
ホロホロ鳥は、北アフリカ原産といわれているキジに近い種類の鳥である。味わいは、脂肪が少なく淡白ながらも旨みは濃くとても深みのある味。野性味があり、火を通しすぎると固くなってしまうので調理は難しい素材でもある。家禽でありながらジビエのような魅力を兼ね備えているので、フランス料理では定番の素材のひとつだ。
ただ、調理が難しい面もあるので生半可の料理人は手を出せないという面があるし、まして最近の若い料理人はこのように丸鳥からさばいて料理するようなことが出来なくなってきているのが現状のようだ。もちろん千葉ではたぶんホロホロ鳥の丸鳥など私ぐらいしか使わないのだ。
ホロホロ鳥の丸焼き。普通はオーブンに入れる人がほとんどだが、私の場合オーブンは使わない。

鶏の場合、腿肉と胸肉の火の通る早さがまったく違うので、オーブンで均一に火を入れたら美味しく焼き上げることが、難しいのだ。
このように向きを変えながらプラックの上に鍋を置き、肉の向きを変えながら焼き上げてゆく。腿肉のほうが火が通りにくいので腿肉を左右何回かに分けて焼き、両側面、左右の胸肉、背中側と焼いてゆき、最後に胸肉の中央を焼く。
仕上げにこのように胸肉を下にしてお尻を上げて、温かいところで休ませて余熱でゆっくりと仕上げる。このような鶏の丸焼きのよさというのは、鶏の内部の骨格(鶏がら)ごと焼くことで中の鶏がらが蒸し煮の状態になり、鶏の内部に骨から出た美味しい肉汁がたまるのだ。その肉汁がこのように休ませている間に下にした胸肉に浸み込み胸肉がしっとりと仕上がるというわけ。




さばいて開いた胸肉。どうです、しっとりと旨そうに焼けているでしょう?
その胸肉に栗や秋茄子を添えて、盛り付けたところ。

腿肉は、このようにサラダに仕立ててさっぱりと、、、。1キロサイズのホロホロ鳥を二人で召し上がっていただく場合このように胸肉と腿肉で仕立を変えて食べていただく。
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