2021/02/06
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​​中国の「智能化戦争」への野望 日本は現実を直視せよ =後節= ​​
= WEDGE Infinity 2021年2月2日 八塚正晃 (防衛省防衛研究所地域研究部中国研究室研究員)


   今までのような経済成長を背景とした国防費の増加が望めない中で、より広範な民間のイノベーションを国防産業に取り込むことが軍民融合発展戦略の発想である。また、核心技術の自主開発を軸に国防産業の国産化を促すことも目指されている。同戦略では海洋・宇宙・サイバー・バイオ・新エネルギーに加えてAIが重点領域に位置づけられている。

 他方で、中国は智能化を進める過程で様々な課題にも直面するであろう。人民解放軍は従来、軍事先進国のキャッチアップを通じて軍事力を強化してきたが、智能化戦争への発展プロセスでは新たな軍事における革命を先導しなければならない。米中技術覇権争いの影響で先進諸国において対中貿易投資規制が強まる中、今後人民解放軍は自力で軍事における革命を進める資源をどこまで有しているのだろうか。

 これに加えて、AIなどに通じた専門人材の需要が民間で急速に高まる中、政治教育を重視する軍が専門人材を育成・確保することは一層難しくなるだろう。より大きな問題として、AIにどこまで作戦指揮・戦略決定を担わせるかという議論は、人民解放軍に対する中国共産党の政治的支配という正統性に大きな疑問を突き付けることにもなるだろう。

 AIの軍事利用は、国際安全保障環境に大きな影響を及ぼしうる一方で、現時点でこれを規制する国際法はない。こうした中、ジュネーブ国連本部で特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みにおいて、19年11月に自律型致死性兵器システム(LAWS)を国際的に規制するための議論の指針が初めて合意された(右表)。LAWSは現時点で世界において存在しないと言われるが、この議論の動向は将来の智能化戦争の在り方に影響を及ぼすであろう。

 中国政府は、同指針の合意に対して賛同の意を表明している。だが、他方で智能化戦争への適応をいち早く進めるためにAIの軍事利用に係る研究開発を進めていくであろうし、自国の軍事的な優位性を確保するという観点から同規制の議論へ影響力の行使を狙うであろう。また、CCWは原則として武力紛争時を対象としているため、LAWSに係る新たな条約が成立したとしても、中国の運用が予想されるような平時の哨戒活動や烈度の低い紛争での利用には適用されない可能性がある。

無人機発進への対応で体力消耗 ____ 米欧巻き込んだコンセンサスを
 以上のように、人民解放軍が智能化戦争への適応を進めていることは、日本の安全保障へ大きな影響を及ぼしうることは明らかである。例えば、前記した18年4月の偵察用無人機の防空識別圏内での飛行に対しては、航空自衛隊が有人によるスクランブル発進をかけており、いわば〝有人対無人〟の遭遇という非対称な状況が現実に生起している。

 今後、無人機による防空識別圏への進入を頻繁に実施して日本側にコスト・インポージング(相手に負荷をかけて力を消耗させること)することも考えられる。さらに、無人機が遠隔操作ではなく汎用型AIを搭載して自律的に周辺海空域で運用され始めた場合、現場の対応をより一層複雑にし、不測の事態を招きかねない。



 これを踏まえれば、日本は多層的な取り組みを通じて安定した国際安全保障環境作りを急ぐ必要があろう。例えば、日本政府は、智能化へ向けた中国の動向や将来戦のあり方に対する研究を深めるとともに、様々な可能性を想定した対処方針や法的整備を検討しておくことが求められる。

 また、中国との二国間関係では、日中高級事務レベル海洋協議や日中海空連絡メカニズム年次会合・専門会合など既存の対話枠組みの活用・充実を通じて、周辺海空域における無人機やAI兵器の利用に係る共通認識の形成や不測の事態を招かないよう透明性の確保と危機管理メカニズムの改善を図るべきだろう。

 さらには、無人機やLAWSをめぐる国際規範の形成プロセスへ日本政府・専門家が積極的に参加して国際的な議論をリードするとともに、共通の認識を有する米欧豪や新興諸国との間で議論を深めて早期のルール形成を図ることも必要になるだろう。

​ ​世界で加速するAIの軍事利用 新時代の日米同盟にも課題 =前節=
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_米国が抱える「苦悩」​

= WEDGE Infinity 2021年2月1日 齊藤孝祐 (横浜国立大学研究推進機構特任准教授)
  米中対立が先鋭化する中、先端技術の動向に注目が集まる。米国でも人工知能(AI)をはじめとする先端技術を軍事部門に取り込むための研究が加速している。

 AIの戦略的な利用が加速度的に進められるようになったのは、2014年に発表された「国防イノベーションイニシアティブ」、そしてそれを受けて展開された「第三次オフセット戦略」でのことである。そこでは、AIやビッグデータの活用が「人と機械の協働」を実現し、さらにサイバーセキュリティーや電子戦、ミサイル防衛といった分野において迅速かつ良質な意思決定を可能にする方法として注目されるようになった。

 その後、AI利用の検討が進み、現在は戦場から通常業務まで幅広い利用が模索されている。たとえば18年に国防総省が発表したAI戦略では、作戦補助、訓練、維持管理、部隊保護、兵員の募集、ヘルスケアなどを含めて、あらゆる分野へのAI導入を進めていくことが示された。

 また最近では、「全領域統合指揮統制」のコンセプトを実現するためのAI活用も提案されている。これは、最適な標的選択・武器選択を行うためのシステムを構築しようというものである。このほかにも、ロボット兵器に一定の自律性を持たせることで、中国などが作り出している接近阻止・領域拒否(A2/AD)環境への対応能力を高めるといったアイディアもある。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2021/02/06 11:22:16 AM
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