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2007年01月29日
『血染めのエッグ・コージイ事件』 ジェームズ・アンダースン
テーマ:
ミステリはお好き?(1498)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
1930年代の英国。バーフォード伯爵家の荘園屋敷に、テキサスの大富豪、大公国の特使、英海軍少佐など豪華な顔ぶれが集まる。やがて嵐の夜に勃発する、宝石盗難事件と、謎の連続殺人。犯人は15人の中にいるはずだが、手がかりは庭に残された、血のついた茹で卵覆い(エッグ・コージイ)だけ…。復古的な舞台立てと、ロジカルな推理、けれん味あふれるトリック、そして意外な結末。70年代に黄金期本格の味わいを復活させた作品として名高い、伝説のパズラーが待望の復刊。
第一位はトレヴェニアンの『夢果つる街』
第二位はスコット・トゥローの『推定無罪』
本書は18年前に文春文庫から『血のついたエッグ・コージィ』として刊行。当時は冷遇の憂き目に会う。「推理小説黄金期作品の興趣満点の傑作」として華々しく刊行されたが、「文春ミステリベスト10」では欄外。「このミス」では、ほとんど対象外。
当時は本格ブームは起きておらず、(綾辻行人はデビューしていたが、北村薫はまだった)本格ミステリーは過去の遺物という冷たいムードだった。
18年ぶりの復刊、奇想天外なトリック、「楽しい殺人のおはなしのエレガンス」
「豪華絢爛カントリー・ハウス・マーダー・ミステリー」
そう、アガサ・クリスティの『スタイルズ荘の殺人』『チムニーズ館の秘密』『七つの時計』などを思い起こせばすぐ分かります。
:本格ミステリーの変遷(あとがきより)
1930年以降
ミステリーの世界観が多様化。ハード・ボイルド、警察小説、犯罪小説、サスペンス小説など様々なジャンルが活性化、ミステリー世界はファンタジーよりもリアリズムを求める気風が強くなり本格ミステリーは古臭い旧時代の遺物となった。「カントリー・ハウス・マーダー」も肩身の狭い存在となる。
1940年代本格ミステリー灰色時代
1960年代本格ミステリーマインドの作家達の作品徐々に発表。
1970年代本格ミステリー作家次々デビュー、復活の動き顕著。
テレビ世界の『刑事コロンボ』『エラリイ・クイーン』
1980年代 日本でも、本格ミステリー作品の翻訳が次々と始まる。
<怒涛の本格ミステリー旋風>
長い暗黒時代を吹き飛ばせ
:ジェームズ・アンダーソン
こうした流れのなか、「カントリーハウス・マーダー・ミステリー」は、アンティークの域に昇華したと時代を読んだジェームズ・アンダーソンの2作品が本書『血染めのエッグ・コージイ事件』と「切り裂かれたミンク・コート事件』
日本では「ジェシカおばさんの事件簿」アメリカのテレビドラマのノべライズで邦訳された『シャーロック・ホームズ殺人事件』『ハリウッド殺人事件』『ホリディ殺人事件』(創元推理文庫)の著者としてのみ紹介されていた。
:シリーズ三作目『39個のカフスリンク事件』
(もちろん<オールダリー荘>が舞台)が20数年ぶりに執筆された。
今度は、集合する人物らは、バーフォード伯爵の親戚一堂。96歳で大往生を遂げた一族の大長老フローレンス大叔母の葬式のため、親戚一堂がオールダリー荘に集まった。そこで一族の秘密を明らかにすると言った矢先、殺人勃発、というもの。
アガサ・クリスティー愛好者だった子供時代に読んだ字句、「オリエンタル急行」「パディントン発 ○時○分」「エヴァンズ」、呼ばれてもいないオールダリー荘のパーティーに参加しようと門柱での車事故の演出、事件の夜の登場人物らの秘密の理由・行動などなど。。
パワーアップしたクリスティの新刊を読んだような気持ちになれました。
■著作
・証拠が問題
・殺意の団欒
・血のついたエッグ・コージイ
・切り裂かれたミンクコート事件
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最終更新日 2007年01月29日 19時03分14秒
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