《櫻井ジャーナル》

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2018.01.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
2015年の段階ではヒラリー・クリントンが次期大統領(2017年〜21年)に内定したと言われていたが、16年の2月にはその流れに変化が見られた。そうした中、クリントン関連の電子メールが明らかにされ、その中にはリビアやシリアに対する侵略工作や民主党幹部の不公正な動きなどに関する情報が含まれていた。

この問題ではクリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に違反した疑いも浮上する。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。これについて、FBI長官だったジェームズ・コミーは彼女が情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

しかし、当初の表現は「きわめて軽率」でなく、「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だった。それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていたのだ。後者は罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われる表現で、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。このストルゾクは恋愛関係にある同僚に対し、反トランプのメッセージを送っていたとも報道されている。

また司法長官代理を務めたサリー・イェーツはトランプ大統領の中東旅行禁止に反対、そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近。ストルゾクも昨年8月までロバート・ムラー特別検察官の元でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べていた。本ブログでは何度か指摘しているが、ロシア政府がアメリカの有力メディアや民主党が言うように大統領選挙に介入したなら、NSAが証拠を握っているはずで、特別検察官を任命する意味はない。

アンドリュー・マッカビFBI副長官もヒラリー・クリントンとの関係が注目されているひとり。妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていたのだが、その時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当。つまりクリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。

特別検察官のロバート・ムラーも問題視されている。2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めている人物だが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃(9/11)されている。この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。

9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。このギュレンもアメリカ支配層の内紛で重要な意味を持っている。

2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領に対し、15年11月24日のトルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を謝罪してロシアへ接近した。トルコでエルドアン政権の打倒を目的とした武装蜂起が引き起こされるのは2016年7月15日のことだ。これは政府側の反撃で失敗に終わるが、その直前にロシアからクーデター計画に関する情報がトルコ政府へ伝えられたとも言われている。

このクーデター計画の背後にはアメリカでCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンがいて、アメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官が関係しているとトルコ政府は主張している。



それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築してきたと言われている。ギュレンとそのグループを守る中心人物は元CIA幹部のグラハム・フラー。この人物の娘が結婚した相手の甥ふたりは2013年のボストン・マラソンにおける爆破事件で容疑者とされ、兄は射殺された。弟は重傷を負い、外で証言できない状態だ。1980年代にフラーはズビグネフ・ブレジンスキーの作戦に基づき、アフガニスタンでスンニ派武装勢力を動かしていた。

その事実をFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズが公表しようとしたところ、FBI長官だったロバート・ムラーが発言を禁止、エドモンズは解雇されてしまう。エドモンズは、9月11日の攻撃を事前にFBIは知っていたと内部告発したことでも知られている。

エドモンズによると、ギュレンがマネーロンダリングを行い、テロ関連の活動をしていることをFBIは20年ほど前から知っていたが、黙認してきた。ギュレンは資金が潤沢で、アメリカに140以上の学校網を作り上げている。

アメリカ支配層との関係が悪化したエルドアンはギュレンに関する情報を入手しようと考え、アメリカの会社に調査を依頼している。その会社を経営していたのがマイケル・T・フリン中将と息子のマイケル・G・フリン。中将はバラク・オバマ政権がアル・カイダ系武装勢力を操り、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を生み育てたことを熟知しているが、それだけでなくアメリカにおけるCIAの「テロリスト網構築」にも足を踏み入れようとしていた。

9/11の調査を妨害して真相を隠蔽したと言われるムラー特別検察官はギュレンの問題も封印しようとしてきた。トランプ大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー、その父親であるチャールズ・クシュナーの親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相やサウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子と緊密な関係にある。トランプと激しく対立してきたヒラリー・クリントンの後ろ盾には投機家のジョージ・ソロスやサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子、バンダル・ビン・スルタン(アメリカ駐在大使や総合情報庁長官を歴任)、さらに巨大金融資本や戦争ビジネスが含まれている。

(続く)





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最終更新日  2018.01.12 00:00:48


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