
これは、ゴルゴンゾーラ・ピカンテ。イタリアのブルーチーズ(青カビ)ですね。世界三大ブルーチーズというのがありますね。フランスのロックフォール、イギリスのスティルトン、そしてこのゴルゴンゾーラということになるらしい。ロックフォールだけは羊の乳で作るが、他は牛乳。
ゴルゴンゾーラにはピカンテとドルチェの2種類あります。カビがよく発達してピリッと辛いのがピカンテ(辛口)カビが少なめでマイルドなのがドルチェ(甘口)、甘口といっても本当に甘いわけじゃなく、カビが少なくて刺激が少なめというくらいのこと。昔は日本に入ってくるゴルゴンゾーラのほとんどがドルチェでしたね。好んで青かびチーズを食べるような人は、カビが少ないほうを好むはずもなく、当然現地ではピカンテの人気が高いから余りがちなドルチェが日本向けになっていたのだろう。
ゴルゴンゾーラはリゾットやパスタのソース代わりにも使うのだが、そういう時は断然ピカンテのほうが向いている。オムレツに入れたりしても美味しいし、肉料理のソースなどにも応用できる。味が濃ければ、クリームやバターなどで伸ばして使えるが、もともと風味が薄いドルチェではどうしようもないからだ。
チーズというとワインということになる。このチーズには、このワインなどという組み合わせを云々という人がいる、、、、私も散々研究してきましたが、、、実のところ全く分からないというか、同じ名前のチーズでもまた同じ名前のワインでもその状態などによって合ったり合わなかったりで、一定の方程式のようなものはないなぁ、というのが実感。
それで、どちらかというとチーズ全般には赤ワインより白ワインのほうが合うような気がする。ただし、いい赤ワインと何かのチーズがジャストマッチした時はかなりの快感なのだが、意外とそういうことはなかなか起こらないような気がする。
そんな中でも、ある程度安定した無難な組み合わせというのはあるようで、、、私の好みから言うと味のブレが少ない硬質チーズ(パルミジャーノのような硬い系統のチーズ)は、ある程度安心して合わせられる組み合わせがあると思う。例えば、、、

このオールド・ミモレットは36カ月熟成のオランダ産チーズ。これを薄く削って、かじりながら熟成したボルドーの赤ワインはかなり気持がよいです。ひなびた味わいで、なんというかこう思わず人生を振り返ってしまうような内省的なしみじみとした味わいですね。
スペインのほぼど真ん中のラマンチャ地方で作られる羊の乳の硬質チーズにケソ・マンチャゴというのがあって、これが羊ならではの深い味わい。ケソ・マンチャゴに熟成したリオハの赤ワインやリベラ・デル・デゥエロの熟成赤を合わせると、私の場合しばらく放心状態になる。(笑)硬質チーズと熟成赤ワインは、秋の夜長の一人飲みによいかもしれませんね。
他にも、間違いないのはロックフォールチーズ(羊の青かび)とボルドーのソーテルヌの貴腐ワイン。これはちょと興奮に駆り立てるような、思わずにっこりしてしまうような組み合わせです。似たような感じの組み合わせが、スティルトン(イギリスの青かび)と甘いヴィンテージポルト。ただし、スティルトンはイギリスだけに?気難しいチーズで、ちょうどよい熟成状態のチーズにはなかなか出合えないことが多い。
ゴルゴンゾーラには、イタリアワインの王様バローロ(赤辛重口)が合うという定説だが、ゴルゴンゾーラ・ピカンテにバローロの産地で少しだけ作られているネッビオーロ・パッシート(ネッビオーロはバローロの主要品種のブドウ、これをパッシートつまりむしろに並べて軽く干して甘みを凝縮させて作った極甘口ワイン)と合わせたときには、鳥肌ものだった記憶がある。
ゴルゴンゾーラ・ピカンテとオールド・ミモレットは、今お店にありますよ。
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