2019/10/08
XML
【Photo of the Day= A view from the crow's nest  = by N.Geoglaphic】 
【B.G.M. of the Day= New York Jazz Lounge - Bar Jazz Bossa =】
【 虎子/ココの誇顧/ココ; 彷徨癖者・如水が愛犬のココ(ボクサー犬)の悲嘆・感嘆 / 10月08日

この法律が日本を「生産性が低すぎる国」にした=中節=

=東洋経済Online 2019/10/03 / デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長):日本論


日本に欠けているの
日本では、「日本人の真面目な国民性が関係している」「日本は集団主義で職場に休みにくい雰囲気がある」と、これまた直感的な理由しか出てこないでしょうが、海外では「有給取得率は企業規模と関係する」という要因分析がなされています。大企業になればなるほど有給取得率が上がり、小さな会社になればなるほど下がることがわかっているのです。

この傾向は万国共通で、日本も例外なく当てはまります。つまり、アメリカの有給取得率が高いのはアメリカ人の国民性ではなく、単にアメリカの労働者の約50%が大企業で働いているから。日本の有給取得率が低いのも日本人の国民性ではなく、単に日本の労働者の中で大企業に勤めている人が約13%しかいないからなのです。

長く分析の世界にいた私からすれば、国民性うんぬん、労働文化うんぬんというのは、科学的な分析から目を背けて、自分たちの都合のいい結論へと誘導していく、卑劣な論法だと言わざるをえません。

日本の低迷の主因は伸びない中小企業
さて、このように日本の専門家があまりしてこなかった「要因分析」というものを、日本経済を低迷させている諸問題に対して行っていくと、驚くべきことがわかります。

実は日本経済の低迷も、女性活躍や有給取得率でもそうだったように、最後は必ず「小さな企業が多すぎる」という問題に突き当たるのです。低賃金、少子化、財政破綻、年金不足、最先端技術の普及の低さ、輸出小国、格差問題、貧困問題……さまざまな問題の諸悪の根源を容赦なくたどっていくと、「非効率な産業構造」という結論にいたるのです。



それはつまり、日本が他の先進国と比べて、経済効率の低い小さな企業で働く人の比率が圧倒的に多く、そのような小さな企業が国からも優遇されるということです。実は日本は、生産性の低い「中小企業天国」と呼べるような産業構造になっているのです。

このような話をすると、「小さな企業が多いのは日本の伝統で、普遍的な文化だ」とこれまた漠然とした主張をする人たちが多くいらっしゃいますが、実はこれも表面的な分析に基づく”残念な勘違い”なのです。

歴史を振り返れば、小さい企業が多いのは日本の普遍的な文化だと言えるような客観的事実はどこにも見当たりません。むしろ、ある時期を境にして、現在のような「他の先進国と比べて小さな企業で働く人の割合が多すぎる」という産業構造が出来上がっていったことがよくわかります。

では、その時期はいつかというと、「1964年」です。
この年、日本はOECD(経済協力開発機構)に加入しましたが、その条件として突きつけられたのが、かねてより要求されていた「資本の自由化」でした。当時の日本では、資本が自由化されれば外資に乗っ取られるかもしれないという脅威論が唱えられ、護送船団方式など「小さな企業」を守るシステムが続々と整備されました。
つまり、1964年というのは、日本を「低生産性・低所得の国」にした「非効率な産業構造」が産声を上げたタイミングなのです。

日本を「生産性の低い国」にした中小企業基本法
そして、この「1964年体制」を法律面から支えたのが、前年に制定された中小企業基本法です。
同法は当時、「中小企業救済法」とも言われたほど、小さい企業に手厚い優遇策を示したものです。同時にその対象となる企業を絞り込むため、製造業は300人未満、小売業は50人未満とはじめて「中小企業」を定義しました。



しかし、これが逆効果となってしまいます。優遇措置を目当てに、50人未満の企業が爆発的に増えてしまったのです。
中には、企業規模を拡大できるにもかかわらず、優遇措置を受け続けたいということで、50人未満のラインを意図的に超えない中小企業まで現れてしまったのです。非効率な企業が爆発的に増え、なおかつ成長しないインセンティブまで与えてしまいました。

中小企業を応援して日本経済を元気にしようという精神からつくられた法律が、優遇に甘えられる「中小企業の壁」を築き、「他の先進国と比べて小さな企業で働く労働者の比率が多い」という非効率な産業構造を生み出してしまったという、なんとも皮肉な話なのです。

それでも1980年代までは人口が増加し続けたため、経済も成長を続けました。しかし1990年代に入り、人口増加が止まると、この生産性の低い非効率な産業構造の問題が一気に表面化してきました。

ちなみに、日本の生産性を議論する際に必ず出てくるのが、日本では製造業の生産性が高く、サービス業の生産性が低いという事実です。この現状を説明するためによく言われるのが「日本人はものづくりに向いている」「サービス産業の生産性が低いのは『おもてなし』の精神があるからだ」という”神話”のような話ですが、実はこれも非効率な産業構造ですべて説明ができます。これもまた、単に中小企業基本法の影響なのです。

この法律で、中小企業が製造業では300人未満、その他は50人未満と定義されて以降、日本ではこれに沿うような形で企業数が増えていきました。その影響もあって、製造業はどうしても他の業種よりも規模が大きくなりました。

規模が大きければ生産性が高くなるというのは、先ほども申し上げた経済学の鉄則のとおりです。一方、日本のサービス業は圧倒的に規模の小さな事業者が多く乱立しているという事実があるので、当然、生産性は顕著に低くなるというわけです。 ・・・・・・明日に続く



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;紀行・随筆・探検譜 http://thubokou.wordpress.com/
【疑心暗鬼;民族紀行・歴史紀行    http://bogoda.jugem.jp   】
【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜   http://blog.goo.ne.jp/bothukemon
・・・・・
スマイル
クリック 宜しく・・ ブログランキング・にほんブログ村へ ・・ 人気ブログランキングへ ・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019/10/09 10:49:43 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

涯 如水

涯 如水

Category

Free Space

※ お願い
下記リンクの移行は本稿(左側⇦)下端部のURL:より

【閑仁耕筆;探検家・挑戦者・登山家の譜講】
・ハインリッヒ・ハラー/オーストリア;- 01~XX節(2014-04-08)
・ジョウジ・マロリー/イギリス;- 01~09節(2014-04-06 )
・ラインホルト・メスナー/イタリア ;- 01~04節(2013-10-29)
・ウーリ=-・ステック/スイス  ;- 01~03節(2013-10-19)
・アナトリ・ブクレーエフ/ロシア ;- 01~06節(2013-10-13)
・探検家フリチョフ・ナンセン博士; - 01~12節(2013-10-13)
・探検家ゼブ・ホーガン博士;- 01~09節(2013-09-28)

【壺公夢想;Home_Page・夢想空間】
紀行随筆
・汗血馬の故郷へ;
・天山南路・歴史紀行;
・天山・草原のシルクロード;
・天山・激動の草原地帯;
紀行エピローグ・写真随筆;
西域人物伝・ティムール;
西域人物伝・ティムールの系譜;
ティムールの系譜“ムガル帝国”;
ジンギスハーンの系譜
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第一部・第一章ジュチ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第一部・第二章バトゥの野望
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第二部チャガタイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第三部オゴデイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第四部トルイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第五部フレグ家の覇権
騎馬遊牧民族
・匈奴の勃興と移動
・欧州・アッチティラの動乱
・ジュンガリア =最後の騎馬遊牧民国家=
絹繡之路(シルクロード)夜咄
・シルクロード夜咄・四駿四狗
・シルクロード夜咄・智謀の将
・シルクロード夜咄・運命の綾
ムガル帝国・建築文化

Calendar

Archives

2026/08
2026/07
2026/06
2026/05
2026/04
2026/03
2026/02
2026/01
2025/12
2025/11

Favorite Blog

米騒動 New! beabea65さん

青空日和 紘子.さん
TOKKOの 詩的な生活 T0KKOさん
しあわせが似合う人 Melody*さん
わたしのブログ 穏やかな海さん
ユーラシア大陸を旅… ユーラシア人さん
気ままにいろいろ NAKA3さん
花*hana*花 *紫陽花*さん

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: