ウクライナの東部から南部に広がるステップ(大草原)へ入り込んだキエフ軍はロシア軍のミサイルや航空兵力による攻撃で大きな損害が出ているのだ。不十分な戦力でステップに止まることは危険だと考えてロシア/ドンバス軍は撤退、そこへウクライナ軍が入り、そうした事態を招いたわけである。ウクライナ側は「玉砕戦法」を続けているのだ。
11月30日には欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は演説の中でウクライナの将兵10万人以上が戦死したと語った。その後、発言はインターネット上から消されたようだが、彼女の話は概ね正しいの見られている。それに対し、ロシア/ドンバス側の戦死者はその約1割だ。
ウラジミル・プーチン大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表、集められた兵士のうち約8万人はすでにドンバス入りし、そのうち5万人は戦闘に参加しているともいう。訓練中の約32万人は地面が凍結してから始めると見られている新たな軍事作戦に参加するはずだ。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領はポーランド、リトアニア、ウクライナがベラルーシの過激派に破壊活動や軍事暴動の訓練をしていると批判しているが、そのベラルーシでロシア軍は実弾を使った訓練を行なっているとも伝えられている。
今後、ロシア軍がどのような軍事作戦を展開するのかは不明だが、すでにドンバス周辺にT-90M戦車、T-72B3M戦車、防空システムS-400を含む兵器を運び込んでいる。32万人を一気に投入するのではなく、長期戦になるという想定でいくつかのグループをローテーションで前線に出すという見方もある。