幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Aug 14, 2016
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カテゴリ: シェフの雑記帳




 この手の生ハムの最高峰に法王の生ハムと言われる、クラテッロ・ディ・ジベッロというのがあって、同じくクラッチャを豚の膀胱で包んで、熟成させるという特殊な生ハムがあります。パルマ近郊のポー河に朝霧が発生する秋から春先限定で仕込まれ、生ハムの熟成室の床には毎日大量のワインが撒かれます。普通のパルマハムは年産約1000万本近く、クラテッロ・ディ・ジベッロは年産わずか5万本という希少品で、お値段も実質キロ¥20,000以上!というものがありますが、今回仕入れたのはそれを模したもので、最近使っているパルマのガローニ社のものです。

 豚の膀胱で包む代わりに、皮付きのまま熟成。皮が付いていない側はラードで練った小麦粉を塗り付けて乾燥を防ぎます。出荷するときにはその小麦粉の皮をはがして金色のホイルに包んであります。

 本物のジベッロは、ガチガチに乾燥した豚の膀胱に包まれているので、まずガーゼに包んでトッレビアーノ種の白ワインをまぶして数日おいて、膀胱をふやかしてから取り除いて切るという手間がかかります。そのため、ワイン漬けの風味で、ちょっとマニアックな味わいです。正直いって誰もが美味しいと感じるかは疑問です。しかも高すぎますよね!きちっと利益を取ると、100gの売値が¥5000から¥6000にもなってしまいますからね。



 で、このガローニ社のクラテッロ・コン・コテンナは、安物のパルマハムの3倍くらい、ガローニの18か月熟成品の2倍くらいのお値段です。味わいはまさに理想的な生ハムの美味しさが出ています。ナッツのような風味、程よい塩分、熟成による複雑な旨味、肉の生臭みなど全く感じません。いやー、これは本当に美味いですよ!すでにオンメニューです。お昼でも夜でもレギュラーメニューで選べます。ただしちょっとお高いので、¥600追加料金となります。

 通常の骨抜き生ハムは1本で約7キロくらいなんですが、このクラテッロは約4キロです。つまり半分近く肉を取り除いてしまってあるんですね。一番美味しいところだけの生ハムというわけです。


 サンク・オ・ピエは、明日15日から17日と18日のランチはお休みさせていただきます。18日のディナーから通常営業ですが、18日のディナーは予約で満席です。19日以降のご予約をお待ちしております。それから、 8月9月のコースが大好評です。こちらもぜひどうぞ!





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Last updated  Aug 14, 2016 08:05:14 AM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
mermerada @ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
福島@ ソーモン う、うまそうですねーーー! 思わず涎が…

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