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ブルーノート・レーベルの誇る裏ヒーローのひとりがホレス・パーラン。右手が不自由なため左手でメロディーを弾くとか、独特のアーシーさが魅力とか、ジャズ本にはパーランの特徴がいろいろ書かれているが、「もっと直感的に書いてもいいんじゃないか」と思う。猫麻呂がこの作品で感じる直感的印象とは「匂い」なのだ。以前、このブログでパーランの"Up & Down"について「ジャス喫茶」との関連で書いたが、今回もやっぱり「ジャズ喫茶」との関連で考えてみたい。タバコの煙が充満する阿片窟のようなジャズ喫茶。一番安いジンを飲みながら(ジャズ喫茶でのアルコール摂取は邪道かもしれないが)、まったりとしたレコードをリクエストしたい。マイルスやコルトレーンのようなビッグネームは、例えそれが"Blue Haze / Miles Davis"のような渋い作品であってもリクエストするのは憚られる。ピアノ・トリオは柄にもないし、大好きなブロー系サックスはクサくていいんだけど、もっとヌルっとした手触りが欲しい。モブレーやマクリーンではありきたりだし、ちょっとマニアックでガツんと来るものはないの?ナニ?、アーニー・ヘンリーだって?それは次の機会にしてくれないかな・・・?(続く)そんな時は迷わずパーラン作品から選びたい。グラント・グリーン入りセッションもいいけど、今日はタレンタイン兄弟入りの2管クインテット。これが絶妙な程良い臭さなのだ。アーシーなだけでなく、ハードバップの甘酸っぱさ、テナーサックスのエロさ、トミー・タレンタインのファイト一発等々、複雑な香りがブレンドされ、ジャズのエキスが滲み出ているのだ。これ1枚でご飯がおかわりできるほどオイシイのだが、いかんせん、ご飯を出してくれるジャズ喫茶はないだろう。相変わらず下らないことばかり書き連ねているが、この作品はとにかく「ジャズ喫茶」の匂いを強く感じるのだ。もちろん、「ジャズ喫茶」絶滅危惧種であり、「ジャズ喫茶を知らない子供たち」が増えている現代にこんなこと書いてもしょうがないんだろうけど・・・。この作品、トミー・タレンタインの気合に注目して聴いて欲しい。軟弱なスタンリーと対照的にトミーは骨太な演奏でバンドを引き締め、音楽の輪郭を描いている。ソロだって多少のミスはあるものの、豪快で誠実な吹きっぷりにはホレボレする。最近、この手のヘタウマ系トランペットの好演を聴くのが嬉しくてしょうがないのだ。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Horace Parlan / Speakin' My Piece (BlueNote)
2006年08月26日
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猛暑の中で聴くコルトレーンは苦行に近いと知りながら、ついつい秀逸なジャケットデザインに魅かれてこのCDを聴いてしまう。1曲目の"Ol?"はスパニッシュな雰囲気の曲。マイルスのように涼しげに演奏してくれても良さそうなものを、いきなりトップギアの苦行モードで迫ってくる。2本のベースが不快指数を上げ、スパニッシュというよりもカルカッタな雰囲気だ。とにかく暑苦しい演奏が続くが、ジョージ・レーンのフルートだけは涼しげだ。2曲目"Dahomey Dance"はどこかマイルスの"Freddie Freeloader"に似たような雰囲気の曲。ジョージ・レーンのアルトサックスはコルトレーンやフレディー・ハバードとは明らかに別次元に行ってしまっている。さすがはエリック・・・いや、ジョージ・レーンだ。3曲目"Aisha"はマッコイ・タイナーのバラード曲。ようやくこのCDも涼しげになってきた。コルトレーンとフレディーの甘い音色にうっとりしていると、ジョージ・レーンの切り裂くようなソロが飛び込んできて一気に目が覚めた。いやー、ジョージ・レーンはタダモノではないですよ。4曲目はボーナストラックの"To Her Ladyship"はバラードだ。ジョージ・レーンのフルートが素晴らしい。もっと素晴らしいのがフレディーの木管楽器のような甘い音色だろう。こんな音をたまに出しちゃうからフレディーは恐ろしい。3曲目からバラードが2曲続くが、このボーナストラックは収録されていてホントに良かったと思う。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)John Coltrane / Ol? Coltrane (Atlantic)
2006年08月20日
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久しぶりに興奮しました。JazzIconシリーズのDVDはスゴイです。まずは、このサイトでサンプル動画を見てください。http://www.jazzicons.com/アート・ブレイキーの動画は、なんとBNにモーニンを録音した時代のメンバーじゃないですか!リー・モーガンとベニー・ゴルソンの2管時代のJMが、ある意味「最も幸せなハードバップ」かもしれませんね。サンプル動画では"Just By Myself"でのモーガンのソロがフィーチャーされています。何とも艶やかなソロではないですか。江戸っ子言葉でまくし立てるようなカッコよさが絶品です。悩みのない音楽というか、とにかくまっしぐらな感じがよく出ています。サンプル動画が想像以上に凄かったのがクインシー・ジョーンズのビッグバンド。メンバーリストを見てナルホドという感じ。サンプル動画で出てくるジェローム・リチャードソンがもの凄い。このDVDは一度全部見てみたいですね。サンプル動画ではわからなかったのですが、ガレスピーバンドのメンバーも強烈です。ガレスピー抜きだったら最高なメンバーなんだけど、どうなんでしょうね。チェット・ベイカーのサンプル動画(1964年)は演奏にキレがないものの、チェットらしい演奏でいい感じ。1979年の動画次第では結構「買い」の動画かもしれない。モンクのサンプル動画は映像も音も比較的鮮明で良い感じ。ただし、いつものモンクワールドなので、他に似たような動画を持っている人はあえて買う必要はないかも・・・。エラの動画は珍しい50年代のもの。ロイ・エルドリッジがエラの横で意味不明なオブリガードをつけているのが笑える。晩年の痩せたエラではなく、パワフルなオバサンだった時代のサンプル動画は見ごたえがありましたが、ボーカルものは買ってまで見たくはない、というのが本音かな。以上、注目作品のサンプル動画インプレでした。
2006年08月19日
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コールマン・ホーキンスはジャズサックスの父と言われる割には人気が今ひとつだ。スイング・テナーならレスター・ヤングかベン・ウェブスターばかりが取り上げられ、ホーキンスはいつも神棚に祭られる「歴史上の人」となってしまう。まったく寂しい限りだ。ホーキンスはそんじょそこらのスイング爺とは違い、コルトレーンやオーネット・コールマン、エリック・ドルフィー並みの「イカレポンチ」なのに・・・。もちろん、50年代末以降の晩年は好々爺風になってしまったけれど、1940年代のバップ・ムーブメントを牽引したひとりだったのだ。しかも、バップ以前から「元祖シーツ・オブ・サウンズ」として当時としては過激派の最先端を行っていた人なのである。かの有名なソニー・ロリンズがホーキンスとレスターを神様と崇め奉っていたのは、単に「ジャズ史上の偉人」という意味だけでなく、彼らの40-50年代の生演奏を聴いてホントにぶっ飛んだんだんだろうなァ、と思う。ホーキンスファンのひとりとして長々とヨイショしてしまったが、今日のCDはそんな過激なホーキンス大先生の晩年の作品を取り上げたい。最初にお断りしておくが、晩年のホーキンスに過激さを求めてはいけない。ゲバ棒かついで新宿で警官隊と小競り合いをしていたかつての闘志も今や会社の役員になり、引退後は田舎でのんびり暮らしたい・・・などと思うのと同様、ホーキンスだって好きな曲を悠然と奏でてみたいのである。しかし、ホーキンスと言えばかつては王座を長年に渡り欲しいままにしてきた男である。王者の気品と風格を伴いながら過去の栄光を振り返るような優しくも寂しげな眼差しはホーキンスならではの味わいなのだ。こんな複雑な情緒を音に乗せられる人は数少ない。イメージは違うが、晩年のチェット・ベイカーに通じるものがあるかもしれない、なんていうのは極論だろうが、心で感じるジャズという意味では同じだろう。このCDが特に良いのは、ピアノのロンネル・ブライトが参加していることだろう。ホーキンスのしみじみとした味わいを見事に増幅させている。これがトミー・フラナガンではホーキンスも枯れた味わいにならない。ハンク・ジョーンズでは淡々としすぎる。レイ・ブライアントでは内に篭ってしまう。ロンネル・ブライトの適度な華が丁度良かったのだろう。ケニー・バレルも何故か参加しているが、渋い演奏に徹していて邪魔にならない。RVGリマスターで再発されたCDを購入したのだが、RVGにしては音が地味で篭り気味。内容に合わせたマスタリングをしているのかもしれない。RVG恐るべし・・・。AMGでは厳しいレーティングとなっているが、ホーキンスファンの猫麻呂の評価ではホーキンス作品の中でも特に出来が良い方だと思う。AMGの評者はホーキンスが嫌いなんじゃないかな・・・。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Coleman Hawkins / The Hawk Relaxes (MoodsVille)
2006年08月05日
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