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フレディー・レッドの作品は、お涙頂戴風ではないのに何故か切なくなるような感がする。BNのレッド作品では泣かせ職人のジャッキー・マクリーンによる相乗効果により、かなりメロメロな感じだったが、今日のCDではピアノトリオなので、直情的ではなくしみじみとしたメランコリーが堪能できる。全曲レッドのオリジナル曲であり、どの曲も泣けるほど良い曲ばかり。1曲目の"Diane I Love You"からいきなりレッド・ワールドに突入する。まさに鉛色のパリの空といった感じの出だしから徐々に風景が変化していく感じが面白い。2曲目はレッドにしては珍しいファンキー風の演奏となっているのだが、やっぱりどこか淋しげな感じがする。3曲目は"To Bud With Love"は目まぐるしく曲調が変化する曲。トロトロのバラード演奏から3拍子のミディアムテンポとなり、次にはアップテンポの4ビートとなって、またスローに戻るという猫の目のような変りぶり。4曲目"This Heart Is Mine"はこれといった特徴の無い曲だが、こういう曲にレッドのメランコリーがさりげなく滲み出ているのが嬉しい。5曲目"You"はベースとのデュオでしっとりと聴かせる泣かせ曲。6曲目"My God Is Love"はゴキゲンな曲にも関わらず、やっぱりどこかもの悲しい。しかも、唐突にやってくるエンディングが何とも言えない不思議な感じなのである。この作品、何故かallmusicでは評価が2.5と低いのだが、プレスティジのレイ・ブライアント・トリオとアーゴのドド・マーマローサと並ぶ3大泣かせるピアノ・トリオ作品の1つだと思う。猫麻呂ポイント:★★★★★(5.0)Freddie Redd / Under Paris Skies (Futura Swing 03)
2006年09月30日
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牛乳瓶の底のような眼鏡をかけたルネ・トーマがこのブログに2度目の登場となるとは思わなかった。トーマはベルギー出身のギタリストでパリで活躍した人。本人曰くはジャンゴ・ラインハルトから影響を受けたらしいが、そんな影響はこのCDを聴く限り全く感じない。どのように聴いてもバップなのだ。初期のバーニー・ケッセルやジミー・レイニーのような硬くてクールな単音ギターの音にはゾクゾクしてしまう。1曲目から8曲目のバークレーセッション(1954年)と9曲目から16曲目までのポリドールセッションがカップリングされた徳用盤なのだが、渋めのバークレーセッションと明るいポリドールセッションとで雰囲気が若干異なる。どちらが好みかは人によるだろうが、猫麻呂はクールな中にもどこか湿った感じのするバークレーの方が好きだ。まずはバークレーセッションの聴きどころから。2曲目"How About You?"ではサックスが抜けてトーマの演奏がたっぷり楽しめるほか、7曲目の"Lover Man"では甘さに流れないトーマの渋い演奏が堪能できる。マッタリしたテンポで演奏される4曲目"All The Things You Are"でのトーマのクール&メロウな音も美味しい。5曲目"Continental"でのシンバル打ちも心地よいものがある。次にポリドールセッションだが、全体的にウェストコーストもののような明るさがある中で異色なのが10曲目の"My Old Frame"と14曲目の"Someone to Watch Over Me"。13曲目の"The Real Cat"は"You Steppped Out of A Dream"を元にしたトーマのオリジナル曲だが、元々コード進行が気持ちよい曲なので気持ち良くスイングしている。逆に15曲目の"Get Happy"は曲のメロディーとコードを変えてしまっているので何の曲か分らなくなってしまっているが、こちらも聴いていて気持ちよい16曲目の"A Night in Tunisia"は予想通りの演奏だが、マイナーの曲でのトーマは渋かっこよさが引き立っている。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Rene Thomas / The Real Cat (Universal)
2006年09月23日
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ビル・エヴァンスによるホーン入りセッションというだけでも珍しいが、この作品の人選がどう考えても不可思議なのだ。完全に異質なのがフィリー・ジョー・ジョーンズで、微妙に異質なのがズート・シムズとロン・カーター。どういった経緯でこのような人選になったのかが不思議なところだ。全体的にエヴァンス色を前面に出した内容なのだが、エヴァンス・ワールドにフィリー・ジョーのズンドコズンドコが入り、何も考えていないロン・カーターが適当に音を流すというところがこの作品のまとまりの無さというか、妙な面白さとも言えるのだが、ジム・ホールの絡みとズート・シムズの好演が光る「隠れ面白盤」かもしれない。特に、いつもは田舎臭いスインガーのズートが、エヴァンスに合わせて辛口の音色&フレーズに徹しているところが聴きどころだろう。スタン・ゲッツがエヴァンス競演した作品と比較すると、ゲッツの閃き勝負に対してズートの渋さ勝負という比較になるだろう。サックス奏者の美味しい特徴が上手く引き出されているのはエヴァンスのお陰なのだろうか・・・。この作品、輸入盤では"Loose Blues"として入手可能だったものの、国内盤では久しく廃盤となっていたものだ。中身はともかく、ジャケット写真では絶対に国内盤でないと雰囲気が出ない。今回、国内盤が廉価盤として再発されることになったのは嬉しい。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Bill Evans / Funkallero (Riverside) 1. Loose Bloose (take3) 2. Loose Bloose (take2,4) 3. Fudgesickle Built for Four 4. Time Remembered 5. Funkallero 6. My Bells 7. There Came You 8. Fun RideBill Evans (p), Zoot Simz (ts), Jim Hall (g), Ron Carter (b), Philly Joe Jones (ds)Recorded on Aug 21 & 22, 1962
2006年09月17日
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ビバップ世代の数少ない生証人となったロイ・ヘインズによるチャーリー・パーカー・トリビュート作品。パーカー作の曲だけでなくパーカーゆかりの曲としてのスタンダードも加えられている。これだけであれば大して驚かないのだが、参加メンバーを見てクリビツテンギョウ。ハーグローヴまでは驚かないが、ケニー・ギャレット、デイヴィッド・キコスキ、デイヴ・ホランドというメンバーでビバップとは、随分思い切った「企画モノ」である。電気マイルスも登場するのではないか・・・というサプライズも期待してしまった。ところが、意外にもバップっぽい演奏なのである。もちろん、使っているフレーズや和音はビバップではなく今時のジャズ(「ネオ・バップ」って言うんでしょうか?)なのだが、ギャレットやホランドにしては随分とバップ寄りの演奏と言えるだろう。何とも言えぬ浮遊感のあるバップとでも言うか、バップを素材に遊んでみました的な音楽というか、一回だけ聴くには結構楽しい作品になっていると思う。しかし、最後まで聴いても大したサプライズがないまま終わってしまう。涙も笑いもない。これでは毒にもクスリにもならない。そうだ、毒が足りないのだ。全面的に不調でかつ面白みのないハーグローヴを外し、代わりにウォレス・ルーニーのような毒性の強いトランペッターを入れるべきだった。ちょっと手厳しく書いてしまったが、全てはハーグローヴが悪い。それに、所詮「企画モノ」は何度も繰り返し聴いて面白いものではない、と言うことだろう。しかし、繰り返しになるが、一回だけ聴くには結構面白い作品だと思う。猫麻呂ポイント:★★★☆(3.5)Roy Haynes / Birds of a Feather (Dreyfus)
2006年09月10日
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ジェレミー・ぺルトを応援する猫麻呂ブログとしては、嬉しいCDがリリースされた。キャノンボール・バンドに長年在籍したルイス・ヘイズがキャノンボール役をヴィンセント・ハーリング、ナット役にぺルトを擁して、キャノンボール・バンドを再現するというのが、キャノンボール・レガシー・バンド企画らしい。各地でライブ活動を行っているらしいが、このCDはヴァン・ゲルダー・スタジオでの録音だ。この手の「企画モノ」というのは普通は長続きしないものだが、ルイス・ヘイズの"Dremin' of Cannonball"から数えても4年は経過していることになる。ルイス・ヘイズの老人力・・・じゃなくて求心力と、ハーリングのキャノンボールに対する想いが牽引力となっているのだろう。不思議なのが、ぺルトのようなクールな人間がお祭り企画に長く加わっている点だ。こういうモノマネ大会のような企画といえばニコラス・ペイトンが一番フィットするはずなのだが・・・。ぺルトの場合、「ナット・アダレーのトラで入ったフレディー・ハバードのモノマネ」という、背景の入り組んだマニアックなモノマネと思えなくもないが、「ぺルト流クールファンキー」という方が近いかもしれない。いずれにせよ、ぺルト・ファンには興味深い作品となった。ついついぺルトの話ばかり書いてしまったが、ハーリングとヘイズも聴きどころ満載だ。ハーリングは、キャノンボールの色気と毒気こそ再現できないものの、フレージングはキャノンボールそのものであり、キャノンボールへの愛情が滲み出ているのが分かる。一方ヘイズは、キャノンボール・バンドでの日々を懐かしむと同時に、若い世代とバリバリのジャズが出来る喜びに溢れている。ヘイズのシンバルには、そんな想いが表れているような気がする。大半の曲がキャノンボールのファンキー・ナンバーで思わずニンマリしてしまうのだが、雰囲気の違う曲が2曲ある。1曲はぺルト作曲の "The Two of Them"。キャノンボールとナットに奉げるバラードだが、ここだけは完全にペルト・ワールドになっている。もう1曲は"Autumn Leaves"。いわゆる"Somethin' Else"の枯葉をイメージした演奏なのだが、これはキャノンボール・バンドには相応しくない選曲だったと思う。しかし、ペルトによるマイルス・デイヴィス・トリビュートとして聴くと、これがなかなか興味深い。キャノンボール・レガシー・バンドという企画、是非とも活動を続けて欲しいと思うが、懐メロだけでなくキャノンボール風の新曲を作って、真のキャノンボール・バンド復活を目指して欲しいなぁ・・・。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Louis Hayes & Cannonball Legacy Band / Maximum Firepower (Savant)Louis Hays(ds), Vincent Herring(as), Jeremy Pelt(tp,cor,flh)Rick Germanson(p), Anthony Wonsey(p), Richie Goods(b)Recorded on June 5 & 28, 2006 1. Jessica's Birthday 2. This Here 3. Lisa 4. Little Boy With The Sad Eyes 5. The Two Of Them 6. Sweet Georgia Bright 7. New Delhi 8. Sack O'Woe 9. Autumn Leaves 10. Unit 7
2006年09月09日
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ある日突然、超メジャーなジャズマンの義理の兄になっりしたら驚くよな・・・。いきなり訳の分からないイントロになってしまったが、このCDの事の発端は「義理の兄」の話から始まる。スウェーデンのジャズオタクの妹(姉?)モニカがアメリカに留学したところ、ジャンキーのテナーマンにナンパされ、そのまま付き合い始めてしまったらしい。ある日、妹から国際電話が入った。「ねぇお兄ちゃん、スタン・ゲッツとかいう人知ってる?モニカ、日本のテレビで"ゲッツ"ってやってるお笑いの人なら知ってるんだけど、どうやらスタン・ゲッツって有名なジャズの人なんだって・・・。」この電話で仰け反ってしまった人が、このCDのライナーに書いていた話だ。そりゃ、思いっきりノケぞりますわナ。結局、モニカはゲッツと結婚した。「スウェーデン食わぬは男の恥じ」ってヤツですか。田舎娘をたぶらかしたミュージシャンなんぞは、普通だったら「お兄ちゃん絶対に許さんぞ!」となるはずだが、ジャズオタのお兄ちゃんだったのが幸いしたらしい。そんなこんなで、ゲッツは「スウェーデン好きのジャズマン」となった。何故か療養のためにスウェーデンに長期滞在していたともライナーに書いてある。余程のパツキン好きだったのか、本物の北欧好きだったのかは怪しいところだが・・・。1977年、ベースで参加しているモニカのお兄ちゃん(=Peter Silfverskold)は、義兄のゲッツを招いてお食事会を開いた。しかし、そこはジャズオタのお兄ちゃんなので、バンド仲間やジャズオタがここぞと集まってしまい、プライベート・セッションとなってしまったのだろう。長くなったが、このCDはそのプライベート・セッションの私家録音なのである。音のバランスも悪いしゲッツやピアノの音がこもっているのはそのせいだろう。また、ゲッツ以外の演奏は非常にヌルい。しかし、このユルユル感が案外良かったりするのだ。ゲッツの鼻歌フレーズの頂点ともいえるぬるま湯感なのである。そのくせ、5曲目の"Snoopy's Back"というブルースで気合の入った早吹きをしてみたりするところがゲッツらしいとも言えるだろう。曲はスタンダード中心なので、まったりと鼻歌フレーズに浸りたいゲッツ・ファンには嬉しい1枚に違いない。(猫麻呂は相当嬉しかった!)猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Stan Getz / Affinity (FourLeaf)
2006年09月02日
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