がちゃのダンジョン　映画&本

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ジョニー・デップ

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2007年09月07日

ノラの友人ナタリーが寝室に血痕を残して消えた。彼女の本棚には、謎めいた作家ヒューゴー・ドライヴァーの、熱狂的なファンを持つファンタジー『夜の旅』が。この事件を機に、ノラは義父の経営する出版社〈チャンセルハウス〉が半世紀以上も秘めてきた謎に近づいていく。が、彼女に殺人鬼の凶手が!しかも、それが夫デイヴィーの知人だったとは!ストラウブの最高傑作登場。

このミステリが面白い　海外編　　　位　
１０位ランク外作品ですが、面白い

ミステリ・サスペンスのヒロインとしては、型にはまっていない女性だなというのが第一印象です。ノラは。

彼女は４６歳、現在は一流出版社の御曹司の夫人。なんの不足もない身分のようだけど、夫というのが、大人になりきれないこどもダンナです。別に放蕩者とか、暴君という夫なのではない。夫の両親というのが、出版社の大者。俗物じみた父親と作家でひきこもりの母。第一子を亡くしたので、その子の変わりに養子にきた。両親からは冷遇？支配されている。金持ちのボンボンでハンサムなのに、不幸そうな男性です。ヒロインの夫としてはどうなの？なタイプ。

そんな男性を何故夫に選んだか？ノラの経歴はベトナム従軍看護婦。戦後勤務した病院で、虐待された子を救う為に事件を起こしたことがある。　夫より１０歳年上ということから、この夫婦関係は一般的でないことが伺えます。

この夫婦関係に終始している前半部分はちょっと退屈。なんどか休み休み、で読み進みが悪かったです。でも、それから、一気に急展開。彼女にある容疑がかかり、さらさらに、世を騒がしている連続殺人犯に、妙な愛着をもたれてしまうのです。

ノラの夫が頼りない？子どもっぽいせいか、この連続殺人犯の変質者的個性の方が魅力的に感じてしまうほど。ノラはものすごく嫌悪感を感じてますけど。この男は、どこか、「アメリカン・サイコ」の主人公のよう。ブランドにものすごく詳しくて、女性のタイプや、それにあったファッションや香水などに長けているのです。

ノラのヴェトナム時代の彼氏や、婚家に使える執事など、次々ノラに救いの手が伸びますが、一体どのように話が決着がつくのやら。典型的なランチェイスストーリーですが、個性がありますよね。そしてどんどん読ませてくれるところがいいです。

ピーター・ストラウブ。『タリスマン』の、キングと共同著者です。
ピーター・ラザウェイとかぶってましたが、別人ですね。巨匠チックな名前ですけど、そんなに作品数は無いのですね。これから面白くなっていく作家さんなのかもね。　

笑っちゃったのが、『指輪物語』を似た『夜の旅』というファンタジー本にティヴィーが取り付かれていて、この本の信奉者が作中、結構なカルト的集団に描かれているところ。デイヴィーの出生の秘密や、『夜の旅』シリーズにまつわる過去の謎や、いろいろ忙しく、飽きませんでした。

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