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ボックスアート
プレイヤーボード
ゲーム全景(クリックで拡大)
デザイナーはBruno Crépeaultで、これがデビュー作。パブリッシャーは日本語版も出た「Wiraqocha」で知られるSit Down!。今年流行のテーマである(と勝手に思ってる)鉱山ゲーの1つだ。
“ロックウェル”というのは世界的鉱業会社で、プレイヤーはその子会社の1つを担当する。この先展開される予定の一大プロジェクトを任せてもらおうとして、各プレイヤーはせっせと地面を掘って鉱石を採掘し、利益を上げようとする。といっても、なかなか単独では固い岩盤を掘り抜けないので、ある程度は他プレイヤーと協力しなければならないところがミソだ。過半数のプレイヤーが地球深奥部まで掘り進むか、誰かが規定数の偉業を達成したらゲーム終了で、最多得点プレイヤーの勝ち。
メインゲームボードはモジュラー式で、4つの同心円をそれぞれ8等分した地下タイルを組み合わせ、円形のゲームボードを形成する。各地下タイルの表面には数字が書かれており、そのタイル上にその数字分のパワーを持つ鉱夫駒が置かれると採掘が始まる。採掘されたタイルは裏返され、もうそこで採掘することはできなくなるが、坑道タイルを置いていると、ラウンドごとに自動的に資源が手に入る。
メインゲームボード。ゲーム開始時はこの状態で、プレイヤーは四方にある鉱山の入り口から鉱夫駒を移動させ、タイルを掘り進んでいく。
ゲームが進むにつれ、採掘されたタイルが裏返されてこんな感じになる。採掘済みの地下タイル上に坑道タイルを置いているプレイヤーは、ラウンドごとに示されている資源駒を得ることができる。
ゲームは3フェイズに渡ってプレイされ、各フェイズごとに対応するフェイズボードがあり、そこに描かれているアイコンやイラストの指示に従って上から下へと処理していけばスムーズにゲームを進められるようになっている。
フェイズの進行を始める前に、まずは競りで手番順を決め、その順で副社長駒(要するにワーカーだ)を任意のフェイズボードの空きマスに置く。ワーカープレイスメントっぽいが、各プレイヤー2個しかなく、各フェイズボードには1個しか置けないので、ここでそんなに時間を食うことはないだろう。とはいえ基本的に先手有利で、フェイズ2と3は副社長駒を置かないとアクションを実行することすらできないので、そのラウンドに実行したいことは何かをよく考える必要がある。
フェイズ1はメインフェイズ。先ほど競りで手番順を決めたが、それとは別に、ここで採掘順を決める。副社長駒を置いていれば先手で掘り進むことができるが、フェイズ1に限っては副社長駒を置いてなくてもアクションすることができる。まあそうじゃないと、実質毎ラウンドフェイズ1ボードに駒置かなきゃならないからなw
そのあと、のちのちの危険を避けるために保険に加入したあと、4ラウンドに渡って鉱夫駒を移動させ、地下タイルを掘っていく。鉱夫駒は1人4個持ちで、それぞれ1~4のパワーを持っている(最初は全部1)。これを隣接するタイルに1歩ずつ移動させていき、あるタイル上の鉱夫駒のパワー合計が、そのタイルに示されてる数値以上になったら採掘開始。対応する採掘カードを引いて、示されてる資源駒をルールに従って分け合う。
採掘カード。たとえば3パワーが必要な地下タイルで採掘したときには、裏面が右端のようになってる山から引く。そうすると中央のように資源駒の種類と数が書かれてるので、これを分け合う。カード下段の三角形は危険シンボルで、保険に入ってたり安全装置を準備してないと資源駒を失うことになる。
資源駒は鉱夫駒を置いていたプレイヤーで均等に(提供したパワーに関係なく)分け合うが、当然余りが出ることもある。これを誰が得るかも細かく規定されてるので、うまく余りをかすめ取れるように動くのが基本になるだろう。
たとえばこんなとき。この地下タイルでの採掘には7パワー(読みにくいが7と書いてあるのだ)が必要なので、赤の移動によって採掘が始まる。通常は最も多くのパワーを提供したプレイヤーが余りを得るのだが、トップが複数いる場合、その採掘を発生させたプレイヤー、つまり赤が余りを得るのだ。まさに漁夫の利w
こんな感じで4ラウンドに渡って鉱夫駒の移動(およびそれによって発生した採掘)を繰り返す。このとき、フェイズ1ボードに副社長駒を置いたプレイヤーは、その位置に応じて賄賂を贈ったり(隣接している他プレイヤーの鉱夫駒を呼び寄せる)下請け業者を雇ったり(お金を払って4面ダイスを置き、その目の分のパワーを得る)することができる。そのあと、採掘済みのタイル上に坑道タイルを置いてるプレイヤーは、そのタイルから自動的に資源を得る。確定した利益が毎ラウンド得られるというのは非常に強力だが、各タイル上には誰かの坑道タイルを1枚しか置けないので、いいタイルは早めに押さえないとすぐ取られてしまうだろう。
フェイズ2は資源売買フェイズ。副社長駒を置いたプレイヤーだけが売買を実行できる。売値/買値は固定値なので、ほぼ自動処理だ。
フェイズ3は能力向上フェイズ。ここも副社長駒を置いたプレイヤーだけがアクション可能で、鉱夫駒のパワーを上げたり、安全装備を改良したり、坑道タイルを置いたり、鉱夫駒の移動力を上げたりできる。プレイヤーは初期資金として3000ドル持ってるが、能力向上には安くても1500ドルかかるので、資源駒を売らなければすぐにお金は足りなくなる。しかし資源駒は、最も高い金でも1個1000ドル。どれもこれもグレードアップというわけにはいかないだろう。ご利用は計画的にw。
このゲーム、実は得点手段が2種類しかない。そのうち1つが納入タイル。フェイズ3中に規定数の資源駒を支払うと名声点が手に入る。各種類の資源駒ごとにコスト2~8のものがあり、コスト順にしか獲得できない。後半のタイルほど高得点ではあるが、コストパフォーマンスは悪くなるので、手番順や達成タイミングも重要になるだろう。
こんなの。このタイルだと亜鉛駒6個を支払うと2名声点になる。亜鉛駒の場合、コスト5~8のタイルは一律2名声点なので、達成は早いほどいい。
もう1つの得点手段は偉業タイルの獲得。こちらはゲーム中いつでも、条件を満たせば即座に獲得できる。9種類のタイルが4枚ずつあり、早く達成した方が高得点になる。条件は簡単なものでも「採掘を6回発生させる」「銀駒を10個以上持つ(支払う必要はない)」と結構大変そうで、最も難しいものだと「全種類の資源を6個ずつ持つ」「鉱夫駒2個を4パワーにする」とかなりの難題になる。「鉱夫駒を地球のコアに到達させる」というものもあるが、これを達成するとその鉱夫はお亡くなりになってしまうので(当たり前だ)ゲームから除外される。早々に達成するのは控えた方がいいだろうw
そうして得点を重ねていき、過半数のプレイヤーが鉱夫駒をコアに突入させるか(ひでえ話だw)、誰かが偉業を6つ以上(かつ最も難しい偉業3つすべて)を達成したらゲーム終了。持ってる駒数とお金による追加得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。
なかなかよさそうではある。自分1人の鉱夫駒だけで採掘できれば大儲けだが、それが困難なのは言うまでもない。だから他プレイヤーの鉱夫駒と協力して採掘するわけだが、みすみす余りを他プレイヤーに持っていかれるようなことはしたくないだろう。自分が有利になりやすいように鉱夫駒のパワーを上げたり、移動力を増したりしたいところだが、それには多額のお金が必要になる。そのために資源駒を売りすぎると、納入が遅れて勝利点が得られない。フェイズ1ボードに副社長駒を置いて先手を取り、賄賂や下請け業者を利用して優位を得ようとすれば、フェイズ2ボードか3ボードのどちらかに副社長駒が置けなくなってアクションが実行できない……などなど、多くの要素が複雑に絡み合い、「あちらを立てればこちらが立たず」のいい見本になってる。
手番順を二重にする意味があるのかどうかはちょっと疑問だが(競りで決める手番順は副社長駒の配置順と、偉業を同時に達成したときなどの引き分け判定にしか使わない)、確かに何もかも最初の競りで順番が決まったら先手が有利すぎる気もするし、ここはプレイしてみないと分からないかな。
アートワークは「ウィラコチャ」「タケノコ」の人で申し分ない。今年は鉱山ゲーと寿司ゲーが来るので(断定)、クラマー&キースリングの「 Glück Auf
」ともども押さえておくと「あーあれね。やったやった。今年は鉱山テーマがトレンドだよねー」としたり顔ができるよw
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