サンレモ音楽祭に未出場、楽曲提供も1974年の“道はひとすじ(A Modo Mio)”だけで、サンレモ音楽祭と一番関係が薄かったクラウディオ・バリオーニです。しかし2018年大会で芸術監督をします。70年代以降の歌手なので時代が少し先に進んでしまいますが、『時の人』として先に紹介していきましょう。
本名クラウディオ・エンリコ・パオロ・バリオーニ (Claudio Enrico Paolo Baglioni)1951年5月16日ローマ生、自作自演歌手、テレビ司会者、プロデューサー。
クラウディオ・バリオーニの“そして君 (E Tu...)”は74年年間ヒット・ランク第1位に輝きました。実力ある歌手が優れた楽曲を歌いその栄光の座を勝ち取るのですが、もう一つ大きな幸運がなければなかなか年間第1位の言う座にはつけません。
(ご参考)として1951~90年までの年間ナンバー・ワン曲を挙げておきます。実はサンレモ音楽祭の曲が1度も年間第1位になっていません。唯一可能性があったのが58年ドメニコ・モドゥーニョの“ヴォラーレ(Nel blu dipinto di blu)”が第2位となったのですが、グラミー賞の敵討ちか?ポール・アンカの“ダイアナ (Diana)”に第1位を奪われてしまいます。運が悪かったとしか言うしかありません。
さてバリオーニは大きな壁となっていたルーチョ・バティスティのレコード制作の端境になった間に“そして君 (E Tu...)”を出すことが出来ました。ルチオ・バッティスティはリコルディで出した”君への言葉 (Pensieri e parole)“が71年の第1位なった後、自分の会社ヌメロ・ウーノを設立しながらリコルディとの契約が残っていたため自社に所属しておらず、この年やっと自社に移籍して制作を開始します。これまでの想いを果たすべく発売したシングルとアルバムは全てランク・インさせました。しかし一度も第1位は取れず、制作体制を整えるため時間をとりました。
バリオーニはその間に74年“そして君 (E Tu...)”、75年“Sabato Pomeriggio (土曜の午後)”を2年連続年間第1位にしました。幸運だったとえ思います。一方バッティスティは76年“もう一度 (Ancora tu)”、77年“愛しあって (Amarsi un po')”で連続年間第1位を奪い返しています。
その後、イタリアのシングル・チャートのナンバー・ワンは79年アラン・ソレンティが“貴方は私のたった一人の女 (Tu sei l'unica donna per me)”で取った以降、90年にエドアルド・ベンナート&ジャンナ・ナンニーニが歌ったサッカー・ワールドカップ・イタリア大会公式テーマ・ソング“ウン・エスタ-テ・イタリアーナ ('90W杯ソング) Un'Estate italiana (To be number one)”で第1位の座に返り咲くまで、10年間外国人アーティストに開け渡すことになります。
GA-110202 (?年Sorrisi E Canzoni TV – Sony Music Entertainment) CD Sabato Pomeriggio 74321-59109・2 (1998年RCA Italiana - BMG Ricordi) CD Sabato Pomeriggio [7 43215 91092 3] →CFD-01060(8) (1998年RCA - BMG Ricordi) 8CD Box Claudio Baglioni Special 74321-76184・2 (2000年 Dischi D'Oro – BMG Ricordi) CD Sabato Pomeriggio [074321 761842] 74321-62621・2 (2001年5月 Dischi D'Oro – BMG Ricordi) CD Sabato Pomeriggio [0743216262120]
→CB-00 (2007年 Columbia – Sony BMG) 13CD Box Claudio Baglioni Cofanetto 88750-45811 (2015年 RCA – Sony Music Italia) CD Sabato Pomeriggio [8 88750 45811] PD-70844 GA-110202 1.Aspettare... 2.Carillon 3.Alzati Giuseppe 4.Poster (ポスター) 5.Tutto Qua! 6.Doremifasol 7.Lampada Osram 8.2 1 X 9.Sisto V 10.Il Lago Di Misurina 11....Ed Aspettare 12.Sabato Pomeriggio (土曜の午後) 74321-62621・2 74321-76184・2 88750-45811
アルバム「土曜の午後 (Sabato Pomeriggio)」のアレンジはルイス・エンリケス・バカロフ(Luis Enriquez Bacalov)が行いました。バカロフは日本では映画音楽作曲家、ニュー・トロルス(New Trolls)の「コンチェルト・グロッソ(Concerto grosso per i New Trolls)」をプロデュースしたことで知られていますが、50年代後半にアルマンド・トロヴァヨーリ(Armando Trovaioli)、エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)らと共に編曲者、楽団指揮者としてRCAイタリアーナに採用され、多大な業績を残し昨年2017年11月15日に亡くなりました。 これも愛をテーマとしたコンセプト・アルバムで75年年間ベスト・セラー7位の大成功を収めています。アルバム中、彼の作った歌詞でローマを描写した曲はローマの街を知る人にとって特別な思いを掻き立てるようです。