安倍晋三が奈良市の近鉄大和西大寺駅前で殺害されたのは7月8日。日本より8時間遅れのイギリスではボリス・ジョンソン首相が保守党の党首を7月7日に辞任、新党首を決める選挙が行われている。現在残っている候補者は7月5日まで財務大臣だったリシ・スナックと外務大臣のリズ・トラス。結果は9月5日に判明し、6日に首相は交代する。
8月23日にバーミンガムで開かれた選挙イベントで地球を破滅させる核戦争について問われたトラスはボタンを押す準備はできていると答えている。空威張りの「チキン・ホーク」らしい答えと言えるだろうが、核兵器は実際に存在するのであり、そうしたイギリスの姿勢に対する準備がロシア側にできていることは2月のやりとりでも明らかだ。
トラスは外務大臣でありながら、2月2日にバルト諸国の地理的な位置を勘違いした人物。モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談した2月10日にはロシア側に対し、ロシア領のボロネジやロストフからロシア軍は撤退しろと脅している。狂気を装っているのか、本当に愚かなのかは不明だが、地球上の生物にとって危険な存在であることは確かだ。
2月22日にロシアのウラジミル・プーチン大統領がドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認、2月24日にロシア軍はウクライナを巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃を開始、航空基地やアメリカ軍の生物兵器研究開発施設が攻撃されたと言われている。
そして2月27日、トラスはロシア軍がウクライナでの軍事作戦を止められなければNATO軍と戦わせることになると発言、プーチン大統領は国防大臣と参謀総長に対し、核兵器部隊を特別戦闘任務につかせるように命令したと伝えられた。NATO軍とロシア軍が軍事衝突すれば核戦争に発展する可能性は小さくない。その準備をするようにプーチンは命じたわけだ。
核戦争についてはフィリップ・ブリードラブ元NATO欧州連合軍最高司令官(SACEUR)も4月7日に言及している。ウクライナの軍や親衛隊は住宅地に攻撃拠点を築き、住民を人質にしてロシア軍と戦っていたが、キエフ政権が送り込んだ軍や親衛隊の敗北は3月の段階で決定的だった。核戦争で脅すしかないと考えたらしい ブリードラブは核戦争への恐怖がウラジミル・プーチンに対する適切な対応を西側はとれないのだと発言 したのだ。
つまり、ロシアとの核戦争を恐れるなということだが、そうなればヨーロッパは死滅する。自分たちのプランを実現するためにヨーロッパ人は死に絶えろと言ったに等しい。ブリードラブはトラスの「同志」だと言えるだろう。
ブリードラブの発言があった2日後にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフを訪問、それを境にしてロシア政府とウクライナ政府の停戦交渉は止まったようだ。 戦争を継続するように指示した と見られている。
ウクライナでは言論統制も強化され、「非国民狩り」が始まり、 4月21日にミコライフ州のビタリー・キム知事は「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と語っている 。処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているともしていた。
そして4月30日、ナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めている。