
これは、朝届いた目鯛。うろこを取ってエラやはらわたを出して、目玉も取り除いてある。つまりあとはおろすだけ、という下処理が終わった段階。目玉まで取るのは、、、あとでアラでだしを取る時に目鯛の場合その名の通り大きな目をつけたままだとぬめりが出てしまうためだ。金目鯛のあらを使う時もやはり目玉はとったほうが良い。
目鯛は、スーパーや町の魚屋にはあまり並ばないが、市場ではとてもポピュラーな魚で、年間通してよく見かけるのだが、寒い時期が本来の旬。白身でくせが無く、このように50~60センチクラスになるとそこそこ脂ものっているので、鮮度が良ければ刺身にもなるし、焼いても煮ても美味しい魚だから、プロはよく使うのだ。

今回のものは、鮮度もよく刺身で行けるレベル。こういうのを市場で買うと市場のおやじさんに「こんないいの焼いちゃうんじゃもったいないなぁ!」なんて言われることが、たまにあるのだが、、、こういう鮮度の魚を焼くから美味しい魚料理ができるわけで、火をがっちり通さないと食べられないような素材じゃ、話にならないわけです。このくらいの鮮度があると、いわゆる魚臭さというか生臭みはないです。海のよい香りがします。古くなってはらわたがとろけてきたような魚は、捌いていても臭いし、身が死んでいるのでおろしていても爽快感が全くありません。だいいいち、そんな素材に触っていると、創作意欲が全く無くなります。新鮮な魚を卸していると、思わず笑顔になるし、とても気分が高揚します。メニューも次から次へと思い浮かんできますね。
目鯛は、少し水分が多い身なので、刺身にするなら昆布〆にすると美味しくなります。焼く時も、軽く一塩あてておいて、出てきた水分をペーパータオル等でよく拭き取ってから焼いたほうが旨味が凝縮して美味しいです。
私の得意な皮がカリッとと焼けて、身がしっとりととろけるような食感の魚のポワレは、こういう鮮度の魚だから、身にがっちり火を通さなくても安心して出せるんです。最近お気に入りの海藻バターソースでもやろうかな、、、。もちろん昆布〆にして、うちで一杯やりますけどね!(笑)
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