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2004年07月15日
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テーマ: 映画と原作(87)
カテゴリ: 海外文学
『アイ,ロボット』(2004)I, ROBOT
アイ,ロボット 特別編

   監督:アレックス・プロヤス「ダークシティ」
   原作:アイザック・アシモフ ジェフ・ビンター
   出演:ウィル・スミス、ブリジェット・モイナハン 他
   [全米公開2004年7月16日予定、日本公開2004年9月18日予定]

【ストーリー】
舞台は近未来2035年の地球。人間にはロボットが助手あるいは召使として仕えている時代だというのに、ハイテクが苦手でロボット恐怖症の刑事 デル・スプーナー(ウィル・スミス) が主人公。シカゴ警察に勤務する彼は、 スーザン・カルヴィン(ブリジット・モイナハン)
U.S.ロボット社(米国ロボット工学社)の優秀な科学者マイケル・ホーゲンミラー博士は 当初自殺だとされたが これは自殺ではなく、ロボットが殺したのではないかと、スプーナー刑事は考えるようになる。
ホーゲンミラー博士は、スプーナー刑事の前にホノグラム(レーザー光線による立体的映像)となって現れる。U.S.ロボット社では、科学者はごまかしのホノグラムでできたコンピューター、すなわちロボットなのだと分かってくる。その筆頭がソニーという 生きた頭脳を持つロボットなのだった。

『ロボット三原則』
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が第一条に反する場合はこの限りではない。
第三条
ロボットは第一条及び第二条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならない

この 原則は果たして守られているのか。ロボットが本当に殺人を犯せるのか?映画の結末はどうなるだろうか?


【感想】

アシモフ原作と 言ってもこれは別物ですね。
原作からイメージを膨らませた、「3原則」ちょっと拝借って感じです。
スーザン・カルヴィン博士、この人は原作では主人公と言っても良い人です。原作では、U.S.ロボット社創設時代から75年間勤続して、無声ロボット時代から 地球でロボットの使用禁止時代、地球外の太陽系での労働力時代から、人間にかぎりなく近くなっていくまでの、ロボットの興亡時代を見守る人です。職業はロボット心理学者で映画と同じです。
けれど、原作では、スーザンはインビュアーに冒頭このように語っています

「あなた、おいくつ」

「それではロボットの居ない世界は知らないわね。
人類が、頼る友も無く、広大な宇宙にひとり立ち向かわねばならない時代があった。
でも、今は、助けてくれるものがいる。
人類より強靭で、有能で、まったく献身的につかえてくれるものが。人類はもう孤独ではない。
あなたはこんな風に考えてみた事がある?」
「残念ながらありません。お話を引用させていただいてもよろしいでしょうか」
「いいですよ。あなたにとって、ロボットはロボットなのね。
歯車と金属、電気と陽電子。
--鉄にくるまれた心!人間の創造物!必要なら人間の手で破壊できるもの!
でもあなたはロボットと一緒に働いた事がおありにならないから、彼らのことはわからないわね。
彼らはわたしたち人間よりずっと無垢で優秀な種族ですよ。」

スーザンの口を通して アシモフは、自身の作品のロボットへの愛情を語ってるように聞こえるのだ。"ロボットは人類の友人。""宇宙に繰り出す為に欠かせないパートナー"であると。。。ただし、この「われはロボット」は短編集で、アシモフの以後に続く <ファウンデーション・シリーズ>や<「鋼鉄都市」「はだかの太陽」「夜明けのロボット」「ロボットと帝国」というロボットシリーズ>の基礎なので、ロボットに頼りすぎた人類が 滅亡の危機に瀕するといった 考えさせられる点 の伏線(*第1話ロビイ) もある。

ウィル・スミス演じるスプーナー刑事は「われはロボット」では存在しない。
しかし 博士の殺人事件を追う ロボット嫌いな刑事役といえば 「鋼鉄都市」の"イライジャ・ベイリ"。
その事件を追う際におしつけられたロボット"ダニール"とともに 事件を解決する。
映画では刑事役の名前を変えているし ロボットではなく スーザンが協力者となっているようだ。
映画ではソニーというロボットが登場するようだが、これはあくまで容疑者で U.S.ロボット社は陰謀の巣窟でしかないのだろうか。 
「ロボット3三原則」が映画では何処まで生かせているのだろうか? 
アシモフのロボットシリーズの心である「3原則」をあまり軽く扱わないで欲しいものだ。アシモフ・ファンとしては願います。

「われはロボット」原作中、好きな短編は「ロビイ」「うそつき」「証拠」です。
どれも、人間味あるロボットのお話と言ってよいかな。

「ロビイ」
は有名だと思います。彼を愛する8歳のグローリアの最愛の友。ロボット排斥世情の中 グローリアはロビイと引き離される。
「ロビィ、どこへいっちゃったの!」グローリアは小さな口をきゅっとひきむすび、大きな瞳に涙をいっぱいためてあたりを見まわした。お馬さんごっこやかくれんぼするって約束したのに。それにシンデレラのお話だってまだ途中なのよ…みつけなくっちゃ、ぜったい見つけてあげるわ!―― 1996年に製作され、ウェストン家でグローリアの最愛の友となった子守り用ロボットロビイ 再会するシーンはほんまに涙もんです。。

「うそつき」
テレパシイ=人の心を読む能力を持つハービイ(RB34号)が巻き起こす騒動 お堅いスーザン博士も巻きこまれ 愛に破れ傷つきます。望み通りの言葉を言うロボットなんて、身の破滅の元ですな。

「証拠」
スティーブン・バイアリイ 市長選に立候補したスティーブン。
彼にはある疑惑が。彼は人間かロボットか。「ロボットには人間をなぐれないだろう!」演説中に、彼は窮地に追い込まれる。果たして彼は 殴るのか。ロボット3原則1条に反する行為をするならば、彼はロボットではないっちゅうことやね。



「ロビイ」・・・・・・・・・・ロビイ(子守ロボット)
「堂々めぐり」・・・・・・スピーディ(水星採掘用ロボット)
「われ、思うゆえに」・・キューティ(中継ステーション監査業務ロボット)
「野うさぎを追って」・・・デイブ (採掘ロボット サブロボット6体のボス)
「うそつき」・・・・・・・ハービイ(読心力をもつロボット) 後の「夜明けのロボット」などのジスカルドの原型と思う
「迷子のロボット」・・・・ネスター10号(抗星間旅行時代 基地開発ロボット 第一条の無いロボット )
「逃避」・・・・・・・・・ブレーン(星間旅行 超空間ジャンプの方法の達成 大型スーパーロボット)
「証拠」・・・・・・・・・スティーブン・バイアリイ(ヒューマノイド・ロボット )後の「鋼鉄都市」ダニール・ロボットの原型と思う
「災厄のとき」

どのロボットも 3原則の倫理に振り回された、不具合や失敗例、ロボットの進化の過程の例としてスーザン博士は語っている。 
確かに本としては古いが、ここでの着想は決して古くない。
また 読み直してみてそう思った。アシモフさんはいまだに新しいです。
これらがなければ「鉄腕アトム」は生まれなかったそうです。



アシモフとジョン・W・キャンベル 「ロボット3原則」の生みの親

「われはロボット」は、アイザック・アシモフのロボット・テーマSFの記念すべき第1短編集、I,Robot(1950年、ノーム・プレス刊)の翻訳です。
同じ年、ダブルデイ社から出版された『宇宙の小石』につづく、アシモフの単行本としては、第2作目にあたります。
いま、まさに世はロボットの時代。日本製の産業ロボットは世界の注目をあつめ、欧米の各国から視察団が日本を訪れるといったありさまです。いまやSFは現実となった、とさえいえるかもしれません。
ところで、SFではいままでロボットを主人公とする作品は数多く書かれてきました。古くはメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』やカレル・チャペックの『R・U・R』、ヴィリエ・ド・ラリダンの『未来のイブ』など、きわめて実り多い作品をもつジャンルです。本書によってアシモフは、このSF史の中でも、もっとも古い伝統を持つジャンルに、新しい一貢を付け加えるのに成功しました。それは、アシモフの作り出したロボットが、従来の中世的神秘主義のにおいのする"怪物"ではなく、ロボット工学の3原則を陽電子頭脳にきざみつけられた"論理的"なものだったからです。
本書をはじめとする一連のロボット・シリーズによって、アシモフはこのジャンルにある種の革命をもたらしたといっても過言ではないでしょう。
アシモフがはじめてこのロボット・テーマSFにとりくんだのは18歳の時でしたが、ジョン・W・キャンベルとの出会いが無ければ、はたしてそれが陽の目をみたかどうかわかりません。アシモフのロボットが誕生するにあたっては、キャンベルがその産婆役をつとめたのです。

当時コロンビア大学で、父親のキャンディーストアの手伝いをするかたわら、未来の大作家を夢見てSFの短編を書き綴っていた若干18歳のアシモフ少年が、片手に書きあがったばかりの「宇宙のコルク抜き」の原稿をかかえ、不安と期待に胸弾ませながら、アスタウンディング・サイエンス・フィクション誌を発行していたストリート&スミス社を訪れたのは1938年6月21日のことでした。
アスタウンデング誌の編集長に会いたいなどという生意気なことを言えば、原稿は引き裂かれ体ごと建物から放り出されてしまうのではないかと思っていたアシモフ少年が、おそるおそる編集長に会いたいというと、デスクの向こうに座っていた女の子は電話で手短に何かいい、それから意外にもアシモフに向かってこう言ったのでした。「キャンベルさんがお会いになるそうです」
それからの1時間、アシモフ少年はそれこそ天にものぼる気持ちでキャンベル編集長と語り合い、しかもその日の晩に彼の原稿を読んで、翌日にはボツか採用化の手紙を出すという約束までとりつけるのに成功したのでした。

結局この時持っていった原稿はボツになったのですが、このアシモフとジョン・W・キャンベルとの出会いは、アシモフ自身にとっても、またキャンベルにとっても、そしてアスタウンディング誌にとっても、大変重要なものとなりました。
というのも、この記念すべき出会い以来、アシモフは、キャンベルの指導のもとに、SF作家の修行をつんで着実に力を付けていったからです。このときから第2次世界大戦をあいだにはさんでおよそ10年にわたって、アシモフはこのロボット・シリーズはもとより、オール・タイム・ベストとしてSFファンなら知らぬものはいない「夜来たる」などの名品や、後にヒューゴー賞を受賞するファウンデーション(銀河帝国興亡史)シリーズを、やつぎばやにアスタウンディング社誌上に発表していきました。読者が、これらの作品を熱狂的に受け入れた事は、いまさらいうまでもないでしょう。。。。。
まだつづく。。。  [「われはロボット」 あとがきより抜粋 訳






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最終更新日  2006年03月01日 10時55分05秒


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