幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Jul 20, 2017
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カテゴリ: シェフの雑記帳
まずは、アミューズ。これは何が出るかはお楽しみ!




 パルマのピオトジーニの生ハムです。添えた野菜は、左から自家菜園焼きナスのマリネ、ラタトゥイユに自家菜園モロッコインゲン、自家菜園のプチトマトのピクルスとセミドライトマト、自家菜園の胡瓜のピクルス。仕上げに生ハムにも野菜にもマヨルカ島産の極上オリーヴオイルです。合わせるワインは、3種類!



 まずは、スペインの誇るルストーのシェリー2種。サンルカール・デ・パラメーダ産のマンサニーリャ・パピルサとシェリーの聖地ヘレス産のフィノ・ハラナです。マンサニーリャは海辺の町サンルカール・デ・パラメーダで作られ、海に近い酒蔵は風の強い日には潮を被るといわれていて、敏感な方はかすかな塩分を感じるかもしれません。ミネラリーで軽やか、熟成期間も短いのでフレッシュな感じです。一般的には生ガキやエビカニなど魚介類との相性が良いというワインですが、実は生ハムとも良く合いますし、野菜料理特にトマトには最高です。フィノ・ハラナは、マンサニーリャよりふくよかでよりナッティーな感じの香りで、コクもあり辛口シェリーの王道といった感じ。この生ハム特有の乳酸発酵した旨味にあわせて特に相性抜群ですね!



 もう一つは、イタリア、トスカーナのサンジョベーゼのロゼワインです。生ハムに色で合わせるとやはりロゼワイン、それも同じイタリアワイン。そしてトスカーナ人の野菜好きはイタリアでも有名ですから野菜にも良く合うわけです。



 自家菜園の甘ーーい新玉ねぎのポタージュに32℃豚のカリカリベーコンとカリカリパルミジャーノ添えです。うちの畑の新玉ねぎは上手に調理すると信じられないくらい甘味が出ます。玉ねぎを荒く切ってバター少しと一緒に鍋に入れて塩も少し、蓋をして極弱火で加熱します。 サンク・オ・ピエのガス台はプラック といって分厚い鉄板を熱してその上に鍋を置いて作業するのですが、そのガス台の一番端っこの一番温度が低いところを使います。2時間半から3時間くらいで火が入り、玉ねぎ自身の水分だけでグダグダに煮込まれた状態なると、甘味が絶好調に出ます。まるで蜂蜜でも入れたくらいに甘ーーい!ここに例年はフォアグラのソテーを入れて大好評だったのですが、フォアグラがなくなってきたので32℃豚のカリカリベーコンとその焼いた脂とカリカリに焼いたパルミジャーノを浮かべます。ベーコンの香ばしさと脂の旨味にパルミジャーノのアミノ酸系の旨味が重なってこれもまた美味いですよ!合わせるワインは、


 ドメーヌ・マレシャルのアリゴテです。ブルゴーニュ・アリゴテというと普通は線の細い酸が強いワインが多い気がしますが、マレシャルはブドウの完熟に非常にこだわりを持っている作り手なので、とてもしっかりしたボディーがあります。完熟ブドウの旨味があり程よい酸味のバランスも良く、甘ーーいスープと合わせて実に好印象。スープ、ワイン、スープ、ワインとはまること間違いなしです。



 メインは32℃豚のトマト煮込みクスクス添えです。




 クスクスは意外に食べたことがない方も多いようですが、パスタの原点ともいわれていて、中東発祥の食べ物です。硬質小麦のデュラム小麦を荒く砕いたもので、蒸したりお湯をかけてふやかしたりしてからオリーヴオイルなどを加えて味を調えます。こういう煮込み添えるとソースを吸うので美味しく食べられます。また普通のパスタのように茹でるわけではないので小麦の栄養成分を丸ごと摂取できますので、ヘルシーという人もいます。
 32℃豚の腕肉(前足から肩にかけての肉)を使いました。肉はもう噛む必要がないほどトロトロで野菜たっぷりのトマトソースなので味わいもあっさり目ですから夏向きです。オフィスワークの方などは夏こそ体を冷やしがちなのでこういう料理が体に優しいんです。合わせるワインは、



 ドメーヌ・ルオー、コート・カタランIGPバルバカンヌです。これはグルナッシュ・ノワール100%です。ピレネー山脈に近いルーション地区のワインですね。昔は濃いだけのあまり上品とは言えないワインが多い地域でしたが、近年は良い作り手が素晴らしいワインをカジュアルな価格で続々と輩出しています。これもその一つ。しっかりとボディーがありながら、重くなく酸味のバランスも良く果実味も瑞々しくトマトの煮込みに合わせる夏向けの赤ワインですね!




 デザートは、ヴァーローナ社のカラメリアのムース・ショコラ フランス産完熟マンゴーのソルベ
AOCブレス産バター使用のパウンドケーキ、香ばしいクルミとヘーゼルナッツ風味です。
 ヴァローナ社のカラメリアというカラメル風味のショコラに独自のレシピでカラメル風味を強化して少しゲランドの塩も入れて塩カラメル風味のムースショコラにしました。これ、かなり美味いです!南仏産の完熟マンゴーのソルベこれまた生より濃いくらいの味わい。パウンドケーキはAOCのブレス産バター(通常のバターの4~5倍の価格の高級バター)だけでも大変なことなのに、ローストしたクルミとヘーゼルナッツを砕いて混ぜてあるので、香ばしいことこの上なしです。見た目はシンプルですが食べるとかなりインパクトありなデザートですよ。これにはもちろん、、



 さかもとこーひーの夏のコース専用ブレンド!ショコラはもちろん、ケーキにもソルベにもばっちりのマリアージュです。そして食べ終わってこーひーの温度が下がってくるとこーひー自体も存在を主張します。最後まで楽しい!お好きな方には、デザートに合わせるワインもありますよ!

サンク・オ・ピエ夏のコースは、9月前半ころ(畑の夏野菜が元気に取れるまで)までのコースです。





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Last updated  Aug 1, 2017 08:27:13 PM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
mermerada @ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
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