《櫻井ジャーナル》

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2022.12.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類

大統領府長官の顧問を務めるミハイロ・ポドリャクはミサイルの数を120機と主張 バレリー・ザルジニー総司令官はロシアが発射したミサイル69機のうち54機を撃墜したとし ​、​ キエフ当局は飛来した16機全てを撃ち落としたとしている ​が、電力の供給システムは少なからぬダメージを受け、​ キエフの40%、リビウの90%が電力の供給を受けられない状態 ​になっていると伝えられている。ミサイルを撃ち落としたが、ミサイルによって電力を供給するシステムが破壊されたということのようだ。ウクライナ各地で兵器庫や防空システムなど軍事施設が破壊されているとも報告されている。つまりウクライナ政府の主張には説得力がない。

 西側では3月の段階でロシア軍がミサイルを使い果たしたと宣伝しているが、ミサイルは発射され続けている。イランや朝鮮から調達していると主張して整合性を図ろうとしているが、説得力はない。おそらく西側のメディアはジョー・バイデン政権につながる情報源からレクチャーを受けているのだろうが、それが間違っているということだ。バイデン政権がロシアを過小評価、その戦闘力や生産力を見誤ったとも言える。

 アメリカには敵を過小評価する傾向がある。欧米支配層と深いつながりがある外交問題評議会(CFR)が発行している定期刊行物「フォーリン・アフェアーズ」の2006年3/4月号に掲載されたキアー・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てると主張している。先制攻撃でロシアと中国を破壊できる日は近づいていると彼らは考えていたのだが、これは間違っていた。

 この論文が出された翌年の8月、核弾頭W80-1を搭載した6機の巡航ミサイルAGM-129が「間違い」でノースダコタ州にあるマイノット空軍基地からルイジアナ州のバークスデール空軍基地へB-52爆撃機が運ぶという出来事があった。

 ソ連や中国を簡単に捻り潰せると考えた理由のひとつはロシアの軍事力や経済力を破壊したことにある。1991年12月にアメリカはソ連を消滅させ、ロシアを従属させることに成功した結果だ。ジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIA人脈がソ連の情報機関KGBの幹部を買収、「ハンマー作戦」を成功させたのだと言われている。

 ソ連を解体、残された富を欧米の巨大資本は略奪するが、その際、ソ連政府が保管していた金塊も盗んだ可能性が高い。ソ連消滅の直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されていた金塊2000トンから3000トンが400トンに減っていたのだ。金塊の盗み出しにはCIAやKGBの幹部やOBが関与していたと言われているが、エドモンド・サフラなる人物の名前も出てくる。サフラはウィリアム・ブラウダーとヘルミテージ・キャピトルを創設したことでも知られている。

 ブラウダーはソ連消滅後のロシアで大儲けしたひとりだが、ロシアの裁判所は2013年7月、本人が欠席したまま脱税で懲役9年の判決を言い渡している。2017年10月にロシア当局はブラウダーを国際手配、アメリカ議会は反発し、インターポールはロシアの手配を拒否した。

 ロシアの検察当局がアメリカの当局に対して事情聴取を正式に申し入れた中には、2012年1月から14年2月までロシア駐在大使を務め、12年のロシア大統領選挙に対する工作を指揮したマイケル・マクフォール、NSAの職員でブラウダーと親しいトッド・ハイマン、アメリカにおけるブラウダーのハンドラーだとされているアレキサンダー・シュバーツマンが含まれている。そのほか、MI6の「元」オフィサーで「ロシアゲート」の発信源であるクリストファー・スティールからもロシア側は話を聞きたいとしていた。

 ところが21世紀に入るとロシアは軍事力と経済力を「ワープ・スピード」で回復させた。ソ連圏の解体で安全保障上脆弱になったが、養わねばならない国がいなくなったことでロシア人の稼ぎをロシア人のためにつかうことができるようになったためだとも言われている。ウクライナでの戦争によって、ロシアの経済力が強いことが証明された。






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最終更新日  2022.12.30 12:38:08


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