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中国経済の強みと弱み──SWOT分析と今後の展開 =前節=
= NewsWeek_Column 2019年12月5日 三尾 幸吉郎 
                    ニッセイ基礎研究所 経済研究部 上席研究員


経済成長の勢いが鈍る中国経済
2018年12月、中国では改革開放から40周年を迎えて記念式典が開催された。国内総生産(GDP)はその間に245倍に増え世界第2位の経済大国となった。経済的豊かさを示す一人当たりGDPを見ても、1978年には世界137ヵ国・地域の中で下から4番目の貧しさだったが、2018年にはほぼ中央値まで上昇してきた。

但し、その間の道のりは必ずしも平坦ではなかった。1989年6月4日には天安門事件(六四)が発生し、経済成長率は1989年が4.2%、1990年が3.9%と落ち込んだ。また、1998年には不良債権問題が表面化し、経済成長率は1998年が7.8%、1999年が7.7%と落ち込むこととなった。

しかし、中国経済はその都度困難を克服し、改革開放から40年間の経済成長率は年平均9.5%と10%近い高成長を実現することとなった1。2008年の世界金融危機に際しても、超大型の景気対策を打ち出して10%前後の経済成長率を維持し、百年に1度とまで言われた世界経済の危機を救うこととなった。ところが、習近平氏が中国共産党トップに就任した2012年以降、経済成長率は緩やかに低下してきている。

需要別の寄与率を見ると、世界金融危機までプラス寄与だった純輸出はマイナス寄与になることが多くなり、総資本形成(投資)の寄与率は趨勢的に低下する一方、最終消費の寄与率が趨勢的に上昇している(図表-1)。そして、こうした変化の背景には中国経済が抱える構造問題がある。



中国経済が抱える構造問題
1|少子高齢化と人口オーナスの問題
中国の人口は約14億人となった。中華人民共和国が建国された1949年には約5.42億人だったので約2.5倍に増えたことになる。中国の人口は、1960~61年には大躍進政策の失敗やその後の飢饉により2年連続で減少するという危機を経験したが、それを除けば右肩上がりで増加してきた。

しかし、増加率の推移を見ると、建国から改革開放までは年率2%で増加していたが、1979年に将来の食糧難に備えるために導入された「一人っ子政策」の影響で、1980年代は年率1.5%、1990年代は同1.0%、2000年代は同0.6%、そして2011年以降は同0.5%と徐々に伸びが鈍化してきた。

そして中国は、2013年に開催された中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(第18期3中全会)で、「一人っ子政策」の軌道修正を決定、2016年には「二人っ子政策」に移行した。これを受けて2016年の出生率は1.295%と前年(1.207%)より小幅に上昇したものの2017年には再び低下、2018年には1.094%と建国以来の最低を更新した。

その背景には教育費が高いことなどから二人目の子供の誕生を望まない家庭が多いことがあるため、今後も出生率の上昇は期待できそうになく、経済成長の足かせとなりそうだ。

しかし、人口増加率の低下以上に経済成長にマイナスとなるのが生産年齢人口(15~64歳)の減少である。人口ピラミッドを見ると、現在生産年齢に位置する人口が多く、これから生産年齢に達する14歳以下の人口が少なく、定年退職が視野に入り始める50歳台の人口が多い「つぼ型」となっている。



若年層が多く高齢層が少ない「富士山型」の時期には、新たに経済活動に従事する労働力が年々増えるため、所得の伸びも高くなり経済成長を後押していた(人口ボーナス)。

しかし、「つぼ型」の人口ピラミッドになると、新たに経済活動に従事する労働力が年々減少するため、経済成長の足かせとなる(人口オーナス)。そして、財やサービスの生産をする上で中心的な役割を担う生産年齢人口は、既に2013年の10億582万人をピークに減少に転じており、今後も減少傾向は続く見込みである(下図参照)。

また、中国の従属人口比率(0~14歳と65歳以上の人口の合計÷生産年齢人口)の推移をみると、1970年代に8割弱の高水準にあった従属人口比率は、出生数の減少により若年従属人口比率(0~14歳の人口÷生産年齢人口)が4割前後まで低下、「人口ボーナス」をもたらした。

今後も若年従属人口比率の低下は続くと見られるが、今後は高齢従属人口比率(65才以上の人口÷生産年齢人口)が上昇ピッチを速めることから、従属人口比率は上昇して「人口オーナス」をもたらす見込みである。そして、中国共産党は前述の第18期3中全会で「漸進的な定年引き上げ政策を研究・策定する」との方針を示し、その悪影響の緩和に動き出した。

しかし、先進国に発展する前に高齢化が進む「未豊先老(豊かになる前に高齢化社会になる)」の懸念が高まっている。 ・・・・・・明日に続く



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/12/10 11:15:18 AM
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