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7月の映画(録画)「ミレニアム 火と戯れる女」 2009年 スウェーデン「ミレニアム 眠れる女と狂卓の騎士」 2009年 スウェーデン「東京暮色 」1957年 日本「アバウト・ア・ボウイ」 2002年 アメリカ「甘い生活 」1960年 イタリア「ジャッカル」 1997年 アメリカ「アラバマ物語」 1962年 アメリカ「武士の家計簿」 2010年 日本「戦場のピアニスト」 2002年 ポーランド「愛情物語 」1956年 アメリカ「裸足になって 2022年 仏 アルジェリア「早春」 1956年 日本「岸辺の旅」 2015年 日本「危険がいっぱい」 1964年 フランス「スワンの恋」 1983年 仏 ドイツ「インドシナ」 1992年 フランス「パリタクシー」 2022年 フランス 「素直な悪女」 1956年 フランス「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 2000年 デンマーク「冒険者たち」 1967年 フランス「ドミノ」 2023年 アメリカ「ドライブ・マイ・カー」 2021年 日本「うず潮」 1975年 フランス「終電車」 1980年 フランス「ロバと王女」 1970年 フランス赤字 とくに印象深い映画、好きな作品映画を見る時間が多くなりました。結局今まで見てきていなかったので、話題になったもの、名画として残っているものが多くあるのです。2時間近く拘束されるのも疲れるのですが、いったん休憩すると前のあらすじ忘れてしまうので(笑)釘付けに、映画も体力いります!
2024年08月15日
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このところ続けて観ている映画、それなりに映画論みたいな感想がわいてくる。雨のシーンがとてもうまく使われている。(荒井晴彦監督の「花腐し」「この国の空」「身も心も」しかも、天気雨というのが面白かった。)背景になっている作成当時の街や自然の風景が、結構写実の景色だから歴史的な映像になって残るのだなあと。(特に「お茶漬けの味」)文芸作品も多いから読み比べができる。(『花腐し』松浦寿輝、『かあちゃん』山本周五郎、『テス』トーマス・ハーディなど)文学の行間から立ち上がるものとは違うけど、映像もやっぱり脳内でリフレインする芸術なのだと、わかった風におもう。観た映画(2024.6.10~6.30)崖の上のポニョ(2008年 日本)まあだだよ(1993年 日本)64ロクヨン 前編 ( 2016年 日本)コン・エア (1997年 アメリカ)猫の恩返し(2002年 日本)犯人に告ぐ(2007年 日本)男と女(1966年 フランス)かあちゃん( 2001年 日本)花腐し(2023年 日本)ほつれる(2023年 日本)ドリームガールズ(2006年 アメリカ)この国の空 (2015年 日本)ミレニアム ドラゴンタトゥーの女(2009年 スウェーデン)身も心も(1997年 日本)青いカフタンの仕立て屋( 2022年 フランス モロッコ ベルギー デンマーク)テス(1979年 イギリス フランス)64ロクヨン 後編(2016年 日本)お茶漬けの味(1952年 日本)
2024年07月01日
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ちょっと映画鑑賞に凝ってます。それにしても、こんなに見なくても~という1週間でした。 タイトル製作年国丘の上の本屋さん2022年イタリア恋人たちの予感1989年アメリカMr,Mrs,スミス2005年アメリカ夜明けまでバス停で2022年日本ギルバート・グレイプ1993年アメリカディジー・ミラー1974年アメリカ緑の光線1985年フランス暗黒街の二人1973年仏 イタリア銀河鉄道の父2023年日本新旧、さまざま取り交ぜて、自分の感だけで選んで観たのです。どれにも感動してしまい、感想を書いたらきりがない。映像の力恐るべし。きっかけは何気なく見たイタリア映画「丘の上の本屋さん」イタリアの風光明媚な丘の上の古本屋さんが舞台。初老の男性が店主。その店主がアフリカ大陸からの移民の賢い少年に、つぎつぎと本を貸して読書の指南をするのです。まあ、ありふれたストーリー展開といえばそうでもあります。しかしその本の選択が素晴らしい!というかわたしの好み。ディズニーのまんがから始まって、ピノキオ、イソップ物語、『星の王子さま』『ロビンソン・クルーソー』『アンクルトムの小屋』『ドンキホーテ』あげく、メルビルの『白鯨』やらジャック・ロンドンの『白い牙』そして『人間宣言』までも。わかりますねえ。老店主役の俳優レモ・ジローネの表情がじつにいい。アフリカ移民の賢い少年役も可愛い。本好きだからこそ、この映画に感動したのもありますが、読書とはまた違った思念がわいてくるものですね。
2024年06月09日
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はじめにこの映画は夫との初デイト記念の映画と申し上げます(笑)時は1963年初夏神宮球場の阪神戦を観戦の予定でしたが、雨で中止になり、新宿に出て映画を見るということになったのでしたその当時は映画も華やかな娯楽休日とあって席も離れ離れにしか取れなかったことを覚えています鑑賞後、居酒屋で「すごく、面白かったね」と感想を言い合い「特急こだまの洗面所の窓」と「病院の焼却場の煙」は強烈な印象にさて、それから55年・・・時々TVで放映されていることは知っておりましたが、見る機会はなく昨日、BSでの何回目かの放映に、たまたま二人とも時間があって今度は椅子を並べ、大画面TVで迫力満点の鑑賞でしたところが、ストーリや背景をいろいろ忘れているものですね、息子を誘拐されてしまう主人公(三船敏郎)が靴の会社の重役だったのですね~あのころは「銀座ワシントン靴店」とか「ダイアナ靴店」とか会社が銀座だったものですからわたしたちOLの御用達でしてねお給料をいただくと、目星をつけていたハイヒールなどを買いに行ったものでした今のように履きやすい靴を究めるなどではなく、足を素敵な靴に合わせる時代そのためにわたしは美しかった足が「外反母趾」になってしまった(涙なんてのは余計な話でしたねぇ第一、誘拐された男の子が主人公の息子ではなく、運転手青木の息子だったとはそれも忘れていました主人公らが頻繁に「青木」「青木」と呼び捨てにするところからも時代を感じますねこの青木役の俳優さん、はまり役ですね~それに刑事さんたちや会社の人物たちやその他大勢、その後の映画やTVで大活躍の俳優さんたちでしたねみんな若くてね、あたりまえか!わたしたちも若かったしね横浜の古いときの高島屋、伊勢佐木町、江ノ島、江ノ電、腰越、東海道線、酒匂川などの映像もその後の移り変わりを知っているだけに、昭和史の映像版ですねもちろん映画史に残る、映画らしい映画で静と動、人間の奥深い心理、ラストの叫びは新鮮、かつ普遍性がありますね犯人山崎努さんのそれまでは一言もセリフ無しが利いて、演技迫力でしたモノクロの画面の煙突からピンクの煙が上がる場面はやっぱり忘れていましたので、すごく新鮮でした~~~実はふたりともほんとに細部・細部を忘れていて、今更ながら「いい映画だ」と感動して、でも、146分、寄る年波には勝てずくたびれたふたりでした・・・・エド・マクベインの作、87分署シリーズ『キングの身代金』が原作とか映画とはこういうものだ
2018年10月10日
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とりだめていたHDDで見ましたなんとこの器機アナログなんです、それでこの際処分をしようその前に見ておこうと、動機は不純なれど忙しい合間を縫っての、見ごたえ、手ごたえありました岸谷五朗がいい、肉体もそうですが、在日コリアンのたくましさがよく出ていますパブ勤めのフィリッピン人女性とのからみも濃厚でそれが嫌味に感じられないのが俳優の力かな、です大河ドラマ「お江」の時の秀吉もなかなか見ものでした映画全体も北・南なんての思想的なものではなくて、好感持てました小さなタクシー会社に働く人たちの人間模様と悲哀、でもエネルギーに満ちてま、1993年作成ですから4半世紀まえ、こんな風に牧歌的だったのかなあ
2018年06月26日
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実話でないけれど、太平洋戦争後、日本人がこんな風に暮らした、生きたということを彷彿させる、映画らしい映画でした。たぶんわたしより少し上の年齢(4歳上の夫ぐらいの)ひとたちがストリーのあちらこちらを「真実だ!」と思ったに違いありません。わたしたちの行ったのが平日だからか、その年配の人が多かったですね。一緒に行った夫が特に同感したと思います。夫は4歳のとき病気で父親を亡くしましたので、出征して亡くなってしまうこの映画のストーリとは違いますが、状況は同じ戦中戦後を過ごしたわけです。姑に話を聞かされているわたしにもそれがよくわかりました。というか、ほろ苦く思い出ながら・・・。篠原涼子演じる息子の嫁ほどぶっ飛んではいませんでしたが、似たり寄ったりだったかもしれません。あの混乱時代に男手なく生きる女親懸命で毅然としていたら、自然と独立独歩になりますね。息子にも厳しいのですよ。それを吉永小百合は賢く美しくうまく演じています。(姑も美人だった 口も達者で、厳しくて 汗)いじめ、布製のグローブの逸話など何度聞かされたか(これは夫)疎開していた田舎から農作物を担いで東京に売りに行った。(これは姑)再婚話があっても絶対に「否」というのも同じ(これも姑)そんな風に思い出しながら、身につまされながらも、映画の醍醐味を味わい尽くし、真剣に鑑賞させられたので、感動でくたびれたふたりでございました。「映写機壊れた事件」のリベンジは東京にしました。銀座「丸の内TOEI」東京なら他にもいっぱい映画館がありますからね(笑)感動というか、圧倒されてくたびれましたが、鑑賞後、交通会館のあの回転レストラン「銀座スカイラウンジ」で遅い昼食。はじめのうちはぼっーとしておりましたが、ランチワインで気付。実はこれ初体験なんです!(笑)古い古い元祖回転レストランなのにね。80分で一周、夜景がいいのですね。でも、昼間は高い新しい知らないビルディングばかり、銀座はよく知っているのに見知らぬ街になってました・・・。そのうち東京タワーも登ってみよう(笑)
2018年03月26日
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先日、是枝祐和監督「海よりもまだ深く」を見て来ましたあらすじは作家をめざしてなれなかった男、だらしがなくて大人になれない男が別れた妻もあきらめきれず、養育費も滞るくせに息子に会いたがり、団地に住む年老いた母にもたかる、くすねるを繰り返すそのどうしようもない男が元妻息子と嵐の一夜を母親の団地で過ごす ドラマ「どこでまちがったんだろう?」という 男、阿部寛はともかく樹木希林の母の何気ない演技が素晴らしいし、元妻の真木よう子がいい雰囲気でしたドラマはあるのですが、団地風景がメインとおもいましたホント、懐かしい~わたしたちの世代ってそんな「昔の団地」を通り過ぎたり 、いまだに住んでいたりって多いです古くなって建て替えも始まってますが、あれだけの規模に増殖した団地おいそれとはなくならないです古くやたら大きくなった木々の葉に吹く風の映像が印象深く、たまりませんでした それからダイニングキッチンの狭さ、流しまわりのごちゃごちゃさベランダの鉢植えの木や植物「花も実もつけないミカンの木」はダメ男の母が大切に水やり(笑ダイニングテーブルに落ちんばかりに載っているラジオ、さまざまな日用道具や食器 ごしのさえない息子と母の会話はなにとはなく(涙映画って映像でもありますね むかし、フランス、イギリス映画の映像によって外国にあこがれて雰囲気に浸った喜びもこれだったのですね
2016年06月23日
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リンク友ひよこさんお勧め映画「天空の蜂」を観てきたお勧め通り見ごたえある作品で「ああ、映画館で映画を堪能!」と久しぶりに思ったことである内容、感想はひよこさんのブログにおまかせ(手抜き)して「ああ、これじゃあねえ~~~」と嘆息した映画館の現状に改めて感じたことを言おうわたしが時々観る映画は岩波ホールとかシネスイッチでやる全国に封切り展開するような映画ではないつまりまあ、芸術的ではあるが趣味の世界のようなもの映画館もこじんまりして観客も多くはないがそこそこはいっているところがこの作品たまたまわたしが観た日が最終日だった場所は東京も有楽町のど真ん中「丸の内ピカデリー」しかも一日一回上映のみさぞかしいっぱいだろうと思ったのだがガラガラ(20人くらい)でびっくりしたま、ウイークデーだったし9月から放映しているのだから観る人は観てしまったのだろうし興業成果も知らないし、最終日だけで言うのは短絡だろうが昔のこの「丸の内ピカデリー」映画館の盛況を知っている者には寂しいかぎり(1960年70年代ね)80年代だってこうじゃなかったような気がしてるものねビデオ、DVDなどの功罪とは知って永いけど映画館の経営は大変だねゆったりとしたふかふかのシート、適度の室温きれいで清潔なトイレルームもったいないなあ、と思うと同時にいつまでこれがあるのかとも思うそれに作る映画の方もいろいろと大変だろうなあ
2015年11月08日
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『あなたを抱きしめる日まで』というイギリス映画を観た主演がジュディ・デンチという女優さんでそのおばあさん演技派女優に魅せられてしまった予備知識なく見たので、なおさら印象深かったのかもしれない鑑賞後ネットで調べるとなるほど、知る人ぞ知る名女優であったのであるしたがって感動したのはストーリの「フィロミナ」か、演じる「ジュディ・デンチ」にかあらすじは1952年アイルランドわかいフィロミナ、未婚のままに妊娠し因習にみちた時代、家を追い出され強引に修道院に入れられて息子を生む修道院で過酷な労働を強いられながらも(世話になったお礼のてため)息子に時々会う生活ところが、修道院は3歳になる息子をアメリカに養子に出してしまった息子の行方を追わないことまで誓約させられてしまうそれから50年イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じよる年波、ついに娘に打ち明ける娘が知り合いの元ジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)BBCを何やらしくじり、クビになって腐っている彼に話を持ちかけた生き馬の目を抜くしかし、元ジャーナリストのマーティンと純真だけれどちょっとおろかな、おばあちゃんフィロミナはじめにアイルランドの修道院そしてアメリカ大陸にこのふたりの「息子を捜す」旅がなんともいえなく、おもしろかなしいのが見せ場であるだから笑いと涙なのだけれども、いやらしい母ものになりはせずたくまずして演技なのであるマーティン役のスティーヴ・クーガンの顔もいい失意を秘めて泣き笑いのような彼の顔の演技が地のようにみえるなるほど、脚本に彼自身も参加しているというのも頷ける 『あなたを抱きしめるまで』You Tube 予告編タイトルが原題の”Philomena” (フィロミナ)のほうがよかった かな実話だそうだが宗教という戒律は硬直しているものだ何が良くて何が悪かったのか人間生きて過ごしてみなければわからない
2014年04月17日
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2、3日前のBSで鑑賞名画の誉れ高き作品(有名な作品)なのに今頃初めて観た文字派のわたしではあるが、映画だって嫌いではない若いころの娯楽といえば映画にまさるものはない時代だったし学生の頃、映画論の科目もとっていたのだ習ったはずではないか、なのに見逃していた(サボっていたんかな)ちょと、おしかったなあチャップリンの老いて味のある素顔に惚れたまともにチャップリンの映画を観ていたわけではないので断片的な映像のチャップリンはおどけ顔ばかり落差もあり、なんといい顔だろうと思ったウィキベディアなどを読めば初素顔作品とのことだが過去の栄光はふたたび輝くのかストーリーは単純失意のバレリーナが自殺しかけているのをみつけたアルコール依存らしい人気の落ちた中年の元道化役者その可憐なバレリーナなんて昔の女優(クレア・ブルームというひと)は美しいのだろ特にチャップリンの励ましのおかしい動作や会話にさびしげに笑うところ、光があふれるようだ彼女に同情して介抱しているうちにお互いに恋におち、年の差婚もなんのそのとはいかないってな風合いで、山あり谷ありのおもしろ・かなしさしかしな~わたしたち老人は過去の輝いていたときの思い出ばなしが好きだよなあ映画ってセリフがいいものがいつまでも印象に残る随所にひかるセリフがいい特に最後「こころは動かせるが、心臓を動かすのはままならない」というようなところがね
2014年03月06日
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アルジェリア昨日、映画を見た 場所は東京岩波ホール映画のタイトルは「最初の人間」イタリア ジャンニ・アメリオ監督2011年作品アルベール・カミュの自伝的遺作の映画化の予備知識で『異邦人』も『ペスト』も大昔読んだきり、内容も忘れて定かではない状態で観たところが映画の舞台はフランス植民地時代のアルジェリア(少年が育った時代)そして追憶の旅に出たという映画の現在時1957年(アルジェリアの独立1960年の寸前という設定)で、時宜を得たというかいっきに現実の出来事(日本の企業が関係するプラントの人質事件)に思いを馳せてしまった次第ちなみにわたしがこの現実の出来事の報道に思ったことは日本のマスコミって相変わらず「日本人は何人拘束されたか、何人無事か」ということばかり言ってアルジェリアの背景となんたる誘因の故かということを取り上げないのが不満であったさて映画追憶のアルジェリア旅に出た作家コルムリ「(ノーベル文学賞受賞後のカミュと思われる)は老いた母を市場の雑踏で見つける時は1957年独立を望むアルジェリア人とフランス人の間は穏やかでないしかし母は昔のまま、彼はそこで生まれ、貧しかった少年時代を思い出す貧しかったけれども厳しい祖母と愛情あふれる母との強い家族のつながりほんとにこの祖母の厳しいしつけの描写はすごい(ま、そこはイタリア映画らしい 少年時代の子役がうまいなぁ)小学校の理解ある恩師による学識への道、年老いたその先生との再会(恩師役の俳優もイタリア映画らしい)また、幼馴染小学校旧友アルジェリア人の誇り高さに感動した少年時代追憶の訪問に再会すれど、立場が逆転するかに見えたがしかし、皮肉な哀しい結果旧友アルジェリア人の息子が爆破事件に関係して官憲につかまり成功した作家の力にすがったが毅然として断った息子にその精神が受け継がれたのであったアルジェリア人とフランス人の根深い確執人間として最初に培われたものは「何だったのか」ということもちろんこの映画ひとつでアルジェリアがわかるわけでもないしカミュだってわからないっだけれども「今日、ママンが死んだ」で始まる『異邦人』読み返してみないとねたしか主人公が「殺したのか?」ではなかったかしらん?だってこの映画では母を訪ねるのだから、、、、『最初の人間』公式サイト
2013年01月20日
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人に優しいひとは自分にも優しくなりがち、人との関係がかみ合わず幸せではない。自分に厳しいひとは人にあまり優しくないが人生の設計はうまくいくようだ。というような映画評を読んでちょっと興味を持ち観て来た。「家族の庭」(2010年イギリス)監督マイク・リーあらすじは地質学者のトムと医学カウンセラーのジェリーの夫婦は、休日には市民農園でガーデニングを楽しみ、穏やかな日々を過ごしている。ひとり息子のジョーは30歳だが、まだ恋人がいないようだ。幸福な生活を送っている夫婦の元には、友人たちがよくやってくる。古くからの友人のケンは、孤独な人生を嘆き、ジェリーの同僚のメアリーは男運の無さを訴えお酒に手を出すといった具合だ。秋になり、ジョーが恋人を連れて家にやってくる。(コピー)つまり、子育ても終わり、とりたててこともない日常が描かれている。熟年夫婦円満の家庭に、家庭の無いひとたちがやってきて嘆き節を繰り広げるが、夫婦は優しく包み込んでいるようである。優しい夫婦?理想に近づくためには厳しい選択をしたはず、けして穏やかで優しくなかったはずという姿がほの見えてくるのでもある。イギリス版小津映画ともいえる。原題は "ANOTHER YEAR” 春夏秋冬の章に分かれていて市民農園でのシーンが美しいし、興味深い。イギリスの一般的な家の中らしい画面もおもしろくよい。
2011年11月20日
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ほんとうのことを声高に言ってはいけない!妥協しながら穏やかに静に暮らして待つうちに希望につながるのだ今は何を言ってもファシストのの時代なのだ!それはいつかは消えていくものなのだからと精神科医に諭されてもわたしは愛している!わたしを認めて!と狂気のごとく叫び続けたムッソリーニの愛人ムッソリーニによって精神病院に閉じ込められて無念無残に死んでいく公式HPあんまり劇場で映画を観ないわたしだが、ちょうど東京に居て時間の空きがあり全国に先駆けて東京は新宿一箇所でしか上映されていないし、と雨の中を出かけて、当たり!と思ったものだから日経夕刊中条省吾さんの映画評論にちょっとそそられたということもある愛人が権力を持った公人に踏みにじられるという図は目新しいことではないしムッソリーニを肯定しているわけではないがマルコ・ベロッキオという監督の映画手法と主演のジョバンナ・メッゾジョルノ フィッリポ・ティーミの演技がよくて、ひさしぶりに映画らしい映画を観たという満足感を味わったあとで白黒映画だったかしら思ったほど雪の降る場面が印象的昔はそんな風にして映画を楽しんだものだ
2011年06月03日
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映画も嫌いではないけれども、本のほうがもっと好きです。というわけで映画を見る時間があったら読書に時間を使うわたしです。 しかし、こう見ないでいると見そびれたまま死んでしまうかも、と(おおげさなんだが)見ようと思って「日本映画専門チャンネル」を契約したのでありました。 ところがこのチャンネルの放映してくれるものの制作年代が古すぎです。特に名作ものはそうでした。 初めのうちは「懐かしい風景~」「古きよき時代」なんて言ってましたが、たまに見ると感涙ものの古きよき映画も沢山見れば飽きますし、なんといっても迫力がいまいち。 そう、映画の醍醐味は今や、スピーディー、展開が速い、構成があざやかという点において勝っています。 もちろん早いだけがいいのではありません、ゆったり流れるようなのでもセンスが違うんです。研究者でもないわたしたちは映像の何たるかという映画論で見るわけではないので旧い名作は少しで結構に思いました。 おもしろくてわくわくしたり、映画にはいりこんで、すてきで洒落た生き生きした気分になりたいのですよ。 で、チャンネル契約をWOWOWに切り替えました。いまのところ楽しく見ています。 2日 「レッドクリフ Part 1」(2008年) 3日 「レッドクリフ Part 2 -未来への最終決戦-」(2009年) と見て、昨夜は「マンマ・ミーア」(2008年) メリル・ストリーブも「マデイソン郡の橋」の時はちょっとがっかりしましたが、とてもすてきでした。なにしろ前編歌いまくるABBAの歌がいい! もう30年前になるかなー、ABBAのコンサート行きましたよ。そのころはLPのレコード版しかないのでそれを持ってます、と言ってもプレーヤーがありません。昔、カセットテープに落としたものをさっそく聴いてますよ。 (ああ、カセットデッキも、まともなのはもう一台しかないわ~!) しかし、一日に一本の映画見るのも疲れますねー(笑)
2010年01月05日
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このところ古い日本の映画漬けである。 BSのアンテナのほかにCSのアンテナも立てているのがうちのTV環境である。ほんとはあまりTVを見ている暇が無いのに。 CSを契約した事情は野球、阪神戦(夫の)ですな。わかるひとはわかる(笑) で、野球も終わり、夫の趣味の時代劇チャンネルも飽きたというので、チャンネル契約を解除したのだが、基本料が残るのでそれももったいない(というのも変だけれども)と日本映画チャンネルを契約してみたのだ。 取ったからには見なければと努力している(笑)けれども時間はかかるし、映画って案外くたびれるし、なんのためにそうしているのだかという気はする。 おととい観たのは 『華麗なる一族』(1974年 監督:山本薩夫 出演:佐分利信/仲代達矢 いわずと知れた山崎豊子源作、最近TVドラマ化されキムタクが出ていたよね。この古い方は女優陣に京マチ子 月丘夢路 山本陽子 酒井和歌子 ほかに田宮二郎 目黒祐樹と旧い人が豪華で、わたしには身近だった。 しかし、このカラー映画の背景が懐かしい。阪神地方が主な舞台で六甲山への道とか神戸港とか。国会議事堂も同じ建物なのに古ぼけて映っているし(笑)銀座も旧いまま、って当たり前か。ありました、ダンスホールの場面(笑) 3時間半の長さでくたびれた。家で観てもそうなのだから、『沈まぬ太陽』は大変だろうな、いくら良いシアターでいい椅子でもね。ましてこの映画の昔は粗末な椅子であったろうよ。ほんと!昔は映画が娯楽であったということ。 さきほど 『黒い樹海』 (88分 1960年 監督:原田治夫 出演:叶順子/藤巻潤 ) 松本清張源作で読んだ記憶はないけれど、たぶん構築がしっかりしていて、がっかりしないだろうと観た。 ストーリーはまあまあ、推理といえるほどでもなく、サスペンスとしてもヒッチコックを狙ったのはわかるな、ぐらい。 しかしこれもモノクロだけれども背景やファッションが懐かしい~。襟の大きな、厚いウール地のスーツ。着ていたよ、確かに。 銀座。当時のロケで思い出そのまま、またまたダンスの場面多し。わたしたちは映画に触発されてそんなところにいったのか、風俗がそうだったのか(笑) なんだか時代って知らぬ間に通り過ぎていくのだなぁー。そこにいると変化を忘れている。もし浦島太郎ならびっくりするのにね。 と感慨に浸っているのはいいけれども、そうもしていられない忙しなさと、動作も思考も遅くなった時間との闘いでもある日々よ。
2009年11月03日
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昨夜、雫井脩介の『犯人に告ぐ』の映画化されたものをTVで観ました。 原作は読んでいないのですが、映画としてまとまっていると思いました。豊川悦司もTVドラマより締まっている感じです。 連続子供殺人事件という重いテーマでの警察官、被害者の家族、犯人、マスコミそれぞれ立場の違いのなかの警察官の位置から描いてあり、それはある種颯爽としてました。 しかし、事件そのものの起こる原因、誘因はすこしも解明していないので、最近でも次々と起こる無差別殺人のやりきれなさは素通りの感じです。 原作を読んだ感想のブログなど拝見すると本は違うようです。読んだ方がいいかもしれません。 勿論、映画の短い時間の中あれもこれもは無理でしょう。重なったNHKのETV特集「私の源氏物語」は録画してなどと、わたしとしてはひさしぶりのTV映画鑑賞集中して観てしまいましたということです。 映画やTVを観ていると本が読めない、その他日常生活やおつきあいもありまして、これでも忙しい土曜も日曜もない、「サンデー毎日」(古)なのであります。
2008年11月17日
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わたし最近読書欲が鈍っています。 まず、読む本の選択がうまくいかない、読んでもエキサイトしない、したがって感想もおざなり、ブログも精彩がない、です。 じゃぁ、日常はどうかというと平々凡々、仕事を集中的にやり、家事をこなし、東京と畑の家を週末に行ったり来たりの相変わらずです。 つまり変化がないのですね 昨夜、WOWOWで「ホリデイ」観ました。 WOWOWは契約していないのだけれど、無料サービス期間だったのと、番組表で「キャメロン・ディアス」とあったのでちょっと見たかった、と消極的理由。 だけど、これがしゃれて、すてきな映画でしたよ♪ いっぺんに元気でましたね あらすじは ハリウッドの映画予告編製作会社の社長アマンダ(キャメロン・ディアス)と、ロンドン郊外に住む新聞記者のアイリス(ケイト・ウィンスレット)。クリスマス直前になってそれぞれ恋に破れた2人は、ネットを介して"ホーム・エクスチェンジをすることに。アマンダはロンドンに、アイリスはビバリーヒルズに旅立つが......。(シネマトゥデイ) ちょっと交換して住んでみる家がイギリスの小さな田舎屋とビバリーヒルズの豪華お屋敷。交換した家でのあらたな出会い、恋。コメディーあり映画に関する追憶あり、(ここゾクゾクしましたよ)と、夢いっぱいでした。 これこそ映画(たまに観たからなのかもしれないけど)、映画から活力をもらう!! 久しぶりでした~ わたしのつぼにはまったということでしょうか 「ホリデイ」の情報 恋に破れた2人の女性同士が、家や車を交換する"ホーム・エクスチェンジ"を試み、人生を開花させていくラブストーリー。主演は『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのキャメロン・ディアスと『タイタニック』のケイト・ウィンスレット。彼女たちがそれぞれ恋に落ちる男性をジュード・ロウとジャック・ブラックが演じる。監督は『恋愛適齢期』のナンシー・メイヤーズ。豪華キャストの好演と小粋でロマンチックな展開が堪能できる。(シネマトゥデイ)
2008年02月11日
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昨夜のTV映画を、平積みで見かける東野圭吾の本『手紙』の表紙やら、沢尻エリカの騒動につられて観ました。(ミーハーです 笑)期待してなかったのですが、案に相違してよかったですよ。主役の山田孝之や沢尻エリカという俳優さんの演技がなかなかいいのです。思わずつぼつぼで大涙してしまいましたよ。とくにおふたりの目の演技が心の奥をのぞかせて、観るものに迫ってくるんです。二人のその後の姿、つまり気楽な若者から結婚して子供との家庭生活まで演じるのですが、その演技も不自然でないのです。よく若い人が年輪を演じると変なのですが違いました。沢尻エリカが単に人形のような美形にどどまっていないだろう、と感じましたがどうでしょうか。山田孝之にも将来性をみました。加害者の家族、被害者の家族の「不幸・重圧」というテーマは、この映画だけで描ききるには大き過ぎますが、手紙で「あやまれば終わりということではない」とのメッセージは、最近の様々な不祥事の陳謝だけするような姿に重なり、考えさせられます。東野圭吾の本のメッセージもそうでしょうか?
2007年12月24日
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忘れないために久しぶりにTVBSNHK第二で観た映画のことを。番組表(11月21日)を見ていて、ヴィスコンティの「夏の嵐」とは聞いたことがない、と思いつつ時間があったので観た。なんじゃらほい。メロドラマもいいところ。19世紀半ばイタリア国家統一の激動の中、ヴェネツィアの伯爵夫人リヴィア(アリダ・ヴァリ)がオーストリア軍中尉フランツ(ファーリ・グレンジャー)と熱烈な不倫愛に。しかし、きらびやかな歌劇舞台、貴婦人の館のしつらえ、豪華な衣装、暗いヴェネツィアの運河の水、運河沿いの壁の不安、人物にあたる光と影の美しい画面、イタリア軍とオーストリア軍戦闘場面のみごとさ。さすがヴィスコンティであった。とうてい1954年の作とは思えないできばえ。伯爵夫人のアリダ・ヴァリという女優の神神しいまでの退廃的な美貌や、強烈さに、ヴィスコンティ監督は腕をふるったのだろうかね。でも観る価値があったよ。
2006年11月23日
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久しぶりの映画感想。いわゆる韓国純愛もの映画のお初です。とにかく映像が美しい。夢のあるイメージが楽しい。まず、海にせり出して建てられたしゃれた家が気に入ってしまう。小屋ふうなのに、中はハイテクノロジー、超おしゃれ。長いデッキをあるいて「郵便受け」へ行くなんて…夢でしか見られない。しかもその骨董品みたいな郵便受けただものじゃない。郵便受けが1998年と2000年をつなぐ。男と女の友情を育み、やがて愛に。すじと言えばあるような、ないようなだけれど、なぜか厭きさせない。とくべつなことじゃない、使いふるされた「時空を超えての物語」なんだけれど。なぜかな?俳優(イ・ジョンジェ、チョン・ジョビン)があくがないからか。セリフがことさら大仰(おおぎょう)じゃないからか。映像のつながりの基本がしっかりしているからか。例えば小屋への電源はどうなっているのか、電信柱はなかったみたいだ、などとゆめゆめ考えてはいけない。映像の粋をこらした、美しいまぼろしのような映画だった。うーん不思議じゃと思いつつ、最後まで堪能してしまったよ。監督はイ・ヒョンスン。同名の「イルマーレ」にて、最近ハリウッドでリメイクされているよね。
2006年10月01日
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監督 イザベル・コペット主演 サラ・ポーリー マーク・ラファロ気を引かれる題名なのと、そういえばリンク友のalexさんのブログでも拝見したよな、と思い出しスカイパーフェクトTVで観た。映画そのものは20代の美ししき女性(既婚、女児二人)が癌で余命3ヶ月、悲しみのうちに10のやりたかったことを着々と実行していくという内容。まずまずの出来上がり。やすっぽく泣かせるようなのではなくまあ、説得力はあった。し残したことのひとつに燃えるような恋するというのがあって不倫にはしるのは、そりゃなんじゃい?とびっくりするが…。また夫に自分の後釜の妻になる女性を選んで用意しておきたいとは出来過ぎ!とばかりいえない。若気の至りで結婚してしまった夫とは精神的にはつながりがなく、3人目の子供のような夫だったということ。真剣な恋を望む心は、残す女の子たちに誕生日ごとのメッセージを録音して置くというのにつながり考えさせられる。気になるのはその題の「死ぬまでにしたい10のこと」。さて、わたしは?してしまった10のことのほうが多い。じゃぁいつ死んでもいいのか、いえ、ささやかにし残したことはあるからもう少し生かしてね!もちろんたくさん本を読みたいってことさ!
2005年11月27日
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昨夜BSハイビジョンで観た。主演高峰秀子。加藤大介、宝田明、小林圭樹、田中絹代、草笛光子、仲谷昇、伊藤雄之助、多々良純、加藤武らの綺羅星の如くの脇役。俳優の皆様、懐かし~い、若くてきれいだ~!芙美子役の高峰秀子「放浪記」は林芙美子の原作もいいし、森光子の舞台も60年代の初期に観たし、最近のもTVでも観たりで馴染み深い。映画ははじめてであったがなかなかよろしかった。高峰秀子の脱美人をめざしたようなメイキャップの工夫、だれたような、じれたような演技もすばらしい。高峰秀子で思い出すのは「老いのみじまい」について書いているエッセイのこと。「だんだん身軽になること」という。本だけ残しておちゃわん二つお皿二枚、家は平屋、部屋数少なく、家具道具は減らし高価な飾り物なし「梅沢龍三郎」の絵ただ一枚あればいいと言いきっている。「龍三郎」の絵は高価だと思うがモデルになったとき頂いたものらしい。後になるべく何も残さないのがいいという。きっと実行していらっしゃるのだろう。ひっそりとね。本だけは残しておくというところに共鳴、真似したいのだが…。
2005年09月10日
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海外旅行の飛行機で、観光バスで、たまにテレビでその後のシリーズはちらりと観てはいた。くすくす笑い程度ではあったが、まあ暇つぶしである。ところが昨夜、BS2で第二作目の「続…」を初めて観て感動した。すごくよく出来た娯楽映画であった。私は真実お腹を抱えて笑い、泣いた。一時間半厭きさせなかった。話のつじつまが合わない、セットのお粗末さを補って余りあった。当時映画作りに勢いがあったのだ。渥美清、倍賞千恵子、佐藤オリエの演技もいいし、山田洋次監督の手腕もあるだろう。なるほど48作もシリーズするわけである。映画のセットといえば懐かしい品物が登場している。テレビの型、お湯入れのポットのデザイン、ミニスカートなどのファッション、みんな懐かしい。そんなものを泣き笑いの合間に見て楽しんだ。このごろ映画鑑賞、シアターはもちろんTVやDVDもご無沙汰していた。久しぶりの娯楽であった。
2005年08月10日
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『ダイ・シージエ監督が自らの体験をもとにフランス語で執筆したベストセラー小説「バルザックと小さな中国のお針子」の映画化。』と、やはり作成した監督(中国人で文化大革命を経験した)の思い入れのある作品。ストーリー 1971年、文化大革命真っ只中の中国。2人の青年マーとルオは、反革命分子の子として再教育を受けるために山奥に送りこまれた。彼らを待っていたのは過酷な労働だった。そんなある日、彼らは年老いた仕立て屋の美しい孫娘のお針子に出会う。3人は仲良くなり、彼らは文盲のお針子に内緒で手に入れた外国文学を読み聞かせるようになる。外国の文化に触れ、しだいに自由な感情に目覚めていくお針子。そして彼女はついに…。(BSジャパンHPより) 私が見た中国の桂林ではないだろうが、似たような中国の山奥。尾根に石畳があり、過酷な農業をしなければならない風景が美しく映し出される。南画に出てくるような山の上の小屋。そんな村での素朴な生活。そこへ繰り広げられる異色の世界文学の名作の数々。美しく可愛いお針子に読み聞かせる青年二人。「罪と罰」ドフトエフスキー「アンナカレーニナ」トルストイ「ジャン・クリストフ」ロマン・ロラン魯迅、「紅楼夢」等々文学者が文学作品が画面に飛び出す。そしてバルザックの作品がお針子の心をもっとも捉える。「従妹ベット」「ゴリオ爺さん」「谷間のゆり」バルザックの作品の次々と朗読され、その印象的な一節に観ている者にも染み込んでいくようだ。人間は感情のままに生きるものにあらず、文字によって観念というものがあるのを知る。ああ、かたちの無いものに目覚めてしまった小さな可愛いお針子。映画は青春の輝きをも照らす。観終わって心に残る映画のひとつだ。私はひそかに本棚のバルザックを取り出してしまう。
2004年09月24日
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BSジャパンのコマーシャルではないが、シネマクラッシュ今週のテーマは<読んではならぬ>。とくれば、本好きは観なければならん映画だろうということで今週も3本観ることに...。----------で、「私家本」なるほど、なるほど興味深い。ベルナール・ラップ監督の初作品。『雑誌記者、ニュースキャスターとして活躍するB.ラップが、原作に触発されて撮った監督デビュー作。』とあるが、初めて創ってこんなにすばらしいの!ってびっくり。主人公エドワード(テレス・スタンプ)は編集者。昔、恋人を自殺に追い込んだ敵(かたき)ニコラに報復する、その手段に私家本を創るというストーリー。舞台はイギリスロンドン。出版社。編集室の秘書。作品を売り込む作家。文学賞。本がぎっちりと並んだ書斎。古本屋。怪しげな地下印刷所。タイプライター。活字。小さな製本屋。書評家。出版記念会。このぞくぞくするような(本好きにとって)情景が美しい画面で流れ、ほんとにほんとに満足させられた。持ち込まれた原稿によって、偶然、敵(かたき)が解ってしまう編集者のテレス・スタンプが『まさにいぶし銀の演技で』存在感ある。敵の作家ニコラ(D.メズギッシュ)も追い込まれておびえた表情がいい。『エドワードのニコラに対する復讐劇は緻密に静かに着々と進められていった…。』とその復讐の過程がミステリなのも面白い。はっとさせられる場面の切り替えにも映画らしさを感じた。これが映画ってもんだよどうだ!と監督が銀幕(この言葉も懐かしい)の裏で言っているようだった。
2004年09月23日
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見はじめると癖になる。このところ毎晩「シネマクラッシュ」by BSジャパン。<結婚のゆくえ>特集。まず、9月7日(火)「モンスーン・ウェディング」20:55~23:00 を観た。これが面白かったのだ。2001年インド。ミラ・ナイールというインド人女性監督では初めてヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した作品。「結婚式を素材に現代のリアルなインドと昔ながらの伝統を巧みに表現し、さまざまな愛を豊かに織り込んだインド映画の最高傑作!」珍しくてきれいで目を奪われた。苦悩に満ちたヒロインの花嫁の大きな目が印象的。イベント屋の男が召使の娘に恋をする姿もコミカル。芸達者な俳優たち。面白うて悲しい。ストーリー インドのデリーに住むビジネスマン、ベルマ氏の家の庭では、結婚式の準備が始まった。長女のアディティが急に親の決めた縁談を承諾したからだ。モンスーンの時期に伝統的な結婚式を盛大に挙げようと張り切るベルマ氏。結婚式に参加するために続々と到着する親戚たち。しかし、実は不倫を清算しきれずに悩む花嫁、心に傷を持つ従姉など、挙式の準備が進む中でさまざまな人々の愛と葛藤が浮かびあがってくる。(BSジャパンHPより)次の晩。9月8日(水)「アニバーサリーの夜に」20:55~23:002001年アメリカ。 脚本監督主演が同じ、ジェニファー・ジェイソン・リー、アラン・カミングの二人という映画。競演が友人の俳優たち。アメリカハリウッドでの 実生活を彷彿させる贅沢な暮らし、倦怠の中で迎える結婚6年記念日。あまりにもかけ離れた日常ではあるが、結婚とはなんぞや、愛とはなんぞやのセリフは気が利いているので観てしまう。ストーリー 今日はハリウッドで活躍する女優サリーと小説家ジョー夫婦の6回目の結婚記念日。自宅で催されたパーティーには、女優、俳優、監督を始めとする夫婦の親しい友人である業界のセレブが勢ぞろい。今度ジョーが初監督する映画の主演女優スカイも参加。サリーはジョーが彼女をパーティーに招いたことが気に入らない。しかし、スカイが持ってきたプレゼントによってパーティーは思わぬ展開に。そしてジョーのもとに悲しい知らせが・・・。 (BSジャパンHPより)そして3日目の晩。9月9日(木)「アフターグロウ」20:55~23:00 1997年アメリカ。冷め気味の熟年夫婦とセックスレス、子供が欲しい若夫婦のスワッピングさながらのW不倫。と過激な内容ながら、「愛してる」というセリフのなんと多いことか。そりゃあ長い間にはいろいろあるだろうが、というところ。演技はうまい!特に熟年夫婦役のN.ノルティとJ.クリスティ。ストーリー 仕事にしか興味のない若き起業家ジェフリーと子供が欲しくてたまらないマリアンの若夫婦。便利屋のラッキーと元B級映画の女優フィリスの熟年夫婦。ある日ラッキーは部屋の改装の仕事でマリアン宅を訪れる。冷たい夫への不満が日々つのっていたマリアンと、娘の家出以来夫婦関係が冷めきってしまっているラッキーは、たちまち不倫関係に。そして、それぞれの夫と妻もひょんなことから出会うことに。このW不倫関係の行方は……。(BSジャパンHPより)3作品を見ての感想。映画って面白い!俳優の演技を観るのか?脚本に感じ入るのか?映像のきれいさに目を奪われるのか? 娯楽であることだけは確か。でも、疲れたかも。
2004年09月10日
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ついに「ロード・オブ・ザ・リング」の映画を観た。ムービープラスに登場したのでね。原作「指輪物語」のほうも話題になっているの?実はsumirexさんが書き込みして下さった中に「LOTR」をぽつぽつ読んでいるとあったのね。はい、私何のことかわかりません。教えてもらってなるほど、遅れているーと自覚、興味あったから飛びついて観た。「わぉー」3時間、TVに釘付け。息もつかせない面白さ!あらすじはたいしてないんだけどね。要するに頭が空っぽになりスピードと音に酔ってしまった。絵もきれい、オーストラリアの自然なのかな?デジタル処理もおもしろーい。次の晩「007/ダイヤモンドは永遠に」をやったのでちらっと観て思い出したのだが、昔これに参った理由がスピード感、アイデァ豊富な道具、トリックの繰り広げ。変な比較だがその比でない。「007」とろーい。ああ、30数年の映画技術の進化!ちょっと前に「ハリーポッターと賢者の石」(2001年)もやったので観たが少々がっかり、私は断然こちらが面白い。「ハリーポッター」も大変なブームだね。本を本屋さんで手にとって見た。子供の本だからといって読みにくいはずはないのだが、読みづらそうなきがするよ、どうだろう?とにかく、「ロード・オブ・ザ・リング」の映画は文句なく楽しかったね。
2004年09月06日
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小津安二郎監督の映画。BS放送、懐かしの映画会とか、音も映像も悪いのだが。昨日の小津監督「長屋紳士録」(1947年)にひきつづき映画らしい映画を観たのだった。----------あらすじは有名な「東京物語」とだぶる。がそれほどシリアスではない。あの戦後の経済、住宅事情が悪い時代より前の時代でゆとりがあったのか?東京の財もあり家柄もある家の69歳になる主人が心筋梗塞で亡くなった。あると思った財も借入金のほうが多く、屋敷、書画骨董も売り払うことになる。残されたのは母と未婚の末娘(高峰三枝子)。しかも、父の亡くなるすぐ前に調いかけていた縁談も破談となる。長兄、姉二人それぞれ所帯を持って相当に暮らしている。兄のひとり(佐分利信)は少々はずれてきままな暮らし(父亡き後、天津での事業)。家族会議。長兄の所にひとまず引き取られるが、義姉との確執が当然起こる。長姉の所に転がり込むが、孫の教育問題で母と姉が気まずく、妹も働いて自立を望むが姉の体裁にのため諌められ、居心地が悪い。両家とも部屋数はあるし、お手伝いさんもいるのにね。ここが「東京物語」と違う。もうひとりの姉の家にもう世話にならず、一族の別荘だろうが、鵠沼(鎌倉)に引っ込むということになる。父の一周忌。きままなほうの兄が天津から駆けつけ、事情を知り激怒。自分と一緒に天津に行かないかと誘う。当時は中国は新天地。母のような老人でも暮らしやすく、妹も誰に気兼ねなく働くことも可能と。(ここらあったりは当時の政策、風潮か。ご存知、その後中国に渡ったために大変な苦労をした人も多かったのだから皮肉だ)兄妹、お互いに結婚相手を紹介する約束をしてエンドマーク。----------いつになくあらすじを詳しく書いたが、二つの点でとても印象的かつ、感銘を受けたので忘れないために。ひとつ。最近こういう映画があるのだろうか?見終わった後にジーンとして考え込ませるような。これぞ映画映像の正統手法。脚本の妙味。SFXもカーチェイスも度肝を抜くシーンもいいけれど、やはり感銘深いものもいいのだ。昔の映画以外に無いのではと私に思わせるので(知らないのかもしれないが)。いやいや、アメリカにもヨーロッパにもアジアにもある。日本に最近無いのだと思う。あったら誰か教えて~。もうひとつは個人的なこと。1941年私の生まれた年。12月に真珠湾攻撃があった年に作られた映画。前にも書いたが私がこの世を認識した時、何もかも乏しかった時代だったのよね。(ちなみに「長屋紳士録」(1947年)が幼児の時こんな風だったのねと)しかし、この映画にはゆたかにあるではないか。洋風生活、書画骨董、お菓子にケーキ、喫茶室、きれいな着物。まじまじと見とれたね。私の知らない昭和初期の生活ぶりをね。やっと納得した、母や姑の昔話がうそでないことが。今、宮部みゆきの「蒲生邸事件」読んでいるが、宮部さんの書かれる会話の部分はちょっと違うなーと思うが、これで背景は想像つく。
2004年09月03日
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観ましたか?DVDを持っているし、何度も観ているのに昨夜TVでまた観てしまいました。『主人公は27才OL、タエ子。自分の生き方にどこか疑問を感じ始めていたある日、彼女は10日間の一人旅に出かけ、ふとしたきっかけで小学5年生の頃を思い出します。』(DVDのジャケットより)その10才の初恋のおもひで。クラスメートのおせっかいで(これってありがち、ほほえましい)ひょんなことから、憎からずと思っている野球のうまい男の子広田くんに道でばったり、どきまぎするふたり。広田くん、もごもごした後「あめの日とくもりの日とはれと、どれがいちばん好き」タエ子「く、くもり」(グローブに球がバシッ、の図)広田くん「あ、おんなじだ」球をたかーく、高く放り投げながら行ってしまう広田くん。タエ子も駆け出し、だんだん空にのぼり飛んで、空をすいすい泳ぐ。ああ、この場面、好きです。他にも共感するところが...。『その思い出を連れて訪れた山形で、田舎の自然とそこに生きる人々に触れ、タエ子は本当の自分を見つけはじめます。』そうして「トシオさん」に逢います。勇気のいる有機農業をしているトシオさん。その交流の場面にも好もしいところがいっぱい。その中でも田舎をトシオさんが説明して「田舎の風景は自然に出来たのではなく、先祖代々、農家のひとたちが作ってきたのだ。あの森もだれそれのじいちゃんが植えたのだ。あの小川も作ったのだ」昔ながらのきれいな田園風景の絵がながれて。タエ子が「だから、どこかしら懐かしいのね」の場面でもいまさらながら感心させられます。と、たいへんな入れ込みようの私です(笑)なぜ?実は先週の同じ時間に「ハリー・ポッターと賢者の石」を観ました。CG画面の面白さはあったものの、さっぱり理解出来なくて、なんで人気があるのかわからなかったのです。日本語吹き替えもいまいちだったかもしれませんが。ちょっと私の感性に自信喪失だったものですから。ところで、トシオさんについてisemariさんがうまいことをおっしゃってます。上記を書いてリンクのためisemariさんを訪問したら、おんなじことしてる(爆笑)のを発見。「なぜあたしはトシオさんが好きか 2」もう、リンクに接ぐリンクになってしまいました。
2004年07月03日
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久しぶりに映画をTVで観ました。メグ・ライアンは知っていましたが、アンディ・ガルシアは初めて。ハンサム、見たら忘れない顔です。あらすじはアルコール依存症の妻(メグ・ライアン)が夫(アンディ・ガルシア)と二人の娘に励まされて立ち直っていくというもの。子役を含めてみんな達者に演じてそこはうまい!と思ったものの、いったい何を言いたいの、とハンサムとメグの可愛さに見とれているうちに、さらっと見終わってしまったような。でも上の娘の子役のうまいこと可愛いこと。(とへんなとこで涙する)しいて言えば、自分のことは孤独であっても自身の気持ちでだけで解決出来るのであって、人に優しくいたわられても、それだけではどうしようもないものだ、ということ。昔「酒と薔薇の日々」というやはりアルコール依存症の夫婦を描いた映画があり、内容は救いがなく終わりましたが、アンディ・ウイリアムスのテーマソングがとてもよくていまだに流れていますよね。そんなことを思い出しました。
2004年05月30日
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見る予定のない映画を観てしまった。だいたい、夫が阪神の全試合を見たくてケーブルTV契約したものだから、チャンネル数が増えてしまったのだ。とひとのせいにして。朝のニュース番組のついでに、なにげなくムービープラスにチャンネルをあわせ、始まったばかりの映画に釘づけに。昨日からの思いを引きずっていて「母娘」に反応したのかも。でも見始めるとつい見てしまうんですよね。終わりまで観られたのでそんな悪い内容でもなかったのか。----------以下ムービープラスのHPよりHER OWN RULES (1998年アメリカ)監督:ボビー・ロス出演:メリッサ・ギルバート ジェレミー・シェフィールド幼い頃孤児院で育った女性実業家が、死に別れた実母の墓を探すうち、彼女がまだ生きていることを知るドラマチックな愛の物語。原作はバーバラ・T・ブラッドフォード。----------母に捨てられたというトラウマがあるので、彼女は愛への一歩を踏み出す勇気がない 。しかし、母と巡り会い真実がわかり、母の愛に励まされて恋人と結ばれる。というたわいないといえばたわいない。母との邂逅にドラマがあったのだが、未婚の母というその真実にやや迫力不足。ちょっと、ホーソンの「緋文字」を思い出したのだが。ヒロインが娘ではなく母の方だから比較もおかしいが、「緋文字」の方が時代が古いためか迫害が酷く描かれ力強い思想を感じた。
2004年04月06日
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「たそがれ清兵衛」(2002年)をえっ、もうTVでやるのって思いながら、昨夜観てしまいました。藤沢周平氏の原作だし、山田洋次監督の脚本であるから、まあそつがなく、面白かった。これがアカデミー賞ノミネイトがいいか悪いかは私には?だが。私が「おや」と思って印象に残ったのは、宮沢りえさん演じるりく(?)の描き方が自立した新しっぽい考えを持った女性になっていること。原作を読んでいないのでわからないが、これは脚本かもしれない。藤沢周平氏の他の作品で女性をそういう風に書かれていない気がしたので。現代女性を意識してかな?それで思う。都合で型に嵌められたしまうのは男か女か。つまり、男性の作家の描く女と、女性の作家の描く男とどちらが真実かと。最近私は感想を書こうとして読むものだから、それが気になりだした。作品は何かを追求なり構築なりして、人間を描くとすると、「人間としてそれはちょっとおかしい違う」と思われないのがいい。作品の時代背景、作家の思想、主義、感性が複雑に絡まるのだろうが。現実でも女性の見る「女と男、観」、男性の見る「男と女、観」は違っている。型に嵌めて観てもいるだろうしね。映画「たそがれ清兵衛」も「男の生きざまのかたち」「女の生きざまのかたち」がテーマだったと思う。
2004年03月06日
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映画館を出ると、観た映画のヒロイン、ヒーローに感情移入というか、なりきってしまうという経験。を今もしている人がいるのだろうか?特に若い人がどう...。「悲しみよこんにちわ」「草原の輝き」「太陽がいっぱい」「灰とダイヤモンド」「勝手にしやがれ」「日曜はいやよ」「黒いオルフェ」そんな思いの、わたしの青春時代に見たものを、ざっと上げてみた。今のようにふかふかのクッションの椅子ではなく、硬いベンチのような椅子で、座れないときもあった。それなのに、どんなに満足したことか。それは若さゆえか、映画全盛期だったからか。なでしこさんの映画の話がぎゅっと詰まったHPを見てふと思った。(http://plaza.rakuten.co.jp/nadeshikosumika/ )
2004年01月28日
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おととい、BSハイビジョンで映画を見た。本当に映画館に行かなくなって、久しい。年に1回くらい。なのに映画は観ている。TVとDVDを借りてきて。このところ、読書が忙しくTVの映画久しぶり、観れてよかった。ショーン・コネリーが渋い。魅力、増しましたねー。007ボンドシリーズの時よりいいと言うのは、大方の票でしょうね。ちょっと前には、「小説家を見つけたら」(2001年)を観た。この映画もお気に入りの内容だったよ。この方が新しいので、つまり年齢を重ねたショーン・コネリーがいるのでもっと渋かったわけ。さて、「薔薇の名前」の話。14世紀、山奥の寂しいベネディクト修道院に、ショーン・コネリーの「ウイリアム」とクリスチャン・スレーターの「アドン」の師と弟子の修道士が訪れる。そしてミステリーというかホラーっぽいというか、どろどろーと物語が始まる。男だけの修道院、個性的な顔の俳優が演じる修道士たちが織り成すものすごい迫力。それだけでもすごいね。殺人もつぎつぎと起こるし。しかし、なぜか殺伐だけじゃないものがあるの。宗教、異端、悪魔とか、書物に対する尊敬とかが醸しているものが。書物に対する愛は狂信的で、革表紙の本の一杯詰まった図書館が見つかるのだけれど。それはそれは興味をそそりぞくぞく、っとした。その謎を解く「ウイリアム」と「アドン」。スピード感もあり面白かった。「小説家を見つけたら」も本を書く話。ショーン・コネリーと本というキーワードで私は興奮している。
2004年01月27日
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