幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Jan 22, 2012
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カテゴリ: シェフの雑記帳

 ジビエ尽くしのコースが好評です。やっと画像がそろいましたので、アップします。まずは、アミューズ。

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 対馬のイノシシとエゾ鹿に少しシャラン産鴨も入れて、フォアグラも2割くらい、これをグレース・ド・カナール(真っ白なフランス産の鴨の脂)と少しの水分で80℃くらいを保ちながらゆっくりと煮崩してからペースト状に固めたリエット。新鮮な肉を使っているので、ジビエ独特の臭みなどは全くなく、力強い美味さがあります。

 高知産の香りが良い山椒とバスク産の最高級唐辛子エスペレットを振りかけてあります。これだけでワイン1杯いけちゃう方なら、アルザスのゲヴェルツトラミネールがお勧め!山椒の香りとのマリアージュにしびれますよ。または、二人でワインを1本飲みたいという方なら、最初からこのジビエ尽くしのコースにお勧めの南仏ローヌのシラーの赤ワインでも大丈夫です。

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 手前が対馬産イノシシのモモ肉、奥がエゾ鹿の内もも肉で仕込んだ自家製のスモークハム。赤いんですがこれで火は通してあります。もちろん発色剤などは使わず、肉と塩のみ!

 肉は、地中海のカマルグ産の塩で4~5日漬けこみ、低温長時間ローストで火を通した後一日置いて、8時間ほど冷燻にかけます。真空パックにかけて3日ほど冷蔵庫に置いて香りがなじむのを待って、-5℃の氷温庫に移してひと月ほど熟成させたものです。これは去年の暮れに仕込んでおいたもの。

 鹿は、力強い赤身の美味しさ。イノシシは、赤身も美味いのですが、少しついている脂の美味さが最高です!対馬のイノシシは豊富なドングリを食べて育っていますから、イベリコ豚のベジョータのさらに上をいく感じですよ!

 この皿だけに合わせるなら、シェリーのマンサリーニャかもう少しコクがあるドライ・アモンチリャード、それからアルザスのゲヴェルツトラミネールも面白いでしょう。もちろん、シェフお勧めの南仏ローヌのシラーで通しても大丈夫です。

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 壱岐の網取りのカルガモのポワレとフォアグラのソテーにトリュフ風味のジャガイモのピュレ添え。ソースはトリュフエッセンス入りのバルサミコソースと鴨の焼き汁。

 壱岐の網取り鴨は、鉄砲傷がないので肉が綺麗だし、現地で活け〆のように余分なはらわたを抜き、血抜きもしてあるので、臭みがない。塩で焼くだけで十分美味しい!

 フォアグラのソテーの下にはトリュフたっぷりのジャガイモのピュレ。ジャガイモとトリュフは好相性!フレンチでは定番の組み合わせです。同じ土の中の物同士なのか、びっくりするほどトリュフの香りが引き立ちます。そこにフォアグラのソテーが乗っているんですからもう最高ですね!

 これに合わせるワインと言うと、ものすごく贅沢を言えば熟成したシャトー・ペトリュス!下手をすれば軽く100万越え!(笑)とまではいかなくても、ボルドーの右岸系つまりメルロー主体で、まあ10年は寝かせたものが良い感じでしょうね。まあ、ここでもシェフお勧めのシラーが良い仕事してくれます。食事の初めから大きめのグラスで飲んでいれば、そろそろ開いて柔らかみも出てくる頃です。

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 左側がエゾ鹿の内もも肉、右の2切れが対馬のイノシシのヒレ肉。どちらも弱火でゆっくりと時間をかけてローストしてあります。

 イノシシのヒレ肉はとても希少で、1頭から150~200gくらいの小さな肉が2本しかとれません。牛ヒレなら1本3キロくらいありますから、とても小さな肉なんです。だいたい二人に1本使ってしまう事になります。当然ヒレ肉ですから赤身でとても柔らかいです。

 ソースは夏の間にたくさん採っておいた自家菜園のブルーベリーで作ったグランヴヌールソース。グランヴヌールというのは、「王様の狩猟頭」という意味です。木苺風味のワインヴィネガーと赤ワインに荒挽きの黒胡椒を加えて、強火で煮詰めます。ブルーベリーのコンポートと肉の出汁を加えてさらに煮詰めて、バター少しと生クリーム少しで仕上げます。

 鹿やイノシシにグランヴヌールソースとくれば、答えはシラーしかない!というほど、鉄板の組み合わせです。南仏ローヌ川の上流から、コート・ロティ、エルミタージュ、シャトー・ヌフ・デュ・パープなどシラー主体のワインの出番ですね!シェフお勧めのシラーはお手頃価格の物とちょいと良いやつと、用意してありますよ!

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 お楽しみデザートは、濃厚!カシスのソルベとフランボワーズ風味の生チョコ・パヴェ。この二つは、メインの肉料理のブルーベリーのソースとシラーのワインのベリー系果実味の余韻を楽しんでいただくための物。手前のケーキは、アーモンド粉にイタリアの栗粉を混ぜた生地にラム酒風味のレーズンとローストしたクルミを入れて焼いたもの。これは、鹿やイノシシたちが野山で木の実を食べていたことをイメージしたもの。これには、もちろん、、、

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 さかもとこーひージビエ尽くしのコース専用ブレンド!これがまた美味い!通常こーひーには難しいはずのカシスやフランボワーズを軽く受け止め、アーモンドと栗粉の焼き菓子をきっちりサポートしてくれます。

ご予約お待ちしております。






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Last updated  Jan 22, 2012 09:11:31 AM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
mermerada @ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
福島@ ソーモン う、うまそうですねーーー! 思わず涎が…

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