・天祢涼『希望が死んだ夜に』、これはただの青春ミステリーではない。 14
・殺人者である彼女の名前が「ネガ(冬野ネガ)」。「希望(希)に願う」という意味とは裏腹な存在感を帯びながら、貧困や孤立、不安定な家庭環境に囚われた少年期がその影を滲ませる。
・彼女の「希望」は何だったのか?
クラスのスターである同級生・のぞみとの接点を通じ、二人の少女が抱えた絶望と尊さが彷彿とさせられる構造設計が見事だ。
・刑事「仲田蛍」の視点によって浮かび上がる社会の闇。物理的証拠だけでは心に迫れない現実が、憶測と想像のレイヤーを通じて浮上し、制度の限界や支援の不在に光を当てる。
・この物語は「希望という言葉が使えた夜の裏で、何が失われていたか」を静かに問いかける。その問いを自分ごととして受け取ることこそ、リーダーや組織戦略に必要な感度の構築につながる。再読するたびに、深く余韻を残す――まさに大人が読むべき文学的ミステリーである。
希望が死んだ夜に (文春文庫) [ 天祢 涼 ]
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