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【 リト@葉っぱ切り絵展 】晩秋の候。少しブログの更新をサボっていたら、もうこんな季節になってしまいました。来月は年の瀬。令和6年も幕を閉じようとしています。ふだん、趣味らしい趣味のない私は、近所のショッピングモール内にあるスタバで、まったりするぐらいがつかの間の癒しですが、皆さんはどんな趣味をお持ちでしょうか?日頃、溜め込んだストレスは、どうやって発散させているのでしょうか?職場の同僚(N子さん)が一枚のチラシをくれました。どうやら切り絵展が開催されるというチラシで、N子さんは鼻息を荒くしてと力説してきました。作者はリトさんという男性で、葉っぱを切り絵にした作風が注目を集め、メディアに取り上げられたのだとか。こんな機会はめったにないので、騙されたと思って行ってみてください、とまで言われ、無料券もいただいてしまい行かないわけにもいかず、この企画展に出向いてみることにしました。少しだけ作者のことを調べてみたところ、1986年生まれでまだ私よりだいぶ若い!!葉っぱを切り絵にするという創作スタイルは、2020年からとのことなので、年数的には短いようです。特筆すべきはこの作者、「自身のADHDによる偏った集中力やこだわりを前向きに生かすため」に制作を始めたと。作品を見れば一目瞭然なのですが、とにかく緻密です。驚くほど繊細で作者の世界観が鮮やかに表現されているのです。一つの切り絵から始まるドラマ、物語が、見る者の心を鷲掴みにするというのは、なかなかありません。私が好きなのは『森のピザ職人』や『朝のきのこのスープ』ですが、森に棲む生きものたちが腕をふるってピザやスープを作るという夢のある空間が何とも言えません。どれもこれも可愛いし、ユニークで抱きしめたくなるような作品の数々でした。〝癒し〟というにはあまりにも拙い表現で恐縮ですが、つかの間のいやしと安寧をいただくことができました。葉っぱの切り絵が紡ぐ森の動物たちの世界は、渇いた心を潤すようなオアシスでした。ちなみに私は、作者ご本人がサイン会をされているリアルタイムに行くことができ、購入した作品集にサインをいただくことができました。(ちゃっかりご一緒に写メも撮ってもらいました!)緊張して何を話したのか忘れてしまいましたが、ふんわりとした笑顔で、優しそうな方でした。余談ですが、私の購入した『いつでも君のそばにいる』という作品集の帯を見て欲しい!なんとその帯は、一流コピーライターの糸井重里氏の文言が!!私、それを見てこの作品集(¥1300税別)を買ったと言っても過言ではありません(笑)小さな葉っぱは、どんなに大きくても小さな葉っぱ。そこから、いつまでも終わらない物語がはじまっていく。ーー糸井重里
2024.11.23
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【 自分へのご褒美!?】だいぶ更新が遅れてしまいました、、、トホホ。今年の目標は月イチのブログ更新だったのに、面目無いです。久しぶりにペンを取る気になったのは、最近ゲットしたものを皆さんにご紹介したくなったのです!毎日毎日生活のために頑張っている自分に、ご褒美をあげたくなった私。※管理人の推察です、間違いない!!かと言って、それほど高い買い物ができるほど潤沢な資金もないので、分相応というところで手に入れたものたちです。今回は3点ご紹介したいと思います。まず1つめ。リサ・ラーソンの食器(美濃焼)です。皆さんご存知のリサ・ラーソンは、スウェーデンの人気陶芸作家です。 今はそれも落ち着いてきて、たまに誰かのバッグにマイキーのキーホルダーがぶら下がっているのを見つける程度です。今回私がゲットしたのは、そんなリサ・ラーソンの代表的人気キャラのマイキーが描かれた食器です。近所のショッピングモールで美濃焼の陶器市を開催していたところ、その逸品を見つけました!定価¥1100(税込)のところ、半額の¥550!!思わず食器に頬擦りしたくなりましたよ〜(笑)ちなみに最近、この食器で親子丼を食べました。我が家にはどんぶりがないので、わりと深みのある器が今後も重宝しそうです。次に2つめ。タリーズハニー(はちみつ)です。正直に言いますと、これを買ったのは成り行きというか、勢いというか、とにかく思わず買ってしまったものです。先日、婦人科検診のため総合病院に出かけたところ、早々に終わったのはラッキーだったのですが、まぁバスの本数が少ないこと少ないこと!!(交通手段なのです)仕方ないのでバスを待つ間、院内にあるタリーズで時間をつぶしたのですが、そこの店舗にはズラリとはちみつが並んでいました。その様子を見たら、思わず一つ手に取ってみたくなりました。私は小さい頃からはちみつが大好きで、パンにつけたり、ヨーグルトにかけて食べたりするため、食卓には常時置いてあるのです。なのではちみつそのものを買うのは珍しくはないのですが、タリーズのはちみつを買うのは初めてということでご紹介します。500gで¥1230(税込)なので、お手頃価格だと思いました。まだ封を開けていませんが、早く味わいたくてたまりません。そしてラスト、3つめ。『リンネル』12月号です。今さらですが、私は五十代のオバちゃんなので、『リンネル』の読者層(二十代〜三十代の女性)からかなりオーバーしてます(汗)しかし私は、付録のムーミン柄4種のポーチがどうしても欲しかったのです!(私と同世代でムーミンが嫌いな女子なんて、まず、いないのでは?!)昭和の頃、ムーミンの声を演じたのは岸田今日子でした。この女優さんの語りは、吸い込まれるような独特のムードがあり、よく下手なモノマネをして遊んだものです(笑)そんな思い出の残るムーミン柄のポーチをゲットできて、本当に幸せです。4種類もあるので、何を入れようかと悩んでいるのですが、それもまた楽しいひとときです。余談ですが、『リンネル』には増刊号というタイプもあるようで、そちらはムーミンのがま口ポーチが付録となっているみたいです。しかも、セブンイレブン限定の販売とのこと。特別価格¥1400です。というわけで、以上3点を自分へのご褒美として買った私ですが、当ブログの筆頭管理人は何かゲットしたものはあるのでしょうか?最近の自分へのご褒美は、何でしょうか?管理人です(^^)v 吟遊さんにそういわれましたが(^^;)・・・でもねぇ、僕らの世代(前期高齢者)は自分を律するよう教育を受けましたので、「自分へのご褒美」は馴染みがないんですよねぇ~。だからご褒美はありませんが、スマホを iPhone16ProMax にしました(*^_^*)
2024.11.09
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【 川端康成 / 山の音 】●はじめに吟遊さんから『暇だから川端のイラストを描いてみた。だから過去の投稿を再アップして!』と依頼を受けました(^^;)まさに「小人閑居して不善を為す」を地で行くものですが、それを言ったら『私って有閑マダムなのよ』ですってさ(*'ω'*)ともあれ、過去の投稿を再アップ致します。秋の夜長に、川端をお読みいただけるきっかけになれば、誠に幸いです(*^_^*)※イラスト 令和六年初秋◆戦後日本の中流家庭を描く川端康成という作家は稀にみるナショナリストで、こよなく日本を愛する文豪だ。ノーベル文学賞受賞作である『雪国』も、東北のひなびた温泉宿における芸者との淡い恋心を描いたものだし、『伊豆の踊子』も伊豆で出会った旅芸人の踊子に、苦悩を抱える旧制高校の男子が癒されていく話だ。この『山の音』でさえ、日本の「家」を舞台にした二世帯同居家族と、出戻りの娘に翻弄させられる父の姿があったりする。戦後、お茶の間を賑わせたホームドラマとは全く趣が違い、主人公の息子の嫁に対するほのかな恋心や、息子が浮気をしていることへの怒りなどを盛り込みながらも、老いへの恐れ、若さへの憧憬、生きることへの疲労感など、実に文学性の高い作品に仕上げられている。「家」という日本独特の家族のあり方から生じる苦悩は、おそらく西欧社会にはなかなか受け入れられにくいデリケートな問題なのではなかろうか?そんな中、川端康成は果敢に「日本」を描いていこうとする姿勢が窺える。それは孤高でさえあり、他の作家を寄せ付けない品格に溢れている。川端康成 北山杉を背にさて『山の音』だが、この小説はあまりにも有名で、様々な文芸評論家から高い評価を得ている。私自身、川端作品の中でこの小説が一番好きかもしれない。とりわけグッと来るのは、主人公が、息子の浮気に耐え忍ぶ健気な嫁に声をかけるところだ。「菊子は修一に別れたら、お茶の師匠にでもなろうかなんて、今日、友だちに会って考えたんだろう?」慈童の菊子はうなずいた。「別れても、お父さまのところにいて、お茶でもしてゆきたいと思いますわ」長年連れ添った古女房なんかより、長男の嫁の方が若いし綺麗だし、何より意地らしい。息子の浮気が原因で離婚してしまったら、そんな恋しい嫁とも別れて暮らすことになってしまうのかと思うと、内心、平常ではいられない。このあたりの心理描写は、さすが川端だ。嫁との関係はあくまでも潔癖なものだが、ほのかに漂う恋の調べが、耳もとで聴こえて来そうな気配なのだ。また、主人公の夢の中で、顔のない女を犯しかけるくだりは、一気に読ませる。本当なら嫁の菊子を愛したいのに、夢でさえ良心の呵責をごまかすため、顔のない女の乳房を触るのだから。『山の音』に関しては、皆が口を揃えて傑作と評価している。もちろん私も異論はない。平成の世となった昨今、これほどの最高峰を登り詰める作家がどうも見当たらない。ぜひとも、何とかして、ポスト川端康成が登場してはくれまいか? 平成の川端を待ち望んでやまない、今日このごろなのだ。『山の音』川端康成・著★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2024.10.05
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【 刑事モース〜オックスフォード事件簿〜case1 】◆華麗なる賭け先にお断りしておくのは、毎回映画レビューをする際、冒頭に気に入ったセリフを紹介がてら入れるのだが、今回は割愛させていただく。(というのも、amazon primeで無料の視聴を一度しただけなので、ご容赦を)さて、刑事モノや探偵モノは、やはり人気が高い。特にキャラが際立つものは、見ていて飽きないし、面白いからだ。もちろん視聴者各人の好みもあるし、ストーリーの良し悪しもあるので、一概には言えないけれど、一話一話完結していてシリーズ化されているのは、安定感があるし、落ち着いて視聴できるのでありがたい。私にとって刑事モノと言えば、ピーター・フォーク主演の『刑事コロンボ』が大好きで、いまだそれを超える刑事モノを知らない。探偵モノなら金田一耕助シリーズで、特に市川崑監督作品が素晴らしい。とにかくキャラクターが見事に完成されていて、ブレがない。何でもそうだけど、キャラが際立っていなければ見ていて面白くないので、これは重要なポイントと言える。『刑事モース』は、イギリスのテレビで放送された刑事ドラマである。私にとってイギリスで放送された人気ドラマですぐに思い浮かぶのは、『シャーロック・ホームズの冒険』である。主演はジェレミー・ブレット。日本語の吹き替えは露口茂なのだが、正に、ホームズの格調高く優雅で紳士的ムードを正確に表現することに成功していた。そう言う洗練された名作に数多く出合ったおかげか、本当の意味でミステリーを堪能させてもらう機会に恵まれた。『刑事モース』は英国の歴史と伝統と、ちょっぴり辛口な国民性を垣間見せてくれるイギリスチックな作品だと思う。とは言え、制作が2000年代に入ってからの、比較的最近の作品なだけあって、1960年代の英国を舞台にするには、ちょっと画面がキレイ過ぎるような気がした。あらすじはざっくりさせてもらうが、なにぶん1回のみの視聴(amazon prime)なので、記憶違いがあるかもしれないのでご容赦を。1960年代のイギリスが舞台。カーシャル・ニュータウン警察の新米刑事モースは、退職届を出すつもりでタイプしていた。死体を直視できないし、血液の飛び散った凄惨な現場に立ち会うのが苦手だったからだ。(他にも理由はあるが)そんな折、メリーという少女が失踪したことで、モースも捜索のためオックスフォードへ出向くことになった。同時期に、オックスフォード大学の学生マイルズが死体で見つかる。一見、自死にも見えるが、断定はできないでいた。さらには失踪と思われていたメリーも、その後、死体で発見される。そのメリーという少女は、15歳という若さでありながら、男性遍歴があり、オックスフォード大学の学生であるマイルズの他に、教授のストロミング、自動車整備士のジョニーと関係があり、誰の子かは不明だが、中絶した経験もあった。モースがストロミング宅へ聞き込みに行くと、ストロミングは留守だったが、その妻ロザリンドとばったり遭遇した。見れば彼女は元オペラ歌手であることがわかった。モースは彼女の熱狂的なファンなので、見間違えるはずもなかった。この作品、あらすじを書くのに手間取る。というのも、いろんな伏線があって、最後に回収されていくのだが、単純な犯人探しの推理ドラマと違うからだ。ポイントとなるのは、一般的にホワイトカラーと称される立場の大学の教授や官僚らが、つまらない賭け(ゲーム)をやったことが発端となる。一方で、作中、警視正の娘が怪しげなパーティーで一服盛られて、恥ずかしい写真を撮られて、父親の職業上、真実をなかなか明かせないという、要所要所で捜査が劇的に進展しない理由が詳らかになる。私はわりと刑事モノとか推理ドラマは、気軽に楽しくサラリと見るのがモットーなので、最後まで犯人は誰なのかとドキドキしながら見るのは苦手である。その点、『刑事モース』は、ハマる人はハマる作品だと思われる。英国製らしく、品はあるし、絵的にもキレイで、それでいてドロリとした人間の業を表現している。だがあくまで私個人としては、たまに見るなら雰囲気に酔えて楽しめそうだけど、毎週放送されるTVドラマとしては、見忘れることもありそうだ。きっと私が求めるようなユニークなキャラクター設定ではなく、どこまでも大衆受けするような人物像におさまっていたからかもしれない。私の中で一番は、やっぱり『刑事コロンボ』なのだ。2012年放送【監督】コルム・マッカーシー【出演】ショーン・エヴァンズ、ロジャー・アラーム、フローラ・モンゴメリー
2024.09.14
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【むらせや 二俣城最中】皆さま、残暑お見舞い申し上げます。今年の静岡県一帯はどうなっているのでしょうか?先月は連日のように全国最高気温(40度超え)をたたき出して、束の間の栄誉を勝ち誇っていました。 私は運動不足解消ために、近所の郵便局まで徒歩で出向いたところ、知らぬ間に脱水症状を起こしていたのか、途中から足腰に力が入らず、慌てて自販機でアクエリアスを買って一気飲みしたというハプニングもありました。暦の上ではすでに立秋も過ぎましたが、とうてい秋の気配など感じられません。まだまだ暑さ対策は必要なので、自分に合った適切なやり方で、この夏を乗り越えましょう! さて、そんな中、私は甘い物を欲する気持ちを抑えようもなく、遠州天竜は山東にある昔ながらの和菓子店に出かけて来ました。それは〝むらせや〟という老舗の和菓子店です。(洋菓子も充実しています)こちらのお店でどうしてもおさえておきたいのは、何と言っても『二俣城最中』です。現在、二俣城そのものはありませんが、そのお城にまつわる悲劇は何回となくNHK大河ドラマで放送されてきました。知る人ぞ知る、ここ二俣城で、家康の嫡男信康が自刃したのです。その二俣城をモチーフにした最中は、ロングセラー商品として地元の人に愛されています。全国に様々な最中はあれど、そこに秘められたドラマの感じられる最中は、この『二俣城最中』をおいて他にはありません。ちなみにむらせやでは、『信康餅』という商品も扱っているのですが、これも逸品!二俣城最中とあわせて買い求めたい天竜のお土産なのですーー さて、こちらのむらせやには他にもいろんなオススメ商品があるのですが、何度となく通ってアレコレと食べ尽くした経験のある私がイチオシなのは・・・じゃーん! 『ふなぎらダム』です。(「船明」と書いて、ふなぎらと読みます)もちろん、当ブログは主に昔懐かしい最中の美味しさを広めていこうというのが趣旨ではありますが、最中ではないお菓子なのに、思わず記事に書かずにはいられません。コレ、大・大・大好き‼︎こういう素朴なお菓子が巷から段々と消えていくのが悲しい・・このお菓子だけは残したい‼︎お店のHPに載っている商品説明をここにも紹介しておくと、「バター・練乳・小麦粉・卵、素材にこだわった生地で黄身あんを包みホイルで焼き上げた」お菓子、それが『ふなぎらダム』なのです。 そうそう、むらせやで扱っている最中に『鮎っ子』という最中もあります。こちらは小豆餡ではなく、白餡に抹茶を混ぜたお茶の餡を使っているのですが、お茶の産地に相応しい商品です。こちらもオススメです。ここからは余談ですが、占い師ゲッターズ飯田氏が令和6年静岡県のパワースポットは、ズバリ、天竜にある光明寺とおっしゃっています。(すでに今年も下半期で、今さら話題にするのもアレですが)この光明寺というのが、むらせやと目と鼻の先にある距離なのです。光明寺は国内最大の大黒天をお祀りしていることもあり、金運アップ⤴️間違いなしです‼︎さらに、光明山古墳も見学できるので、併せてご覧くださいね。夏の思い出(?)にどうぞ。 ※御朱印ガールの喜びそうな切り絵の御朱印もありますヨ~ご案内~●むらせや 二俣城最中●むらせや ふなぎらダム
2024.08.17
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【 太宰治 / 女生徒 】●はじめに新聞のエッセーで太宰治の詩に目がとまった筆頭管理人は、さっそく吟遊さんに一報を入れる。感動した吟遊さんはといい、つらつらと太宰のイラストを描いたそうな。なお吟遊さんに言うには、『このイラストは太宰が女生徒を書いたころをイメージして描いた』とな。そして『以前に女生徒の記事は投稿しているので、イラストを添えて再度アップしてほしい!』と依頼を受け、本日の運びとなった次第です。※太宰イラスト 令和六年盛夏◆新感覚でヴィヴィッドな小説太宰治の著書は片っ端から読んで、何やら青春の虚無感とか孤独感にどっぷりと浸かっていたような記憶がある。『人間失格』は青春のバイブルにもなっていたし、持っているだけでカッコイイ気がした。そういう意味で、坂口安吾も似たような感覚のニヒリズムとデカダンスを備えていた。私の知人などは、内容もろくに知らず、読みもしないのに坂口安吾の『堕落論』を、コートのポケットやバッグに忍ばせていたとか。もうこうなると、文庫本一冊といえども、ファッションの一部なのだ。それを持っているだけで、クールに生まれ変わった錯覚を抱いてしまうのかもしれない。太宰治の小説は、戦前→戦中→戦後と、その時代によってかなり作風が変化している。とりわけ評論家から賛辞を受けたのは、戦時下での小説で、『新釈諸国噺』と『お伽草子』だ。それらは、“珠玉の短編”と評価されている。さて『女生徒』。この小説は女性一人称スタイルを取っていて、語り手が女学生である。新感覚でヴィヴィッドな言い回しの中に、核心をついているのだが、例えばこんな具合だ。「朝は灰色。いつもいつも同じ。一ばん虚無だ。朝の寝床の中で、私はいつも厭世的だ。いやになる。いろいろ醜い後悔ばっかり、いちどに、どっとかたまって胸を塞ぎ、身悶えしちゃう。朝は、意地悪」どうだ、この感性! この小説が出版されたのは、太宰30歳の時。現代の30歳の男性が、多感な女子高生の心理状態を、これほどまでにリアルに想像できるだろうか?! 他にもこんなところがある。「私がもらった。綺麗な女らしい風呂敷。綺麗だから、結ぶのが惜しい。こうして坐って、膝の上にのせて、何度もそっと見てみる。撫でる。電車の中の皆の人にも見てもらいたいけれど、誰も見ない。この可愛い風呂敷を、ただ、ちょっと見つめてさえ下さったら・・・」可愛らしいもの、素敵なものを、誰かに自慢したい気持ち、少しだけ認められたい気持ち。このウブな女子の感性を、当時30歳の太宰治が見事に表現していて、それがまた驚くほどの完成度の高さなのだ。『女生徒』は、物質的には不自由を強いられようとも、つましい生活の中にささやかな幸福を感じたり、あるいは嫌悪を抱いたり、女子のデリケートな心理を鮮やかに表現した小説である。もしも私が、何か一冊バッグに携帯するとしたら、この『女生徒』にするかもしれない。ファッション・アイテムとしての『堕落論』より、数倍は私をクールにさせてくれる作品だからだ。『女生徒』太宰治・著●おわりにご参考まで、太宰治の「女生徒」を投稿したのは平成24年(2012年)10月20日で、すでに12年も前の話です。思えば吟遊さんもチャッキチャキの中年女性でした・・・ということで、人生五十年で言えばすでに老人の域ですな(^^;) それでこのごろは暴飲暴食のツケにおおいに慄いていらっしゃいますが、そろそろ真剣に健康と向かい合わないといけませんね(^_-)老婆心ならぬ老爺心まで(*'ω'*)ときに、仏壇で般若心経を諷経する身で、『オーマイゴッド!』はいただけませんな(>_<)★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2024.07.27
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【竹風堂 栗もなか】世の中で、〝正統派〟というスタイルがあまり際立たなくなって久しいですね。例えば、文学の世界で言うと、もちろん芥川賞が存在する限り純文学は生き残るとは思いますが、じゃあそれこそが正統派なのかと言われると、そうでもないような・・・音楽の世界なら、日本人の魂を揺さぶるはずの演歌も、一定層には支持されてはいるものの、正統派とまでは言えないような・・・いや、正統派というのは浄瑠璃のような日本の伝統芸能を指すのだと言われてしまえば、もう何も言えないけれど・・・でもお菓子の世界では、まだまだ正統派スタイルが残っているのです。はい。今回私がリポートするのは、竹風堂の栗もなかですが、この最中を正統派と言わず何と言うのか⁈ぐらいのインパクトがあるのでご紹介します。上記のように、栗の形を模しているだけでも可愛いのに、中に入っている餡もしっかり栗を使った栗あんのみの純栗もなかなのです!今どきレモンケーキだってレモンの形はしているけれど、色は着色料を使用しているし、レモン果汁さえ使われていないことが多いのに、そんな中でも竹風堂の栗もなかは正に正統派と言えます。さらには最中の入っている袋。これもまた絵柄が栗なんです。栗以外の余分なイラストなんか入っていませんからね!この栗へのこだわり、栗愛(?)はスゴいですよね。正に正統派。*昔、スズキ自動車が何の迷いもなく〝Kei〟と名付けた軽自動車には驚きました(笑)そのまんまじゃん!正統派とは、実はそういうことなんでしょうか?竹風堂のダジャレに思わず笑ってしまうのですが、ネーミングの面白い商品を一つご紹介。竹風堂は本店が長野県の小布施(おぶせ)にあります。そこから商品名を考案されたのだと思うのですが、いわゆるブッセというお菓子に、『おーぶっせ』という商品名が付けられています。なんかもう、正統派というより、ベタな「お約束」と表現した方が良いのでしょうか?(笑)ちなみに私が気になるのは、ナガノパープルがサンドされた『おーぶっせ』。これ、ぜひ食べてみたいなぁ。私(吟遊映人)がこのおーぶっせを口にすることができるか否かは、筆頭管理人の懐事情と気前の良さにかかっているのです。~ご案内~●竹風堂 栗もなか●竹風堂 栗もなか袋●竹風堂 おーぶっせ
2024.06.15
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【 ノック 終末の訪問者 】「レドモンドは〝恨み〟、エイドリアンは〝養育〟、サブリナは〝癒し〟、レナードは〝導き〟。黙示録の四騎士だ。僕らは彼らの死を感じる必要があるんだ」「なぜ僕らが?」「特別なことなんかじゃない・・・わかるんだよ」2011年に起きた東日本大地震による被害者・行方不明者は、2万人を超える激甚災害となった。また、中国は武漢を起源とされる新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延。さらにはロシアによるウクライナへの本格的な軍事侵攻。パレスチナ問題・・・etcそれこそいろいろありすぎて、にわかに信じられないが、これらは全てわずか十数年の間に起きた歴史的事実なのだ。こんな状況が続いていると、オカルトや新興宗教など小指の先ほどの興味もない私でも、「すわ、世の終わりか⁈」と心胆寒からしめる心境に陥ってしまう。こんなときは、もう四の五の言わずに、シャマラン監督の作品を見るしかない、と思って私が選んだのは、『ノック終末の訪問者』なのだ。シャマラン作品の根底には、宗教的なニオイがプンプン漂っている。キリスト教の教義から引用させてもらうと、それはイエス・キリストがその身を犠牲にし、十字架の死を受け入れ、人類の罪を「あがなう」という行為。いわば、その尊い命を代価として神に差し出す代わりに、全人類の罪を赦されたということ。この解釈は、キリスト教圏ではない日本人にはあまり馴染みがないので、理解するのが難しい。日本古来の風習に例えるなら、人身御供のもっと神聖なものとして捉えたらどうだろう?要するに、自然災害などで甚大な被害が出ないようにするなめ、その土地や川を司る神様に、生娘や巫女などが生け贄にされたのである。(女性に限らず僧侶や罪人なども)現代ならそんな風習は科学的根拠がなく、人権侵害も甚だしいと一蹴してしまうところだが、古の人々の考え方はもっと原始的で自然に則っていたのだ。人が勝手に神様の持ち物である土地に築城したり、川に橋を架けたりするのは、神様を怒らせてしまうのも当たり前。「何とぞこの◯◯を生け贄として捧げ奉るので、その怒りを鎮め給え」と、人柱を立てたのである。前置きが長くなってしまったが、自然あふれる人里離れた山小屋に、アンドリューとエリック、それに養女のウェンが遊びに来ていた。もうすぐ8歳のウェンは、外でバッタを捕まえ、観察日記をつけていた。そこへ、スキンヘッドで両腕にびっしりタトゥーを入れた大男がやって来た。見かけによらず優しげな物言いで、ウェンと一緒にバッタを捕まえてくれる。ウェンは警戒心を持ちつつも、少しだけその大男と会話を交わすが、遠くから武器を持った見知らぬ3人が近付いて来るのに気が付いて、慌てて山小屋に逃げ帰る。ウェンには2人の父親がいて、どちらも養親である。アンドリューとエリックはゲイだった。2人は子どもを育てたいと願い、乳児院でウェンと出会った。結果、3人は家族となったのである。慌てて家に帰って来たウェンの話から、アンドリューとエリックはただ事ではないと、すぐに臨戦体制を取るが、結局、アンドリューもエリックも椅子に縛り付けられ、拘束されてしまうのだった。突然訪れた彼らは意外にも神妙な面持ちで、ウェンに対してはもちろん、アンドリューやエリックに対しても、拘束以上のことは何もしなかった。そして、4人の訪問者を代表して、大男のレナードという者が、「世界の終わりを防ぐために来た」と静かに言った。どうやら4人の訪問者たちは、この世界を救うために己を犠牲にする覚悟を決めているようだった。さらには、アンドリューたちにも、家族3人の中の誰かが犠牲となる決断をして欲しいと懇願するのだった。「辛い決断だが、選んだ者を殺さなければいけない。そうしなければ70億を超える人類は滅亡する」1.水が街を沈める(津波)2.未知の感染症が蔓延3.空が落ちる(飛行機の墜落)4.神の手が大地を焼き払う(落雷)ここからは私なりの考察になるが、M.ナイト.シャマラン監督のブレないテーマは「再生」である。これはシャマラン作品のどれを取っても感じられる生と死の宗教的ドラマなのだが、どんなに文明科学が進んでも、信仰に背を向けることはできないのだと断言する。要は、神の存在をクローズアップして、科学では割り切れない超自然的存在と向き合う作品スタイルを構築しているのだ。とは言え今回の作品は、いたるところに張り巡らされた伏線が上手く回収されていないのが気になった。世界の人口が80億を超える中で、なぜ4人の訪問者とエリックが命を賭すことになったのか。彼らを選んだ神の目的は一体何だったのか。そもそもアンドリューとエリックがゲイカップルという設定は必要だったのか。きっとその答えは、この作品を見た視聴者1人1人に委ねられているに違いない。2023年公開【監督】M.ナイト.シャマラン【出演】デイヴ・バウティスタ、ジョナサン・グロフ、ベン・オルドリッジそして!
2024.06.08
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【田子の月 最中】最中の紹介を昨日今日やり始めたブログだと勘違いされるといけないので、念のため言っておくことにします。最中についての個人的な記録は、すでに10年以上も前からコツコツと書きためているのです。たまたま当時撮影した画像や記事が、ブログ用としては不完全なものなので、筆頭管理人と相談した結果、もう一回やり直そうということになりました。ついては、下手の横好きで始めたイラストなどをブログに載せてみようじゃないかと【もなか党】を発信することになったのです。と言うわけで、今回は第二回目。田子の月もなかについて語っていこうと思います。私の故郷は伊豆の片田舎で、近所にちゃんとしたお菓子屋さんがありませんでした。なので、ここぞというときは、三島や沼津まで出向いて、老舗の菓子店かあるいはデパートで小洒落た菓子折りを買ったものです。(今はそのデパートも撤退してしまいましたが、、、)ところが今から40年ぐらい前に、私の故郷にも〝田子の月〟というお菓子メーカーが出店したのです。おかげで法事はもちろん、来客のときや手土産に持参するときなど〝田子の月〟のお菓子が重宝されるようになったのです。特に最中は絶品で、当時としては、餡の中にお餅が入っているタイプは珍しく、子どもからお年寄りまでかなりの割合で愛されていました。〝田子の月〟のお菓子は何を選んでも美味しいのですが、その理由の一つに、使われている「水」があります。何しろ製造工場が富士市にあるため、富士山の湧水を使用しているのです。このポイントは非常に高いと思われます。お菓子は口に入るものだし、美味しく味わうもの。そのエネルギー源に富士山の湧き水を使っているなんて、それだけでもご利益がありそうです(笑)〝田子の月〟は最中以外にもいろいろな生菓子を扱っています。私が好きなのは、夏季限定のあんみつやチョコロール(ケーキ)、そして何より富士山頂というユニークな形をしたお菓子が大好物なのです!田子の月では〝富士山暦もなか〟という月替わりで最中の餡を変えた商品展開をしています。ちょうど新緑の今は、煎茶を練り込んだ餡の入った最中を販売しているのですが、これが美味しいのなんのって!もちろん、スタンダードの小豆餡も好きですが、私のイチオシは、実はこの煎茶餡かもしれません⁈~ご案内~●田子の月 最中●田子の月 最中中身●田子の月 富士山頂
2024.05.18
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【吟遊映人が影響を受けた五人】最近よく耳にするのは「推し」という言葉。職場の若い女の子たちが使っているのを聞いているので、何となく意味は理解できた(笑)要は、積極的に支持したい、皆に推薦したいぐらいのお気に入りの人物のことを「推し」と言うのだとか。うん、それなら私にもいる。でも「推し」と言ってしまうほどミーハーな気持ちではないので、あえて「影響を受けた」と言う硬い表現にさせてもらう。(とは言え、「推し」の5人と表記を変更しても良いのだけれど・笑)ここに記載する5人は、少なからず私の人生において指標となった人物で、この場を借りてもっと私の「推し」を多くの人に広めたいと思っている。①②③④⑤私の「推し」は上記の5人だけれど、皆さんの「推し」と被る人物はいるだろうか?自分が何者かを知りたいとき、影響を受けた人のことを頭の中に浮かべてみて欲しい。~ご案内~★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2024.05.04
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【キュア〜禁断の隔離病棟〜】『我々は病んでいる。病が胆汁のように込み上げ、喉の奥に苦いあと味を残す。テーブルを囲む皆が病んでいる。だが我々は認めないのだ。体が心に反してこう叫ぶまで。私は病気だ!』昔はとにかく日本人の働きすぎる民族性を海外のメディアから非難されたものだ。例えば、都心の通勤ラッシュ時の満員電車なんか、今でこそ外国人観光客に面白がられ、インスタなどにアップされているけれど、昔はこの模様がかなり深刻に受け止められていたのだ。余談だが、学生時代、午後の講義を受けていると、先生の単調な話が子守唄となり、大半の学生が船を漕ぎ出す(笑)すると先生が苦笑いしながら「君たちにもシエスタが必要だなぁ」と言ったものだ。シエスタ(※)とは、スペイン発祥の昼休憩を指す時間帯のことだが、日本の昼休憩が約1時間であるのに対し、スペインはなんと3時間なのだ⁉︎※シエスタの慣習は、EU統合により廃止の傾向が見られる。(Wikipedia参照)もちろん、その国の持つ歴史的背景とか文化があるので、シエスタが良いか悪いかは一概には言えない。ただ、そうは言っても働きすぎることで、人には様々な弊害が生じるのは否めない。(例)過労死・家庭不和・精神疾患・自死etc・・・そんな折、amazonプライムを検索していたら、『キュア〜禁断の隔離病棟〜』という作品を見つけた。これは正に、冒頭からして過労死に対する警鐘かと思った。と言うのも、ウォール街のさる金融商社で、深夜まで働き詰めのビジネスマン(モリス)が、心不全で倒れるシーンから始まるからだ。あらすじは次のとおり。ウォール街の大手金融会社のエリートビジネスマンであるロックハートは、取締役会から呼び出しを受ける。そこではロックハートの不正を追求されるのだが、警察に突き出さない代わりとして、ある条件を突きつけられる。それは、スイスに行ってCEOであるペンブロークを連れ戻すというものだった。ペンブロークは休暇療養のためにアルプス山中にある療養所に入所しているのだが、会社には戻らないという手紙を送って来たのである。ロックハートは、CEOを連れ戻すのなら彼と親しくしているモリスの方が適任であると答えたところ、そのモリスが心不全で亡くなったと一蹴される。仕方なくロックハートはスイスへと旅立つ。スイスへ向かう途中、ロックハートは幼い頃のことを思い出す。かつて、パリパリの金融マンだった父は、心労による精神の崩壊で、車内に幼いロックハートを残したまま橋の欄干から飛び降りてしまった。そんな父の最後を目撃していながらも、皮肉なことに、自分も同じ道を歩むことになってしまった。毎日が仕事漬けでまともに睡眠も取れず、青白い顔をしているロックハート。スイスに到着してさっそく山奥にある療養所に向かうが、タクシーの運転手からその施設にまつわる言い伝えを聞く。それは、200年程前にはバロンという貴族の城があって、高貴な血を絶やさないようにと城主は妹と交わっていたというのだ。近親結婚を忌み嫌った村人たちは、バロンとその妹を火炙りにするという忌まわしい出来事のあった場所こそが、その療養所のあるところなのだと。さらには不思議なことに、その療養所に行く者は年間に何人もいるが、そこから出て来る人はほとんどいないというものだった。ロックハートは一抹の不安を覚えるものの、とにかくNYの本社へとCEOを連れ戻さねばならないと思うのだった。この作品そのものは、かなり評価の分かれるものだと思う。私も一回見ただけでは上手く消化できず、せめてもう一回見てから記事を書きたいと思ったぐらいだ。とは言え、娯楽であるはずの映画を小難しく考えるのも意に沿わないので、私なりのざっくりとした感想を書き留めておくことにした。この作品はおそらく、〝仕事のし過ぎには気をつけろ!〟と言いたいに違いない。あと、〝怪しげな健康飲料(水)には手を出すな!〟とも受け取れる。監督であるゴア・ヴァービンスキーは、日本のホラー映画である『リング』をハリウッド版にリメイクした人物でもあるので、『キュア』のカテゴリにはずいぶんと悩んでしまった。で、結局のところ【サスペンス&スリラー】として分類してみた。(でも本当のところは【ホラー】にも当てはまる)独特のムードがあって、場面ごとに闇を感じさせるのに、ストーリー展開が追いついていない。こういうのを支離滅裂とでも言うのだろうか。(ごめんなさい)なぜなのかは不明。脚本がイマイチなのか?素材が良いだけに、ものすごく惜しいような残念な気持ちでいっぱいだ。(ネタバレごめん)ラストのロックハートとハンナが療養所から自転車で逃げるシーン。2人は自転車をこいで山を下りるのだが、シビレを切らしてCEOを迎えに来た会社の役員連中とバッタリ遭遇してしまう。その役員らはロックハートに自分たちと一緒に戻るよう命じるのだが、それを断り、ハンナとともに走り去って行く。このシーンは、私には決して清々しいものには感じられなかった。多くのレビューでは、ロックハートが笑顔で走り去ると捉えているが、私にはそうは見えなかった。古い映画だが、ダスティン・ホフマン主演の『卒業』を見たことがある人なら、私の言おうとしていることに理解を示してもらえるかもしれない。ダスティン・ホフマン扮するベンジャミンが、式場から花嫁であるエレーンを連れ出すあのラストはあまりにも有名だ。その後、嬉々として路線バスに乗り込むものの、ふと我に返ったベンジャミンは、虚な表情を見せるのだ。それはまるで、将来への漠然とした不安を暗示させるものなのである。私には、ロックハートがハンナを連れて逃げ出すこの一連のシーンが、どうしても『卒業』のラストと重なって仕方がないのだ。2017年(米)(独)公開【監督】ゴア・ヴァービンスキー【出演】デイン・デハーン、ジェイソン・アイザックス、ミア・ゴス
2024.04.27
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【善光寺鐘楼最中】昨今では、和菓子の知名度が海外で爆上がりだというのを、皆さんはご存知でしょうか?世界的な健康ブームの中、和菓子が注目されるのは、何といってもその原材料にあると思われます。水・米・豆という植物性の原材料を主に使って、どら焼きから煎餅、羊羹や饅頭に至るまで様々な和菓子が愛されています。そこで吟遊映人は、和菓子の中の和菓子である最中(もなか)について取り上げ、レポートしていきたいと思います。※数ある和菓子の中で、なぜ最中を?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので補足しておきますが、最中は日本人にとってのソウルフードだからです(笑)記念すべき第一回目は、こちらの筆頭管理人よりいただいた、二葉堂の最中です。形がユニークとのことで、バレンタインのお返しとしていただきました。老舗和菓子店である二葉堂が誇る【善光寺 鐘楼最中】は次のとおり。水飴、砂糖、小豆、栗などが主に使われていて、安心・安全の原材料。さすが日本の伝統菓子。余談ですが、小さいころ、可愛い包み紙を捨てずに集めていました。友だちが遊びに来ると、一枚一枚並べて披露するのです(笑)2019年にM-1グランプリに輝いたミルクボーイの漫才に『最中』というネタがあります。「うちのオカンが好きなお菓子があるらしいんやけど、(そのお菓子の)名前を忘れたらしくてね」「オカンの好きなお菓子なんて、味ごのみかぱりんこぐらいやろ?」「それが違うねんな。いろいろ聞くんやけどわからへんのや」「わからへんの? ほな、わしがオカンの好きなお菓子、いっしょに考えてあげるから、どんな特徴言うてたか教えてみてよ〜」この掛け合いのパターンは、『コーンフレーク』ネタと同じですが、本当に面白いのです。ユーチューブでも楽しめますので、ぜひご視聴ください。最中のことを題材にしていて、クスッと笑えます。※ご参考まで。こちらは上記の《七味噌カステラ》で、誠に珍妙で癖になる味です(^_-)-☆おせっかいな筆頭管理人(^^)v~ご案内~●善光寺鐘楼最中●善光寺鐘楼最中中身●善光寺鐘楼最中包み紙
2024.04.13
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【ミッドサマー】【出演】フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー【公開】2019年(米)(スウェーデン)2020年(日)
2024.03.30
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【吟遊映人が影響を受けた五冊】過去に《吟遊映人blog》では、「金閣寺」・「ノルウェイの森」・「わたしを離さないで」を扱いました。・要約・読書案内・要約 (上)・要約 (下)・読書案内人にはそれぞれ大切にしておきたい何かがある。例えば本だったら、私の場合は上記の5冊なのだ。それらがどんなふうに自分に影響を及ぼしたのかは、よくわからない。でも、間違いなく私はエーキョーを受けた。おそらく、きっとーー~ご案内~●著書●著者&著者名★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2024.03.23
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【 村上春樹 / ノルウェイの森 】ハルキストたちを差し置いて、私のような五十代のオバちゃんが今さら『ノルウェイの森』について語るのも、おこがましい話である。なので今回は本当にざっくりとだけ、感想めいたものを語ることにする。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私がこの小説と出合ったのは、すでに30年以上も前のことだ。あれから何度となく読み返しているけれど、ポイントとなるのは、主人公のワタナベとか、その周辺の人物たちは、ある一定の経済力のある家庭を背景にした、中流ないし上流に所属する部類であるということ。そんなこと特に関係ないと思われるかもしれないが、この経済的バックボーンを知らないと、そのオシャレな会話の意味するところも流れる音楽の雰囲気も、まるでつまらないものになってしまうからだ。度々、成り行きのように交接するシーンが出て来るが、それだって、貧乏人が他にやることがなくて、街で引っ掛けた年増の女を貪るような低俗な行為とは違う。やることは同じでも、そこにある種のドラマ(?)があるのだから驚く。でも決して愛情ゆえの繋がりではない。村上作品の中に出て来る交接のどれもに当てはまるが、ものすごく孤独めいていて、共鳴を深めたいとする男女の儀式的なものなのだ。快楽を求めるだけではない代わりに、愛とか恋とか、そういう幻想なども含まれない。経済的に不自由はなくても、満たされない精神の均衡を交接によって、かろうじて保っているという危うさ。種の継続のための生殖行為ではない交接の在り方を示すような、そういうシーンに完成されているのだ。『ノルウェイの森』を官能小説といっしょにするな! と、怒られてしまいそうだが、あえて言わせて欲しい。村上作品の交接の在り方は、思うに、〝儀式〟なのである。ここまで言っておきながらも私は村上ファンなので、たいていの作品は読了済みである。短編集『女のいない男たち』は秀逸。オススメだ。~ご案内~●本●著者「村上春樹」●著者ロゴ●著書「ノルウェイの森」タイトルロゴ『ノルウェイの森』村上春樹・著★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2024.03.02
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Misdo meets Godivaミスドと言えば庶民の味方。ちょっとしたおやつや、友だちのお宅に手土産に持って行ったりするのにちょうど良い。死ぬまでに一度は食べたいと願うほどの逸品ではないけれど、老若男女、幅広い世代から支持されるおやつなのです。一方、GODIVAと言えばセレブの代名詞のような、スイーツ界の筆頭。年に一度のバレンタインにGODIVAのチョコを自分へのご褒美として拝むように食べるのは、私だけでしょうか?もっと言ってしまえば、A級の明治・森永・グリコのチョコに対し、GODIVAのチョコはS級なのです。(ちなみにB級はフルタとかカバヤのチョコかな? いやいや、侮っているわけではないのであしからず)そんなGODIVAがミスドとコラボしたのだから、私が放っておくわけがありませんよ、はい。今回、私が購入したのは2点。いろいろと種類があり、迷った末にトレーにのせたのは、ガナッシュショコラと、ガレット・デ・ロワ ショコラです。もはや商品名からしてセレブなのです。レシートを見て確認しなければ、五十代のオバちゃんにはとうてい記憶に留めておくことなどできません。(間違った商品名をこちらのブログで紹介するわけには参りませんので←正義の吟遊映人)◆ガナッシュショコラは何と言っても見た目の可愛さに惹かれました。黒い真珠のようなチョコがところどころに載っているのですが、これがまたオシャレ!中にはチョコレートクリームがサンドされているのですが、上品な甘さで、くどくありません。これはもうドーナツと言うより、ケーキですね!フォークを使って食べる方がいいかもしれません(笑)◆ガレット・デ・ロワ ショコラは、食感が心地良い!パイ生地をサクサクと楽しみたい人におすすめです。アーモンドの芳ばしい香りが高級感を誘います。(表面に紙でできた王冠みたいな飾りが載っていたのですが、コレって何ですかね?)GODIVAのチョコが季節限定でコンビニの棚に陳列されるようになったときも度肝を抜いたものですが、それだけに百貨店に出向く人が減ったという証拠でしょうか?GODIVAは贅沢の象徴なので、デパ地下じゃないと手に入らないのがこれまでの常識でしたからーーニューノーマル時代と言われて久しいですが、今後はますますGODIVAが庶民に近づいて来るかもしれません⁈でも、まずはミスドで、GODIVAとコラボした上質なスイーツを召し上がってみてはいかがでしょうか?※筆頭管理人からどうやら吟遊さんはイッキ食いしたそうで(^_^;)、さすがにヤバいと思ったらしく運動に勤しんだそうな。でもね、口の中が甘ったるくて、この後せんべいで塩味を補填したのですが、満腹と慣れない体操で眠気を覚え、しばし惰眠を貪ったらしいですぜ(>_<)ダメじゃん、それじゃ!なお座興まで、吟遊さんにPhotoshopの生成塗りつぶし画像を送ったところ、せっかくの〈 misdo meet GODIVA 〉が無くなっちゃって興ざめしておりました。それでね、画像のドーナツ見てまた食べたくなったようで、ミスドに駆けると言ってました(*^_^*)◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2024.02.24
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【SWALLOW /スワロウ】「私は・・・(罪を犯して刑務所に入った)あなたと同じなの?」「いや、君はぼくと違う。君は何もしていない。君は間違ってないよ。君は悪くない」皆さんは「異食症」という病名を聞いたことがあるだろうか?「拒食症」とか「過食症」は聞いたことがあっても、「異食症」というのはあまり馴染みのない病名ではなかろうか?ざっくり説明すると、異食症とは「食べものではないものを日常的に食べることを特徴とする摂食障害」である。原因はいろいろとあるようで、例えば妊娠中に起こりやすくなったり、過度の精神的ストレスを感じたときなどに発症するようだ。私がこの病気を知ったのは、表題にもある『スワロウ』を見て初めて世間にはこれほどの深刻な病があるのかと、愕然としたのである。※swallowは「〜を飲み込む」の意。ニューヨークの郊外にある邸宅。プールと広い庭と自然にあふれた美しい住まい。そこに夫と住む新妻ハンターは、いつも浮かない表情をしていた。何不自由のない生活は誰もがうらやみ、悩みなどないはずであった。だが、ハンターは孤独だった。仕事で多忙を極める夫とはろくに会話もなく、夕飯時はせっかく夫婦の語らいの場となるはずなのに、夫はスマホに夢中で会話は中断してしまう。そんな中、待望の子どもができ、夫は大喜びで実家に連絡を入れる。夫の両親も交えたディナーでも、なぜかハンターは疎外感を拭えず、孤独に苛まれる。思わず目の前にあるコップの中の氷に手を出してしまい、人目もはばからずガリガリと食べてしまった。ハンターは自分でもわからないうちに鬱屈した何かを抱え、どうすることもできず、日々を過ごすしかなかった。そんなある日、ハンターの目に留まったのは、小さなガラス玉(ビー玉)だった。なぜか無性にガラス玉を飲み込みたいという衝動に駆られ、抑えることができず、飲み込んでしまう。そして後日、ハンターは自分の排泄物の中からガラス玉を見つけ、それを洗って、まるで戦利品のように鏡台の前に飾って置くのだった。主役のハンターに扮するのはヘイリー・ベネット。『ラブソングができるまで』で映画デビューを飾っている。申し訳ないことに、今回『スワロウ』を見るまで私はこの女優さんの存在を知らなかった。それにしても驚いた。いや、これはホンモノの演技派だ。顔立ちが童顔のせいか、おどおどした表情などついつい庇護欲を誘われる。『スワロウ』での役どころは、出生に秘密を抱え、いつも自分の居場所を求め孤独に耐える主婦。実業家でいわゆるセレブな夫に恵まれ、経済的には何不自由なく暮らすことのできる妻の座は、ハンターにとってはむしろ針のむしろだった。夫にとって必要なのは、見映えが良く、友人知人の前で機嫌良くニコニコしている「お飾りの妻」だったのだ。ハンターはもともと販売員として働いていて、取り立てて教養もなく、話術にも長けていなかった。しょせんホワイトカラーのお坊ちゃんの妻になど向いていなかったのだ。ハンターはレイプ事件によって生まれた子どもだった。母親が敬虔なカトリック教徒で、堕胎は許されず、この世に生を受けたという経緯があった。自分は望まれて生まれたのではないという絶望感がいつも胸の内を去来している。ハンターの中に広がる闇は、やがて食べ物ではない何かを飲み込み、排泄することで、えもいわれぬ達成感を覚える。その異常行為を夫やその両親に知られ、いよいよ自分の心の安寧を失ったとき、ハンターは、レイプという罪を犯した父親のもとを訪ねるのだ。この難しい役どころを見事に演じたヘイリー・ベネットは、フロリダ生まれのオハイオ育ちで、パリパリのアメリカ人なのに、なぜか、探せば日本にもいそうな顔立ちで親近感を覚えた。表情に憂いがあり、オーバーリアクションを良しとする西欧人とは異なる趣きで、視聴者の心を鷲づかみにしてしまう。とにかく素晴らしい演技力だった。この作品は、改めて、分相応という言葉を思い出させてくれるものだった。シンデレラのような立場を羨んではいけない。完璧な幸せなどこの世にはないのだから。自分には自分の立ち位置というものがあり、どんなに理不尽な状況にあっても、必ず手を差し伸べてくれる人がいて、歩むべき道はあるのだと教えてくれる。生き方は人の数だけあるのだから、目に見えるものだけが真実ではないと語りかけてくるようだった。ラストは、公衆トイレでハンターが流産するシーンだが、表情は心なしか晴れやかだ。孤独と絶望の中をさまよい、愛のない夫との間に授かった子どもにも素直に喜べなかったハンターだが、流産したことで人生のリセットが可能となった。やっと一歩を踏み出すことのできるささやかな幸せを噛み締めているように思えて仕方がない。さて、皆さんはこの作品をどう考察するのだろうか?2019年(米)(仏)、2021年(日)公開【監督】カーロ・ミラベラ=デイビス【出演】ヘイリー・ベネット、オースティン・ストウェル※筆頭管理人より蛇足までデンゼル・ワシントンのコチラも(有料ではありますが)Amazonプライムで視聴できます(^_-)吟遊さんには少し前におススメしたのですが(^_^;)・・・流行りというかストライクというか、筆頭管理人としては、そういうのもたまにはおさえてほしいところです。
2024.02.10
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加齢とともに、寒さに対する耐久性というものが薄れてきます。トホホ、、、若いころは薄着でもへっちゃらで、むしろ着膨れして太って見えることの方が耐えられず、アウターはペラペラのコートを着ていたような記憶があります。ところが50歳を過ぎた今は、とうていそんな無謀なことはできません。とにかく体を冷やさないため、ババシャツは必ず着るし、ズボン下も履きます。※筆頭管理人 :「池田の猪買い」は桂枝雀師がおススメです(^^♪何なら背中とお腹に貼るカイロで完全防寒対策を取るときもあります。(とは言え、更年期のせいで妙に身体がフワフワしてのぼせるときもあるので、ケースバイケースですが)さて、加齢とともに失われるものと言えば、私と同世代かもう少し上の世代の女性の方なら、皆が首肯すると思うのですが、〝うるおい〟です。きっとある程度の年齢に到達してしまえば「こんなもんか」と落ち着くのでしょうが、いわゆる更年期世代にとっては、失われつつある外見的な見映えの衰えに苦悩するのです。私が最近になって実感したことの一つに、唇のハリがどうにもこうにも失われてきたことです(涙)寒さのせいで唇が乾燥するのはまだ仕方ないとして、ハリとかツヤが減少してくるのは辛いものがあります。アザレ化粧品のリップクリームは秀逸です!私は、さる大手企業の、ドラッグストアならどこでも取り扱っているようなリップクリームを使用したことがあるのですが、唇の皮がむけてしまいました。理由は不明ですが、たぶん、成分中の何かに反応してのことだろうと思われます。その点、アザレのリップクリームは自然由来の天然成分で、一度使うと、もう他社のものを使う気になれないほどです。このリップクリームの上に口紅を塗るのですが、まだうるおいを感じたい場合は、さらにこの上からグロスを塗ります。アザレのリップグロスはナチュラルピンクなので、口紅を省略してリップクリームのすぐ上からつけることも可能です。ただ、それだけだとかなり薄付きになってしまうので、私の場合は口紅に重ねて塗るようにしています。このリップグロスもそれはそれは自然でみずみずしい唇を演出してくれるので、大好きな逸品です。こんな具合で、私の年を重ねた唇も、どうにか体裁を保っているのです。それもこれもアザレ化粧品(アザレプロダクツ)のおかげです。感謝の一言です!ご存知のとおり、アザレはネット通販や店頭販売をせず、必ず販売代理店で対面して購入することになっています。私も例外ではなく、代理店のアドバイザーさんから自宅まで配達してもらい、定価で購入しています。今はこの方式で何の問題もありませんが、いずれアドバイザーさんも年を取り、車も運転しなくなると思います。むしろ、今でさえムリして足腰をかばいながら運転しているのだと思われます。お話を聞くと、後継者はいないようで、「私の目の黒いうちは・・・」とおっしゃってくれますが、近い将来が心配になります。新型コロナウイルスの感染拡大被害を経て、世界はニュースタイルに移行しつつあります。時代は変わるのです。この機にアザレ化粧品も、と思うのです。昨日今日買っただけのイチゲン客ではなく、もう30年も愛用しているファンからの提言だと受け止めていただければ幸いです。どうか一つよろしくお願いします‼︎※過去記事の〈自然派化粧品のすすめ〉その1はコチラを、その2はコチラを、どうぞご覧あれ♪
2024.01.27
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【エリザベス】『私(エリザベス)は結婚します・・・英国と』新年最初の記事は、映画レビューにしてみた。息子がamazonプライム会員なのを知っていたのだが、一度退会していて、それ以降、再入会したとは知らなかったのだ。だが知ったからには、今後は、息子のご機嫌をうかがいながら、さりげなさを装いつつ、映画を楽しませてもらおうと思う。このお正月、インドア派の息子なのに、なぜか外出が多かった。おかげでTSUTAYAのお世話になろうとしていた私は、雨に降られることもなく、居間でぬくぬくしながら『エリザベス』を見ることができた。舞台は16世紀のイングランド。旧教のカトリックと新教のプロテスタントの争いで、国は混迷を極めていた。イングランドの女王メアリーには世継ぎがおらず、異母妹であるエリザベスの存在に戦々恐々としていた。そのためメアリーは一計を企て、エリザベスをロンドン塔に幽閉してしまう。ところが運命はエリザベスに味方した。メアリーが病死したのである。25歳という若さでイングランド女王に即位したエリザベスであったが、弱体化したイングランドを守るため、重臣たちからスペインかフランスとの政略結婚を突きつけられた。しかし、エリザベスはロバート・ダドリー卿と恋愛関係にあり、他国との政略結婚を受け入れられないでいた。そんな折、新大陸よりウォルシンガムが帰還する。ウォルシンガムは、スコットランドとの戦いに敗北したイングランドを立て直すため、まず英国国教会をして教義を統一するところから始めるのだった。この作品のスゴいのは、金に糸目をつけないゴージャスな衣装、舞台セット、島国とは思えない広大なロケーション。それらを「はわわ〜」と感嘆の声を漏らしながら見るだけでも価値がある。とは言え、史実に添った宗教弾圧である火炙りのシーンや斬首刑が生々しいこともあり、R指定となっているので、未成年の鑑賞には大人同伴が必須である。(まぁタテマエ的に)それはさておき、エリザベスに扮したケイト・ブランシェット。この女優さん、顔立ちが古風(?)のせいか、歴史的な作品によく出演するし、見事にハマっている。しかも演技派なだけあって重厚感ハンパない。代表作に『ロード・オブ・ザ・リング』や『アビエイター』『アイム・ノット・ゼア』などがある。本作『エリザベス』では、ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞している。(アカデミー賞主演女優賞についてはノミネートされるに止まった)いろいろな見方、考え方があるので、それぞれの捉え方で構わないと思うが、私が注目した点は次のとおり。それは、宗教戦争の壮絶な殺戮である。同じキリスト教であると一括りに思いがちだが、ハッキリ言ってカトリックとプロテスタントは違う。(その背景を語りたいところだが、紙面に限りがあるので、ここでは割愛)だからそれに絡む利権争いはエゲツない。弾圧に弾圧を重ね、相手の息の根を止めるまで、執拗に追い込む。粛清というやつである。こういう宗教弾圧は、もちろん日本にもあった。わかりやすいところで言えば、江戸幕府下のキリシタン弾圧など、凄まじい拷問や処刑などを繰り返した歴史がある。(高校の日本史では、サラリと触れただけだが)そうは言っても規模からして、16世紀ヨーロッパの新旧の宗教抗争には遠く及ばない。現代において、イスラエルとパレスチナの紛争は未だ終着点が見えない。民族紛争であり、宗教戦争であり、そして利権争いなのだ。『エリザベス』では、言っても、そこまで深いところを掘り下げているわけではない。だが、華やかな英国王室も、元をただせば権謀術数渦巻く恐怖と絶望の歴史に打ち立てられた象徴なのだ。本作は、それを映画という世界観で垣間見せてくれる、貴重な作品である。さて、今年は映画レビューも積極的に記事にしていきたいと思う。新しい作品に次々と触れることは叶わないけれど、過去に見た作品で印象に残ったもの、見たいと思っていたのにうっかり見逃してしまったものなどを皆さんに少しずつご紹介できればと思う。吟遊映人は、今年も亀のような歩みで、だけど眠れる獅子のように研ぎ澄まされた感性を求めて頑張ります!1998年(英)公開、1999年(日)公開【監督】シュカール・カプール【出演】ケイト・ブランシェット、ジョセフ・ファインズ※筆頭管理人より蛇足までケイト・ブランシェットのコチラもAmazonプライムで視聴できます(^_-)吟遊さんにもお伝えしたのですが、ひとつことに移るまで何かと時間を要する吟遊さんは、まだご覧いただいていないようです。誠に残念な限り(>_<)
2024.01.13
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今年もどうにかこうにか無事に暮れていこうとしています。こちらのブログをご覧いただいている皆さまも、おそらく平和な一年を終えて、ホッとひと息ついているのではと想像しております。もちろん、細かいことを言ってしまえば、グチの一つも言いたくなるような、あんなことやこんなこともあったと思います。でも、三度の食事と住む家と、清潔な衣類があるのだから、まぁ良しとしようではありませんか!令和5年は私にとって、どんな一年だったかを思い返してみますと、〝チャレンジの年〟だったような気がします。まずこちらのブログの更新を月に一度以上がんばろうと思って目標にしたところ!継続するというのは、意外にも難しいことで、私にとっては何事も苦行でしかありません。それなのに年始に設定した目標について、有言実行できた自分が「やればできるじゃん!」てなもので、嬉しい限りです(笑)そんなわけで、今年私が思い切ってやってみたことベスト3を発表したいと思います‼︎もうじき米寿を迎える叔母の同級生が生け花の先生をやっています。私はもともとお花が好きなので、50才を過ぎて初めてその先生に教えてもらうことになったのです。いわゆる〝五十の手習い〟というやつです(笑)先生もお年を召しているため、お稽古は月に2〜3回と、不定期ですが、いろんな花器に自分の好きなように草花を活けるのはとても楽しいものです。誰かに見せるためだけの生け花ではなく、空間を彩るため、自分を表現するための生け花は、私の生涯の生きがいになりそうです。先生は、さる流派の師範ですが、性格的なものなのか、年齢的なものなのか、形式にこだわる必要はないからと、伸び伸びお花を扱わせてくれます。なのでいつも私は教室に通うのが楽しくて仕方ありません。早いもので、今住んでいる我が家も25年という月日が経ってしまいました。引っ越して来た頃は、白くてピカピカのトイレだったのに、今や便座にヒビが入り、壁もシミだらけ、幼い頃の息子がガリガリやって壁紙をめくってしまい、トイレに入るたびに気になって気になって仕方がありませんでした。そこで今年は思い切ってトイレのリフォームをやりました!当初は息子と折半の予定でしたが、母の日のプレゼントも誕生日プレゼントもあげていないという罪悪感からか、全額捻出してもらえることに‼︎いやもう、母の日のカーネーションも、誕生日のケーキもいりませんよ。トイレのリフォーム代を支払ってくれるだけで、充分過ぎるほどです、はい。そして、そして!!21才のときにエリック・クラプトンとジョージ・ハリスンのジョイントコンサートに出かけたのを最後に、ミュージシャンのコンサートには行っていませんでした。というのも、自分を取り巻く環境が急変したことや、趣味を楽しむ余裕がまったくなかったからです。あれから30年以上が過ぎて、まさか息子から「ゴダイゴが来るよ」という情報を知らされることになるとは!私が車でゴダイゴの歌をよく聴いているせいか、気を利かせた息子が教えてくれたのです。小学生の頃、毎週欠かさず見ていた『西遊記』のテーマソングである、〝モンキーマジック〟や〝ガンダーラ〟はもちろん、〝ビューティフルネーム〟〝銀河鉄道999〟は、大・大・大好きなラインナップです。他のミュージシャンならどうかわかりませんが、すでに古希を迎えたゴダイゴのコンサートにはどうしても行きたくてチケットを取ったしだいです。タケカワユキヒデもミッキー吉野も(他のメンバーも)枯れてますますカッコいいおじさんになりました! ブラボー‼︎※筆頭管理人から補足吟遊さんはコンサートに先立ち、ゴダイゴの歌を復習ったとか(^_^;) 誠に吟遊さんらしいのですが、それにしてもサスガ吟遊さんの子だけあり、ご子息も若いのに奇特なことですなぁ(*'ω'*)なお吟遊さんご本人は、『若い頃はギター片手にブイブイやったものよ!』と鼻息荒く自慢しますが、その実はご実家も伊豆の山中のことですし・・動物くんたちとハモってたりしてね(*^_^*)さて、こんな感じで私の令和5年は幕を閉じようとしていますが、こちらの筆頭管理人にとってはどうだったのでしょうか?~~~~~~~~~~~ということで筆頭管理人です(^o^)/でもねぇ。吟遊さんに言われましても、小生すでに前期高齢者の列に片足を踏み入れた齢ですから、貴女の様に新しいことを企てる気は毛頭なく、どちらかといえば世をすねたように生きているもので、特段お知らせする事も無いのですが・・・あえて言えば、私の令和五年は「再」でしょうか。師走に発表された漢字は、どうもピンときませんで、それこそ「へんな感じ」と駄洒落に適したように思えましたが、私はコロナが収束したこともあり、「ふたたび」の再です。その最たるものが、かつての様に映画をシアターで見る事を再開しました\(^o^)/それでベストはこの二作でした(^_-)-☆こういう作品はシアターで見るに限ります! 何よりシニア割引の特典がありますからね(^_-)vそれと、二つ三つ再開したことがありますが、極めて私事でお話しするほどのことでもありません。ところで!来年も何ら気にすることなく、アレコレたくさん食べて、おおいに創作の糧としてくださいね♪~~~~~~~~~~~ーーと言う具合で、筆頭管理人にとっても、何かしらの一年だったようですね(笑)そうそう、今年のXmasケーキは結局、買いませんでした。今や値上がりの嵐で、おいそれとホールのXmasケーキも買えない時代となりましたものね。でもうちの息子、職場の忘年会のビンゴ大会で、ケーキを当ててくれたのです‼︎このケーキ、べつにXmas仕様ではないのですが、クール便で届いたのが24日(日)だったので、ちょうど良い按配でした! ありがたや、ありがたや、、、てなものです。本年も吟遊映人ブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございました。来年も様々なカテゴリを皆さまと共有できましたら幸いです。どうか来年も、この吟遊映人ブログをよろしくお願い申し上げます。令和5年 大晦日
2023.12.31
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スタバをエモい言い回しで賛辞を贈るとすれば、〝上弦のカフェ〟とでも言いましょうか。※『エモい古語辞典』(朝日出版社)参照さらに、タリーズには〝下弦のカフェ〟という賛辞を贈りましょう。元の職場の同僚が『鬼滅の刃』を貸してくれたのを思い出し、〝上弦〟とか〝下弦〟などのエモい表現を使ってみました。ちなみにこちらの筆頭管理人は、ちまたで『エモい古語辞典』が話題になる前に、どこかの新聞の書評から「今年のトレンドになるゾ」と予想して、私に紹介してくれました。そんなわけで、『エモい古語辞典』なるものが半年前より書店に並び始めたころから、すでにその存在はチェックしていました、はい。それはともかく、その〝上弦のカフェ〟であるスタバで、この冬イチオシのスイーツをいただいて参りました!商品名は『ストロベリーメリークリームケーキ』です。何というのか、見た目から洗練されているのですよ。一般的なイチゴのショートケーキなら三角形。モンブランなら丸型・山型。それが『ストロベリーメリークリームケーキ』は、そのふんわりした商品名を良い意味で裏切り、少しのムダも許さないような長方形なのです。もっと言ってしまえば〝スタイリッシュ〟という言葉が相応しいかもしれません。ただ甘いだけの生クリームではなく、酸味の効いたイチゴのムースと合わせることで、良い按配にバランスの取れた甘さに仕上げられています。スポンジは何というか、香ばしさが感じられ、一体何が入っているのだろうと調べてみたら、「アーモンドプードルを入れた」スポンジ生地と書いてありました。なるほど。私は田舎生まれの田舎育ちのせいか、と思い浮かべてしまう凡人のため、今年の春ごろだったか発売された『ミックスパフェケーキ』の方が今の時期に合っているのでは?と思ってしまいました。『ミックスパフェケーキ』はプチゴージャス感があって、「お盆とお正月ぐらいはこれぐらいの贅沢は許されるはず」(←春に食べたけど)と、ついつい自分に免罪符を切りたくなるようなラインナップでした。〝上弦のカフェ〟スタバのスイーツにハズレはありません。我々愛用者は、その季節ごとに発売されるラインナップを順番に愛でて、咀嚼し、メモして手帳を閉じる、、、の繰り返しでしょうか?そうそう、スタバへ出かけるときの私のバッグは、いつも就活みたいにたっぷり入ってます(笑)大きめバッグにスマホ・サイフ・ハンカチ・ティッシュ・本・筆記具・手帳、冬はマフラーなどを入れて出かけます。(たまに膝掛けまで持っていくときもあります)老眼の進んだ友人は、オシャレなメガネケースに老眼鏡を入れてバッグに常備しているとのこと。大は小を兼ねると申します。やっぱり安定の大きめバッグが私の味方です!(※つまり菓子パンの二つ三つが入る大きさ。筆頭管理人)〝上弦のカフェ〟スタバに出かけるときは、すでに家を出るところからドラマの始まりです。「今日はどんなスイーツに出合えるかな?」「あったかい飲み物にしようかな、それともガツンと冷たい飲み物にしようかな?」「窓側のあの席、空いてるかな?」私にとってどんな些細なことでもエモい瞬間なのです(笑)◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.12.09
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【 カズオ・イシグロ / わたしを離さないで 】夏に叔母が亡くなった。秋になって従姉も亡くなった。2人とも心不全だった。心臓の機能が著しく低下し、やがて生命としての役割を終えたのだ。近しい人が忽然と亡くなると、ふだんは考えもしないことを妄想してみたりする。例えば日本のどこかで誰かが交通事故に遭い、脳死状態になったとする。私の従姉がたまたまそのドナーから臓器提供を受け、一命を取り留めたとしたら・・・?あきらめていた人生を取り戻せるなんて、起死回生の術を施されたに等しいものだ。だが叔母も従姉も臓器提供のシステムには消極的で、寿命に逆らわず、延命措置も施さず、ロウソクの火がスッと消えるように亡くなったのである。私はそれで充分だと思った。確かに亡くなったことは悲しい。できることならもっと長く生きて欲しかった。だけど助かりたい一心で誰かの死を望み、臓器移植の日を今か今かと待ち構えるような立場にはなりたくないとも思う。いや、それは私の偏見だ。世の中には想像もつかないような身の上の方々がいる。だから物事の一面だけを見て、臓器移植のことを批難したくないし、無責任なことは言うべきではないとも思う。この問題は本当に難しくて、答えを容易に見つけられないことに軽い苛立ちすら覚えてしまう。何が正解なのかはわからないけれど、事実を事実として受け入れる強さと、流れに身を任せられるしなやかさを持ち合わせていたいと思った。そんな折、私はBOOKOFFで買ったカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読んだ。あらすじは次のとおり。ヘールシャムという特殊な環境でキャシーは生活していた。物心ついたときから両親という存在はなく、代わりに保護官により様々な教育を施されて来た。そこで仲の良い友だちとつるんで遊んだり、ケンカしたり、また仲直りするという繰り返しだった。キャシーがとくに仲良くしていたのはルースで、気が強く、誰にも負けていない激しい性格をしていた。一方、癇癪持ちのトミーは、その滑稽な振る舞いからイジメの対象となっていて、皆がトミーのモノマネなどしてからかう中で、キャシーだけはそこから一歩引いているのだった。キャシーとトミーはグループの輪からこっそり抜けて、2人きりで過ごすことがあった。2人は、皆の前では話せないような突飛なことを真剣に話したりする中で、特別な友人関係が作り上げられた。16歳になると、キャシーの周辺は性交についてとても混乱した意見が飛び交った。保護官のタテマエとしては、「肉体の欲求を尊重する」とのことだったが、実際には、女子寮から男子寮を訪問することは禁止されていて、またその逆も禁止されていたからだ。普通の人にとっての性交とは、子どもを作るための行為だが、提供者であるキャシーたちには子どもができないのだ。だが、仲間内では、性交しておかないと、将来、よい提供者になれないという意見がまことしやかに言われていた。腎臓やすい臓が正常に機能するには、人並みの性交が必要なのだと・・・さらには、深く愛し合う2人ならば、提供者となるまでにしばらくの猶予期間を与えられるという噂が流れた。そんな折、ルースはトミーとカップルになって、もちろん性交もした。ルースはトミーとだけでなく、他の男子とも性交した。その後しばらくして2人は破局したが、キャシーの仲裁により、復縁した。だが周囲の友人たちは皆、トミーはキャシーとカップルになるのだと思っていた。ルースとトミーは長くは続かないだろうと思っていたのだった。著者のカズオ・イシグロは日本人の両親のもとに生まれ、5歳のときにイギリスに移住した。すでにイギリス国籍を取得しているため、イギリス人である。代表作に『日の名残り』があり、英国最高の文学賞とされるブッカー賞を受賞している。映画化もされており、名優アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンの出演により、数々の映画賞を受賞し、話題を呼んだ。2017年には、ノーベル文学賞を受賞した。こんなに華々しい経歴の作家が描く世界なんて、凡人の私には理解できるはずなどない、そう思っていた。どうせ何か社会風刺を効かせた、いわゆる反体制的な作品なのでは・・・?と。だがそれは大いなる誤解だった。いや、少なくとも『わたしを離さないで』においては、そういう胡散臭い類のものではないことは確かである。イギリスのどこか田舎の某所に、ひっそりとたたずむヘールシャム施設。そこではクローン人間が将来良き提供者となるため、一般人のように教育を施され、友情を育み、青春を謳歌する。物心ついたときから自分の臓器が誰かに移植されることを知っていて、それほど長くは生きられないことも何となく理解している。恋を知っても愛する誰かと生涯を共にすることは叶わず、子どもはできない。そんなクローン人間も、傷付けば涙は出るし、生(性)への欲望もある。物語はさも実在のことのように淡々と綴られていく。SF小説のようでありながら、淡い恋愛小説のようでもあり、実は若者向けの青春小説なのかもしれないとも思える。絵画でシュールレアリズムという世界観を表現するダリやマグリットのような、精神の均衡を脅かされるような恐怖感もある。とにかくスゴいと思った。私小説とは対極のところにあるジャンルなのに、どの場面を切り取っても真実に見えてしまうのだから不思議だ。この作品は、私がこれまで読了した本の中でも、生涯で忘れられない小説となるのは間違いない。『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ・著~ご参考~★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.11.25
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早速ですが、まずは最初に問題です!※答えは最後を見てね♪米を主食としている日本人ですが、ほとんどの方がパンも大好きなはず。私の予想する日本人の愛する菓子パンベスト3と言えば、一にあんパン、二にカレーパン、三にメロンパンと言ったところでしょうか?パンと言えば、日本人の憧れ、おフランスから海を渡ってこの島国にもたらされたイメージが強いのですが、もはや上記のような菓子パンベスト3に至っては、帰化してこの国で生まれたオリジナルのソウル・フードなのです。特にメロンパンは全国津々浦々に展開するご当地メロンパンが人気を博し、度々テレビのグルメ番組などで取り上げられています。お墓参りか何かで東名高速を利用した際に立ち寄るSAでは、例外なくメロンパンを販売していますし、間違いなく絶品なのです。そんな折、当ブログの筆頭管理人から「コンビニのメロンパンは美味しいよ」と言う情報を仕入れ、さっそく食べてみることにしました。(ちなみに筆頭管理人は菓子パンが大好きな御仁なので、お昼はよく菓子パンを食べて至福のひと時を過ごしているようです)まず私が買ってみたのは、ローソンのメロンパンです。【じゅわバタ塩メロンパン】〜ローソン〜ローソンの展開するUchi Cafe シリーズは絶品ですが、このメロンパンも実に美味しい!周囲はサクサクしていて歯ごたえがあるのに、中は空気が入ってもっちりしているのです。塩気の効いたバター入りマーガリンの風味がアクセントになっていて、一般的なメロンパンとは一線を画しています。紙の容器に入っているので、最後はそれをはがして食べるような感じです。これはもうメロンパンと言うより、もはやスイーツです、はい。※ヤマザキ製パンが製造し、ローソンが販売。ローソンの推してるメロンパンがこれだけ美味しいなら、ファミマあたりはさぞかし苦戦しているのではなかろうかと、次はファミマのメロンパンを買ってみました。【バタークロワッサンメロンパン】〜ファミリーマート〜一般的なメロンパンと違って、生地がクロワッサンになっているため、バター入りマーガリンの風味を感じつつコクがあるのです。生地の表面にはザラメがふんだんに塗してあるため、これでもかと言うほどに歯ごたえがあります。(ビスケット生地を被せ焼き上げているようです)クロワッサンとメロンパンを一度に味わえるような贅沢な逸品です。美味しい意外の感想はありません。※ローソン同様、ヤマザキ製パンが製造し、ファミリーマートが販売。ローソンとファミマがこれだけのクオリティなら、強豪セブンは一体どれほどの変わり種を見せてくれるのだろうかと、次はセブンのメロンパンを買ってみました。【ふんわりメロンパン】〜セブンイレブン〜国産にこだわる消費者を意識してなのか、〝国産小麦〟を冠に付けた商品名でした。おそらく香料の匂いだと思いますが、袋を開けたときの素朴なミルクの香りに癒されます。日本人の追求するスタンダードなメロンパンへのこだわりを感じました。正に、シンプル・イズ・ベストというものです。セブンのメロンパンは意気込みが違うとでも言うのでしょうか。徹底したサステナブル感が滲み出ていました。※製造は(株)プライムベーカリー富士第二工場どれも甲乙つけ難く、美味しくないメロンパンなど存在しようもありません!ただ、私個人の好みを言わせていただくのならば、ローソンの塩気の効いたメロンパンが、頭一つ分、他者より抜きん出ていたような・・・(たかがメロンパンとは思えないような、洗練された味でした)とは言え、それもこれも人それぞれの好みによりますので、ローソンが一番美味しいと言い張るつもりはありませんのであしからず。果たして、みなさんはどちらのメロンパンに一票を投じるでしょうか?コレを食べるとメロメロになると言う推しのメロンパンがある方(メロンパンなだけに)、ぜひご一報くださいね〜!(笑)~~~~~~~~~~~~筆頭管理人から余談をひとつ。あろうことかあるまいことか(-_-;)、吟遊さんはどうやらメロンパン三つをイッキ食いしたらしいです(>_<)本人は「原稿執筆のため」とか言っておりますが、それでもねぇ・・・(-_-)それで武勇では続き、天下泰平!~~~~~~~~~~~~冒頭の回答です。皆さんわかりましたか?今日はコンビニのメロンパンをおひとついかが(*^_^*)◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.11.04
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仕事でうっかりミスをやらかしたり、頭が痛いのにロキソニンを切らしていたり、何かと不運続きの息子は平成8年生まれで八方塞がりという年廻り。もうすぐ令和5年も過ぎようとしているから、そんなにネガティヴになることもないのだと言ってやるのだけれど、ささいなことでもレアなハプニングが続くとメンタルにかなり響くようです。そこで私は思いつきました。神社・仏閣を訪れることが大好きな私ですが、比叡山はまだ行ったことがなく、息子の年廻りを気にしてというよりは、ほとんど私が行きたかっただけのような気もします。(←そして御朱印のゲット、それが本当のところでしょう。筆頭管理人)10月8日(日)は、朝から厚い雲に覆われていて、雲行きが怪しく、傘持参のお参りとなりました。一口に比叡山と言っても、ガイドマップにもあるように、かなり広域です。延暦寺は単体の建造物を指すのではなく、東塔(とうどう)・西塔(さいとう)・横川(よかわ)の3つの地域を総称して比叡山延暦寺と言うのだとか。こういうことまでは学校の授業では習わなかったので、「なるほどねぇ〜」てなものです。ちなみに今回私が行ったのは、東塔地域と西塔地域で、限られた時間内では横川地域まではムリでした。残念。参考までに、私の巡拝コースをご紹介します。【東塔地域】①根本中堂(国宝)2016年より10年間の大改修をしています。基本的に撮影禁止ですが、場所によって撮影可のところもあります。改修工程を見られるなんて、夢のようでした!最澄の教えを象徴する「不滅の法灯」が1200年灯り続けているのを目の当たりにするのは、感動以外の何ものでもありません。筆頭管理人です。実は宮澤賢治はこんな短歌を詠んでいます。それでね、根本中堂の脇に歌碑も建っています。「不滅の法灯」もいいけど、コレもおつなもんでしょ。でも吟遊さんは見逃したはず!ということで載せました(^_-)②文殊楼「立派な建物だなぁ〜」と思いながら、楼門をくぐりました。③大講堂伝教大師をはじめとする様々な宗派の開祖の人物画が、ズラリと並んでいました。さすがは日本仏教の発祥の地ではあります。御守りや数珠、お線香など、ここで購入できます。息子は八方除け御守りを購入。この1点だけでも比叡山を訪れて良かったです。④大黒堂大黒天をお祀りしているので、中に上がってしっかり拝んで来ました(笑)⑤阿弥陀堂声高らかな読経が、辺り一体に響きわたっていました。それを聞いただけでご利益がありそうな気になるので、不思議なものです。⑥萬拝堂千手観音の周囲に108個の数珠が並べられています。この大きな数珠を一つ一つ触りながら一巡しました。そうすることで、人間の煩悩が消えるそうです。【西塔地域】雨が酷くなり、霧も出てきたため、釈迦堂を参拝した後は、親鸞聖人修行の地、法華堂などをざっくり見るだけにとどめました。もっと時間に余裕があれば、坐禅の体験などしてみたかったと思います。ーーというのも、我が家の宗派は臨済宗円覚寺派なので、パリパリの禅宗系です。(それなら比叡山ではなく、円覚寺で坐禅体験しろとのご意見もありそうですが、そこはご愛嬌で)だいたい60分ぐらいの坐禅体験とのことで、にわか修行者にはたいへんありがたいです。他に、写経体験もあるようですが、最近老眼が進んできたせいで、暗いところで小さな字を読んだり書いたりするのがおっくうになり、こちらは遠慮させていただきました。以下、筆頭管理人です。吟遊さんは、横川をスルーしたようですからそこの御朱印はゲットできていないはず!ということで見せびらかすつもりはありませんが載せさせていただきました、フフフそして横川と言ったらこれでしょう!今ごろは地団太を踏んでいることでしょうが、前々から「叡山に行くなら説明するから」という申し出を袖にして出かけるから、ポイントを外すことになるわけですな、フフン。最後に髙橋新吉の詩、『比叡山』を載せておきます。あのダダイスト髙橋新吉の詩なんですよね~氏の言う「後の世の凡夫」にならぬよう、私は本坂を登って行きましょう(^_-)なお、最後の和歌は宗祖伝教大師のものです。
2023.10.28
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物事には概ね、専門分野というものがあります。病院でたとえると、おめでたなら産婦人科、吹き出物ができたら皮膚科、手首を捻挫したら整形外科ーーというように。なのでお願いごとの内容によっては、お参りする神社も異なるのではと思われます。もちろん、一般的なお願い(無病息災とか家内安全など)なら、ご近所の氏神さまに手を併せることで充分なご利益があると思います。けれどピンポイントで「何とぞ○○につきまして、一つよろしくお願い申し上げます」と、具体的にお願いごとが明確な場合は、その道の専門の(?)神さまにお参りした方が良いでしょう。私のこれまでの経験からして、庶民の懐具合と味覚に合った、美味しい飲食店というものは、たいてい雑誌やテレビなとでチヤホヤされているようなお店ではありません。郊外の、あまり人目につかないようなところで、気心の知れた夫婦や身内で、細々と経営しているようなところが多いような気がします。あるいは三国志において、名軍師と謳われた諸葛孔明は、四川省のド田舎に畑仕事などやりながら暮らしていました。孔明の庵は都からおいそれと行けるようなところではなく、草深い山奥にあったのです。つまり何が言いたいのかと言うと、今回、私がご紹介するのは、それはもう人里離れたところにある、知る人ぞ知る神社なのです。足神神社(あしがみじんじゃ)という名称の、標高800mほどのところに位置するこの神社は、その名のとおり、足の神さまとしてお祀りされています。私はこちらの神社に過去2回ほどお参りしたことがあるのですが、当時は有名なサッカー選手(おそらくジュビロ磐田)の絵馬が奉納されているのを発見し、どんなに活躍しているスター選手でも、神さまに縋りたくなるものなのだと、しみじみ実感したものです。そして、こんな草深いところを訪れてまでお参りするというのは、それほどまでにこちらの神社の有効性を信じて疑わない証拠でもあるのです。足神神社の所在地は、浜松市天竜区水窪町奥領家5005-1です。浜松の市街地からだと車で2時間以上かかる山奥です。(天気の良い日を選んでお出かけください)御朱印ガールの方々にお知らせしておきますが、社務所は平日無人となっています。幸運にも、私が出向いたときは日曜日で、宮司さんがいらっしゃいました。確実に御朱印をいただきたい方は、あらかじめネットで情報を精査してからお出かけいただいた方が良いかもしれません。神社のすぐ脇の方には、霊犬しっぺい太郎のお墓もあります。しっぺい太郎は、静岡県磐田市のイメージキャラクターであり、ゆるキャラ「しっぺいくん」として市民の方々から愛されています。愛犬家の方々は、この霊犬しっぺい太郎のお墓も合わせてお参りされるようです。「老いは足から」とも言いますから、歩けるうちにこの草深い足神神社を訪れ、健脚祈願をされてはいかがでしょうか?【追記】足神神社の湧き水は市民の方々から大人気で、ペットボトルなどに水を汲みに来られるようです。私もその清らかな湧き水で手を洗ったのですが、冷たいのなんのって!正に、清水でした。
2023.10.14
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今年もまたマックの〝月見シリーズ〟の季節がやって来た!チーズ月見セットは、私の定番注文メニューで大好物♡いつもなら飲み物にカフェラテを選ぶところだが、今回はシェイクにしてみた。それも秋限定のシェイク。『月見マックシェイク長野県産シャインマスカット』は、口の中に残るような甘さはなく、スッキリとした味わいで、ほんのりと芳醇な香りがする上品なシェイクである。ぜひとも当ブログの筆頭管理人にも味わってもらいたい逸品なのだ。※「天高く吟遊肥ゆる秋」ってなことにならないようご注意を! おせっかいな筆頭管理人よりそんなわけで、食べることがますます楽しくなりそうな秋は、読書をするのにも適した季節。秋の夜長、お気に入りの一冊を手に取り、ゆっくりページをめくってみるのも一興かと。今回は特にテーマはなく、単にた行で始まる作家のおすすめ小説だ。例によって3冊ご紹介しよう。①高村薫『レディ・ジョーカー』この小説を読んだのは、もうずいぶんと昔のことになるが、とにかく衝撃的だったのは覚えている。単なるミステリー小説ではなく、いわゆる〝社会派〟という冠が付くジャンルのものだ。あらすじや感想などの詳細は、【読書案内】のページでも記述しているので、良ければ参考にご覧いただきたい。ちなみに『レディ・ジョーカー』は、1999年版(国内編)『このミステリーがすごい!』において、堂々の第1位を獲得している。②武田邦彦『フェイクニュースを見破る武器としての理系思考』この御仁を有名にしたのは、フジテレビで放送していた『ホンマでっか⁈TV』や、読売テレビの『たかじんのそこまで言って委員会』あたりの番組で人気を博したのだと思われる。最初の頃は胡散臭く見ていた私だが、ある時、「むやみにテレビに出ている〝専門家〟と呼ばれる人たちを信用しない方がいい」と武田氏が発言したことから、私の見る目が変わった。武田邦彦という人物の、主義・主張をもう少し知りたいと思った瞬間である。武田邦彦は、東大の教養学部基礎科学科を卒業。東大の工学博士の学位を取得している。耐震性を考慮した原子力発電の推進と、兵器にならない原子力発電所を開発。そもそも〝地球温暖化騒ぎ〟の発端は、朝日新聞の記事にあると糾弾した第一人者である。平成31年には、当時の首相(安倍総理)が主催した〝桜を見る会〟に出席。現在は保守派政党である参政党(2020年設立)のアドバイザーを務めている。※Wikipediaと著者プロフィールを参照さて『フェイクニュースを見破る武器としての理系思考』についてだが、この著者がスゴいのは、現代の日本人の知的レベルを実によく理解しているという点である。本来なら、学術的な内容かと読むのがためらわれるところ、蓋を開けてみると、高校卒業レベルなら誰でも理解できるように、噛み砕いてわかり易く解説しているのだ。そこから導かれる答えーー本書のテーマはーー必ずデータを見て、自分で考えることの大切さ、だと思う。とにかく、人の言うことに流されるな、鵜呑みにするな、という警鐘であると私は捉えたのである。③谷崎潤一郎『細雪』私の大好きな作家ベスト3には入るので、こちらは絶対にはずせない。谷崎作品の中で、圧倒的な完成度と優雅さと、さらには格調高さを誇るものである。長編なので、1日や2日で読了できるものではないけれど、ワンシーズン使って、少しずつ読み進めていくのも楽しいかもしれない。谷崎潤一郎の描く女性は、とにかく〝個〟がある。世俗の荒波に負けない強さがあり、しかも気高い。上方を舞台にした旧家の美しい四姉妹が織りなす人間模様は、さながら王朝文学である。谷崎作品の中で、代表作と言ったら間違いなくこの『細雪』しかあり得ない。人生に一度は読んでおくべき必読書と言っても過言ではないだろう。以上の3作品が、私のおすすめするた行で始まる作家の作品である。一方、当ブログの筆頭管理人はどんな作品をエントリーしてくれるのだろう?それでは最後に、筆頭管理人のおすすめするた行で始まる作家の作品をご紹介願おう! 呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! ってことで筆頭管理人です。「た行」といえばこの人しかありません。山頭火の詩人の心に触れたくて、彼を追い四国を歩き遍路しました。室戸では、山頭火の後ろに立って大海を眺めている気になりました。誠に、なんぼ眺めても飽かないものでした。座右本の山頭火日記と句集は手製のブックカバーをこしらえました。山頭火湯飲みはペンケースに使っています。なお、山頭火を世に出したと言っても過言ではない大山澄太氏の「山頭火の道」は近年古本で手にして以来、私の宝物です。季節もよくなりましたので、また山頭火を追って四国に行こうかと、画策中の私目でありました。~~~~~~~~ご参考まで(^o^)/はコチラです。はコチラです。はコチラです。そして!当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.09.30
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世の中、空前の癒しブームです。猫も杓子も癒されたいと願う輩ばかりなのです。でもその気持ちはよく分かります。職場で、近所付き合いで、親族の集まりで、様々な状況で、程度の差こそあれストレスにさらされていると、ザラつく神経をどうにかしたいと思うものですから。癒しはやっぱり静謐なものの中に生まれるのでしょうか。人ごみや騒音の激しいところに、癒しはありません。身近なところでは、やはり神社やお寺などが人々に癒しを与えてくれるのに最適な場所と言えるでしょう。だからと言って、私の若い頃では考えられないことですが、お寺の境内がデートスポットとして若い男女で賑わいを見せているのも驚きです。もちろん、初詣に二人仲良く出かけるのは構いません。紅葉狩りを楽しむのも構いません。ですがイチャラブを見せつけられるのは、人によっては癒しどころかストレスに感じでしまう場合もあるので、充分なご配慮をーーさて、今回私がお参りに出かけたお寺は油山寺です。遠州三山(法多山尊永寺・可睡斎・油山寺)の一つでもあります。油山寺HPより静岡県袋井市にあり、真言宗智山派のお寺です。ご本尊は薬師如来で、目の霊山として敬われています。女性の厄年と言われる三十三歳の大厄の年には、迷わず、こちらの油山寺を訪れました。当時、あまり良いことがなく、体も不調続きだったので、藁にもすがるような思いで厄除けをしていただいたのです。それがきっかけとなり、厄除け以外にも、こちらの油山寺には散策がてらぶらりと出向くことが多くなりました。何回かお参りに行くうちに、ポイントとなる見どころを押さえたので、こちらに少しだけ紹介しておこうと思います。①山門(国指定重要文化財)もともと掛川城の大手門だったようで、その名残りが感じられます。私が参拝に訪れたとき、この山門の前で、年配のご夫婦が記念撮影をしていました。②驥山門(きざんもん)有名な書道家が書を刻んだ石柱門のようですが、私としてはここからてくてくと歩いて行く先にある本堂への入口だと思うことで、特別なポイントとなっています。③天狗谷本堂に続く参道は、ちょっとしたウォーキングコースです。小川のせせらぎを聴きながら、自然豊かな森林浴を楽しみつつ、のんびり歩きます。私が出かけたときは、ツクツクボウシやミンミンゼミが鳴いていました。他に鳥の鳴き声も聴こえたのですが、何と言う鳥かはわかりません。(日本野鳥クラブの人に教えてもらいたいと思いました・笑)④三重塔(国指定重要文化財)案内板に寄ると、ずいぶん昔に建立されたもののようで、圧倒的な重厚感に包まれています。安土桃山期の三名塔の一つとのこと。※ちなみに西国三十三ヵ所霊場の第三十一番の長命寺(滋賀県近江八幡市)にある三重塔も、三名塔の一つです。⑤薬師本堂(県指定重要文化財)油山寺HPより山頂にある薬師本堂をお参りしなくては、油山寺に来た意味が半減されてしまうので、私はいつもここまで歩いてお参りしています。眼病平癒はもちろんですが、足腰の守護をご祈願される参拝者に定評があります。以上、5点のポイントを押さえて、こちらのお寺にお参りすれば、かなりの充実感で満足できると思います。これから季節的にも、紅葉で燃えるような山内を散策するのも楽しいかもしれません。心に休息が必要なとき、どうぞ油山寺にお越しください。※ご参考まで、こちらは~~~~~~~~なお、当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.09.23
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多くの女性はある程度の年齢になると、年に一度は婦人科検診を受ける必要があります。職場の方から指定病院の予約を取るよう促されるので、否が応でも受けなくてはならないのです。それにしても婦人科検診と言うのは憂うつなものです。出産経験があるからとは言え、慣れるものではありませんね。しかも私の場合、職場で指定されている病院が自宅からずいぶんと離れたところにあるため、そこへ出向くまでの労力やら帰宅するまでをトータルすると、だいたい半日がかりとなります。そんなわけで、緊張しながらも婦人科検診(内診・マンモ)を済ませると、バスの発車時間まで院内のタリーズで過ごすことにしました。※ちなみにバスは1時間に1本あれば良い方で、時間帯によっては2時間に1本の場合もあり、私のようなペーパードライバーにはほとほと不便な場所にある病院なのです。これまでスタバ一辺倒の私には、タリーズが二軍のような存在でした。それは決して蔑ろにしていると言う意味ではなく、気軽に行けるところにタリーズがなかったため、どうしてもたまに出かける程度の存在となっていたというわけです。さてタリーズで何を注文したかと言うとーー『アールグレイ香る英国のティータイムカフェラテ』と言うものです。院内で弱冷房とは言え、五十歳過ぎのオバちゃんである私の体はかなり冷えていたため、あえてホットにしました。塩気のあるカフェラテと言うのでしょうか?そこにたっぷりとホイップクリームがのっている感じです。さらにホイップクリームに柑橘系のジャムみたいなソースがかかっていて、嗅覚をくすぐるのです。イギリスを彷彿とさせるものかどうかは分かりませんが、確かに贅沢な味わいだなぁと思いました。ちびちび飲むつもりだったのに、喉も渇いていたせいか、ゴクゴク飲み干してしまいました。(ドールサイズ ¥660)私のバッグには、いつも文庫本が一冊入っているので、タリーズで1時間半ほどの時間をつぶしましたが、大して苦にもなりませんでした。返って、のんびりと読書の時間を与えられたことが有り難く思えるほど。そのぐらい日常生活は何かしら忙しなく過ぎていますからーーそれにしても病院内のタリーズは、何となく異空間でした。自動ドアを一歩外に出れば、無機質な病院の廊下で、その向こうにはお客さんであふれる受付窓口がズラリと並んでいるのです。ストレッチャーで運ばれていく人、点滴スタンドを引きながら歩く人、車椅子のお年寄り、とにかく何かしらトラブルを抱えている人が健気に交差しているのが病院です。ところがタリーズの自動ドアを開けた瞬間、ふわりと漂うコーヒーの香りと店内に柔らかく流れるジャズ。談笑する人、読書する人、ただ静かにコーヒーを飲む人、この空間だけは病院ではないのだから不思議です。スタバには度々出かけてコーヒーやスイーツを楽しませてもらう私ですが、意外にもグッズは買ったことがありません。一方で、たまにしか行ったことがないタリーズでは、なぜかグッズに目がいってしまい、ついつい買ってしまいます。数年前に買った水筒は、いわゆる一目惚れというやつです。その名も『フィーカ』。スウェーデンの生活習慣で、休憩を取ったり、コーヒーを楽しむ時間のことを言うのだそうです。水筒の絵柄もなんだか北欧っぽくてカワイイなと思いました。夏は職場に水筒を2つ持参しますが、そのうちの1つがこのタリーズで購入したものです。私の愛用品なのです。だいぶ話が逸れましたが、要は健康で美味しくご飯を食べるためにも、年に一度の婦人科検診を受けましょうーーと言うことと、タリーズに出かけて美味しいコーヒーとスイーツをいただきましょう! と言うものです(笑)追伸 : 病院の正面玄関に設置されているポストが、赤色ではなく金色(ゴールド)でした!※筆頭管理人より本人は悦に入って語っておりますが(しかも写メまでしてるし)、こういうのを「蛇足」と言う。金の銅像が病院のエントランスに建っていたとか、或いは病院の中庭に金のアヒル(置物)がいたとかいうなら面白いとは思いますが・・・もしかして!金がグラム1万円をこえ、吟遊さんは大儲けしたとか!!なんてね。~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.09.09
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【 笹沢左保 / 愛と孤独と 】六十代の女性が美容院などで愛読する雑誌に『素敵なあの人』がある。(五十代の私なんかもわりと読んでいるけれど)その雑誌に連載している冨士眞奈美(※敬称略)のエッセイは白眉である。(わずか1頁の記事だけど)内容としては、著名な俳人の句と冨士眞奈美本人の作った句を取り上げて、日常のあれやこれやを語るのである。女優・冨士眞奈美は作家としての一面も持ち合わせ、その才能は多岐にわたる。私の卒業した高校の先輩であり、卒業生皆の憧れの的と言っても過言ではない。ところで今回なぜ冨士眞奈美の話題を冒頭から導入したかと言えば、『愛と孤独と』に登場するヒロイン光瀬亜沙子のモデルとなった御仁だからである。つまり、『愛と孤独と』は著者である笹沢左保の私小説なのだ。だが残念なことに、巻末の解説によると「(笹沢左保がこの告白小説を)書いていること自体が苦痛になって連載を途中で打ち切ってしまった」とのこと。私としては短編小説として捉えていたため、何ら違和感は覚えなかったけれど、本来なら続きがあるのだと言われれば、素直にその先を読んでみたい気もするーー内容はこうだ。作家の「ぼく」は、六本木のバーで売れっ子女優の光瀬亜沙子と半年ぶりに再会した。亜沙子は裏表のないサッパリとした性格で、知的な女性だった。自分とは十歳ぐらいの歳の差があるが、人見知りのぼくは、不思議と亜沙子の前では自然体になれた。その場限りの付き合いである知人なら何百人といるが、亜沙子とはそうではなかった。ウマが合うーーと言ってしまえばそれだけなのかもしれないが、ぼくと亜沙子の場合、それ以上の何かがあったことは確かだ。しかし忘れてならないのは、ぼくにはすでに妻も子もいるという現実なのだ。もちろん、2人の息子はかわいい。だが妻とはギクシャクしていて家庭内別居をして久しい。さらに、ぼくには宗方悦子という存在もあった。デザイナーであり、自立した女性だが、愛人と呼んでよいものか、男女の関係を長いこと続けている。この先、亜沙子との関係がどうなっていくかは別としても、宗方悦子とは遅かれ早かれ精算しなくてはならない。そんな折、亜沙子が長期の海外旅行(取材旅行)に出発することになった。それは数ヶ月にもわたるのだ。これまでのように、ぼくらは気軽に会うことはできなくなってしまう。週刊誌の記者から、亜沙子との密会をすっぱ抜かれ、追いかけられる日々の中で、自分はただただ小説を書くことに没入するしかなかったのである。笹沢左保と言えば売れっ子作家で、時代小説・ミステリー小説が何百本もTVドラマ化されるなど、その名を知らない人はいないと思われる。代表作に『木枯し紋次郎』シリーズ、『ドライバー探偵夜明日出夫の事件簿』シリーズなど多数ある。晩年のいかりや長介が出演し、主役に扮した刑事ドラマシリーズ『取調室』も、笹沢左保の原作である。それほどの売れっ子作家ともなれば、そりゃもう女性は放っておかないだろう。浮いた話がいくつもあって当然。大人の恋愛なので、誰も文句は言えまい。それにしてもモテる。ご本人は決して自慢のつもりではないだろう。週刊誌の記者から追い回されて、辟易しているのは文章から伝わってくる。苦悩の日々を送っていることもよく分かる。そうは言っても、、、モテる男の自慢話にしか思えないのは私だけだろうか?もしかしたら笹沢左保本人も、自分を客観的に捉えたとき、そこに気付いてしまったのかもしれない。だからこそ打ち切りという形でこの私小説にピリオドを打ったのであろう、、、などと私は想像してしまう。それにしても笹沢左保の受けた打撃は相当なもののようであった。スキャンダルとしてマスコミに騒ぎ立てられたことにより、食べ物が喉を通らなくなり、不眠症に陥ってしまった。酷い精神的苦痛を強いられたことにより、仕事にも支障をきたすようになったのである。昭和という時代性もあり、芸能人に人権なんてあってないような扱いだったのは、なんとなく私にも覚えがある。とは言え、その後の笹沢左保の残した多くの作品や精力的な活動を見れば、人生のどん底も一つの過程として上手く昇華していたことが理解できる。『愛と孤独と』は笹沢左保の中ではイレギュラーなタイプではあるが、作家の素顔が垣間見られて興味深い内容となっている。日頃、偏った読書傾向のある方など、純文学の箸休めにでもいかがだろうか?『愛と孤独と』笹沢左保・著★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.09.02
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台風一過。今年も大型の台風に見まわれまして、全国のあちらこちらに傷跡が残りました。皆さんのお宅が、どうか無事であることをお祈り申し上げます。そんな折、私は定例のお墓参りに出かけて来ました。なにしろお墓を守るのは一人娘である私の使命ですからーーそのバトンを引き継ぐのは、やはり私の一人息子ですが、さて、どういうものでしょうか?盂蘭盆に対する意識は希薄だし、ましてや迎え火・送り火の儀式さえ私は教えず、ここまで来てしまいました。日々の生活に追われて、神仏を敬う気持ちを教えてこなかったと言うのは簡単ですが、突き詰めれば、もっと違う何かが私の意識を歪んだものにしたのかもしれません。先月半ば、母方の叔母が85歳で亡くなりました。朝、家族が気づいたら、ソファーでうたた寝をしているように息を引き取っていたとのこと。なんとも羨ましい臨終だと思いました。テレビが小さな音で点いたままだったと言うので、前の晩、ドラマか何か見ていたのでしょうか?そのうち眠くなり、まるでロウソクの灯りが消えるように、全うしたのでしょう。「ピンピン、コロリ」と亡くなるのを人生の目標に掲げる人は多いと思いますが、こればっかりは自分の望むようにもいかず、難しいものですーーさて、話を戻しますが、お墓参りの先は伊豆・韮山にある由緒正しいお寺。でもその日はよりにもよって、35度を超える酷暑に見まわれました。息子と2人で簡単にお墓の掃除を済ますと、お花を供え、お線香をあげて、早々に引き上げることにしました。とは言え、せっかく伊豆まで時間をかけて来たのだからと、少しだけ寄り道をすることにしました。最近はめっきり神仏への憧憬とか敬愛とか、人として大切なものをなおざりにしていた感覚があったので、『かんなみ仏の里美術館』まで足をのばしてみることにしました。それにしてもここまでは車と言えども遠い遠い。ナビがなければ、ちょっとすんなりたどり着けるような場所ではありませんでした。なにしろ周囲には目じるしのようなものが何もなく、山の斜面のようなところに建物があるのです。車一択でのアクセスと言っても過言ではありません、、、(電車・バスが近くまで通っていません)初めて訪れる人にとって違和感を覚えるのは、〝一体なぜ人里離れた限界集落のようなところに、このような華美な美術館が建てられたのか?〟と言うことでしょう。私も以前から不思議で仕方がありませんでした。入館すると、ボランティアの方が約20分ほど丁寧に解説をしてくれます。(頼まなければボランティアの方は付きません)解説によれば、この美術館のある函南町(かんなみちょう)桑原地区では、平安時代の薬師如来像や鎌倉時代の阿弥陀三尊像などを地元の人々が子々孫々にわたり守って来たのだそうです。ひとえに、仏に対する信心深さゆえでしょう。お薬師さんや阿弥陀さん以外にも、二十四体の仏像群が残されているのですが、それらも含めて後世に保存継承していくこととなったのが明治30年代。長源寺の裏山に薬師堂を建てて、そこに安置されることに。結局、これだけの貴重な文化財を地元住民の有志だけで守り抜いて行くことに限界を感じ、函南町に寄附されたと言う経緯だそうです。拝観できる仏像はどれも保存状態が良く、見事なものです。国指定重要文化財となっている阿弥陀さんと、その脇侍像もさることながら、県指定有形文化財のお薬師さんも、じっくり向き合っていたくなる不思議な魅力にあふれているのです。美術館の所在地がへんぴなところにあるため、決して気軽に行ける場所ではないのが残念ですが、向学のために足をのばしてみるのはいかがでしょうか?それにしてもこちらの美術館、お土産コーナーとか喫茶コーナーとか一切ありません。残念。外観はとても立派で綺麗な建物なのに、ポストカード1枚売っておりませんでした、、、集客数を増やすためにも、一考必要なのではと思われます。(私が出かけた時、他にお客さんはいませんでした)『かんなみ仏の里美術館』をもっと活気あふれる町の名所とするためにも、行政にはより一層の観光推進に励んでいただきたいと思いました。開館時間 : 午前10時〜午後4時半休 館 日 : 毎週火曜日観 覧 料 : 大人300円、小中学生100円※JAFの会員割引ありそして毎度お馴染み、お節介でオジャマ虫の筆頭管理人からはコチラ(^o^)/とはいえ当方は吟遊さんとは違い、仏像はあくまでも信仰の対象であり、拝んでナンボですけどね。南無観世音菩薩(^人^)~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.08.26
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職場の廊下で誰かとすれ違ったりすると、ほんのり良い匂いがして、幸せな気持ちになります。きっと洗濯の際に使う柔軟剤の香料が影響しているのだろうと思います。他方で、混み合う通勤電車の中の臭いはカオスなのです。学生さんの使う制汗剤の香りならまだ許されますが(大人女子の整髪料の香りもギリギリセーフ)、クールビズが認められていないわけでもなかろうに、昔気質のオジさんが着る背広から何やらすえたニオイが、、、※いわゆる「おやじ臭」で、当方も最も気を配るものです。筆頭管理人※おやじ臭もいけませんが若い方のコスメ臭もいただけませんな。筆頭管理人あと、ニオイの元となる本人だけが気付かないと言われるワキガ、、、これはもう鼻がひん曲がりそうです、、、はい。夏は暑いだけに体臭やら汗やら、とにかくニオイのあれやこれやが気になります。日本人には、特に人から受ける批難めいた視線はもちろん、ハッキリと「クサイ」と指摘されるのも耐え難き屈辱です。でもだからと言って、香水やら何やらを使ってニオイを上書きすれば良いかと言えば、そう簡単なことでもありません。最近知ったばかりなので、あまり堂々とこちらのブログで解説もできないのですが、香りの成分による害のことを「香害」と言うそうです。(これは〝こうがい〟と読みます)さらに、女性がメイクとして使用する化粧品類などにも香料が含まれているため、易々と見過ごせません。なぜなら、この香害こそが化学物質過敏症を発症する要因となっているからです。私の場合、アレルギー症状が気になるのもさることながら、肌に直接つける化粧品に化学物質が含まれていることに耐えられず、もう何十年もの間、無香料の自然派化粧品を愛用しています。そもそも化粧することの意味とか意義は、人によって多少なりとも違いはあると思いますが、だいたいの場合は、見栄えを良くするためであったり、日焼け止め効果をねらったものだったりします。そうすると、使う化粧品も決まってくるのですが、参考までに私の扱う化粧品類をほんの少しだけご紹介します。①化粧下地(下地クリーム)下地クリームは化粧水に混ぜて、顔全体に伸ばします。私が使用しているのは、アザレプロダクツの『UVアレンジクリーム』(SPF18/PA ++)です。日常の紫外線をカットします。もちろん無香料です。②水性ファンデーション(水おしろい)一般的にはリキッドファンデと呼ばれるものですが、とにかく水性のものが軽くて私には合います。(肌に負担をかけたくないので)私が使用しているのは、アザレプロダクツの『セゾンカラーベル』(SPF14/PA+)です。軽やかなつけ心地を希望する人にオススメです。もちろんこれも無香料。③フェイスパウダーファンデーションを落ち着かせるため、顔全体にパフで塗布します。私が使用しているのは、アザレプロダクツの『セゾンルーセント』です。地肌よりワントーン明るくなる仕上がりになります。言うまでもなく、無香料です。香害に対処するには、今のところ、無添加・無香料にこだわるしかありません。特に女性は社会の荒波に揉まれていく以上、メイクとの長い付き合いが必須となりますので、自分の肌質に合った、ナチュラル成分のものを選んで、健康的な人生を歩んでいきましょうね!※〈自然派化粧品のすすめ〉のその1はコチラをご覧あれ♪
2023.08.19
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毎日毎日うだるような暑さが続きますね。皆さんは熱中症対策など、この夏何か心がけておられることなどありますか?私は当たり前のことながら、水分はこまめに摂るようにしています。諸説あるようですが、喉が渇いてから飲むのは遅いとも言われています。ぜひ皆さん、喉が渇いてからではなく、適宜水分補給して、熱中症に罹らないよう気をつけてください!私の場合、バッグに携帯している水筒には冷たい麦茶を入れ、水分と合わせて「涼」も感じるように心がけているのです。(そんな気休めみたいなこと、熱中症対策に効果があるかどうかは別として、、、)さて、吟遊映人ブログでは、森鴎外の『山椒太夫・高瀬舟』についての要約を公開しています。コチラ個人的な好みの問題で恐縮ですが、私の好きな近代作家の一人ーーそれが森鴎外です。理由らしい理由もなく、漠然としているのですが、やっぱり文体が硬質で静謐な味わいがあるからでしょうか?ただそれだけで鴎外が好きになったわけではありませんが、少なくとも私にはグッと来るものがあったわけです。激シブっ!最近調べものをしていて、たまたま気付いたことなのですが、浜松市の合併前の市歌は、な、なんと、森林太郎(森鴎外)の作詞だったのです‼︎ちなみに作曲は本居長世(本居宣長の来孫)です。せっかくなので、旧浜松市歌の詞をこちらにご紹介したいと思います。1.大宮人(おおみやびと)の旅衣 入りみだれけむ 萩原の 昔つばらに たづねつる 翁(おきな)をしのべ 書(ふみ)よまば2.国の乱れをしづむべき いさをのもとと この里に 城の礎(いしずえ) かたむけむ 人な忘れそ 銃(つつ)とらば3.引馬(ひくま)のうまや さまかへて よろずの業の 進むなる いざもろともに 謀(はか)りてむ わが浜松の 市のさかえどうです? この格調高く優雅な歌詞‼︎合併後の市歌としても採用してもらいたかったのですが、旧浜北市、旧天竜市など編入する他市町村には全く関係のない歌詞だとのことで、合併後は新浜松市歌が制定されたのでした。まぁ、こればっかりは致し方ないことですね、、、森鴎外は今でこそ作家として名を残す文士ですが、実は東大の医学部を卒業した軍医でもありました。ドイツに渡って衛生学を学び、帰国してからは「兵食の質と量を栄養学の観点からまとめた『日本兵食論大意』を発表」したようです。また、鴎外自身が「日々の暮らしで実践していたのは、生ものに注意する」ことでした。徹底していたのは、とにかく生水を飲まないこと。どんなに暑いときでも「麦茶か炭酸飲料と決まっていた」とのことです。野菜・果物はすべて火を通していたようです。(リンゴ、みかんを除く)現代の食品調理学から言っても、生野菜より温野菜の方が推奨されているのですから、当時、鴎外は時代の最先端の健康法を取り入れていたわけです。これだけ口に入れるものには過敏な鴎外なのですが、実は「大の甘党」だったようです(笑)何でも、まんじゅうをご飯にのせた「まんじゅう茶漬け」が大好物だったそうです‼︎ガッツリ糖質ですが、きっと鴎外なら「糖質は生きる上で欠かせない」と断言するに違いありません。それにしても「まんじゅう茶漬け」って、まんじゅうとお茶漬けを別々に食べた方が美味しいような気がするんですけどねぇ(笑)でも好奇心から、一度食べてみたいような気もしますがーー皆さんも、それぞれに健康法があるかと思いますが、どうか熱中症などにはくれぐれも気をつけて、この猛暑を乗り切ってください!【参考図書】(株)ヤクルト広報室発行『ヘルシスト』※おせっかいな筆頭管理人です。鷗外に関心を持たれた方におススメしたい二冊です。アルバムをペラペラめくっていただければ、きっと鷗外に親近感を抱かれることでしょう。さすれば難解な文体も我慢できるはずです(*^_^*)※ミス ⇧ 漱石→鷗外新書は「脚気論争」についてとても分かりやすく記されております。医学者鷗外を知ることは、即ち鷗外文学を理解することにつながるのです。以上、老婆心まで。ところで鷗外といえば評価の高い《渋江抽斎》ですが、あまりに退屈な作品でそうとうな根気を要します。吟遊さんも鷗外をうんぬんするのであれば、ひとつ《渋江抽斎》をご一読いただきたいところなのですが、かねてからススメてはおりますが、いっこうに重い腰を上げません(-_-;)まんじゅう茶漬けに興味があるなら、《渋江抽斎》も手にしてもらいたいものなのですがねぇ・・・はてさて(^_^;)~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.08.12
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最近は何でもオブラートに包んだような甘い言葉の羅列が多過ぎる。心地良過ぎるのは返って信憑性に欠けるし、共鳴できない。世の中「フェイク」に溢れていて、物事がハッキリとせず、曖昧でぼんやりしている。それはそれで良いのかもしれないけれど、できれば「リアリティ」に触れたい。せめて、小説の中だけでもーーそう言う気持ちで読書と向き合っていると、不思議に小説の方から私に近づいてくれるのだ。本当の意味で「リアリティ」を追求したい人、そう言う方々におすすめしたいのが次の3冊である。それでは、さ行で始まる作家の作品を紹介しよう。①島尾敏雄『死の棘』これはほとんど著者本人の私小説に近いものである。ざっくり言ってしまえば、著者の浮気により、妻が激しく憤り、嫉妬し、最終的に精神に異常を来たすまでになる内容となっている。とにかく夫の行為が許せず、朝から晩までネチネチとその不貞を責め続ける妻。夫は我慢に我慢を重ね、己の不貞の赦しを乞い、半狂乱に陥る妻を何とか「こちら側」に繋ぎ止めようとする。これを究極の愛と言ってしまうのは簡単だが、実際に読んでみると、そんなに生やさしいものではないことが理解できる。とにかく一つ一つの出来事が詳細で緻密に描かれているので、疑いようもなく生々しい。恐怖さえ感じる世界観となっている。読売文学賞受賞作品である。②城山三郎『男子の本懐』城山文学は、何を取ってもハズレがない。男性読者から支持が高いのも特徴的だが、おそらく近代日本の政治や経済史に登場する人物を生き生きと清々しいまでに描いている作家だからであろう。女性の読者の中には、完璧な男社会の構図に批判めいた感想を持つ人もいそうな気がするが、そこは黙って最後まで読んで欲しい。この小説の意味とか意義は、現代のLGBTとは対極にあるものだし、何より、近代日本の政治経済を動かした男たちのドラマーー人物伝として楽しんでもらいたい。③瀬戸内晴美『美は乱調にあり』あくまで私の個人的な意見だが、私は瀬戸内寂聴が出家・得度する前の作風の方が好きだ。もっと言ってしまうと、文学としても優れているような気がするからだ。こちらの『美は乱調にあり』も初期の作品だが、見事な伝記小説に仕上げられていて、圧巻である。最近の高校では、近代の社会主義運動のことなんかを授業で教えたりするのだろうか?ざっくりで構わないので、伊藤野枝と社会主義者・大杉栄との出会い、平塚らいちょうとの交流などを授業で扱ってくれたら嬉しい。それがムリなら、やはり瀬戸内晴美の『美は乱調にあり』を読んで、28歳という若さで生涯を終えることになる伊藤野枝の、アナキズム運動に没入していく半生を知るべきだろう。「過渡期を生きた女性の記録」として大変素晴らしい作品なので、リベラルな女性について知りたい人は、ぜひとも一読をおすすめする。さて、今回は「リアリティ」を追求したいと思った時に読む3冊を紹介した。さ行で始まる作家に限定してしまったことで、上記の3冊にしぼったわけだけど、本来ならもっともっと紹介したい作品がある。また今後も折を見て「リアリティ」に溢れた作品を紹介していきたいと思う。では、恒例の筆頭管理人による「リアリティ」を感じる、さ行で始まる作家の作品をご紹介いただこう!(参考までに、筆頭管理人の人となりをシンプルに言うと、「嫌いな作家の小説でもきちんと読了する」真摯なオジさんですヨ)~~~~~~~~なんだか吟遊さんの手のひらで転がされている気がしますが・・・(-_-;)それに、私は決して真摯でもありませんけどね。ということで、吟遊さんのカテゴリーに沿うのはこれしかないでしょう!司馬遼太郎/二十一世紀に生きる君たちへ帯にある通りです。『あなたの大切な人と一緒に読んでください。』それが初老の域に入った私のお願いです。『私の人生は、すでに持ち時間が少ない』司馬さんの綴った一文を、私はかつてぼんやり眺めたものですが、この年になり司馬さんの思いがよく理解できた気がしています。そして願わくは・・・これを読んで、次に司馬さんの白眉である〈竜馬がゆく〉に手をのばしていただければ私は本望です。あと一つ。司馬さんは大の落語通であった。私も落語好きだから、作品で落語の話題を見つけると嬉々として読んだものです。その中で、桂米朝師の『米朝ばなし』のあとがきにある司馬さんの『米朝さんを得た幸福』を目にした時は、無常の喜びを感じ、それこそ狂喜乱舞したものです。しかもその天分は、明治・大正の春団治のそれではない。春団治は、いわば私小説の世の名手のようなもので、自分という素材を芸術化したといえる。司馬さんの作品に触れ、米朝師の噺を傾聴すれば、膝の一つもポンとたたき『そうだ、その通り!』とごちることは間違いでしょう。期待してます(^_−)−☆~~~~~~~~ご参考まで(^o^)/はコチラです。はコチラです。そして!当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.08.05
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べつに初めて気付いたわけじゃない。もう何年も前からこのブックガイドの存在は知っていたけれど、あえて【発見】というカテゴリに分類してみた。私がここでわざわざ紹介するまでもなく、たいていの人は一度ぐらい目にしたことがあるのではと思われる。それは毎年夏になると、新潮文庫、角川文庫、集英社文庫から、それぞれ無料のブックガイドが発行されるのだ。おそらく長い夏休みに読む一冊を決める参考にして欲しい、と言うねらいだと思う。なので、中高生向きのブックガイドなのかもしれないが、あまりそう言う対象にこだわらなくても充分楽しめる内容となっているので、紹介しようと思う。まずは伝統あるこちらからーー【新潮文庫の100冊】私も長いこと読書を趣味にしているけれど、この薄い冊子に紹介されている100冊のうちで、私がすでに読了したものはわずか18冊。残りの82冊は全く知らない作品ばかりだ。(トホホ・・・)新潮文庫のブックガイドの特徴は、小説のカテゴリを分かりやすく5つに分けていることだ。・恋する本・シビレル本・考える本・ヤバイ本・泣ける本という具合に分類することで、読者がどんな傾向の小説を読みたいのか、その傾向に見合った作品を提案している。さらに、その小説の「コレ」というインパクトのある一行を抜粋し、作品名とともに紹介しているのだ。こう言う演出はさすが新潮と言う感じだ。【ナツイチ】〜夏の一冊 集英社文庫〜集英社文庫のブックガイドも、概ね新潮文庫と同様、小説のカテゴリを4つに分類している。・ワクワクな本・ハラハラな本・ドキドキな本・フムフムな本という、とてもざっくりとしたジャンル分けとなっている(笑)そして特徴的なのは、一冊一冊に全国の読者による一言レビューが掲載されている。ちなみに私がざっと目を通して感じたのは、「ワクワクな本」という括りは、わりとティーン向けの小説が多いような気がしたこと。(ファンタジー系というやつだろうか)「ハラハラな本」は、文字通り恐怖感を煽るものもあるので、ミステリー系が主だ。(このカテゴリに太宰治の『人間失格』が入っていたのはビックリしたけれど・・・)「ドキドキな本」は、いわゆる青春小説とか恋愛小説と言われるもの。このカテゴリもティーン向けかもしれない。「フムフムな本」、この括りは純文学系。私ぐらいの世代はこのカテゴリから選べば、わりと読みやすいのでは・・・【カドブン夏推し】角川文庫はかなり個性的な巻頭だ。フローチャート的になっていて、自分の好きな一冊、「推し」を見つけるというスタイルになっている。・しらない世界とつながる!・驚きの謎とつながる!・語りつがれる想いとつながる!・大人も子どももみんなつながる!・心揺さぶるラストへつながる!という具体的なジャンル分けをしているので、とにかく何を読んでいいのか分からないという人には、かなり良心的で丁寧なブックガイドとなっている。要は、読書感想文を書かなくちゃならないのに、何を読んだらいいのかわからない、と言う学生には持ってこいのブックガイドだと思われる。巷では、著名人がこぞってブックガイドを出版していて、もちろんそれらはとても参考になるけれど、私の経験から言わせてもらえば、かなりレベルが高くて読みにくい小説とか、小難しい学術書などが掲載されていることがある。せっかく高いお金を出して買っても、自分が望んでいたような読書案内ではない場合もあるので、実は私にとって、毎年楽しみにしているのは、上記のような無料のブックガイドだったりする。レジ横に置いてある場合もあるし、文庫コーナーに山積みになっている場合もある。ぜひ皆さんも、気軽に手に取り、暇つぶしにでも読んでみてはどうだろう。最近の小説としてのトレンドもわかるし、華やかな表紙のイラストに目を奪われたりもする。うだるような夏は、アイスコーヒーでも飲みながら、ブックガイドでも眺め、ゴロゴロするなが一番‼︎(笑)~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.07.29
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最近、本棚の整理を始めた。以前は、この先読まないであろう書籍を、近所のブックオフへ持ち込んでいたのだが、ろくな収入にもならないし、むしろ持って行く労力の方が大変なので、やめた。本棚の整理とは、文字通りのもので、新しく買った組み立て式の本棚に、キレイに収納するものである。作家ごとにあいうえお順に並べているのだが、これが意外と楽しい。一冊一冊、使い古しの歯ブラシでホコリを払いつつ、しまっていく作業である。これでは遅々として整理整頓が進まない。今ちょうど「か行」で始まる作家の文庫本を収納し終えたところだ。とても有意義な時間だった。息子が、そんな私の本棚を覗きながら、「再読したいやつとかある?」と聞いて来た。私はいろいろと悩んだ末、「か行」で始まる作家の再読したいぐらい好きな3冊を選んでみたので、今回はそれらをご紹介しようと思う。①川上弘美・著『神様』短編が9つ収められているのだが、どれも短い。短編と言うより、むしろショートショートのような作品である。ラノベ感覚で楽しめるが、れっきとした純文学である。とくに好きなのは表題作だが、何とも言えない優しい気持ちになり、生きとし生けるもの全てに愛しさを感じるものである。ドゥマゴ文学者、紫式部文学賞を受賞している。②川端康成・著『伊豆の踊子』川端康成だけは外せない。どうしても。日本初のノーベル文学賞を受賞しているからと言うだけでなく、一つ一つの作品が神秘的で美しいからだ。今回、『伊豆の踊子』を選んだのは、私も息子も伊豆の生まれで、この作品だけは親子共通の「座右の書」にしておきたいと言う願望ゆえだ。川端康成の生い立ちは、ある意味、孤独と悲哀に彩られている。文庫本の巻末にある年譜を、何となく見ていると、幼い頃に両親を亡くし、次に祖母、さらには姉、祖父と、次々に身近な人を失っている。しかも、15歳になるまでの間にだ。そんな川端康成の背景を心に留めながら『伊豆の踊子』を読むと、切なくてもの悲しい。伊豆と言う自然美に溢れた土地で、偶然出会った踊子との刹那的な恋。人生のほんの一瞬の出来事を、迸(ほとばし)るような瑞々しさに加え、静謐に描いた作品なのだ。③車谷長吉・著『赤目四十八瀧心中未遂』もともと私小説が大好きな私は、大きな声では言えないが、芸能人の暴露本も含めてゴシップを扱った作品が大好きだ。車谷長吉は、晩年こそ大胆な私小説から一線を引き、何やら紀行文とか随筆のような、つらつらと日常を描く流儀に変更してしまったが、初期の作品は本当に素晴らしいものだった。とくに、『赤目四十八瀧心中未遂』は直木賞も受賞していて、車谷の得意とする暗い闇の部分を這うような文体である。巷にはそれこそ吐いて捨てるほどの小説が量産されているけれど、そのうちどれほどの作品が後世に残るものだろうか?再読したいと思うだろうか?私は車谷が、それこそ命を削って書いたのではと思われるこの『赤目四十八瀧心中未遂』を読んだとき、必ず再読したいと思った。人間の「業」と向き合うとき、この作品のことが必ず思い出されるのだ。さて、ここまでは私の再読したい好きな3冊を紹介したけれど、筆頭管理人にもきっとあるはず(笑)何しろ文学部卒の文学青年(壮年?)ですから‼︎それでは筆頭管理人の、「か行」で始まる作家の、再読したいぐらい好きな作品をご紹介いただこう!!筆頭管理人です。あたしゃ、青年とか言われても踊りゃしませんよ(-_-)でも呼ばれりゃノコノコ出てきます。ということで「か行」と言ったらこの御仁にしてこの一冊でしょう!当方、あと少しで前期高齢者の末席に座す身となりましたが、人生九十年として後半の人生を、小林秀雄とこの一冊のおかげで、どれほど豊かにしてくれたことでしょう。これを読んで目から鱗が落ち、難解からずっと積ん読となっていた小林の著書を読み進めることができ、かつ面白い様に頭の中に入ってきました。小林の本質って〈感情〉なんですよね。だから理論を読むのでなく、小林の感情を読み取る。すると、「なんだ、小林はゴッホや宣長やモーツァルトが大好きなんだ。つまりどれほど好きか、その好きさ加減をツラツラと綴っているようなもんだ!」と思え、小林をとても愛しく感じ、小林が大好きになりました(^_-)ということで老婆心まで(^o^)/小林秀雄をはじめてお読みになる方は、小林がどれほどその対象が好きなのか、それをお感じいただきながら、楽しんで読み進めていただければと思います。なお当方、該当書物を読んで以来、小林の大好きなゴッホを私もこよなく愛するようになりました。好きな人が好きなものは好きになるもんでしょ(*^_^*)今ではiPadの待ち受け画面はゴッホの糸杉です。~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.07.22
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第二十二回※『山椒太夫・高瀬舟』(新潮文庫)では、全12篇が収められている。ここでは表題作の2篇を要約してみた。◆山椒太夫(さんしょうだゆう)昔、新潟県の春日から今津に向かう道を、母(30歳ぐらい)とその子ども2人(姉と弟)、そして女中(40歳ぐらい)が旅をしていた。主人がお役目で九州へ行ったきり帰らないため、様子をうかがいに訪ねるためだ。日も暮れようとしていたので、主従4人が泊まれる宿を探してみたところ、土地の女が言うには宿屋は一軒もないと。しかもむやみに旅人を泊まらせるなと言う掟もあるのだとか。と言うのも、悪い人買いが横行していて、お上が目を光らせているのだと言う。仕方がないので主従4人は橋の下で野宿することにした。そこへ船乗の山岡太夫と言う男が現れた。親切にも泊まる宿を用意し、芋粥などを食べさせてくれると言う。母は喜びその親切な提案を受け入れるが、一人女中だけは不安な表情をしていた。山岡太夫が言うには、西国まで陸を行くには、子どもの足では難しいという。その点、船なら問題はないとのこと。結局、急かされるように太夫の言いなりで、主従4人は船路を選んだ。ところが2人の子どもは宮崎方面の舟へ乗せられ、母と女中は佐渡方面の舟へ乗せられてしまった。北へ漕ぐ舟と南へ漕ぐ舟が、あれよあれよと分かれていく。母は子の名を、子は母を呼ぶが、その距離は縮まらない。女中はその様子を見て船頭に交渉するが、それも叶わず、終いにはあきらめ、一人海に身を投じてしまった。海に身を投じてしまった。2人の子ども、安寿(姉娘)と厨子王(弟)は、山椒太夫と言う人買いのところに売られて来た。そして安寿には汐汲、厨子王には柴刈を命じられた。過酷な労働の中、2人は身を寄せ合って過ごし、どうしたら良いものかと逃亡の方法を考えていた。ところがそれを山椒太夫の息子に聞かれてしまい、罰として安寿と厨子王の額に十文字の焼きごてをあてられる。その後、安寿は人が変わったようになり、ある日、それまでやっていた汐汲ではなく、厨子王と同じ柴刈に行かせて欲しいと願い出た。その願いは聞き入れてもらえたものの、女子が男の仕事をするのに髪の毛は不要だと、安寿の長い黒髪はバッサリと切られてしまう。それまで何事かを思案してきた安寿だが、いよいよ実行に移すときがやって来た。2人して山に柴刈に行った際、意を決した安寿が、厨子王に逃げる方法を伝授した。厨子王はあとに残る姉のことが心配でならない。だが安寿は、厨子王がまず先に逃げて父に連絡を取ってから自分のことを助けてくれるようにと言った。厨子王はその提案を聞き入れ、まず自分が先に逃げ延びることにしたのだ。その後、厨子王は寺の和尚に匿われ、事なきを得た。さらに、安寿が入水したことも聞いた。厨子王は姉から譲り受けた守本尊を肌身離さず持っていたおかげで、それが百済国から渡った高貴な地蔵菩薩の金像であることが知れ、由緒正しい家柄の嫡子であることが判明した。大人になった厨子王は、正道と名乗った。父の正氏はすでに亡くなっていた。正道は丹後の国守となり、まずは人身売買を禁じた。さらに山椒太夫に奴婢の解放と給与の支払いを命じた。佐渡にいるはずの母の行方はなかなか知れなかったが、やっとの思いで見つけた。母は盲人となっていたが、正道が近づくと、目が開いた。そして2人はひしと抱き合った。◆高瀬舟(たかせぶね)京都町奉行の同心は、罪人を高瀬舟に乗せて大阪まで護送していた。罪人は喜助と言って、弟殺しの罪だと言う。同心、羽田庄兵衞は、この喜助の様子が他の罪人とはだいぶ違っているので不思議に思った。と言うのも、喜助がまるで鼻歌でも歌い出しそうなほどに、いかにも楽しそうだったからである。庄兵衛はついに、役目を離れた対応とも思われるが、喜助のここまでに至った経緯やら身の上を問うた。喜助が言うには、これまで骨を惜しまず働いて来たが、いつももらった金は右から左だったと。ところが罪を犯して牢に入ると、とくに働かなくとも食べさせてもらえ、しかも牢を出る時には二百文の銭をもらうことができ、何にも増して嬉しいことこの上もないと。両親は喜助が幼い頃、流行病で亡くなってしまい、それからは弟と2人、身を寄せ合って生きて来た。ところが弟は病気で働けなくなってしまった。弟は兄一人に働かせていつもすまないすまないと謝るばかり。ある日、喜助が仕事から帰ると、弟は布団の上でのど笛を切って血だらけになっていた。聞けば、弟は早く死んで少しでも兄に楽をさせたいと自殺を図ったところ、なかなか死にきれない。頼むから手を貸してこのまま逝かせて欲しいと。喜助はしばらく逡巡したあと、弟の望むように、突き刺さったままの剃刀をのど笛から抜き取ってやることにした。だが、こうすることで喜助は弟殺しと言う罪人になってしまったのである。庄兵衛は、果たしてこれが人殺しになるのだろうかと腑に落ちなかったが、こればっかりはお上の判断に委ねるしか仕方がない。2人を乗せた高瀬舟は、夜更けの黒い水面を滑っていった。(了)(了)《過去の要約》◆第一回目の要約はこちらのです。◆第二回目の要約はこちらのです。◆第三回目の要約はこちらの~(上)~です。◆第四回目の要約はこちらの~(下)~です。◆第五回目の要約は、こちらのです。◆第六回目の要約は、こちらのです。◆第七回目の要約は、こちらのです。◆第八回目の要約は、こちらのです。◆第九回目の要約は、こちらのです。◆第十回目の要約は、こちらのです。◆第十一回目の要約は、こちらのです。◆第十二回目の要約は、こちらのです。◆第十三回目の要約は、こちらのです。◆第十四回目の要約は、こちらのです。◆第十五回目の要約は、こちらのです。◆第十六回目の要約は、こちらのです。◆第十七回目の要約は、こちらのです。◆第十八回目の要約は、こちらのです。◆第十九回目の要約は、こちらのです。◆第二十回目の要約は、こちらのです。◆第二十一回目の要約は、こちらのです。
2023.07.15
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【 朝井リョウ / 何者 】きっかけは息子の本棚をのぞいたときだ。どれもこれも私の読んだことのない小説で、何となく好奇心から感想を聞いてしまったのだ。とくに朝井リョウの『何者』は直木賞受賞作とカバーにうたっていて、それほどの話題作となったとは今の今まで知らなかったからだ。「俺、読んでねーし。代わりに読んで、あらすじだけ教えて」息子の大学時代、書店で何気なく手に取り、買ったのはいいが、結局読まずじまいで今に至るとのことだった。中をペラペラめくってみると、確かに新品のままで、読んだ形跡ナシ!これでは直木賞受賞作が気の毒だと思い、一読してみた。あらすじはこうだ。御山大学の拓人と光太郎はルームシェアをしている。控えめでどこか傍観者的な拓人に対し、光太郎は明るく社交的で人気者。そんな2人もいよいよ就活が始まった。留学から帰国した瑞月は光太郎の元カノだが、いまだに光太郎のことが忘れられない。そんな瑞月の健気な様子を見ている拓人は、実は密かに瑞月に想いを寄せている。拓人はもともとサークルで演劇をやっていたのだが、芝居で食べていくのは難しいためあっさり辞めた。だが、拓人のサークル仲間であったギンジは一人でも劇団を立ち上げ、脚本を書き、皆と同じような就活はしていない。その様子をどこか冷めた目で見ている拓人。拓人と光太郎の住むアパートに、瑞月の友人である理香がカレシの隆良とルームシェアをしていて、そこに度々皆が集まって就活の情報交換をしていた。だが、隆良だけは皆と一線を画し、持論を繰り広げるのだった。著者の朝井リョウは平成元年生まれの早大卒。『桐島、部活やめるってよ』で、すばる新人賞を受賞し、文壇デビューを果たしている。本作『何者』では直木賞を受賞し、映画化もされ、飛ぶ鳥を落とす勢いのある作家だ。着目すべきは、登場人物らが本心とは裏腹に、いかに充実した生活を送っているかというさりげない自慢話をTwitterにあげていることだ。一方で、もう一つの裏アカウントを使って、仲間内の誰かを誹謗中傷することで、鬱屈したストレスを解消しているいやらしさもある。そこには妬みや憎しみ、漠然とした将来への不安がうかがい知れる。この手の小説は、昔、似たようなものがジュニア向けの小説にあったような気がする。もちろん素材は違うが、時代が変わるとこんなにも話題性のある作品になるものなのか。「誰かがあなたの悪口を陰でコソコソ言っているのを想像してごらんなさい。あなたはどんな気持ちがしますか?」と言うようなイジメ対策の啓蒙書にもあったけれど、この作品はそういう類とも少し違うような気がする。若い世代の想像力の欠如を非難しているわけでもなさそうだ。じゃあ一体テーマは何なのか?私としてはテーマうんぬんより、ざっくりと若い人向けだと言い逃れしたいところだが、この作品に青春小説のような清々しさや甘酸っぱさは一切見受けられない。むしろ現実のエグいものを突き付けられた気分だ。しかも女子がとくに怖い。本当に怖い。主要キャラである瑞月と理香は、それぞれ海外留学の経験があるのだが、作者の悪意さえ感じられるほどに魅力を感じることができない。(つまり、共鳴できない)開き直って、ホンネとタテマエの垣根を取っ払い、言って良いこと悪いこと考えなしで、誰かに向けて言葉で叩きつける。あの戦意はムチャクチャだ。いやもしかして、自分を磨くと言うのはこう言うことなのか?表現するとはこう言うことなのか?アメリカナイズとはこう言うことなのか?一体、何者に向けての表現かは分からないが、「自己実現が人間にとって一番大切だ」と言う何者かに一石を投じる作品には違いない。(了)『何者』朝井リョウ・著 (第148回直木賞受賞作品) ★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.07.08
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今回、筆頭管理人がノリノリで提案してくれた企画は、〝無人島へ持って行きたい本〟を紹介するというもの。ここで言う〝無人島〟というのは、その名のイメージ通りで、未開の土地であり娯楽はなく、話す相手もいない。漂流物や自生の樹木で作ったほっ建て小屋に、孤独と闘いながら日々自給自足の生活を送るーーという過酷な環境の中、たまたま自分が所持していたバッグの中に、3冊だけ本が入っている。さて、あなたにとってその3冊とは何か? どんな本が思い描かれただろうか?まぁそんな状況下でのんびり本なんか読んでいられないというのが現実だろうが、仮に、娯楽のない孤独な世界をイメージして欲しい。果たして私はどんな3冊を思い浮かべるのだろう?50を過ぎた今、もう恥も外聞も捨てたわけじゃないが、無人島には純文学モノとか哲学、思想系の小説なんか絶対に持っていかない。どうせそんな過酷な環境の中、長生きは望めないだろう。つかの間のひと時を癒してくれたり、現実から逃避させてくれるようなお話を繰り返し読みたい。そんな私が選ぶ本は、ラノベ(ライトノベルの略)である。私が学生時代の頃は、〝少女小説〟と呼ばれていたジャンルに相当すると思われるが、現在では若干違うかもしれない。それでは私が無人島へ持って行くだろう3冊をご紹介したい。①『楽園の略奪者』荷鴣・著 ソーニャ文庫外界と全く接点を作らないように、生まれたときから閉ざされた世界で生きている16歳のミースが、好奇心から居室をこっそり出てしまうところからストーリーは展開する。ミースはやんごとなき血統の少女だが、ワケがあって外界とは遮断した暮らしを送っていたため、汚れを知らず純粋無垢。そんなミースが一歩外に出てしまったことで、ヨナシュという異国の冷たい目をした男に攫われてしまう。それは人違いの誘拐だったが、純粋無垢のミースには、初めての未知なる冒険だった。一方、ミースの人懐っこさと純粋さで、すっかり毒気を抜かれるヨナシュは、人違いと知った後もミースを殺さず、何かと世話を焼きつつ共に旅をする。お互い、いつの間にか惹かれ合い、心を通わせ合うが、そんな2人の旅は決して許されるものではなかったのだ。この作品はラノベとは思えないほど完成度が高く、ラストが素晴らしい! 物語の背景は重く、グロテスクなシーンもあるが、そんなことも気にならないぐらい物語は魅力的だ。16歳の小柄で細身の少女が、高身長でイケメンでめっぽう強い男性と繋がる閨のシーンは、そのギャップもさることながら官能的だし妖艶だしクセになる(?)そして何よりイラスト(挿し絵)が最高に素晴らしい‼︎無人島に持って行きたくなる筆頭書なのだ。②『黒騎士は敵国のワケあり王女を奪いたい』ふじさわさほ・著 ベリーズ文庫荒くれ者達から襲われていた美しいフェリシティを助けた、一騎当千の強者騎士であるギルバート。しかしフェリシティは敵国の王女だった。フェリシティには様々な困難がまとわりつき、可憐で儚げでギルバートは放っておけない。しかもフェリシティにはすでに婚約者がいたが、政略的なもので、決して望んだものではなかった。フェリシティは徐々にギルバートに惹かれていくが、ギルバートも同様で、フェリシティを愛さずにはいられなかったのだ。この本の残念なのは、まず表紙のイラスト。内容と全く合っていないなぁと思うのは、私だけだろうか? さらにはタイトルも。まるで2時間ドラマの長いサブタイトルみたいだ。だがそれらを差し引いても内容は感動的である。『アーサー王と円卓の騎士』を彷彿とさせるものだし、まるで英国文学を翻訳したような文体となっている。乙女心を鷲掴みするような、愛と感動の作品なのだ。③『獣人隊長の(仮)婚約事情 突然ですが、狼隊長の仮婚約者になりました』百門一新・著 一迅社文庫アイリス男の子のようにわんぱくで活発的な少女カティは、すでに両親を亡くしていることから、伯爵貴族である伯父のもとで伸び伸びと暮らしている。ある時、獣人貴族のレオルドは、成長変化のため理性を失ってカティに発情してしまい噛みついてしまう。結果としてそれは獣人にとって求婚を示す痣を残してしまったので、慣例としてその痣が消えてなくなるまで仮婚約者になることが決まった。成長変化の時期を終了し、冷静さを取り戻したレオルドは、カティのことを男の子だと勘違いし、自分が同性に求婚してしまったような形になったのを最初こそ後悔するが、なぜかカティのことが可愛く見えて仕方がない。一方、カティは、狼獣人のレオルドの体格が大きく、いつも怒ったような表情をしているため、半ば恐怖感を隠せない。ところがしだいにレオルドがカティにお菓子をくれたりスキンシップを求めてくるため、少しずつ心を許していくようになる。この作品は〝ザ・ファンタジー〟と言った方が伝わりやすいと思う。まず獣人という種族が存在しないリアルな今を生きる私にとって、とにかく面白かったとしか言いようがない。獣人族と人族が種族の垣根を超えて愛し合うストーリーは、LGBT問題に揺れる今の時代にピッタリなテキストかもしれない。(著者はあえてそんなことは考えもせず、素直に、ユニークで心がほっこりするような作品を届けたいとペンを取ったに違いない)様々な動物や生き物に遭遇する無人島に持って行ったら、きっとつかの間の癒しになるのではと、この本を選んでみた。さて、私の選んだ3冊は上記の通りだけど、言い出しっぺの筆頭管理人が持って行く3冊はどんなものだろうか?ここからは筆頭管理人が選んだ〝無人島へ持って行きたい本〟である。では、どうぞ〜◆筆頭管理人記すでも、無人島に三冊を持って行っても読むかどうかは別問題ですよねぇ・・・(^_^;)きっと、そも、この課題は吟遊さんがあまりに暇そうで、『小人閑居して不善を為す』となりそうだったもので、「つまらないことをする前にひとつ助言をしてやろう!」と提案したわけで、まさかこちらに飛び火するとは思ってもみなかった(-_-;)まあ、私も聞かれればお答えしますが、そうは言っても当方すでに前期高齢者の仲間入りを控えて、吟遊さんより先が少ないぶん、無人島に行っても三冊は必要はないわけですよ。ということで私は一冊で十分(^_-)vそして(^o^)/その一冊と言えばこれしかありません!!中村元著 ブッダのことば(スッタニパータ)仏教をこれほど明確に定義した言葉は他にはあるでしょうか。「どのように生きたらいいのか」それを追求したら無人島でもきっと人間らしく充実した時を過ごせることでしょう。余談まで、私はこの座右本を書籍とkindleの両方で所有するものです。無人島でも使えるようにダウンロードしてあるので、その折は両方持参したいと思います(*^_^*)でも・・・問題は充電か(>_<)★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.07.01
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12市町村が合併して今の浜松市が誕生したのは平成17年7月のこと。合併してもうじき20年になろうとしているのに、まだまだ知らないことがたくさんあります。「灯台下暗し」と言うやつですね。でも問題ありません。日々、コツコツと真面目に暮らしてさえいれば、自分が損して泣きを見るようなことは、そうそうありませんから。もうずいぶんと昔に、南木桂士の『阿弥陀堂だより』と言う小説を読んだことがあります。信州の美しい山里に暮らす老婆が、たった1人で阿弥陀堂をお守りしていて、その老婆から様々な体験談を聞いて、手作りの『阿弥陀堂だより』を制作する若い女性の話でした。※ご参考まで、こちらをご覧あれ。その小説のことが急に思い出されたわけでもないのですが、小さな発見がありました。それは、〝ふれあいセンターだより〟という地域密着型の自治会新聞のようなものがあるのを知ったのです。天竜区の中でも旧天竜市の地域のみに配布されているのですが、読んでみると、思わずほっこりした気持ちになるのです。きっと、探せば全国各地に様々な地元民によるユニークな自治会だより的なものが存在するのだとは思いますが、天下の政令指定都市である浜松の中の一部地域に、このような伝統が脈々と続いていることに驚きを隠せないのと同時に、心の底からポカポカとあたたかな気持ちになるのでした。まずは私が手に入れた旧天竜市にある6ヶ所の施設で発行している〝ふれあいセンターだより〟の画像をご覧ください。どれもほっこりした内容で、地元の人々がお茶でも飲みながら、まったりした心地で読んでいる光景が目に浮かぶようです。そうそう、浜松市に『天竜文芸』なる文芸誌が存在することを知り、このブログにアップしたのがちょうど1年前のこと。※ブログ記事はこちらをご覧あれ。こちらの〝ふれあいセンターだより〟の裏面にもそれぞれ募集要項が掲載されていました(笑)今年もまた募集の時期がやって来たようですね。〝ふれあいセンターだより〟は、基本的に毎月その地域の住民宅へ広報誌とともに配布されているとのこと。なので私のような部外者が興味本位で手に入れるには、遠州鉄道線の遠州病院駅から歩いて10分ほどのところにある中部協働センターに配架されているものをいただくしかありません。他にもNHK大河ドラマの『どうする家康』で主役を演じるマツジュンが表紙を飾る冊子も発見!(コレ、私がいただいたものがラスイチでした)ふだんは公共の施設なんて、用事でもない限り立ち寄ることもないのですが、たまにはのんびり館内をのぞいてみるのもいいものですね。もしかしたら地元に関する新たな発見や、意外な情報を得られるかもしれませんよ!
2023.06.24
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【川北稔/8050問題の深層「限界家族」をどう救うか】「限界家族」という言葉を知ったのはつい最近のことだ。福祉系の仕事に就いている息子から聞いたのだ。「限界集落」という言葉は知っていたけれど「限界家族」という言葉は聞き慣れないものだった。しかもその響きは何やらリスキーで深刻さが滲んでいる。とりあえずどんなことなのか知りたいと、書店で手に取ったのがこの本だった。『8050問題の深層「限界家族」をどう救うか』という新書である。まずは8050問題(はちまるごーまるもんだい)とは何ぞや?・・・から紐解いていかねばならない。端的に言えば、80代の高齢の親が50代の子どもの面倒をみる、という世帯の抱える問題のことだ。※ここで言う50代の子どもというのは、無職あるいはひきこもり状態にある子どものことである。正直なところ私はこの新書をめくっていくにつれ、震えが止まらなくなった。これは正に、私と同世代とその親世代の問題だと確信したからだ。今でこそ付き合いが途絶えてはいるが、私の友人の一人が同じ苦悩を抱えていた。当時まだ20代だったころ、彼女(K美さん)にはひきこもり状態にある弟について、ずいぶんと神経をすり減らしていたのだ。K美さん自身は聡明で公立大を卒業していて、就職先にも恵まれ、フツーに生活するには不自由のない暮らしをしていた。一方、弟の方は確か、高校は中退してしまったが、どうにか飲食店に就職が決まった。だがその後すぐに辞めてしまったと聞いた覚えがある。どうやら人間関係に躓いたらしい。K美さんは姉として出来る限りのことはしたと思う。行政の窓口にも相談に出かけ、NPOの家族会にも足を運んだと言っていた。藁にもすがる思いだっただろう。だが、結果は惨憺たるものだったと。あれから30年近く月日が流れるが、K美さんの弟が社会復帰したかどうかは不明である。そして、もしいまだに当時の状況が継続中だとするならば、50代に突入したひきこもりの彼と、80代の両親が同じ屋根の下で暮らすという図式になるわけだ。正に、リアルタイムの8050問題ここにあり、である。『8050問題の深層』を読んで改めて知ったのは、ひきこもりの背景がどんなものであるかということだ。直接のきっかけが不登校や就活の失敗だとしても、それが長期化していくにはおそらく何らかの原因があるはずだ。たいていは性格的な問題として片付けられてしまいがちだが、単なる〝大人しい〟とか〝引っ込み思案〟という内向的な性格のせいだけでひきこもりが長引くものだろうか。昔は「慌てずにゆっくり見守ってあげましょう」的な暗黙のルールがあった。だが最近ではだいぶ変わって来ている。というのも、ひきこもりの背景に軽度の知的障害や学習障害などが関係していることがわかり始めたからだ。自閉症の一つでもあるアスペルガー症候群という社会的なコミュニケーションの困難などを特徴とするものは、知的発達の遅れや言葉の発達の遅れを伴わないため、この障害をスルーしてしまいがちなのだ。そのためそれに気付かず「生きづらさ」を感じたままひきこもっている人たちが、何百、何千人といるらしい。とは言え、ひきこもりの原因がアスペルガーだったとわかったところで、50代に突入した今になってどうしろと言うのか⁈ というのが当事者のホンネに違いない。その一方で、50代の子どもを支える80代の親世代にも何かしらの問題がありそうだ。つまり、精神医療を受けることの偏見が問題解決を遅らせる要因となっているのだ。そして最終的に老いて両親が亡くなると、一人取り残された本人の兄弟姉妹が慌てて医療機関なり行政窓口を訪れることになるというパターンが少なくないらしい。とは言え、暴力や自殺行為などが起こっていないことを理由に問題が先延ばしになっていることはやむを得ないと言えるかもしれない。(果たしてそれが正しいかどうかは別として)ひきこもる人への支援には長期的な関わりが必要となるため、そう易々と片手間に出来ることではないからだ。65歳以上のお年寄りが半数を超える集落を「限界集落」と呼ぶようになって久しい。急激に進む高齢化社会の中で、共倒れ寸前の「限界家族」を内包する問題は深刻である。昔はよく「共依存」という言葉が使われ、お互いを過剰に干渉する状態のことを言ったものだ。それが自立を妨げるからと、半ば批判的な意味合いが含まれていた。本書によれば、最近の考え方としては、「依存先を増やす」という自立支援にシフトしているようだ。依存先が家族限定にならないよう家族以外の依存先を増やし、社会からの孤立を防ぐという方法だ。8050問題を今日・明日にでも解決するという具体策はなく、支援にも決まった答えはない。周囲にそう言う事例はないからと、目を背けてばかりはいられない。私の場合、たまたま息子が福祉系の仕事に就いたことで、日本の社会福祉制度には諸問題が山積みとなっていることを知った。『8050問題の深層』は、現代日本において社会的孤立が決して他人事ではないと警鐘を鳴らす。ひきこもる人とその家族に対する支援のアプローチが掲載されているので、一つの例としてそれらを読むだけでも支援制度のあり方を知ることができる。8050問題について知っておきたい人、ぜひ手に取って欲しい。(了)『8050問題の深層「限界家族」をどう救うか』川北 稔・著 NHK出版新書★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.06.17
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今さら何でこんなテーマを思いついたのかと言えば、二十代の息子から「何か、オレでも読めるヤツある?」と聞かれたのがきっかけだ。息子は現代っ子らしく、活字は仕事で仕方なく読んだり書いたりする程度で、好んで本なんか読むタイプではない。そんな読書初心者でも読みやすく、かつ文学への入口に近付ければと思い、企画してみた。昭和生まれの私の本棚から選んだ小説は、どれも最近のトレンドとはかけ離れている。だが息子は「それでいいよ、むしろそれがいい」と言ってくれた。ならばと思い、まずは〝あ行〟で始まる作家から3作品を選んでみた。参考になれば幸いだ。短篇が7作収められている。カテゴリとしてはいわゆる大衆小説というものだが、さすが直木賞作家の書く世界観はどれもドラマチックで花がある。代表作に『鉄道員(ぽっぽや)』『壬生義士伝』等があるけれど、我が息子のような初心者には、まず読み切りサイズの短篇から活字を追う訓練をさせたいところだ。なのでまずは『月のしずく』をすすめておく。※余談だが、我が子がもし息子ではなく娘だったら、赤川次郎の『ヴァージン・ロード』をすすめたかもしれない。赤川次郎と言えばミステリー作家の代表格のような気もするが、実はこの婚活小説(?)こそ赤川次郎の白眉と言っても差し支えない。アラサーのOLが友人の結婚、弟の結婚、そして自分自身の結婚について、真摯に向き合うストーリーである。これから夏に向けて、身の毛もよだつような物語が涼しくて良いだろうと思った(笑)いわゆるホラー小説というカテゴリに入るものだ。とは言え、山本周五郎賞を受賞した完成度の高い怪奇文学である。文庫本には表題作ほか3作が収められている。岡山地方の方言で語られる作風となっているが、これがまた恐怖感を煽るから不思議だ。この小説を読んで『雨月物語』みたいな古典文学に目覚めてくれたら、、、という期待も込めておすすめしたい。作品のテーマを探るのは難しくても、この小説の世界観に浸って欲しい、、、そういう類の内容である。私も二十代でこの小説と出合い深い感銘を受けたので、息子にもぜひ読んでもらいたいと思う。純文学へ一歩を踏み出す際、まずはこの小説をおすすめしたい。芥川賞作家の紡ぐ〝文学とは何ぞや〟を知るのに最適な小説なのだ。映画化もされているが、私としてはだんぜん小説で読む方がいいと思う。繰り返し繰り返し読みたくなる1冊である。さて、ここまでざっくり紹介させてもらったけれど、これはあくまで母親的立場から考える読書案内である。当ブログの筆頭管理人は文学部卒で、また違った視点から本の紹介をしてくれるに違いない、、、と思ったところで最後は筆頭管理人の本棚より、読書初心者におすすめする〝あ行〟から始まる作家の作品をいくつかご紹介いただこう!筆頭管理人です。「あ行」の作家ときたらまず挙げられるのは氏で、紹介するのはやはりこれでしょう!「なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ」冒頭のこの一文に魅せられ、阿房列車の読者になったという同輩が数多おります。そして敬愛する新聞記者の乾正人氏もその口ですが、氏は小学6年生の時に阿房列車を読み『それ以降魂を揺さぶられるような作品に出会っていない』といい切ります。なお、阿房列車は全三巻になりますが、軽妙な文体もあり読了する事は容易です。吟遊さんのご子息にもご一読いただき、百閒先生を倣い大阪に行ってもらいたいものです。次にこちら。小生、出家得度の折に再読し、僧〈業行〉に大変感銘を受けました。誠に厄介な小説ですが、あえて若者におススメしたい一冊です。願わくは、一言半句を噛みしめるように読み進められますことを。以下〈天平の甍〉の白眉を書き写します。~~~~~~~~普照にも、鑒真の渡日と、業行が一字一句もゆるがせにせず写したあの大経典の山と、果して故国にとってどちらが価値のあるものであるかは、正確には判断がつかなかった。一つは一人の人間の生涯から全く人間らしい生活を取り上げることに依って生み出されたものであり、一つは二人の人間の死と何人かの人間の多年に流離の生活の果てに初めて齎(もたら)されたものであった。それだけが判っていた。普照はふと、この老僧は日本へ帰って何をするのであろうかと思った。僧侶としての特殊な資格も持っていなければ、一つの経典に対する特殊な知識も、恐らく持っていないであろうと思われた。帰国の上に約束されているものは何もなかった。 すると、そうしたことを考えていた普照の心の内部を恰(あたか)も見抜きでもしたかの如く、「私の写したあの経典は日本の土を踏むと、自分で歩き出しますよ。私を棄ててどんどん方々へ歩いて行きますよ。多勢の僧侶があれを読み、あれを写し、あれを学ぶ。 仏陀の心が、仏陀の教えが正しく弘まって行く。仏殿は建てられ、あらゆる行事は盛んになる。寺々の荘厳は様式を変え、供物の置き方一つも違って来る」~~~~~~~~なおご参考まで。当ブログでは200冊以上の読書案内を投稿しております。ご覧いただけましたら幸いです。★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.06.10
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これまでさんざん振り回されて来た新型コロナウイルスですが、5月から感染症法上の位置付けが5類になりました。どういうことかと言うと、季節性インフルエンザなどと同じ扱いになるのだそうです。なのでマスクの着用も強制ではなく、自由となります。これからどんどん蒸し暑くなるので、正直なところ有り難いです。(マスクを外すだけで、顔の表面温度が2〜3度は下がりますよね)先日スタバでまったり読書をしていたら、私のすぐ斜め前の席に着いたお嬢さんがいらっしゃいました。マスクをしているので表情は不明ですが、服装や指先のネイルチップを見ると、おそらく二十代のお若い方だと想像しました。ふだんは周囲をジロジロ見るようなマネはしないのですが、そのお嬢さんの手元にあるベンティサイズは初めて見る大きさだったので、好奇心には抗えなかったわけです。メロンフラペチーノのベンティサイズを、あんなにか細い体型のお嬢さんが1人で飲み干せるものなのかと、半ば興味本位もあったのです。読んでいた本のページをめくるのも忘れ、そのお嬢さんから目が離せなくなり、チラチラとうかがっていると徐にマスクを外しました。「・・・・!?」私は愕然としました。ですが彼女の豪快な飲みっぷりに舌を巻いたわけではありません。マスクの下に隠れていたその肌の荒れ方に驚いてしまったのです。私は医師ではないので、それがアトピーなのかニキビなのかあるいはもっと別の皮膚炎なのかはわかりません。ですがとにかく素人が見ても深刻な肌トラブルを抱えた方だったのです。私には二十代半ばの息子がいますが、もしも娘で、肌にトラブルを抱えていたらと思うと、何やら他人事には思えなくなってしまいました。そこで私のこんなつまらないブログでも、何かの参考になればと思い、自然派化粧品のことを少しご紹介しようと思います。一般の女性は社会に出ると、身だしなみとしての化粧を誰からというわけでもなく強要されます。たまにノーメイク(スッピン)の型破りな女性もいらっしゃいますが、ごくごく少数派です。私なんかも本来は化粧なんかしたくない派です。なにしろ顔が重くなるし、かゆくなったり、唇の皮がむけたり、顔の表面が呼吸できないような感覚に襲われるからです。短大時代に、某有名メーカーの化粧品を使っていたところ、吹き出物ができてしまい、かなりヘコみました。肌が弱い私は、こんな思いをしてまで化粧する意味って一体何なんだろうと、毎日鏡を見るのがイヤでイヤでたまりませんでした。そんな悩みを友人に打ち明けたところ、たまたまその友人のお姉さん(M子さん)がアザレ化粧品の販売員だったのです。M子さんが教えてくれたのは、化粧品のほとんどに石油系成分が含まれていて、たいへん危険な化学物質であるということでした。ザックリ言ってしまえば、世の女性たちは毎日顔にペンキを塗って過ごしているのと同じなのだという説明を受け、それはもうショックでした。例えば通常の化粧品の場合、いざメイクを落とすとなると、クレンジングオイルを使います。油性のメイクを洗い流すためにはクレンジングオイルに入っている界面活性剤というものが不可欠なのですが、これを日常使い続けるのはかなり肌に負担をかけるものだしトラブル原因の一つなのだと言うのです。一方、アザレ化粧品は石油系成分が含まれていないため、メイク落としは普通の洗顔石鹸で充分に対応ができると言うものでした。このM子さんの話は、当時二十歳そこそこの私にはとても分かりやすい説明で、「よし、アザレを使ってみよう」と思う気持ちになるのはすぐでした(笑)結果、私が使うことになったのは、まず洗顔石鹸。これまで使っていた石油系成分配合の化粧品で荒れてしまった肌を整えるために、とにかく肌に不要なものを洗い落とすことでした。さらに洗顔後の肌に水分や保湿を補い、肌のバランスを整える化粧水。この2点だけを使って、吹き出物で荒れた肌を回復させることにしたのです。あと、外出時に口紅ぐらいはつけておいた方が顔色がよく見えるからと、口紅も購入しました。でもこの口紅も石油系成分は配合されておらず、唇の水分量やpH値によって発色が変わるという優れもので、パッと見はオレンジ色なのに、実際唇に塗るとピンク色に発色するのですから不思議です。こうして私はアザレ化粧品と出合ったことで肌トラブルから解放され、もう30年以上も愛用しているリピーターなのです。ただしこの30年もの間に、アザレ化粧品は2社に分裂しています。(理由の詳細は不明です)それは、アザレプロダクツとアザレインターナショナルです。私が現在までずっとお世話になっているのはアザレプロダクツ(株)の方です。なのでこちらにご紹介させていただく商品は全てアザレプロダクツ(株)のものになりますのでご了承ください。マスクが解禁となったこの夏、皆さんどうか肌を見せることがおっくうにならない程度に、スキンケアを心がけてください。良質な天然素材で作られた自然派化粧品を使って、内面からも綺麗になってくださいね!◆お節介な筆頭管理人から過ぎたるは猶及ばざるが如し、そして配慮とまわりの目に気遣いあれ(^_-)
2023.06.03
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【斎藤美奈子/挑発する少女小説】私は多感な思春期の読書傾向に、初めて後悔した。もちろん自分自身の、である。一体何をどう読んで来てこうなってしまったのか、、、?スポンジのように多くの教養を吸収したであろう小・中学校時代。私は世間一般で女子の必須アイテムでもある少女小説というものと、ほぼほぼ無縁だった。こよなく愛したのは岩波少年文庫から出ている『三国志』『水滸伝』、福音館書店から出ている児童書シリーズ、特に『アーサー王と円卓の騎士』など。それはもう夢中になって読んだものだ。そこから学んだものは、、、今となってはよくわからない。ただ、とにかく好きだったのだ。戦乱の世を刹那に生きる英雄・豪傑たちの魂に震えたのだ。だが、そんな自分の嗜好が、今となっては忌わしい。あの頃、どうして他の女子たちが好んで読んでいた少女小説を手に取らなかったのだろう、、、?私はもっと世間の動向とか流行に敏感になるべきだったのでは、、、?今さらそんなことを悔いても、詮無いことではあるが。いきなり私がこんなことをボヤき始めたのにはワケがある。私はフェミニズム系文芸評論家である斎藤美奈子の著書を読んだのだ。河出新書から出ている『挑発する少女小説』という一冊である。もちろん私も人生50年を生きて来て、女性論を説くお偉い方々の一言一句を盲信するようなアマちゃんではない。じゃあ何をそれほど後悔しているのか?それは、こちらの著書で取り上げられている少女小説のどれもがユニークで魅力的であるからだ。これを大人になった今の視点から読むのも良いけれど、うら若き乙女のとき、真っさらなな気持ちで読んでおきたかったと後悔しているのである。ちなみに私が大人になった今読んでみたいと思ったのは次の作品である。『赤毛のアン』の続編。『あしながおじさん』『秘密の花園』『ふたりのロッテ』『長くつ下のピッピ』どれも児童文学のベストセラーである。なんでもっと若いうちに読んでおかなかったのか、、、時間は取り戻せないし、こればかりは仕方がない。斎藤美奈子の文学評論がズバ抜けて面白いのは、何と言っても杓子定規ではないところである。通り一辺倒のレビューではなく、かと言って小難しく掘り下げるのでもなく、大人になった〝ちびまる子ちゃん〟的な物言いが見事にハマった感じなのだ。『挑発する少女小説』において、様々な児童文学が取り上げられているが、中でも『赤毛のアン』の続編は大人になった今、読んでみたいと思った筆頭である。少女小説とはあまり縁のなかった私だが、さすがに『赤毛のアン』だけは今も本棚の片隅に保管されている。小学生の頃だったか、テレビアニメとして放送されていたこともあるし、女子の間で話題にもなったからである。皆さんご存知の通り、『赤毛のアン』と言えば、孤児の女の子がカナダの大自然の中で明るくたくましく生き抜いて行く青春物語である。ところが斎藤美奈子の捉え方は違った。「実はみなしごの就活小説だった」と言うのだ。劣悪な環境である孤児院なんかに二度と戻りたくない主人公のアンが、マシュウとマリラ(初老の兄妹)の住む家庭に引き取られるために、並外れたトーク力とイマジネーションを働かせて2人の心を動かす。それはもはや「みなしごの少女が自身の居場所を確保するための戦いの物語」であると説いている(笑)もともと引き取り手のマシュウとマリラは、農作業の手伝いもできるだろうと、孤児の男の子を希望していたのだ。ところがどこでどう間違ったのか、やって来たのは女の子(アン)だった。自分が必要とされていないと気付いたアンは、何が何でも引き取られてみせるとばかりに躍起になるのだが、これを一つの「就活」と見なすところがおかしくて笑えた。『赤毛のアン』は二作目の『アンの青春』『アンの愛情』とさらに続き、最終話の『アンの想い出の日々』まで全11巻という長編作品となっている。いつだったか、『赤毛のアン』フリークの友人が言っていたのだが、続編を読んでいると、アンがどうやら更年期障害を患っているのか、始終イライラしているシーンが出て来るというのだ。それがホントかウソかは不明だが、何とも人間臭い少女小説(?)ではあるものだ。それも含めて続編を読んでみたいと思った。本書は他に『あしながおじさん』についてもレビューしている。なんと、「金持ち道楽息子が小娘に翻弄される物語」であると(笑)『大草原の小さな家』に至っては、「引っ越し、引っ越し、また引っ越し」という小見出しがついてる。(「新天地をめざしての移動」とはしないところが笑える)こう言う歯にきぬ着せぬ物言いのできる斎藤美奈子の著書は、実に魅力的だ。本来はもっとジェンダー論を盛り込んで少女小説を掘り下げていきたかったのかもしれない。抑圧された少女たちの魂の叫びを、少女小説の中から感じ取って、あれやこれやと批評したかったと思う。それが斎藤美奈子のお得意分野だからだ。だが以前のようにそこまでとんがらなくても、充分な求心力を持つ内容となっていると思う。ジェンダーの何たるかなんて、そう簡単には分析・理解されるものではないだろう。(つまり、なるようになると言うこと)本書は、少女小説と縁のなかった大人の少女(?)らに読書を勧め、新たな発見を誘う文芸評論となっている。もちらん、夢中になって読んだことのある人にも再読を促し、戦う少女たちの人生に焦点を当てることを勧めている。私たちの日常の読書は、このぐらい明け透けで、それでいて目新しい発見が一つでもあれば充分意義のあることなのではと思う一冊だった。 (了)『挑発する少女小説』斎藤美奈子・著★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.05.27
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今年の昭和の日は土曜日と重なり、なんだか祝日を1日だけ損したような気分ですね(笑)朝からどんより曇っていて、予報によれば夕方から崩れる見込み。ならばと思って渋る息子を誘って神社のお参りに出かけました。静岡県遠州地域には歴史と伝統のある神社・仏閣が数多くありますが、つい見逃していた神社がありました。というのも、ガイドブックや観光マップなどに掲載されていなかったので、ずっとスルーしていたのです。ところが昨年、浜松は台風15号という未曾有の天災に見まわれ、大惨事に遭いました。その影響で浜松市浜北区尾野にある高根山の斜面が崩れてしまったのです。その高根山の中腹に立つ高根神社は、歴史も古いのですが(1502年建立)、台風15号による崖崩れで倒壊の可能性があると、県内ニュースで大きく報じられました。皮肉なことではありますが、その報道によって初めて歴史的価値のある神社がまだまだ浜松にあることを知ったのです。「これは一度行ってみなくちゃ」と、ずっと思っていたものの、なにしろ電車・バスなどが付近まで通っていないので、足代わりになってくれる息子のご機嫌によることが大きかったのです。(私はペーパードライバーなので)前置きが長くなりましたが、そんなこんなでやっと私の望みが叶ったのが、4月29日(土)のことだったわけです。高根神社へ向かう途中、高根山の東側でしょうか、『金刀比羅神社』の看板を目にします。鳥居をくぐって境内まで続く長い階段を見上げたとき、「ここでお参りしたい」と息子にお願いしました。駐車場は金刀比羅神社の拝殿の傍にあるため、いったん車を停めたあと、わざわざ階段を下り、一の鳥居をくぐるところから再び歩き始めました。何段ぐらいあるのか、最初のうちは数えていたのに、途中から息が切れてきて数えるのを忘れてしまいました(汗)苔むした階段、うっそうと生い茂る樹木、まるで効果音のように聴こえてくるウグイスの鳴き声がのどかで、まるで昭和に逆戻りしたような心地がしました。(正に、昭和の日というだけありました)境内にある建造物はどれも古くて、歴史的価値のあるものばかりなのはよくわかるのですが、私自身はあまり興味がなく、ただ雰囲気とか空間を楽しみたい派なので、ろくな情報も提供できず、ざっくりとした記事でご勘弁ください。お祀りしている神様は、大物主命、白峯大神、金山彦命とのこと。社務所は無人のため、ご朱印ガールの方々にはムダ足になってしまうかもしれませんので、ご注意を。さて、本命のはずだった高根神社ですが、金刀比羅神社から運動がてらてくてく行くつもりでした。落ち葉に埋もれた山道を数百メートル歩いたところ、そこは昨年さんざん報道された崖崩れの現場があり、いまだブルーシートで覆われていました。さて、高根山の斜面に細く急な階段があり、そこが高根神社へと続く参道となっていました。息子が気を利かせてその階段を数段ほど上ってみたところで、「あ、ここはヤバい。上りはいいとしても、下りるのがヤバい。やめた方がいいんじゃね?」と注意してくれました。空模様もあやしくなり、いつ降り出してもおかしくはないような雲行きだったので、息子の判断は正しかったと思います。しかも運動不足の私が気軽に上れるようなゆるい階段ではなく、私も素直に息子のアドバイスに従いました。こうして高根神社への参拝は断念しましたが、今回は金刀比羅神社に詣でることができ、本当に嬉しかったです。それにしてもこちらのような歴史的にも価値のある古い神社が、なぜ観光マップやガイドブックに掲載されていないのか、不思議でたまりません。ぜひとも浜松市の観光課に頑張ってもらい、全国のご朱印ガールを呼び寄せるぐらいのパワースポットとして紹介して欲しいものです。限定のお守りなど、可愛く、映える(?)やつを製作してみたらどうでしょうか?(あと、おみくじとか)なんなら筆の達者なシルバーさんに、ご朱印係をお願いして、日当¥5000ぐらいで雇用するという方法はどうでしょうか?冗談はさておき、付近には静岡県立森林公園もあるので、レジャーの道中に安全と無事を祈願するのにもおすすめです。〜おまけ〜お参りの帰りは小腹も空いたことなので、星乃珈琲店に寄りました!春と言えばイチゴ。星乃ではストロベリーフェアを実施中です。私は苺たっぶりスフレパンケーキ(シングル)を注文しました。パンケーキの真ん中にピスタチオアイスが乗っかっているのですが、パッと見は抹茶アイスかな?と思いました。いや〜メチャクチャ美味しかったです。なぜシングルにしてしまったのか、後悔するぐらいでした。(なんならダブルを注文して、食べ切れなかったら息子にあげれば良かった)苺たっぷりスフレパンケーキ(シングル)は、¥900(ドリンク付¥1250)です。ちなみに息子はスタンダードな窯焼きスフレパンケーキのダブルを注文。美味しそうにパクパク食べていました。本日は息子のBirthday 。しがない親子のひとときでした。
2023.05.20
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【産経新聞大阪社会部/「死」の教科書 〜なぜ人を殺してはいけないか】サブタイトル: 新聞は、なにか事があると、「命の大切さ」を訴える。校長先生も、なにか事があると「命の大切さ」を訴える。安倍元首相が凶弾に倒れて1年も経たないうちに岸田総理までもが命を狙われた。一国の首相が狙われたという民主主義の根幹を揺るがす行為であることはもちろんだが、人の命というものをあまりに軽く見過ぎているのではと思う事件だ。テロを起こして国家転覆を計りたいと思ったのか、革命もどきに酔いしれて英雄を気取りたかったのか。いずれにしろ数メートル先のターゲットを狙って爆弾を投げ込んだとして、自分の命すら脅かす蛮行だったのに、そのリスクは考えなかったのだろうか?それとも自分の命など惜しくも何ともなかったのだろうか?2016年のWHOの調査によると、自殺率が最も高い国はロシアで、次に韓国という結果が出た。ちなみに日本は7位だが、これを先進国7カ国にしぼると、第1位という不名誉な結果となってしまった。つまりそれだけに国民の幸福度が低いということなのである。平和で安全であるはずの日本が、どうしてこれほどまでに命を粗末にしてしまうのか、、、?社会学者ならこの結果をどのように読み解くのだろうか?いろんな疑問が次から次へと浮かび、一体どうしたらこんな不幸な凶行を回避できたのだろうかと考えてみた。だがその答えは見つからない。歴史は繰り返されるという哀しい現実を目の当たりにするのみだ。そんな折、私は産経新聞大阪社会部が発行した『「死」の教科書』を読んだ。これは平成18年から翌年にかけて連載された「死を考える」という記事に加筆の上、単行本化されたものである。少し古い著書ではあるが、こういうご時世だからこそ再読するべき1冊だと確信している。本書はまず〝子供たち〟の殺人についてから話が始まる。さかのぼること26年前の、神戸で起きた児童連続殺傷事件「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る少年事件を振り返るところから、『なぜ人を殺してはいけないか』というテーマをほり下げるのだ。これだけ情報過多な時代にあって、昔かたぎの大人たちが「いけないものはいけない」と言っても通じない。それでは答えになっていないので、きっと今の子どもたちは納得しないだろう。本書では、学校の果たす役割、教育について語っている。小学校から導入されている性教育は、今や当たり前のカリキュラムであるが、「死」についての教育はない。むしろ「死」を子どもたちから遠ざけた環境にしている。その結果「命について考える機会も失われたのではないか」と。次に取り上げられるのは、ある日突然、何の前触れもなく降りかかる「事故」による死についてである。平成17年に発生したJR福知山線脱線事故は、乗客106人もの命が奪われた凄惨な事故であった。ここでは、愛する人を突然失うという遺族の耐え難い悲しみについて、淡々と取材されている。この未曾有の大事故で娘を失うこととなった父親の日記は、涙なくしては読めないものだ。突然の家族の「死」とは、本人の完結を持って終わるものではなく、その遺族にとって、暗いトンネルの中を這うような人生が続くということを忘れてはならない内容となっている。さらに、「死刑」についての死も取材されている。ここで誤解して欲しくないのは、死刑制度に対する反論ではないということだ。もちろん、日本という国家が、世界でも少数派の「死刑のある国」であることも踏まえた上で、その生々しい死刑執行の様子も取材されている。だが私は、産経の持論としては、極刑の存在価値を認めているように思えた。罪深き人間への戒めとして、「死刑」を掲げ続けておくべきという立場を取っている(と思う)。この章は賛否両論あると思われるので、各自がじっくりと熟読し、死刑制度における持論を展開して欲しい。人はこの世に生まれ出た瞬間から「死」と隣り合わせである。これは致し方ないことだ。「生」と「死」は、いわばセットになっているからだ。私の世代であるアラフィフから上の方々は、そろそろ人生の最後について、チラッとでも脳裏を過ぎることがあるのではなかろうか。本書では「最期をどこで迎えますか」というテーマで、終末期医療について丹念な取材がされている。日本人の最後は、孤独死でもない限り、たいていは病名が付いて病院で看取られるのが一般的なのだ。老衰なんて自然死は、今や夢のまた夢。在宅で家族に看取られて大往生を遂げる方は、現代日本に何パーセントぐらいおられるのだろうか?無粋なことを申し上げて大変恐縮だが、この著書が最初に発行されたのは2007年だが、この時点で一ヶ月間にかかる終末期医療費は平均で112万円。現在は物価の上昇でもっと高額になっている。人の命は決してお金には代えられない。だけど現実問題として「生きる」にはお金がかかるということ。いや、「生きるため」というより「生かされるため」の方が正しい言い回しだろう。一体、人の最後において、こんな結末を良しとするのを、誰が決めたのだろうか?最終章は、戦争と平和について書かれている。こちらの記述は秀逸で舌を巻いた。ここに、現在を生きる我々の心を震わすような記述があったので紹介したい。~~~~~~~~~~「戦争反対」や「平和の大切さ」を叫ぶことはあっても、戦争そのものについては、考えることすら放棄してきた。タブー視してきた。むろん誰だってあの時代には戻りたくない。戦争などしたくない。ただ、「戦って死ぬ」「誰かのために死ぬ」という「究極の死」の存在から目を背けてきたことで、何か大きなものを失ってきたのかもしれない。~~~~~~~~~~小国ウクライナが、大国ロシアを相手に、怯むことなく戦っているのはなぜか?簡単に答えなど出ないことは百も承知の上だが、この最終章を読むことでその片鱗が掴めるかもしれない、とだけ言っておこう。今を生きる私たちのバイブルともなり得る本書を、今こそ皆さんに読んでいただきたい。「死」についての意味とか意義を考えるきっかけになればと思う。 (了)「死」の教科書 〜なぜ人を殺してはいけないか〜/産経新聞大阪社会部 ★吟遊映人『読書案内』 第1弾(1~99)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)はコチラから★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )はコチラから
2023.05.13
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昔はハンカチなんか使えれば良いと思っていた私。もちろん、こだわりなど一切ないので、息子が保育園で使っているキャラクター柄のハンカチを兼用で自分も使っていました。誰かに見せるものでもないし、お手洗いのときに手を拭いたり、メガネがくもったら拭くぐらいしか用途がなかったからです。さかのぼって学生時代のころのことはあまり記憶もないのですが、ハンカチは母が用意してくれたガーゼのハンカチをいつもスカートのポケットに入れていたような・・・?とにかく、自分で買った覚えがありません。よくよく考えてみれば、ハンカチほど常日頃からお世話になっているアイテムはないのに、意外と無頓着なのです。なぜでしょうか・・・?きっと、バッグや洋服のように、モロに他人の視線を浴びることがないので、自分の個性として主張する必要がないからと思われます。とは言え、ハンカチは必ず毎日取り替え、毎日洗濯し、毎日使用する必須アイテムなので、何かの折にプレゼントされることが多々あります。(一般的なものなら価格も手ごろなので)私の場合、もらえばさっそく使わせてもらうのですが、そのハンカチをくれた人との思い出や人柄がよみがえり、なかなか処分できずに何年も使い続けてしまいます。そこで、私がいただいたタオルハンカチのベスト3をご紹介し、プレゼントしてくれた方々との思い出を少しだけ振り返ってみようと思います。まずは第3位。ラルフ・ローレンのタオルハンカチです。これをくれたのは、以前の職場で同僚だった三十代の女性Eさんです。彼女はかなりのオシャレさんで、パッと見、2人の子どもさんがいるようには見えない、若々しく可愛らしいタイプの方でした。見かけによらず、仕事をスピーディーにこなすのが得意で、ノソノソやっている後輩には容赦なかった記憶があります(笑)そんなEさんが異動することになったとき、女性職員に配ったのがこのラルフ・ローレンのタオルハンカチでした。これをいただいたとき、「私にはちょっと派手かな?」と思いましたが、使い続けるうちに馴染んできて、肌触りとか吸水性などに安心感を覚えるようになったのです。さらにはバッグの中で、このラルフ・ローレンのチェック柄が見えると、何となく自分がスタイリッシュな都会人を気取れるような気がするから不思議です。Eさんが「女は可愛いだけじゃダメ」と言っていたように、彼女の人となりが伝わってくるようなブランドのセレクトだと思いました。次に第2位。アナ・スイのタオルハンカチです。これは、短大時代からの友人Yさんが、誕生日かXmasか、とにかく何かのプレゼントで送ってくれたものです。Yさんは何事にもひたむきだし一途で、とにかくマジメです。今も昔も変わらないのは、オタ活にせっせと勤しむ情熱とガッツの持ち主で、優しさと思いやりいっぱいの愛すべき友人なのです。確か、最近夢中になっているのは『刀剣乱舞』で、語り出したら止まらない熱い魂を持っています。彼女が大切にしている長財布は、アナ・スイと『うる星やつら』がコラボしたデザインのもので、かなりレアだったと記憶しています。その延長線なのか、私にくれたタオルハンカチもアナ・スイのものでした。もらったときはYさんらしいセレクトだと、思わずクスッと笑ってしまったものです。そして第1位!イヴ・サンローランのタオルハンカチです。これをいただいたとき、もう手放しで喜びました!なんて可愛いデザインなのだろうかと。これは以前の職場で、定年退職されたKさんが女性職員だけにくれたものです。もらった私たちは、あまりのセンスの良さに舌を巻いてしまいました。後から聞いた話によると、お嬢さんが百貨店で吟味して購入してくれたのだとか。経年劣化してきたので、私は同じものが欲しくなり、百貨店のハンカチ売り場をのぞいてみましたが、残念ながらありませんでした。考えてみれば、もらってからすでに7〜8年が経つのですから仕方ありませんね。他にもご紹介したいお気に入りのハンカチはいくつかありますが、以上の3点はとくに年季も入って、ますます愛着の増すベスト3なのです。さて、皆さんのお気に入りタオルハンカチと重なるものはあったでしょうか?ここで私はふと考えたのですが、こちらの筆頭管理人は長く百貨店に勤務して来た御仁なので、ハンカチにもこだわりがあるのでは・・・と思うわけです。というわけで、終いは筆頭管理人のお気に入りハンカチを紹介していただきましょう!《筆頭管理人》いやはや、お鉢がまわってきました(^_^;)それでは簡単に。わたくし、以前にコツコツと集めたハンカチが200枚ほど手元にあります。それで活躍しているのは主に「バーバリー」と「ポロラルフローレン」の一部です。※ポロラルフローレンのクマのプリントは、ポロスポーツのノベルティでちょっとレアだったりしてね(^_-)vなお、パンツには同色で合わせます(*^_^*)以上、粗末なものをお見せしました、恐縮です(^人^;)吟遊さん、こんなものでよろしいでしょうか?それと余計なお世話かもしれませんが、吟遊さんもアイロンをおかけになったほうがよろしいかと(^_-)
2023.05.06
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【刑事コロンボ 〜二枚のドガの絵〜】「名画の数々は、もともとあなたが始めたコレクションだったわけですね?」「でも手元に置くつもりはないのよ」「なぜですか?」「あら、みんな分かってないのね。亡くなった元夫だって、最後には絵のコレクションに嫌気がさしていたのよ。買いあさって秘蔵するより、私が彼に勧めたように、名画はみんなで共有すべきなのよ。それで学校や美術館に寄贈することにしたの」『コロンボ』に登場する愛すべき脇役の設定に、いつも共鳴してしまうのは私だけだろうか?「ああ、こう言うタイプいるなぁ」と、思わずクスッと笑みがこぼれてしまうような天然ボケタイプで、それでいて憎めないキャラ。例えば〜二枚のドガの絵〜に登場する被害者の元妻なのだが、この脇役が本当に憎めない。離婚の原因は元妻の浮気なのだが、性格はいたって穏やかで、人が良くて、おっとりしていて、しかもコケティッシュ。元妻は金もうけなんてまるで興味がなかったので、おそらく資産家の夫がガッチリと財布のヒモを握っていたに違いない。だから元妻が趣味で美術館へ夫を連れて行った時にも、夫は名画の良さを味わうでもなく、いかにその絵画が今後価値の上がるものなのか、投資目的で鑑賞するに過ぎなかったのであろう。(コレはあくまで私の想像だけど)実際、私の従姉もこんなタイプで、「あそこのラーメンは美味しいみたいよ」と、夫を評判のラーメン屋に連れて行ったところ、夫がそのラーメンにハマった。従姉は単に美味しいラーメンを夫にも食べてもらいたいだけだったのに、夫はそのラーメン店のオーナーとなってしまった。いわゆる株主というやつだ。きっと従姉の夫はそのラーメンをすすりながら「これは儲かる」と思ったのかもしれないーー〜二枚のドガの絵〜のストーリーはこうだ。美術評論家のデイル・キングストンは、資産家で独身の叔父が、自分に残すであろう多くの名画を、一刻も早く我が物にしたかった。だが、最近になって叔父が遺言を変更し、全ての名画を元妻に相続させると書き換えてしまった。デイルは叔父を殺害することを計画する。共犯者として恋人を利用し、さも強盗が押し入って室内を荒らしたかのように工作し、叔父を射殺してしまう。その後、共犯の恋人にまで手をかけ、事件の真相を知る者はいなくなった。しかしデイルの犯行は止まることを知らない。全ての罪を、叔父の元妻になすりつけるべく、叔父を殺害した銃を元妻の邸宅に続く庭園にわざと捨てたのである。被害者の元妻を演じるのはキム・ハンター。なんと、『欲望という名の電車』で、ヴィヴィアン・リーと姉妹役を果たしたオスカー女優である。このキム・ハンターの登場で、完全に犯人役がどうしようもない悪人で、キム・ハンター演ずるエドナ・マシューズ(被害者の元妻)がいかに人の良い奥様であるかが、役者のかもし出すオーラだけでハッキリするのだ。この明暗によってドラマは気持ちの良いほどスッキリとした終焉を迎えることとなる。やはり日本人にはこれぐらいの勧善懲悪がちょうど良い。日本人が最も愛すべき『刑事コロンボ』のスタイルが、ここに凝縮されているのだ。1971年放送【監督】ハイ・アヴァバック【キャスト】ピーター・フォーク、ロス・マーディン、キム・ハンター
2023.04.29
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叔母が体調を崩して東京都世田谷区にある老人病院に入所したのは、ちょうど一年前のこと。それまで川崎で独り暮らしをしていたのですが、腎臓を悪くしたことで透析をする必要に迫られたのです。夫はもうずいぶん前に亡くなっており、娘夫婦が同じ川崎市内に住んでいて面倒をみていたのですが、娘婿が第二の人生を北海道で過ごしたいとの希望で、長年住み慣れた川崎の土地と建物を売り払い、北海道に移住してしまったのです。息子は八王子の方に住んでいて、小さいながら会社経営をしており、それほど頻繁には面会も来られません。(ここ3年に及ぶコロナの影響もありますが)私は北海道に住む従姉と仲が良く、電話やメールのやりとりをしていて、これまでの経緯を聞いていたので、叔母のことがずっと気がかりでした。私の母は生きていれば95歳なになりますが、妹が老人病院に入所していると聞けば、「お見舞いに行ってやらすか」と、きっと言うに違いないのです。そこて私は、従姉が一年ぶりに上京するというので、それに合わせて叔母のお見舞いに行くことにしました。「羽田から品川まで電車で行くから、品川で待ち合わせしようか?」「品川?」「ほら、新幹線、今じゃ品川に停まるからさ」そう言えば品川駅の落成式をニュースで見たなぁと思い出し、「じゃあ品川で」と気楽にそこで待ち合わせするのを決めました。とは言え、地方の駅とは規模も違うし、待ち合わせ場所に何か目じるしになるものはないかと急いでググってみると、電車の形をしたポストがあるのを知り、そこを待ち合わせ場所にしました。万全の準備で待ち合わせ場所に向かったものの、とにかく人・人・人。どこもかしこも人だらけ‼︎しかも新幹線から改札口を出るまで人の波に乗ってしまい、その流れから逃れられないのです。本当はちゃんと改札口やら何やらを確認してから前に進みたいのに、人の流れがそれを許さないのです。仕方がないのでハマってしまった人の流れに身を任せ、改札を出てしまってから「はぁ〜やれやれ」とスマホで確認すると、な、なんと、電車の形をしたポストは改札内にあることが判明‼︎でも私は慌てません。こんなこともあろうかと、待ち合わせ時間より一時間も早く到着していたのですから。とりあえず入場券を買って中に入ろうと、券売機の列に並びました。(入場券¥150)無事に改札内に戻ったところで、まだ時間に余裕があるなぁと、お手洗いを済ませることに。さて、女子トイレはーー?案内表示があるので、場所はすぐにわかったのですが、、、びっくり仰天、さっき券売機で列に並んだばかりなのに、ここでもか⁈私は大きなため息をつきながら、またその長蛇の列に並ぶのでした。漸く用を足し、再び改札内をウロウロしつつ、電車の形をしたポストを探すことに専念。ところがどうしたことか、それらしきものが見つからない⁈あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ。でもこんなときこそググればいいのだと、「品川駅 電車の形をしたポスト 場所」と入力してみました。〈設置場所は品川駅中央改札のコンコース5,6番線ホーム行きの階段付近〉はい、さすがGoogleです。思わず「ありがとう、グーグルよ」と、お礼を言いたくなりました。こうして私は、やっとの思いで電車の形をしたポストの前までたどり着くことができたのです。筆頭管理人ところが今度は従姉が現れない。取り急ぎ着信をチェックすると、すでに2件あり。構内の騒音で着信音が聴こえなかったのです。慌ててかけ直すと、従姉は列車を乗り違えたらしく、少し遅れると。ならばあとは待つだけだと思い、スマホをいじりながらぼんやりしていました。しばらくすると着信音が。「もう着いたの? え? どこどこ?」従姉はすでに到着しているとのこと。「電車の形をしたポストの前だよ?」「私もいるよ〜」「どこ?」「どこ?」それらしき人影を必死で探すのに見当たらない。お互いに焦ってしまい、機転を効かせた従姉が「じゃあ私、手を振るよ」と言ってくれたので、「うん、そうして」と応じました。はい、見つけました。だが、しかし、、、その手を振ってくれたすぐ側のご婦人が、よもや従姉だとは、、、⁉︎筆頭管理人お互い、久しく会うこともなく、たぶん最後に会ったのが平成の終わり頃だったので、すでに6〜7年前です。電話やメールでのやりとりは頻繁ですが、最近の姿形はお互い知りません。もう視線が合うなり、二人でゲラゲラと大笑い‼︎そこが品川駅であることも忘れて大爆笑でした。なにしろ二人ともそれなりに年を経て、白髪はもちろん、シワも増えるし体型も変わります。従姉が言うには「北海道は食べ物が美味しくて、食べちゃうんだよね〜」とのことで、ポッチャリ感に溢れ、私は私で「更年期に突入したら、痩せなくなっちゃてさぁ」と弁解がましいことを言ってみたり。その後は遅いランチを食べ、お互いのお土産交換をし、お喋りの花を咲かせました。ちなみに従姉がくれたお土産は次のとおり。①白い恋人(←定番中の定番)②じゃがポックル③函館いかめし私もド定番の春華堂のうなぎパイを差し上げました。従姉は川崎に帰る家もないため、面会を済ませたあとは、再び羽田行きの列車に。函館までのとんぼ返りは、なかなか慌ただしく、別れを惜しむ間もなく帰路に就きました。私もせっかく品川まで来たとは言え、あまりの人ごみに買い物をする気力も失せ、とりあえず夕飯用のいなり寿司とお菓子、それに雑誌を買うと、新幹線に乗ってしまいました。これも買いました(*^_^*)春は行楽シーズンですが、私にとっては元気そうな従姉と、亡母の面影を残す叔母に会えて、本当に楽しく充実した一日なのでした。
2023.04.22
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【刑事コロンボ 〜ホリスター将軍のコレクション〜】「彼の人柄がよくわかりますよ。ここに展示された本には、彼を狙った銃弾がめり込んでいます。危うく助かりましたが、将軍は眉ひとつ動かさなかったのです。(その一例からも)彼がどう言う人間か想像がつくでしょ? 度胸があり過ぎるんですよ。とても普通じゃありえない。私なら気絶するところです。普通の人間ならうろたえるのに、彼はどんな状況でも冷静そのものだ」私は、元夫が自律神経失調症とうつ病を患っていたこともあり、周囲の人たちが元夫のことを腫れ物でも扱うようにするのを、何度となく目撃した。もっとタチの悪いのは、妻である私自身が心の病に理解がなく、ただ指をくわえて手をこまねいていたことだ。結局、私は離婚してしまったのだが、元夫はその後、障害者手帳を取得し、福祉のお世話になったとのこと。たまに私のところへ電話をかけて来ては、「みんな俺の話なんかまともに聞かないんだよ。何でか分かるか? 精神科に通ってるからさ」とグチをこぼした。そんな元夫も亡くなって12年が経つ。今回私が見た〜ホリスター将軍のコレクション〜において、事件を目撃した女性は精神に疾患を持つ者という設定である。一番信頼に値する身近な母親でさえ、娘の心の病に辟易している有り様なのだ。この状況をたとえドラマの上でも目の当たりにすると、何とも言えない苦いものがこみ上げて来るのだ。ストーリーは次のとおり。退役軍人のホリスター将軍は、第二次世界大戦や朝鮮戦争で活躍した英雄であった。そんな彼は、事業が成功し独身貴族を謳歌していた。ある時、ホリスター邸に調達課のダットン大佐が訪ねて来る。慌てた様子のダットン大佐が言うには、海軍に会計監査が入るとのこと。実はホリスター将軍とダットン大佐は癒着し、莫大な資金を海軍から横領していたことから、ダットン大佐は狼狽を隠せないでいた。一方、ホリスター将軍はそんな一大事を聞いても、眉ひとつ動かすことなく冷静だった。ダットン大佐はこれからすぐにスイスへ飛ぶと言う。ホリスター将軍は一考する。この様子なら彼の逃亡は失敗し、いずれ自分の名前も明かされてしまうだろうと。そこでホリスター将軍は迷わずダットン大佐を射殺してしまうのだった。ホリスター邸は海辺にあり、その様子をヨット上から目撃する人物がいた。彼女はヘレンと言う女性で、離婚の痛手から心を病み、ずっと投薬とセラピーを続けているような状態だった。ヘレンはさっそく警察に通報するものの、駆け付けた警官もさることながら、傍にいた母親でさえ娘の言うことを単なる妄想としか思わなかった。今回の作品のポイントとなるのは、加害者であるホリスター将軍が国の英雄であり、誰もが尊敬するカリスマ的存在であったこと。一方、事件の目撃者であるヘレンは心の病を患っていて、定職に就いておらず、セラピーに通っているような状態なので、彼女の証言をまともに信じる人がいない。それにつけ込んだ犯人のホリスター将軍は、巧みな話術でヘレンを虜にし、結婚をチラつかせ、彼女を囲い込もうとする。やがてヘレンは恋に落ち、自分が目撃したものは、強い陽射しによる錯覚だったと証言を覆してしまうのだ。このドラマから考えさせられるのは、いかに人というものが他者を色メガネで見ているかということだ。同じ人間であることに変わりないのに、その人の持つ肩書きにコロっと騙されてしまうのだから、何とも情けない生きものではある。でもだからと言って、その人の持つ背景や人柄を無視して事実だけを知るべきなのかと問われれば、それは何とも言えない。せめて、物事には表裏があるのだと肝に銘じておきたいものだ。犯人役は『ローマの休日』にも出演したエディ・アルバートで、〜ホリスター将軍のコレクション〜においても好演している。1971年放送【監督】ジャック・スマイト【キャスト】ピーター・フォーク、エディ・アルバート
2023.04.15
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季節の変わり目というのは、とかく体調を崩しやすいものですが、皆さまはお元気にお過ごしでしょうか?うちの26歳になる息子も、高校生の頃から偏頭痛持ちで、とくに今頃の季節は毎日のようにロキソニンに頼っています。昨晩も残業で遅く帰って来たのですが、鎮痛剤を持って行くのを忘れたとかで、ヘロヘロでした。夕飯も食べずに入浴だけ済ませて、サッサと布団に入ってしまいました。ここのところ天候も不順だし、気温も上がったり下がったりで落ち着きません。人も自然界に生かされている身ですから、イヤでも影響を受けてしまいます、、、今朝も雨音で目が覚めたような状況で、せっかくの週末なのに公園をのんびりウォーキングすることもかないません。息子の体調はいかばかりかと声をかけると、「朝メシはいらない」とのこと。食べることが何よりも好きな息子がこんな状況だと、親としては心配でたまりません。「・・・でもドーナツなら食える」息子が言うには、頭痛で食欲はイマイチだけれど、ミスドのドーナツなら食べられると言うのです。親バカなのか何なのか、私は二つ返事で了承し、近所のショッピングモールに出かけました。(そこにミスドも軒を連ねているからです)息子の願いをかなえてあげたいという、ただそれだけのために。たよりない息子に母親が「お前は太閤さんと同じ一月一日生まれだからやがて出世する」というのですがそこで枝雀さんがボソっと言うわけですな。でもね、同じ落語でも五代目小さん師は『親バカちゃんりん蕎麦屋のふうりん』と揶揄していますからね(^_^;)・・・ 以上降りしきる雨の中、カッパを着て、自転車にまたがりました。(実際は、自分もドーナツが無性に食べたかったからですが、そこはどうぞお察しください・笑)冷たい雨に打たれていると、まだまだ春は遠いのかしらと、泣きそうな気持ちにもなります。するとその負の感情を打ち消すかのように、私の脳内では松任谷由実の〝春よ、来い〟が流れ始めるのです。かじかむ手をさすりながら信号待ちをしているときも、上り坂に息を切らしながらペダルを漕ぐときも、「ドーナツなら食える」と言う息子の言葉を反芻しながら前に進みました。しかし、「あれ?」と冷静に考えてみると、究極に具合の悪いときに、食べ物が喉を通るものなのだろうか?と思うわけです。しかも、揚げたドーナツを。単に息子はミスドのドーナツが食べたかったに過ぎず、自分が店舗に出向いて長蛇の列に並ぶのがおっくうだったのではーー?と言う結論に至ったのです。春よ遠き春よ瞼閉じればそこに愛をくれし君のなつかしき声がする脳内ではユーミンの歌声が、半ば悲壮感漂う私を励ますように、繰り返し流れていました。そんなこんなで、今回はミスドの桜フレーバーチョコリングを購入して帰りました!とにかく見た目が春らしくて可愛い!ホワイトチョコレートにコーティングされたドーナツは、それだけでも美味しそうですが、さらにその上に桜フレーバーが散りばめられているのが何ともオツな演出なのです。やっぱり春のスイーツはこうでなくちゃ!というイメージ通りのドーナツです。¥172(税込み)もちろん、1個だけでは足りないので、他にハニーディップ(¥151)も購入。ド定番です。オールドファッションと迷いましたが、今回はハニーディップにしておきました。ちなみに、本来ならしっかりと味わいながら咀嚼するべきなのですが、私も息子も美味しいものを食べるときは無言なので、1個のドーナツをものの2分半で平らげてしまいました。それだけ食べることに集中している証拠ですね(?)なので、ドーナツ2個を完食するのに、5分もあれば充分です。当たり前のことですが、美味しく食べるって、本当に幸せなことですよね‼︎皆さんも、どうぞミスドのドーナツをお召し上がりくださいね〜※追記食べ過ぎにはご注意を!筆頭管理人より吟遊さんの原稿を読み、私も最寄りのミスドから買って帰ったものでした(*^_^*)もちろん私は二つはいただけません(^_^;)以上
2023.04.08
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