2019/01/12
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外国人雇用の拡充は「無能な経営者」の甘えだ
=東洋経済Online 1月8日(火)/ デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長): 日本論


「一億総貧乏大国」日本
日本が世界第3位の経済大国でいられるのは、人口が多いからにすぎません。日本のGDPがドイツの1.3倍の規模(購買力調整後)なのは、技術や勤勉性が優れているからではなく、国民の数が1.5倍だからです。先進国においては、GDP総額のランキングは人口のランキングによって決まるのです。

しかし、人口が1.5倍なのにGDPが1.3倍しかないことからもわかるように、日本経済の構造は一億総活躍どころか、「一億総貧乏」構造です。個々の労働者は、その能力にふさわしくない、非常に低い所得しかもらっていません。何回も紹介していますが、日本人は人材評価(WEF)では世界第4位(2016年)なのに、1人あたりGDPは世界第29位(2017年、購買力調整済み)であることからも、それは明らかでしょう。
先進国の場合、人口が増えている時代には、所得が低くても国のGDP総額は伸びます。しかし、人口が減りだすと、低所得の仕組みは国民を不幸にするだけです。

今の日本経済は国民が豊かになるか、国民の負担がさらに激化するかの「分かれ目」に立っています。それを決めるのは「政策」です。経済の構造維持を優先して変化を止め、国民に負担をかけるのか。それとも、国民の幸せのために経済の構造変化を肯定して促進するのか。今まさに、それが問われているのです。

このように国民の所得が低い理由のひとつとして、「企業の数が多過ぎる」という要因が挙げられます(詳しくは「大胆提言!日本企業は今の半分に減るべきだ」参照)。



国民所得が1.7倍増えるシナリオ
しかし私の分析によれば、人口が減れば減るほど、何もせずに放っておけば経済の自動調整機能が働き、企業統合が進んで正常な数に減るはずです。それに伴って、給与所得は2060年までに現在の1.7倍に上がるでしょう。

しかし、ある政策を実行すると、このシナリオが台なしになりかねません。そのある政策とは、移民の大量受け入れです。今回は、なぜ移民政策が「給与を1.7倍に上げる」というすばしいシナリオを台なしにするのかを、解説していきたいと思います。

まず、何もしなければ日本経済に働くであろう、自動調整機能について説明しましょう。
日本では1975年から1995年までの20年間に、企業の数が約170万社増えました。しかし、増えた企業のうち約150万社は従業員10人未満の零細企業です(ペーパーカンパニーを除く)。

これがなぜ重要なのでしょうか。それは、企業の規模が小さければ小さいほど、生産性が低いのは明白な事実だからです。そして、企業の規模が小さければ小さいほど、その企業で働いている人の所得も低いという厳然たる事実も存在します。

現在、日本で従業員数10人未満の零細企業に勤めている労働者の数は1000万人弱です。先ほど、1975年から1995年までの20年間に零細企業が150万社も増えたと述べましたが、この間に増えたのは生産性が低い零細企業が大半でした。それと呼応するように、日本では1企業あたりの平均社員数も低下の一途をたどりました。

しかし、1987年あたりからは、1企業あたりの社員数が増加する傾向がみられます。企業の規模と生産性には強い相関関係が確認されているので、1企業あたりの社員数の増加は、日本経済がいい方向に向かっているサインだととらえることができます。
このように状況が好転したのは、経済における自動調整機能が働いたからにほかなりません。



労働人口が大きな企業に移りつつある
細かく見ていくと、さらに期待できる要素を見いだすことができます。企業規模別のデータを見ると、企業規模によって雇用者数の増減率に違いがあることが確認できます。企業の規模が小さくなればなるほど、すなわち従業員の所得が少ない企業ほど、雇用者数が減少し、大企業、つまり所得の高い企業に人が集まる傾向が顕著に見られます。

統計上の平均賃金が上がっても、「上がっている実感がない」という声をよく耳にします。多くの人がそう感じるのは、平均給料があくまでも平均だからです。所得の低い企業から人が減ると、統計的な平均は上がります。自分の給料が上がらずに平均だけが上がりますので、実感が湧かないのは当然なのです。なぜ小さい企業から人が減るのか。それは少子化により子どもの数が減り続けるからです。

1958年、日本では企業1社に対して3.1人の子どもが生まれました。一方、2015年はわずか0.28人です。これでは企業が人を雇いたくても雇えなくなるのは当然です。私が社長を務めている小西美術工藝社でも、昔は何の努力もしていないのに、若い人が自ら「雇ってください」と言ってきたそうです。
しかし今は、こちら側から積極的に探しに行かないと誰も来てくれません。私たちの業界には、昔のように就職希望者が現れるのを待っているだけの会社が多数あり、皆若い人の獲得に苦労しています。その結果、高齢化が著しい業界になってしまっているのです。

言うまでもなく、雇用需要が一定の場合、若い人が減り続ければ、若い人は所得の高い企業を選ぶ傾向が強まります。社員数の少ない企業は、生産性を上げて所得を増やすことができなければ、ますます人集めに苦労することになります。その結果、廃業や倒産、統合が増えることが予想されます。

企業の統合も「必然」だ
生産性を高めるために規模の経済・範囲の経済の効果を求め、企業間の統合が増えることが予想されます。この動きは、すでに始まっています。企業数が減るという結論は、さまざまな観点から見ても必然的だと言えます。需要者が減ることが最も大きな理由ですが、さまざまな要素を考えても、論理的に考えれば企業数は減るという結論に変わりありません。

企業統合の動きは、すでに始まっています。企業数が減るという結論は、さまざまな観点から見ても必然的だと言えます。需要者が減ることが最も大きな理由ですが、さまざまな要素を考えても、論理的に考えれば企業数は減るという結論に変わりありません。   ・・・・・・・つづく



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/01/12 05:50:05 AM
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