2019/05/02
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【 虎子/ココの誇顧/ココ; 彷徨癖者・如水が愛犬のココ(ボクサー犬)の悲嘆・感嘆 / 05月02日 】
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失われた20年に「起きなかったこと」に驚く──平成は日本を鍛え上げた時代
= NewsWeek_Column(ニューズウィークが見た「平成」1989-2019) ピーター・タスカ(経済評論家)


夜空を見上げれば、そこに星座があるように、過去を振り返れば、そこにはストーリーがある。ある時代を振り返ると、当時は気付かなかったパターンが見えてくる。平成が終わろうとしている今、筆者の頭の中でこの時代ははっきりとした形を取っている。それは日経平均株価のチャートだ。その後の経済、社会、政治の動きを先読みする市場のアンテナの精度には驚くばかりだ。

偶然にも筆者は平成の初め、1989年3月から本誌にコラムを書き始めた。当時はバブル経済の最後かつ、最も浮かれた時期で、熱狂的な高揚感が日本を覆っていた。筆者もささやかながら時代の気分を味わった。倉庫を改造したディスコ「ジュリアナ東京」で踊り、大蔵省接待事件の舞台となった「ノーパンしゃぶしゃぶ」の店でも食事をした。

1989年の日本の株式市場の規模は時価総額で世界の40%超。ばかばかしいほどの過剰評価だが、バブルは心理が生み出すものでもある。国内外で日本は「ナンバーワン」と持ち上げられ、米誌ビジネスウィークは2000年までに日本は経済規模でアメリカを抜くと予想した。参考までに言えば、今や日本株の時価総額は世界の8%程度にすぎない。

筆者が本誌に書いた最初の2本のコラムはリクルート事件を扱ったものだった。そして1990年3月15日号に掲載された3本目のコラムのタイトルは『「日本流錬金術」に赤信号』。この頃にはバブルは崩壊寸前で、不動産価格の暴落が壊滅的な結果をもたらすことは目に見えていた。筆者は悲観的なオブザーバーだったが、それでも日本経済が「正常化」にこれほど手間取るとは夢にも思わなかった。



「失われた20年」はこの時期を必ずしも正確に言い表す言葉ではない。バブル崩壊後の20年にはいろいろなことが起きた。2度の金融危機、増え続ける企業の倒産、非正規雇用の増加、オウム事件、阪神淡路大震災。「一億総中流社会」や終身雇用の神話が崩れ、浮かれ気分に代わって閉塞感が日本を覆った。この間、入れ代わり立ち代わりマイクを握るカラオケ店の客のように、首相がめまぐるしく交代した。

行き過ぎた幻滅は幻想に似ている。いずれも現実を無視して、ムードに浸っているだけだ。いま振り返れば、失われた20年に「起きなかったこと」のほうに驚く。日本は保護主義に走らず、それどころか徐々に外国人を受け入れ始めた。ポピュリズムの嵐が吹き荒れることも、フランスの「黄色いベスト」運動のような暴力的なデモが広がることもなかった。企業は少しずつ雇用、設備、債務の「3つの過剰」を解消し、利益率が上昇し始めた。企業も個人もより現実的になり、危機に強くなった。

平成最後の10 年間にその成果が出た。2011年3月の東日本大震災――地震、津波、原子力発電所事故の三重災害の中で普通の人々が見せた反応は、日本の社会資本、すなわち人々のネットワークの底力を世界に見せつけた。

過去6年、1人当たりのGDPの伸び率は先進国の平均を上回っている。経済規模ではアメリカと中国にかなわないが、独創性と勤勉さ、健全な競争が生活水準の向上を保証するだろう。今の日本は環太平洋諸国の貿易協定TPPの要であり、高齢化への挑戦で世界をリードする存在だ。

30年前と比べ、日本は不確かな未来にはるかにうまく立ち向かえる国になっている。今年始まるまだ名前のない新しい時代は、気休めの神話ではなく、困難な現実をしっかり見つめて進む時代になるだろう。

平成は日本人に「無常」を教えた──バブル崩壊から原発事故、そして次の「非常識」 = NewsWeek_Column(ニューズウィークが見た「平成」1989-2019) 長岡義博/本誌編集長
平成3年(1991年)に毎日新聞の記者として社会人生活をスタートした私にとって、「平成」は取材対象そのものだった。平成18年(2006年)に弊誌に移ったが、今でも最も強く記憶に残っているのは平成7年(1995年)1月17日に起きた阪神淡路大震災だ。



当時、神戸支局員だった私にとって、忘れられない地震発生直後の光景がある。見渡す限り爆撃跡のような瓦礫の山に囲まれた道を、打ちひしがれた被災者の列が続く。どの手もジュースやウーロン茶のペットボトルと食パンが入ったビニール袋を抱えている。

大地震が起きたばかりの被災地は物流が止まり、ガスや電気が使えない。物流が止まれば食料はすぐに底を突き、ガスや電気がなければ調理もできない。そのことを直感的に察した被災者たちは、自宅の冷蔵庫にあった食パンとペットボトルの飲料を真っ先に持ち出した。物流と電気・ガスが止まった被災地で、食べられない紙幣や硬貨など何の価値もない。

なぜかあの頃の日本では、「関西で大地震は起きない」という迷信が真理であるかのように語られていた。何の根拠もない。思い込み、いや、むしろそれは「あってほしくない」という願望の反映だったのだろう。起きるはずのない大地震に直撃された結果、神戸や阪神地区、淡路島で無防備な人々はカネに対する信用が消えたいわば原始社会に突然放り込まれた。そして6400人余りの命が失われた。

平成は日本人に「無常」を教えた時代だった。高度経済成長という全てが右肩上がりの社会に慣れ、後に「バブル」と定義されるハイパー好景気の時代を生きた人々には、それこそが疑いなき日常だった。享楽の日々がいつか終わると予想した賢者はごく少数派でしかなく、だからこそ大半の日本人は宴の終わりに呆然と立ち尽くすしかなかった。

バブル経済の崩壊と阪神・淡路大震災で「無常」を学習したはずの日本人だが、平成23年(2011年)の東日本大震災でも再び「高額の授業料」を支払って無常を学ぶことになった。全く想像を超える規模の大津波、そしてチェルノブイリ事故に次ぐレベルの被害をもたらした福島第一原発の放射能漏れ事故。巨大津波で壊滅的な被害が出た仙台市の地区では、4キロ内陸にまで海水が押し寄せた。宮城県の浸水想定はそのわずか40分の1の100メートルだった。

平成の終わりを前に、日本人が「無常」の教訓を学んだかどうかは心もとない。米ビジネスウィーク誌がまとめたデータによれば、世界企業の時価総額ランキングで平成元年には上位50社のうち32社を日本企業が占めていた。ところが平成30年に残っていたのはトヨタ1社。「環境に適応できたものだけが生き残る」というダーウィンの進化論原則のまたとない好例だが、少なからぬ日本人が今でもかつての「ものづくり」の栄光にしがみついている。

平成に戦争は起きなかった。GDPはアメリカに大きく離され中国にも抜かれたが、かつてはサービス残業が当然だったのに、今は働き方改革を真面目に議論しつつ世界第3位の経済力を維持している。悪くない現状のように思える。しかし、その実われわれは過去の遺産を食いつぶしているだけかもしれない。
変わらないものは何もない。それは平成の次の時代も同じだろう。日本に戦争は起きない、という常識が消えてなくなることだって十分にあり得る。 ・・・・・・・つづく



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/05/02 05:50:06 AM
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