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2005年12月30日
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カテゴリ: 映画
『座頭市』

製作国:日本
監督:北野武
出演:北野武、朝倉忠信

<内容>
その日、訳ありの三組が同じ宿場町にやってきた。一人は金髪で朱塗りの杖を持ち、盲目の居合いの達人・座頭市。もう一組は浪人の服部源之助とその妻おしの。殿様の師範代という身分を捨てた服部は、病気を患う妻のために用心棒の職を探していた。さらにもう一組、旅芸者のおきぬとおせいの姉妹。彼女たちの三味線には人を殺めるための仕掛けが施されていた。それぞれに影を秘めた三者の皮肉な運命の糸は、町を仕切るヤクザの親分・銀蔵と大店の主人・扇屋を介してついに交錯、やがて因縁や怨恨の入り交じる壮絶な闘いが幕を開ける。

座頭市
座頭市は名前は聞いたことがあっても、見たこともないし、内容も全然知りませんでした。
だから、勝新の座頭市のイメージや先入観はまったくない状態での鑑賞。


さすがお笑いの大御所ビートたけしこと、北野武、彼独特の笑いが随所にちりばめてあって、ずいぶん笑えました。子供も喜んでみていましたし。
マジメな緊張したシーンとのバランスも絶妙で、まったく飽きさせずに見せてくれました。
ヴィジュアル面でも ずいぶん楽しめました。
色使い、構図、音,ダンス全て、凝った演出で 舌を巻きました。
そのテイストはちょっと七人の侍風でも、椿三四郎風でもありますね。
日本の伝統的娯楽話である座頭市に 和テイストで美しく味付けした、一種のショウ!
世界の誰が見ても楽しめる、娯楽大作が出来上がりました。

でも、???と消化しきれないところも残りました。
一体座頭市ってどんな人なの??ってことです。
勝新の座頭市を見れば分かるだろ??といえばそれまでですが、私には正義の味方には見えないし、人情味溢れてるとも言いがたいし、人助けというより、自分が人を斬りたくてうずうずしているように見えました。目が悪くて、剣術が抜群に優れている浪人だということ以上の情報が伝わってこなくって。たけし演ずる座頭市は 変質者のオヤジのような不気味な笑みをふくんだ、キモい親父って感じ。実際は違うのでしょう?
主人公であるからして、ストイックで残酷であっても、どこか憎めない人間くさささとかあるはずですが。


 そして、いい奴、悪い奴の構図がはっきりしすぎているのが、いまいち面白みにかけると思います。
子供用の特撮モノじゃあないんだから。
「悪い奴は皆死んじまったねー。」
といっていましたが、ちょっぴりずっこけそうになりました。



悪い奴はとことん欲張りで、目的のためなら手段を選ばない腹黒人間。でも、同時に頭も切れる。


それとも、『七人の侍』の米粒拾うシーンのような、同情してしまうようなシーンがなかったからでしょうか。
ただの生意気で、役人達の悪口ばかり言っているずるい人たちにしか見えませんでした。

正義の味方の座頭市は なんだか怪しいオヤジだしねー。

ガダルカナルタカはギャンブルに溺れた、ずるくてどーしようもない男。感情移入なんて出来ないよ。全然いいとこないでしょ、この人。


 ただ、家族を惨殺されたという芸者二人兄弟は うまく物悲しさを醸し出していたように思います。
幼い弟を守りながら必死で生きてきた姉の 時折見せる空を見つめる虚ろな表情は 虚無感がにじみ出ていて凄く切なかったです。
弟の方は不運に翻弄されながらも、持ち前の美貌を利用して、他力本願で生きている、結構ずるい世渡り上手さん。
弟の踊る舞踊が 彼らの人生をうまく象徴していていました。

あと、殺陣の見えないほどに速い剣さばきは 今までにないスタイルだなと思いました。
ざっくざっくと不可能なまでに切りさばくシーンは 圧倒的でしたね。


そして、この映画メインの主人公座頭市と 朝倉忠信演じる服部の居合いも、二人の絡みが少ないせいで、深みがなかった。
酒場の弱弱しい親仁が実は裏幕だったというのも、突拍子がなさ過ぎて、どんでん返しというより、そりゃねえだろ・・・のため息ものになってしまったところが悲しい。

と、不満も結構書き連ねましたが、北野武監督には凄く期待しています。彼独特のポリシーとか美学がはっきりしっかりとあって、今の日本で、彼にしか出来ない映画をつくりだしているからです。ぜひとも、頑張ってもらいたい。
演出ばかりに力が入っているようですが、そこをうまくつけばすっごくいい映画が出来あるのではないかと信じています!!





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最終更新日  2012年04月15日 04時14分12秒
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