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・2.5.日
僕が住んでいる河内長野の山を切り開いて造った住宅街を出ると、外環状線が走っている。
これは30年足らず前に通った道で、それまでは人里離れた静かな山村だったそうだ。
毎朝の犬の散歩で時々この外環まで出て、その脇の歩道を歩く事がある。
するとその歩道の上に夥しいゴミが散乱している。
コンビニ弁当の殻やスナック菓子の袋、空き缶や牛乳パックなどである。
最初、夜中にこんなところで中学生などが屯して汚したものと思っていたが、周りの人に尋ねると、どうやらそれらは行き交う車の窓から捨てられたものだという。
一旦誰かがそこにゴミを捨てると、それを見て通る車は皆そこがゴミ箱とでも思うのだろう、今や大変な量となって、歩道の上や、脇の草むらなどのあちらこちらに散乱している。
「自分の家や自分の車以外はゴミ箱」というこの感覚は、一体どの時点の間違いから起こることなのか、どの時点でこういった大人が出来上がってしまうのか、僕はいつもそのゴミの前で立ちすくんで考えてしまう。

となると、その年配者に育てられた中年層、その子供の若い層が正しく倫理を持つということは期待できない。
高度成長期が人々の何かを狂わしたのか、それに伴う学歴社会が「皆で他人を慈しみ、皆で温かい社会を育む」というようなルールを崩壊に導いたのか、またはそのような「自分がよければそれでいい」という精神は今に始ったことではないのか。
このままでは使用済み核燃料だって、世論が煩いから他の国にそっと捨てて、知らん顔をして帰って来るなどということもいずれ起こるだろう。
とにかくこのまま「ルールがどうした、法律がどうした」という風潮が蔓延して行くと、行く行くは「殺人がどうした、虐殺がどうした」ということになるだろう。
事実、ネコを虐待して何とか日々の自己存在を確認しているような手合いが、どんどん増えているのだ。
町に捨てられたゴミの問題は、もっと大きな人道の問題、命に関わる問題に繋がる、人々の脳の破壊と言える社会問題だと僕は確信する。

ーーーーー
瓦礫引き受けに関する考え方(1)・・・なぜ、瓦礫を引き受けてはいけないのか?
瓦礫の引き受けが全国で拡がっています。これまで「他の自治体のゴミを引き受ける
なんてとんでもない!」と言って来た首長さんはずいぶん、豹変するものと感心して
しまいます。

の人のご参考にと思い、具体的な話から入ります。
・・・・・・・・・
長い間、日本人を被曝から守ってきたこと・・・日本は原爆を落とされた国として被
曝に対してしっかりした考え方でやってきましたが・・・、それは「法律を守る」と
いうことです。人間に対しては1年1ミリシーベルトという厳格な規則があります。

ということを宣言しなければならないということです。自治体の多くは今まで「被曝
の法律なんかあるの?」という態度でしたから、まずそれを確認することが大切です
。
ここで、言い訳がでてきますので、それに対抗する必要があります。それは「日本に
はもともと原発の事故を想定した法律などない」というものです。でも、これは間違
っています。原発の事故に関する法律とその考え方は次の様になっています。
1)原発の事故が起こっても起こらなくても、日本人の被曝と健康の関係は変わらな
い(これは、被曝に関するすべての法律が同じ基準値であることでも判ります。つま
り日本国内の法律で「この法律では1キロ100ベクレル、この法律では1キロ1000ベク
レル」などとなっていると混乱するという理由と、もともと被曝の発生源などが違っ
ても日本人に与える影響は同じだからです。)
2)従って、どの法律を使っても同じ結論になる(悪意で誤魔化さなければ)。
3)原発を運転している限り、事故の可能性はあり、日本政府はそれほど無責任では
ないので、事故の想定をしている。それによると希な事故(およそ1万年に1度)の場
合は1年5ミリまで被曝限度を上げることができる。およそ10万年に一度程度の事故の
時には、1年5ミリからあまり離れない被曝量を設定できる)の場合、被曝限度を現行
法を超えて設定できるとしている(これは原子力安全委員会指針)。今回の事故は原
子炉が運転し始めてから100年以内。津波の規模は1000年に1度以上だから、指針によ
って1年1ミリシーベルトを超えられない。
4)食品基準、物品基準、廃棄物基準、土壌基準などは、1年1ミリシーベルトをスタ
ートとして計算される。ベクレルは人間に関係の無い数値で、シーベルトを決めると
ベクレルが決まる。従って、すべて1年1ミリシーベルトが最初の基準になっている。
従って、食品でもゴミでも現行の基準を変えることはできない。
5)このほかに、原子炉については核種が多いので、特別な注意をされていて、「ク
リアランスレベル」という別の概念が適応される。これは「1年0.01ミリシーベルト
のものは自由に取り扱っても(捨てても)良い」というもので、1年以内懲役、100万
円以下の罰金を伴っている。
6)今回の福島原発事故は、原子炉の中のものが飛び散ったので、クリアランスレベ
ルを適応するべきである。
7)瓦礫の処理には「今、東京にあるゴミより放射線量が低い」という理屈を持ち出
すことがあるが、そんな法律はない。Aが泥棒をしたのだから、Bの泥棒が許される
ことはあり得ない。法律違反は法律違反である。もし東京のゴミが基準値以上なら、
基準値以上のものを持ち込んでも良いというのではなく、東京のゴミを東電が処理し
なければならない。
おおざっぱにいって、瓦礫に関して日本人を被曝から守るための法律は上記の様にな
っています。もし自治体の首長さんが良心的なら、クリアランスレベルを守るでしょ
う。それほど良心的でなければ、被曝の一般法を守るでしょう。
もし、住民の健康よりお金が欲しければ、法律があることを知らないふりをするか、
いろいろな理屈を言うでしょう。なお、被曝に関する法律は「法で定められている」
と言うほかに、「現在の医学では最良の値を決めている」ということでもあります。
時々、「法律で決まっていると言っても学問的にはどうなのか?」などと言う人がい
ますが、被曝限度のような数値は日本の学者のコンセンサスでできています。
法律に反することを言う学者は法律を決めるときに、相手にされなかったか、もしく
は論争に負けた人です。急ぐので、まず、ここまでで第一回を終わります。
(平成24年2月4日)
「takeda_2xxx-xxx-xxxxxno.413-(10:33).mp3」をダウンロード
武田邦彦





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最終更新日  2012.02.07 13:55:22
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