
まずは、前菜5種の盛り合わせ。手前カップが、フォアグラのフォンダン。フォアグラと卵や生クリーム牛乳などとミキサーにかけて低温のオーブンで蒸し焼きにしたものです。まあ、フォアグラの塩味プリンですね。コンソメゼリーをのせています。時計回りに、自家製スモークサーモンのイチゴ添え。対馬産イノシシのモモ肉の自家製スモークハムにフランス産のセミドライいちぢく添え。帆立の貝柱のスモーク。エゾ鹿とイノシシのリエットのエスプレっト唐辛子風味。

ブルゴーニュ産エスカルゴのココット焼き。“本物”のブルゴーニュ種のエスカルゴ。ワイン園のブドウの葉っぱを食わせて育てたエスカルゴです。やはり、食感や風味が違いますよ!本物の味わいですね!

ごぼうのポタージュトリュフ風味。ポタージュと言ってもほとんどトロミはないです。ごぼうのエッセンスという感じです。生クリームをほんの少し。下にトリュフが沈んでいます。浮いている油はイタリアのトリュフ加工品の老舗のウルバーニ社のトリュフオイル。これはすごく香りが良いです。ごぼうとトリュフの組み合わせは何とも玄妙で、思わず目を閉じてしまうような味わいですよ。

フォアグラのソテーに広島産の大きな牡蠣のソテーをのせて、ソースは珍しいデーツヴィネガー、これはナツメヤシを発酵させてナツメヤシ酒を作りそれをさらに酢酸発酵させたもので、バルサミコ酢のように黒く、酸はバルサミコよりもずっと穏やかで、甘味が強い。ナツメヤシ由来の独特のコクがあって、フォアグラによく合います。コクのある広島産の牡蠣がまた美味いです!

メインはもちろんラカン産の鳩です!これが本当に美味い!滑らかでビロードのような食感で、鉄分を感じる窒息鳩独特の風味が実に深い味わいで、後味が綺麗で余韻が長いです。まるで、最高のワインのように上品です。肉をはずしたガラで取った、ジュ・ド・ピジョンjus de pigeon(鳩の肉汁)で召し上がっていただきます。このコースの予算の約半分はこの鳩のために使ってます。最高級品ですからね!


デザートは、ヴァローナ社のグランクリュのショコラ“カライブ”(トリニタニオというカリブ海地方産のカカオ1種類だけで作られたショコラ)のテリーヌ・ド・ショコラにカリスマパティシェ、ピエール・エルメ氏の有塩バターとシナモン風味のカラメルアイスクリームをのせて、イチゴの12年熟成バルサミコ和えを添えてあります。
このアイスクリームは作るのが大変に難しいんです。かなりの量の砂糖を焦がしてカラメルを作るんですが、甘くするために入れる砂糖の量の3倍近い量なので、ギリギリまでしっかりと焦がして甘味を殺さないと、べたべたに甘くなってしまうから、本当に炭なる寸前まで焦がさなければならないのだ。一歩間違えれば、苦くて使い物にならないし、少しでも焦がしたらないと甘くなりすぎる。そのちょうどいいタイミングは、色と香りで見極めるしかない。記憶と感覚だけが頼りの仕事です。
イチゴに使ったバルサミコは12年熟成の品で、250ccで数千円もするもので、やはり風味が良いです。濃厚なショコラとアイスクリームですから、さっぱりとしたイチゴとバルサミコの酸味が良い感じでバランスが取れます。
これに合わせる、さかもとこーひー11周年記念ブレンドがまた最高です!とても繊細で軽い味わいなんですが、ショコラとアイスクリームの濃厚な余韻を優しく受け止め、イチゴとバルサミコの味わいにも心地よく寄り添います。本当にどうやったらこうも旨くマッチするブレンドを作ることができるのか?と不思議に思うくらいです。新しい焙煎機に変えたさかもとこーひーはますます絶好調ですね!
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