その根拠としてHuaweiが情報を抜き取って中国政府に提供しているということだが、証拠は示されていない。証拠があるなら、プリズムのように証拠は出せる。おまけに証拠を出せば中国は完敗する。だというのに日本でも「噂」だけを頼りにトランプの攻撃を正当化して、Huaweiは中国政府と癒着して情報を抜き取り中国政府に提供しているという「噂」を流しているが、もし中国政府との関係が深いのなら、なぜこういうときにHuaweiのCEO任正非を表彰しないのか。もし噂が本当なら、彼こそは中国政府にとって最大の功労者ではないか。



そしてトランプはなぜ、中国政府そのものである国有企業ZTEやユニグループ(清華紫光集団)を攻撃しないのか?国有企業は中国政府そのものなので、癒着とか関係が深いどころではなく、情報を抜き取ればストレートに中国政府の手に渡る。そこを攻撃しないで、民間企業で中国政府と一定の距離を持っているHuaweiを攻撃するのは、その頭脳であるハイシリコンが怖いからだ。中国で唯一、アメリカ半導体の最高峰クァルコムと対等に競争できるのはハイシリコンだけだからである。日本の半導体もハイシリコンのレベルには及ばない。

2月24日のコラム「日本の半導体はなぜ沈んでしまったのか?」にも書いたように、1980年代、日本の半導体がアメリカ製を凌駕したために、アメリカ政府は日本の半導体を「アメリカのハイテク産業あるいは防衛産業の基礎を脅かすという安全保障上の問題がある」として攻撃し、高関税をかけ様々な制裁を設けて、立ち直れないまでに叩きつぶしてしまった。

今はHuaweiを同様の理由で攻撃しているが、それはHuaweiの売り上げがAppleを超えただけでなく、ハイシリコンの半導体技術がクァルコムと同様に高いからである。



次に叩くのは、おそらく韓国のサムスン電子だろう。だから「米韓同盟が長く続くとは思うなよ」という趣旨のことをアメリカは言い始めている。

アメリカが世界一を保つための、この常套手段は変わらないだろうが、問題なのは、このような民間企業であるHuaweiを攻撃のターゲットにしている間に、中国がもっと上のレベルの、そしてスケールの大きな情報の抜き取りを「しめしめ」とばかりにやれる環境を、日米が力を合わせて作ってあげていることだ。日本の「日の丸半導体」を沈没させた背景に対する反省もなく、「そうだ、そうだ」と、レベルの低いところで叫んで、実は中国を喜ばせていることに、日本はやはり気が付かない。

習近平は、民間企業Huaweiが国有企業ZTEと怨念の30年戦争を続けていることによって、実は窮地に追い込まれていた。しかし日米による「噂」に基づくHuawei攻撃は、ある意味、習近平に救いの手を差し伸べているのである。そんなところに世間の目が集中していれば、本当のサイバー攻撃をしている部署や巨大な情報抜き取りに特化している部署は、国際社会の目から覆われて見えなくて済む。日米は習近平に、ありがたい「煙幕」を提供しているのである。

GAFAの内の2社が、習近平に抱え込まれている事実に、日本人は気づくべきだろう。

いかなる恐るべき事態が動いているかに関しては『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』に詳述した。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/01/03 05:50:06 AM
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