
たまには猫の2ショット。相変わらず仲良くやってます。
続いて、オーストラリア産グリーンリップアワビのロースト肝とひものソース、シャルドネを合わせた。スープは、きゅうりの冷製ポタージュ。メインは、先日も召し上がっていただいたばかりだったが、奥様にも是非ということで、、、ラベルルージュのマグレ鴨のポワレを、、そしてデザートは、トンカ豆風味のビターチョコのソルベとヴァニラとトンカ豆風味のクレーム・ブリュレにフィナンシェ。もちろん、このデザートに合わせてブレンドしてもらったサンク・オ・ピエ専用さかもとこーひーを合わせる。さかもとさんもデザートとコーヒーのマリアージュに満足の様子。このときはほとんど満席で忙しく、あまりお話も出来なくて残念。
休み明けは先週金曜日のディナーから、、、その明け一番のお客様が、さかもとこーひーのさかもとさん!今度は友人(マスコミ関係の方、たしか、、、)と、とても暑い日だったので、まずは南仏のさわやかなスパークリングワインに白身魚とホタテのテリーヌ。さかもとさんのご友人が「これはさっぱりしていていいね!すごく上等なかまぼこみたいですね」と、そこで魚のテリーヌの作り方の話を少し、、「基本的にかまぼこと似たような作り方なんですが、魚と同量くらいの生クリームが入ります。私の場合それを少し低脂肪のクリームにしているので、わりあい軽くてさっぱりした感じになります」
2皿目は、米茄子にトマトでさっと煮込んだエスカルゴを詰め、グリエールチーズとパルミジャーノチーズをかけて焼いたもの。これにはよく冷えたイタリアのピノグリージョの白ワイン。続いて、、

ゆるゆるゼリー仕立てのトマトのコンソメ。これは主成分がほとんどトマトで、少しときめき鶏のだしを使ってある冷製のコンソメ。トマトが全く見えないのにしっかりトマト味!というちょっとトリッキーな料理で、これがかなり受けました。夏には最高ですよね!魚は、新鮮な尾長鯛を私が得意な“皮はパリパリでも身はしっとり!”のポワレにして、温めたセミドライトマトのマリネを添えたもの。仕上げは、サンジュリアーノのエクストラヴァージンオイルでさっぱりと、、。
そして、メインはフランス産の若鳩のグリエ(網焼き)これもソースは使わず、カマルグ産の上質な塩とサンジュリアーノのオイルだけ。鳩はさかもとさんのお気に入りなので、喜んでいただけました。さかもとさんのご友人が、「ここの料理は、たくさん食べてもちっとももたれないし、飽きないです。翌日もすっきりしていてちっとも胃が重くない。フレンチ食べてこういうのはないですね。」と、、、。フランス料理の場合、どうしてもバターや生クリームを使うことが多いので、それが胃にもたれます。私の場合はそういうものを極力使わないようにして料理を作っています。この日のコースも、テリーヌに使われた低脂肪のクリームとデザートに使った生クリームだけで、実はバターは1グラムも使ってないです。こういう仕事を何もヘルシー志向でやっているわけではなくて、よりピュアでシンプルな味わいを追求した結果なんですね。特に今は猛暑の夏場。まったりこくがあるという料理より、軽いけど食欲を刺激するシャープな味付けが活きる季節ですよね!
さかもとさんは、今週末の恒例!シャンパーニュ尽くしのワイン会にも参加予定なので、3週連続出場になります!メニューを考えるのも大変です。(笑)まあ、実に楽しい悩みですけどね!
さて、そこで、、、、

ドンペリ入りまーーす!!(笑)
休み明け土曜日の物凄いワイン会の話です。今回は、長年のお付き合いのお客様O氏の結婚祝いということで、まずはドンペリニヨンの2000年ヴィンテージから、前菜は、フォアグラ100%のテリーヌとパルマの生ハムにラルド・イン・コンカ・コロンナータにサンク・オ・ピエ自家菜園の有機夏野菜料理の盛り合わせ。10名のワイン会なのでワインはどんどん開いていきます(もちろん私も一口ずつテイスティングさせていただきます)。次もシャンパーニュ、ジャック・セロス(レア物!入手困難な作り手)エクスキューズのセック。これはほんのり甘みを感じる柔らかな口当たり。続いて、白ワイン、96年のバタール・モンラッシェ。作り手は、オリヴィエ・ルフレーブ。これも腕の良い作り手のひとつ。
冷製のトマトコンソメで、少しリセットして、いよいよ86年のモンラッシェ!ネゴシアンは、ルモワスネ。ここは古酒のストックで定評があるところ。まあ、とにかくモンラッシェ!ブルゴーニュの白ワインの特級中の特級!白ワインの王とも呼ばれ、モンラッシェ陛下と呼ぶ人もいるくらい。かつて、文豪アレクサンドル・デュマが、「脱帽し、膝まづいて飲むべし」とたたえた特別なワイン(作り手とヴィンテージによっては、数十万円から百万円の値がついてもおかしくないほど)。アカシアやサンザシの花の香り、焦がしたバターやバニラ、リンゴやアンズそれにマンゴーやパパイヤ、さらにそれらの果実を干したもの、そこにクローブやシナモン少し胡椒などのスパイス系の香り、、、それらの複雑極まりないニュアンスが時間とともに変化し、次々と現れては消えてゆくという恐ろしく複雑なワイン。しかもリッチでしっかりしたボディーがある。24年もたった白ワインなんですよ!よい勉強になりました。合わせた料理は、オマールエビのローストにそのエビの頭などでとったジュ・ド・オマール(オマールのだし汁のソース)をかけ、ほんの少しカレー粉で風味をつけた茄子のクリーム和えを添えた。オマールとブルゴーニュの白はもう鉄壁の相性、そこにモンラッシェの持つエキゾチックな香りに合わせて、少しカレー粉を使ってみた。みなさんよく合うと喜んでいただけたようだ。
さあ、いよいよ赤ワイン。まずは、2007年のエシュゾー(ロマネコンティの隣村の特級畑)作り手は、エマニュエル・ルジェ。続いて、1996年のエシュゾーこれは、“神様”アンリ・ジャイエの作り、さらに1983年のエシュゾー、これもアンリ・ジャイエ。もう亡くなって久しいが、アンリ・ジャイエという伝説的名人が、ロマネコンティと同じ村にいました。現在のブルゴーニュワインの醸造のひとつの理想形と言っていいほどの素晴らしいワインを作る人で、ロマネコンティのワインより高値がつくことも珍しくありません。そして、2007年のエシュゾーは、アンリ・ジャイエの甥っ子で愛弟子の一人エマニュエル・ルジェです。
つまり、アンリ・ジャイエのエシュゾーを垂直テイスティング(同銘柄を別ビンテージで飲むこと、別銘柄を同ビンテージ飲み比べるのが、水平テイスティング)できるという激レアな企画なんですね。料理は、マンガリッツァ豚の長時間ローストにフォアグラのソテーを少し添え、イタリア産のサマ-トリュフを使ったソースを添えました。
2007年は、まだ開けるのがもったいない位ですが、、、さすがにきれいな作り!しかもパワフルで、熟成したらどうなるんだろう?という、、、人間でもいるでしょ?まだ子供みたいなものなんだけども、大きくなったらどれだけ凄くなってしまうんだろう!という感じの段階ですね。96年は、当たり年なのでやはり濃い!ものすごい凝縮感があり、果実味も豊富それになめし皮やインクや墨汁などのワイルド形の香りも、、、さすがアンリ・ジャイエ!ところが、83年を味わってもうびっくり!ブルゴーニュ赤ワインの精髄ここにあり!といった瞬間。 肥溜めなんです! ブルゴーニュの赤ワインの最高のほめ言葉がこれ。一流のソムリエも使う言葉です。
肥溜めといっても、肥溜めのすぐそばに立つ匂いじゃないですよ!田舎に行って、牛や豚を飼っているような場処に行くと風に乗って香ってくるでしょう?あれをかすかな香りとしてワインから感じるわけです。それをベースに湿った土や雨上がりの森、森の下草の中の新鮮なキノコやトリュフ、タバコや葉巻の香り、コーヒーやチョコレートの香り、熟成したジビエの肉の香りなど、熟成した赤ワインにありそうなありとあらゆる香りが、感じられた。まあ、これ以上は表現するのが無理という感じです。久しぶりに感動しました。
この後も、ドメーヌ・ロマネコンティのラ・ターシュ2000年と、なんと半世紀熟成!の1961年しかも20世紀最高の当たり年の1961年シャトー・マルゴー!(これも素晴らしかった!)と、続いたのでした。
すごいワイン会でした。
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