添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/07/12
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カテゴリ: カテゴリ未分類


カツ・カツ・コツ・コツ・・・。
私の5センチヒールの靴音は,空いている車内にクリアに響き,
ヤツを威嚇しながら近づいた。

私はヤツの目の前で右手を振り上げ,間髪入れずに振り下ろした。
・・・・・。
固く握った右手の旗は,さっきまで私が座っていたヤツの隣の
席に叩き付けられた。
ヤツは,突然の逆襲に微動だに出来ず肩をすぼめて顔を隠した。

そしてドアが閉まる寸前,私は電車から降りたのだった。

足を進めたが,震えが止まらなかった。

階段を上り始めると,聞き覚えのある声が耳に入る。
ウチのお客さん達も何人か,同じ電車に乗っていたのだった。
「空ちゃん! お疲れ~。」
アンジーの声だ。
ホンの少し前まで一緒にいたのに,とても懐かしく感じそして同時に
嬉しくて,涙が出そうだった。

隣に並んだアンジーは,何かを察した。
  「同じ電車に乗ってたンだねェ~,知らな・・・・。
   空ちゃん・・・どうした?  顔・・・真っ青ヨ?!」


「そうだったンだ・・・。一緒にいれば良かったねェ。」
と,汗ばんだ私の手を握り励ましてくれた。

「空ちゃん,アナタ痴漢初めてじゃないでしょ?こんなに!

「・・・ゥン,でも付けられたのは初めてだから・・・。」
「そうかそうか,でももう大丈夫だよ。」

と,アンジーは,私の背中をさすりながら,旗が固く握られていてほどけ
なくなった私の右手の指を,一本一本優しく外してくれたのだった。号泣
       つづく





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最終更新日  2010/07/12 03:17:49 PM
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