
プレクリスマスコースの詳細です。今回から古いデジカメはやめてネクサス7で撮った画像を使っています。少しシャープでクールな感じになったかもしれません。
さて、前菜は、Pate en croute de foie gras et cochon noir de KAGOSHIMA avec gelee de cochonフォアグラと鹿児島黒豚の冷製パイ包み、豚のジュレ添え です。
パテ・アン・クルート(パイ皮に包まれたパテ)というクラシックなスタイルのこの料理。一人前につき60gのフォアグラを60gの豚のミンチで包み下にキノコのデュクセルを敷いてパイで包んで焼き上げます。(このパテは8人前を一緒に焼きました)冷ますとパイと中身の間に隙間ができるのでそこに豚のジュレ(豚骨をオーブンでこんがり焼いて煮だしたゼリー)を流し込んで固めます。かなり大きなポーション(見るとびっくりしますよ!)なので、女性のお客様には「お腹一杯になっちゃうのでパイの端っこは残してくださいね」と言ってお出ししたのですが、みなさん完食!「端っこまで美味しすぎてもったいなくて残せない」と、嬉しいご感想いただきました。実はこの料理、手間がかかる上に難しいので、作ったのは実に5~6年ぶりくらいです。特に焼き加減が難しい。パイ生地にはしっかり火を入れてフォアグラはちょうどしっとり火が通ったくらいに仕上げねばなりません。とても難しいんです。もちろん、上手にできてますから美味しいですよ!
合わせるワインは、Alsace Pinot Gris Dorfburg 2006 Rene Fleithアルザス・ピノ・グリ・ドルフブルグ、ルネ・フライト CAVE相川のワインです。熟成したピノグリの柔らかくも力強い味わいと程よい甘みがこの料理にぴったりで、これぞマリアージュという組み合わせです。

二皿目は、Bouillabaise de Qeue de homard et poisson du jour a la facon de chefオマール海老のテールと本日の白身魚のシェフ風ブイヤベース
白身魚(黒ムツ、ハタ、尾長鯛、真鯛、ホウボウなど)の頭や中骨で出汁を取ります。その出汁でオマール海老の頭や殻やみそも入れてさらにだしを取ります。それを濾してトマトとサフランで仕上げたこのスープ、もうブイヤベースという次元ではなく美味しすぎる最強魚介スープですね!丁寧に仕上げてあるので、魚臭さはありません。ものすごく濃いのに全くくどくないという綺麗な味わいですよ!
これに合わせるワインは、ブイヤベースに定番の南仏の白やロゼワインでは役不足でしょう!ということで、ブルゴーニュの綺麗なワインを持ってきました。これも相川さんのセレクトSaint Romain La Combe Bazin 2009 domaine Billardサン・ロマン、ラ・コンブ・バザン、ドメーヌ・ビアー ビアーという作り手は本当にきれいなワインを作る人です。若いワインは新鮮な果実味が魅力ですが、少し熟成したこのワインは柔らかみと副雑味がでていて、実に見事にスープの旨味やオマールのローストと白身魚のポワレを引き立てます。食べて飲むと「あー、なんて上品なマリアージュ!」

Cote de cochon de MANGALICA roti et foie gras chaud sauce champignonns au madereハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚の背肉のロースト、フォアグラのソテー添えマデラ酒風味のフランス産マッシュルームのソース
じっくり時間をかけて丁寧に焼き上げたマンガリッツァ豚の背肉(牛でいえばサーロイン)のローストとフォアグラのソテーにフランス産マッシュルームのソースです。マンガリッツァ豚はハンガリーの国宝で、第二次大戦後絶滅しかけていたこの豚を国を挙げて保護をして現在に至っています。完全放牧でよく運動した健康な豚肉は実に綺麗な味わいで私も大好きな肉です。分厚い肉が笑ってしまうほど柔らかく焼けていますよ!添えたフォアグラとマデラ酒でほんのり甘く仕上げたマッシュルームのソースが美味しい肉をさらに引き立てます。
豚肉、キノコと来ればワインはメルロー系なども思い浮かびますが、ここはやはりクリスマスメニューですし、肉が上品なのでブルゴーニュでしょう!ということで、Auxey-Duresses 2009 domaine Marechalオーセイ・デュレス、ドメーヌ・マレシャルです。これも相川さんセレクトです。マレシャルも気品のあるワインを作る人で、有機農法にこだわり酸化防止剤も超低量に抑える自然派です。ワインもまさに良い葡萄が自然に良いワインなったという感じでしょうか。大自然の中で放牧された自然児のマンガリッツァ豚にはふさわしいワインですね。じんわりくるマリアージュです。

Cake a la Vanille au beurre de Bresse A.O.C , Pave de chocolat de Valrohna Manjaris ,Glace au fraiseAOCブレス産バターを使ったヴァニラ風味のパウンドケーキ ヴァローナのマンジャリのパヴェ・ド・ショコラ イチゴのアイスクリーム
今年のプレクリスマスのデザートは、見た目は普通だけれど食べるととんでもなく美味しいものにしようという気持ちで作りました。まず、ケーキ。フランスには3つのAOC(食品に関する最もハードルが高い法律)指定のバターがあります。ノルマンディーのカマンベールチーズが作られている地域のイズィニィーバター、ボルドーのそばのポワトー地区のシャラントのエシレバター、そしてこのブレス産バターはブルゴーニュの南のほうです。美味しいブレスの鶏やフランス最高のシャロレー牛などの産地でもあります。ブレス産バターは一番最近AOCに登録されたものです。
3種類のバターはどれも高価で普通のバターの4~5倍の値段です。イズィニィーバター、エシレバターどちら美味しいのですが、やはり高いのでなかなか使う気にはなれませんでした。
ところが、ブレス産バターを初めて試食した時にあまりの美味しさとインパクトに驚き、これは高いけど絶対使う!と思いましたよ。それもバターの香りを活かしたシンプルなパウンドケーキしかない!と思うのに一秒もかかりませんでしたね。そのパウンドケーキにヴァニラビーンズをたっぷり練りこんで焼きました。本物のバターの美味しさと改めてヴァニラの素晴らしさを味わってください!
生チョコはバローナのマンジャリを使いました。フランス最高峰のショコラメーカーの最上の銘柄の一つです。イチゴやキイチゴを感じる風味と上品な酸味が特徴でとてもユニークなショコラです。その味わいをシンプルに活かすため、生クリームと砂糖と少しのバターだけで仕上げてあります。これを食べると、「これがチョコレートというものなら今まで食ってきたのは何だ?」と思うような美味しさです。
アイスクリームは自分の中にある美味しいイチゴミルクの最上級のイメージを具現化させたいという思いで作ったものです。フランス産の香りが強い完熟イチゴでコンポートを作りそれに牛乳と生クリームとあとちょいと隠し味を入れて作ってあります。シンプルな味わいにしたかったので卵は使っていません。これが、試食してみると「よし!」という感じでした。ほぼイメージ通り。美味いですよ!
これに合わせてデザートワイン、Rivesalt g Grenat Vin doux naturelリヴザルトgグルナ、ヴァン・ドゥー・ナチュラル これももちろん相川さんセレクトです。 ヴァン・ドゥー・ナチュラルというのは、天然甘口ワインと訳されますが、甘-く完熟した葡萄でワインを仕込むときに発酵が始まってからすぐにブランデーを添加してアルコール度数を16%から20%程度まで上げます。するとアルコール発酵の酵母が活動できなくなり葡萄由来の糖分が残った甘口ワインとなります。フランスにはこのリヴザルトやヴァニュルス、ボーム・ド・ブーニーズ、ラストーなどこの手のワインが色々あって、食後のデザートに合わせての楽しみが広がります。特にショコラと合わせると悶絶物のマリアージュですよ!(笑)
そしてもちろん、、、、

さかもとこーひーのサンク・オ・ピエプレクリスマスコース専用ブレンドです。これがまたデザートに合うこと!デザートワインとすら合うんです。もう食後のひと時が楽しくなりますね!
昨夜召し上がっていただいた常連のお客様も「メインが終わって一息ついたらデザートでまた大騒ぎでしたよ!」とご感想いただきました。デザートワインとこーひーがさらに楽しくしてくれたのは言うまでもありません。
サンク・オ・ピエ、プレクリスマスコースは12月18日までご予約受付中です。
満席の日も多くなってきましたので、 ホームページの予約状況がわかるカレンダー をご覧になってからご予約をお願いします。
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