スポクラ依存症の映画好きのブログ
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
最近、新書ばかりで小説読むことなかったが、昔好きだったアン・タイラーの小説で読んでいなかった作品、”パッチワーク・プラネット”を読んだ。主人公はアン・タイラーの作品にしては珍しく若い男性。といっても30にはなってるけど。バツ1、子供あり。 軽犯罪で矯正施設にはいっていた経歴あり。というと普通の人は”ライ麦畑でつかまえて” のホールデンを思い出すかも。ともあれ主人公、極悪人ではもちろんなく、どちらかといえば繊細で一般常識もあり。そして実は親は金持ちだったりする。大学教育受けていないし、地元でとりあえずできる仕事,ということで働くようになった近所の便利屋業。 買物ひきうけたり、宅配したり、なにかの片付けをしたり。。。というような仕事だが、土地柄、顧客は多忙でリッチなビジネスタイプの客であるはずもなし。 一人暮らしの老人が客のほとんど。 当然話し相手になったりの必要も出てくる。結局のところ、やっている仕事は日本の介護サービスのスタッフのようなもの。もちろん公的なものでなく、若いお客がいてもいいはずなのに毎日、老人と向かい合うことになるのだ。”50代はいい、60際もいい、65歳も。。。でもその先は。。。”とふともらす、登場人物の一人。 主人公が毎日たえきれない思いになるのは、その日ごとの仕事でなく、老いていく老人達がさらに老化していくのを 日々見ていかなければいけないことだった。ストーリーはアン・タイラーらしく、淡々としつつユーモアもあり、悲惨さからは遠いが、介護ビジネスにたずさわる人の 気持ちってこんなふうなのかも、と思った。
2008年07月30日
コメント(0)