《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2011.09.04
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカとイギリスの情報機関、つまり CIAとMI6(正式にはSIS)がムアンマル・アル・カダフィ政権と緊密な関係にあった

 文書が発見された場所は、カダフィの右腕と言われた治安の元責任者、ムサ・コサの個人オフィス。この人物は1994年から2009年までリビアの情報機関を統轄、その後外務大臣を務め、今年3月にイギリスへ亡命している。

 問題の文書が作成された時期は1994年から2009年まで、つまり情報機関を統轄していた時期と重なる。1980年にイギリスから追い出された人物の亡命をイギリスが認めた理由は、コサが米英両国にとって都合の悪い情報を握っているからだとも言われている。

 発見された秘密ファイルの中には、2002年から04年にかけてリビアがアメリカの「テロとの戦争」に協力したいたことを示す文書も含まれ、ステファン・ケイプスCIA副長官(当時)との協力関係も明らかにされているようだ。リビアの反政府軍を指揮している アブデル・ハキム・ヘルハジはこの時期、CIAから拷問を受けていると語っている

 ベルハジはLIFG(リビア・イスラム戦闘団)のリーダーで、アフガニスタンでソ連軍と戦った経験もある。本ブログでは何度も書いていることだが、この LIFGはアル・カイダとの関係を公然と認めている団体 。「テロとの戦争」を掲げていたアメリカの情報機関がヘルハジを拷問した背景は、おそらくこの辺にあった。

 アメリカの情報機関がリビアと協力関係を結んだのは遅くとも1970年代だと考えられている。そうした工作の一環で武器をリビアへ密輸したのがエドウィン・ウィルソン。海軍情報部(ONI)やCIAの所属、リビアへ武器を密輸したなどとして懲役52年の有罪判決を受けたが、2004年に釈放されている。



 ウィルソン、シャックレー、シコードたちとインドシナで一緒だった人物のひとりがリチャード・アーミテージ。このときの秘密工作は麻薬の密輸が深く関係、元グリーン・ベレーのジェームズ・グリッツ(通称、ボ・グリッツ)中佐によると、アーミテージは麻薬密輸で犯罪組織とアメリカ政府をつなぐキーマンだと主張していた。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を参照してください)

 今回、イギリスはこうしたリビアとの関係を清算、アメリカも追随し、アル・カイダとも手を組んでカダフィ体制を破壊した。リビア国内の石油利権も大きな要因だが、本ブログでは何度も指摘しているように、アフリカ中南部の自立問題も大きい。だからこそ、AU(アフリカ連合)がリビア攻撃に反対してきたのであり、反カダフィ軍がアフリカ中南部の出身者と見られる人びとを拘束、処刑している一因になっている。

 リビアの石油利権をめぐり、反カダフィ派は「西側」と友好的な関係を結ぶとする一方、ロシア、中国、ブラジルとは「政治的な問題」があるとしているのだが、アフリカ中南部の問題でも中国の存在がイギリスなどを刺激したようだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.09.04 15:15:27


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: