《櫻井ジャーナル》

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2011.09.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 政治資金規正法違反で起訴された小沢一郎議員の元秘書に対し、東京地裁の登石郁郎裁判長は9月26日に有罪を言い渡したようだ。この事件について詳しく調べたわけではないのだが、報道されている情報から判断する限り、公正とは到底言い難い。

 ジャーナリストの江川紹子さんも指摘しているように、この裁判で問われているのは、

1) 2004年に購入した土地代金の支出を、翌年の政治資金収支報告書に記載したことの是非
2) 土地購入に際し、小沢議員が4億円を立て替えたことを報告書に記載しなかったことの是非
3) 小沢議員の他の政治団体との間で行った資金の融通を報告書に記載しなかったことの是非

だったはずだが、判決を受けての報道は「ゼネコン裏金認定」が前面に出ていた。

 すでに多くの人から指摘されていることだが、あえて事件を簡単に振り返ってみる。

 裁判の中で検察は、4億円の中には水谷建設からの闇献金1億円が含まれ、その闇献金は大型ダム建設の工事受注を巡る謝礼だと主張する。東京地検特捜部に対し、水谷建設の川村尚元社長が「六本木のホテルで石川秘書(当時)に5000万円入りの紙袋を渡した」と供述したことから出たストーリーなのだが、この証言を裏付ける証拠がない。

 水谷建設の運転士が記録していた運転日誌にも該当する記載がなく、「社長をそのホテルに送ったのは翌年以降」だと運転手は証言している。



 判決を聞いた水谷元会長は「会社から裏金が出たことは事実だが、石川議員らに渡したところは私は見ていない。」と語っている。川村元社長が闇献金という名目で会社に出させたカネを着服した疑いもあるのだが、こうした点を裁判所は考慮していないようである。

ジャーナリストの魚住昭さんも書いているように 、もし、1億円の闇献金が事実なら悪質であり、今回の判決で有罪とされた元秘書たちに執行猶予がつくのは奇妙な話。法律に詳しくないので、この献金が「贈収賄事件」として成立するかどうかは判断できないが、腑に落ちないことは確かだ。

 もっとも、日本の裁判所が信頼に耐えないことは昔から言われてきたことであり、今回の判決に驚きはない。江川さんは今回の判決に対し、「何人かが『やった』と言えば」裏づける証拠がなくても「事実になってしまう」と批判しているが、その通りである。冤罪の製造装置になっている「迷惑防止条例」の精神が法律全体に浸透しているようにも見える。

 敗戦までの日本には政府に批判的な人びとを弾圧する強力な仕組みが存在していた。特高警察、思想検察、そして裁判所のトリオである。戦後、この仕組みは生き残り、「大本営発表」のマスコミが取り込まれていった。

 小沢議員に好意を持っていない人の一部は、今回の判決に拍手喝采しているようだが、こうした判決は小沢議員の周辺だけでなく、日本人全てに降りかかるのだということを忘れてはならない。





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最終更新日  2011.09.27 13:50:35


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