幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Mar 7, 2025
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カテゴリ: シェフの雑記帳






 画像の上側が、本来パイ包み焼きのパイの底の部分で断熱材的にキノコのデュクセル(マッシュルームなどを微塵切にして2~3時間弱火で炒めて旨味を凝縮したもの)が入ってます。キノコが苦手という方には何かほかの野菜に変えたりもできます。
 どうです。肉の断面を見ただけでうまく焼けているのがわかるでしょ?これにたっぷりとマデラソースを添えて黒胡椒を挽けば完成です。
 通常、パイ包み焼きは180℃くらいのオーブンでじっくり焼くものですが、この料理は250℃という高温で一気にパイ皮だけを先に焼き上げるイメージ。10数分でオーブンから出してしまいます。その時中の肉はレアどころかまだ冷たいくらい。あとは50℃くらいの暖かい場所で休ませていると、パイの余熱でちょうどよく火が通るというわけ。
 余熱使いのイメージなんですが、カーリングという氷上のスポーツありますよね。遠くから投じたストーンが相手のストーンに上手くヒットしてはじき出し、自分はど真ん中に収まるみたいな、、あんな感じをイメージしてます。
 そして、このてパイ包みは普通パイの底のところが肉汁でへなへなになるんですが、私のパイ包み焼きは底の部分もカリッとしています。なぜかというと、肉の火の通しが完璧だから、、。これ以上焼けると肉汁が出てきてパイがへたるし、これ以下の火の通しだと生肉になってしまうというジャストの焼き上げじゃないとこうなりません。すごく難しい料理です。何人かの後輩に教えたけどうまくできたという話は聞いたことがありません。同業の料理人なら、「話の筋はわかるけど、実際にそんなこと出来るのかよ?」と思うような料理なんでしょう。私の場合、頭の中で筋が通る料理は実現可能と考えていますのでできるんですね。(笑)
 20年前くらいは結構緊張した料理ですけど、今は鼻歌まじりですけどね。





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Last updated  Mar 7, 2025 08:39:26 AM


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ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
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