幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

Apr 20, 2010
XML
カテゴリ: シェフの雑記帳

DSCN0001.jpg

 サンク・オ・ピエの春の名物の筍は、成田の自家菜園のそばの竹林から義父が掘ってきて掘りたてを1時間くらいで届けてくれる新鮮なもの。筍は鮮度が命で、掘り出して根から切り離した瞬間にある種の酵素が働いて、木質化が進む。つまり固くなり、エグミが出始めるわけだ。これは、アスパラガスなども同じで、筍やアスパラは実は取って半日もすれば、味は落ちてしまう。まあ、ほとんどの方がそのダメになった筍やアスパラの味しか知らないわけだ。筍掘りに行ったとしても、取ってきて次の日に茹でるようでは何の意味もないのだ。うちの場合は、すぐに茹でてしまうので、柔らかくてあくがなくて美味しい。それをマリネにしたのが、下の画像。これは前菜のサラダに添える。

DSCN0014.jpgDSCN0001 (2).JPG

 ブイヨンで味をつけて煮た後、このように焼いて付け合わせにするし、、、

013.jpg

 このように自家菜園の春野菜と一緒にスープにも使う。これは、ポタージュ・キュルティバトゥール(菜園家風スープ)、筍(もちろんフランスでは使わない)、春キャベツ、新人参、新玉ねぎをオリーヴオイルでスエ(汗をかかせるように弱火で炒めて甘みを出す)して、旨味に自家製のイベリコ豚のベーコンを入れてある。少しおとしたトマトフォンデュがアクセント。

 フレンチの高級春野菜というと空輸もののフランス産ホワイトアスパラが有名だが、最短でも出荷して3日はかかるのだから、もうすっかり味が落ちているのだ。しかも、飛行機代がかかっているから、太いのが一本¥500もするのだ!となると、アスパラ一本食べるのに、お客様は¥1000から¥2000も払うことになる。バカバカしいですよね!国産のホワイトアスパラにしても同じこと。収穫後24時間から48時間は経ってしまうから、話にならない。

 だから、毎年サンク・オ・ピエの春は筍!ということになってます。ゴールデンウイーク明けくらいまでは、ほとんどのメニューにいろいろな形で筍がついてくる予定です。フレンチなのに筍フルコースですよ!(天候と義父の都合により入荷が終了します)筍メニューの予約は受け付けませんのでよろしくお願いします。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Apr 20, 2010 10:58:50 PM


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

cinq chef

cinq chef

Calendar

Comments

madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
mermerada @ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
福島@ ソーモン う、うまそうですねーーー! 思わず涎が…

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: