2019/08/16
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韓国で日本ボイコットに反旗? 日本文化めぐり分断国家の世論割れる =後節= 
= NewsWeek_Column  2019年8月10日(土)  ウォリックあずみ / 杉本あずみ(映画配給コーディネーター)


韓国映画界では日本映画自粛の動き
映画コンテンツの2次版権への影響をみると、公営放送局EBSは、7月27日オンエアの「世界の名画」で、日本映画『万引き家族』を放送予定だったが、直前でイタリア映画『夕陽のガンマン』(1965年)に差し替えた。映画輸入会社は、劇場での売り上げだけではなく、そのあと展開される2次版権も見越して映画を購入する。
放送局に放送権を売り、配信コンテンツ会社とインターネットやVODの版権を取り引きすることで利益を上げる作品もある。だからこそ、何百万人も動員できるハリウッドの派手な超大作とは反対の、公開規模は小さくても素晴らしい作品を買い付けて公開することができるのである。

映画『万引き家族』の是枝裕和監督は、韓国でも人気が高い日本人監督のひとり。しかもカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した話題作である。そんな作品ですら放送を取りやめるような状況になってしまったら、今後韓国の放送局は日本映画の放送権購入を渋りだしかねない。そうすると、韓国の映画買い付けバイヤーは日本映画の購入から足が遠のいてしまうのは確実だ。

「政治と芸術は関係ない」と日本映画上映する映画祭も
イ・サンチョン堤川市長のフェイスブックページより。日本製品のボイコット行動を理解するとしつつ、映画祭では純粋な芸術作品としての日本映画を上映すると伝えた。

このような悲観的なニュースが目立つ一方で、日韓関係に前向きな決断をした映画祭も現れた。8月8日から開催されている「堤川国際音楽映画祭」だ。今年で15回目になる堤川国際音楽映画祭は、今年上映される127本の映画のうち7本が日本映画(アメリカ/フランスなどとの合作含む)だった。上映プログラムが発表されたのは、日韓関係がこれほど悪化する以前だったが、日韓両政府の対立が深刻になっていくにつれ堤川市議会は7本の映画の上映中止を要請。



しかし、今回の映画祭組織委員長を務めるイ・サンチョン堤川市長はそれに屈せず、開催4日前の8月4日にSNSを通じて「7本のうち4本は、日本と外国との合作及び投資作品で、残りの3作も政治とは関係のない映画だ。これらの映画は政治と切り離した純粋な芸術作品である」と上映中止する考えのないことを発表。日本政府批判や日本製品のボイコットをする行動に理解を示しつつも、映画を愛する観客として映画祭への日本作品参加を認めた。

また、日中韓合作アニメ映画『あなたをずっとあいしてる』は、一時は公開が危ぶまれたが、合作であり韓国が企画・制作・投資も行ったことを強調し、8月14日に無事公開が決定した。冒頭で書いたように、奇しくも同日公開予定だった『劇場版ドラえもん のび太の月面探査記』は無期限延期という結果になってしまっただけに、『あなたをずっとあいしてる』は興行的にも成功してほしいものである。

「映画の奇跡」を邪魔するな
筆者自身は政治の専門家ではないので、現在の日韓関係についてどちらが悪いなどあれこれ論じるつもりもない。しかし、「映画」に携わっている者のひとりとしてエンターテインメントや芸術についてだけはひとこと言わせてもらいたい。映画バイヤーとして様々な国の映画を国境を越えて配給してきた筆者は、今まで何度も映画に国境はないという奇跡を目にしてきた。
自分が輸入した日本映画の試写会で感動したと涙目になりながらわざわざお礼を言いに来た韓国人女性観客。韓国映画にハマり、輸入前の字幕のついていない韓国映画まで全部見たいがために必死で語学勉強した結果ペラペラになった日本人。プサン映画祭で、なんとか日本人監督にその監督の作品が素晴らしかった一言伝えたいがためにホテル前で何時間も待っていた映画学校に通う韓国人学生......。

筆者自身、映画の世界で生きていくと決めたのは、『JFK』というハリウッド映画を小学生のときに観たことがきっかけだった。もしも何らかの理由で規制がかかるなどしてこの映画が日本で公開されなかったら、その後の人生は大きく変わっていただろう。そういう意味では自分自身、映画に国境はないという奇跡の証人である。



だから常に自分が輸入した映画はどんな作品であれ、「もしかしたら観客のその後の人生を変えてしまうかもしれない」という気持ちで大切に公開していた。だからこそ、政治的対立から特定の国の映画がこのように排除されるという事態については決して黙ってはいられない。

もちろん、観客が自身の好みと違うとか、主義主張と相容れないということで日本映画や韓国映画を観に行かないのは個人の自由である。しかし、文化やアートに政治が介入するとか、逆に政治的な対立に忖度して創り手が作品を見てもらえない、観客が観ることをはばかれる、といった事態は、絶対に許されない。あってはならないことなのである。

韓国で化粧品会社がネット炎上 社内会議で安倍賞賛する動画を強制視聴   = REUTERS_Report 2019年8月9日
[ソウル 9日 ロイター] 日本企業が出資する韓国の化粧品会社が9日、会長が社員に安倍晋三首相を称賛する動画をみせたことを巡り、謝罪声明を発表した。
この会社は、化粧品受託製造会社、日本コルマー株式会社が12.4%出資する韓国コルマー。ユニリーバなどを顧客に持つ。

中央日報などの韓国メディアによると、韓国コルマーで今週開かれたスタッフ会議で、ユン・ドンハン会長が、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領を批判し、安倍首相を称賛するユーチューブの動画を流した。
この動画は右派の政治ブロガーが投稿したもので、「安倍(首相)は間違いなく偉大なリーダーであり、文在寅大統領は安倍(首相)から顔面パンチを食らわないことに感謝すべきだ」などと品位を欠く発言が入っているという。

これに関し、インターネット上で韓国コルマーへの批判の声が高まり、9日のソウル株式市場で、同社株は一時6.2%下落。同社のウェブサイトは、アクセスが集中したためダウンしている。
韓国コルマーは、この件で公式に謝罪する声明を発表。
「この動画をみせた目的は、その偏向したコンテンツのように、感情的に反応したり騙されることがないようにすることが重要と強調することだった」と説明した。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/08/16 05:50:05 AM
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