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FIIOから発売された、ドングルタイプのUSB-DAC/Amp、KA17を購入したのでレビューしてみます。個人的にはAKM製DAC搭載のQ3を購入して以来、久しぶりのFIIO製DAC/Ampです。 外観背面。解码和耳机功率放大器の文字が中華っぽさを感じさせますポータブルのドングルDACとしてはやや大きめのスティックタイプで、ディスプレイとX状のプレスラインが印象的です。FIIOのポータブルデバイスはこの数年、プレーンなデザインからこうした方向性に転換していて、ガジェットっぽさも感じさせつつ、プレスラインやボタン形状の角度を揃えているあたりはステルス航空機のような統一感を感じさせるものになっています。入力はUSB-C、出力は4.4mm Bal/3.5mm SE(S/PIDF兼用)。ボリュームボタンの他、個人的に購入動機の一つになったDT(デスクトップ)モードスイッチや、外部給電用のUSB-Cポートが配置されています。 仕様DACはESS製E9069Qを2基、アンプにはFIIOお馴染みのTHX AAA 78+を採用。USB入力にはXMOS XU316だそうです。出力はバスパワー駆動の場合、300mW(Bal)/140mW(SE)ですが、デスクトップモードを使った場合、650mW(Bal)/270mW(SE)※いずれも32Ω としています。フォーマットは最高でPCM32bit/768kHz、DSD512、MQAに対応(レンダラーかフルデコ―ドか良く分かりませんでした)。多機能なドングルになっていて、8種類のデジタルフィルター、10種類のイコライザ、2段階のゲイン切替、2段階の音量分解能切替、USB-1.0/2.0切替、3.5mmジャックからのS/PDIF出力(最高24bit/96kHz)など、コンパクトな筐体に結構詰め込まれています。デバイスに接続しなくても、外部給電がされていればこれらの設定は単独で変更できます。できれば外部給電とデスクトップモードは常に使いたい機能 音質(個人の感想です)初めに書いておくと、デスクトップモードONはOFFの状態から劇的な音質向上がなされるわけではなく、あくまでも第三のゲイン、副変速と思っておくくらいでちょうど良いと思います。ハイゲインでも音量が取れなければ、外部給電を繋いでデスクトップモードをONにするという使い分けのほか、バスパワー以上の安定供給を期待して最初からデスクトップモードを使っても良いと思います。ちなみに十分な電力が供給できるUSBポートなら、この専用ポートを使わなくてもデスクトップモードは有効になります。KA17の音質は、やや寒色系の音色にダークな艶が加わって、一聴すると暖色系に転換してきたか?と思わせるものに聞こえます。よくよく聞きこんでみると目指したのは中庸では…?と思える仕上がり。もう少し丸さというか、瑞々しさが欲しくなりました。音像は繊細すぎないだけの太さはあり、やや硬めの印象で、とりたてて厚みのある音とまでは言えません。音場は意外と広く感じられ、それでいて見晴らしはやや甘いようにも感じましたが、ドングルサイズなのでコストやクラスを超えた音質はそもそも難しいでしょう。特にポータブル環境では広い音場に音が点在するよりも、やや狭い音場で音が整列している方が騒音が気になりにくいのではと思います。THD+Nがあまり良くない機種はホワイトノイズなどが気になってしまう場合がありますが、KA17はSEでもTHD+Nが0.002%と優秀だからか、Live音源や古い音源などで聞こえることのあるような、バックグラウンドのサーっという音はあまり聞こえません。もちろん録音に含まれていれば聞こえますが。 デジタルフィルターとイコライザKA17はアプリなどを必要とせず、デジタルフィルターやイコライザも変更することができます。ひと押しするだけで低音増強をしたりクロスフィードを調整するようなボタンはありません。ストリーミング音源でもハイレゾが多くなり、以前よりもデジタルフィルターを選べる恩恵は減ってきたように思いますが、それでもお気に入りの曲がハイレゾでない場合は選べることにありがたさを感じます。↑ファームウェアver0.84の頃KA17では初期状態がFASTで、他にはSLOW、MINI、MINI-S、APODISING-1/-2、HIBRID-F、BRICKの8種が用意されています。個々の詳細は見つけられませんでしたが、ES9069Qのデータシートを見つけられれば、ある程度類推できそうです。個人的にはなんとなくAPOD-1を選んで落ち着いていますが、MINI-Sもよさそうな気がします。さすがに8種類もあるとどれが一番いいのか決めかねます。ちなみにNOSは用意されていないようです。イコライザはOFFで聴く派なのですが、一応紹介するとOFFの他に、JAZZ、POP、DANCE、ROCK、R/B、CLASSIC、HIP-HOPがあり、更にUSER1/2/3の枠も用意されていますが、これはアプリなどが必要のようです。追記:ファームウェアver 0.99がリリースされ、早速アップデートしました。デジタルフィルターはリネームされ、初期値はMIN、以降はFAST-A、FAST、FAST-R、SLOW、MIN-F、MINI-S、MINI-SDという名称です。イコライザはOFFから順に、BYPASS、JAZZ、POP、DANCE、ROCK、R/B、CLASSIC、HIP-HOP、USER1/2/3です。BYPASSというのが新しく増えましたね。MQAとDSDはイコライザOFFの状態でのみ再生されるようです。 その他パッケージの底にはマニュアルと一緒にUSB-Cポートのキャップが入っています。見逃さないように注意してください。Lightning to USB-Cケーブルは付属していないので、別途FIIO LT-LTシリーズなどのケーブルが必要になります。付属ケーブルではなくLT-LT1というLightning to USB-Cケーブルを使っているのですが、再生中に曲の中で必ずとまでは言えないものの、微かにポップノイズのようなものが聞こえることがあります。大音量のノイズではありませんが、聞こえると興ざめしますし、ハイレゾ曲でなくても聞こえるので、ファームウェア更新で解消されるなら対策版を出してほしいですね(記事作成時点のファームウェア:Ver0.84)。まぁ、非付属品を使っているので強くは言えませんが。追記:ファームウェアver0.99を適用後、このポップノイズは聞こえなくなりました。追記:4月後半に入り、Ver1.16がリリースされ、すぐさま2.00に公開が切り替わるなどあわただしい展開がありました。曲送り/戻し操作が加わり使いやすくなっています。【Firmware】FIIO KA17 Ver 1.16を適用してみた(そして2.00へ)| そゆぶろ - 楽天ブログ3.5mm(SE)に4極グラウンド分離端子(Φ3.5mmだが4極あるもの。試したものは先端からL+/R+/L-/R-)を挿してみると、片チャンネルだけくぐもったような鳴り方で使えなかったので、同様の端子にリケーブルしている方は事前に試聴してみるなど確認した方が良いと思います。FIIO KA17 USB DAC アンプ楽天で購入今回、久しぶりのFIIO製DAC/Ampを購入してみました。ポータブルとデスクトップのエントリーモデルとの境界に位置するような製品なので、それぞれに専用のものを購入する予算は無いけれど、どちらのシーンでも使いたいというユーザーや、デスクトップ用になるべく小さくて、充電が要らないDAC/Ampがほしいというニーズを取り込めるかもしれません。他にもS/PDIF出力で小型DDCとして使うなど、いろんなニーズに応えられる製品ではありますが、機能を拡充していくとどんどん上位機種との境界があいまいになり、だったら上位機種(バッテリー付きのポータブルDAC/Ampなど)でよいのでは・・・と迷ってしまうこともあるでしょう。有線が煩わしいと感じるなら、音質は犠牲になるかもしれませんがBluetoothレシーバータイプもあります。KA17の価格や出力は正にそんなゾーン、つまりいろいろなジャンルのセンターに近い位置にあると思うので、評価の主軸によってちょうど良いとも、中途半端ともなりそうです。迷っていたり、逆にオーディオ熱がひと段落して、コンパクトなモデルに集約して落ち着きたい有線派ユーザーにも良いかもしれません。私としては普段はデスクトップで省スペースドングルとして使って、たまに持ち出すような使い方になりそうです。ポータビリティ優先の時はBluetoothレシーバーや他のドングルを、音質優先の時は据置機やポータブルDAC/Ampを使います。
2024.02.27
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ドラゴンタトゥーの女 のタイトルでハリウッド映画が製作されたこともある、スウェーデン発のミステリ小説、ミレニアムシリーズ(Millennium)に、新作である7の上下巻日本語訳が発売予定のようです。ミレニアムシリーズはもともとスティーグ・ラーソンという故人による作品ですが、実際にラーソン氏が執筆したのは1~3まで。氏が亡くなった後、同国のダヴィド・ラーゲルクランツ氏によって4~6が執筆されました。ミレニアム7 上 鉤爪に捕らわれた女 [ カリン・スミノフ ]楽天で購入ミレニアム7 下 鉤爪に捕らわれた女 [ カリン・スミノフ ]楽天で購入今回はまた別の作家、カリン・スミノフ氏の執筆によるもの。欧米では昨年からいくつかの言語版が出版されていたようですが、この日本語訳版は4月5日に発売予定。出版元は今まで通り早川書房さんのようです。原作者が既に故人であるという事情があるので仕方がないことですが、2000年代に出版された作品が作者を変えながらもストーリーを紡いでいく様子は、不思議な感覚を覚えます。個人的に発売が待ち遠しい小説の一つです。
2024.02.20
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FIIOからまたまた新製品の発売情報です。FIIO KA11楽天で購入FIIO KA11はケーブル直結の、KA17は着脱式のUSB-DAC/Ampドングルで、KA17の方がより充実したスペックを備えた構成になっています。手軽なのはKA11で、もっと多用途に使いたい場合はKA17の方が良さそうです。給電専用のUSBポートも搭載されている面白いモデルです。FIIO KA17 Black 楽天で購入どちらも発売は2月23日、あと少しですね。
2024.02.17
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以前から気になっていた、ネット上の評判がなかなか良さそうな折りたたみタイプのキーボード、MOBO Keyboard 2を購入してみました。というのも、愛用のキーボードのひとつにドリンクをこぼしてしまったので、緊急で必要になったからです。そんな経緯で思いがけず使い始めたのが1月の後半。しばらく使ってみたので、いつも通りレビューしてみます。MOBO AM-K2TF83J/BKG Bluetooth(R)キーボード MOBO Keyboard 2 ブラック・グレー楽天で購入 外観MOBO Keyboard 2は三つ折りタイプの折りたたみキーボード。今回購入したのはブラックで、内外装のフレームは黒、キーキャップのみグレーという配色。外装にはアルミを採用しています。付属品にはデバイスのスタンドとしても使えるケースとUSB-C to Aケーブルがあります。キーボード単体の重量は約290g、展開した時の横幅は約29cmで、パンタグラフ式のコンパクトキーボードとしては一般的なサイズ感でしょうか。ケースとキーボードを使う時はこんな感じでセットします キー配列英語(US)配列が多い折りたたみタイプの中で、MOBO2はごく一般的な日本語配列を採用するちょっと珍しいキーボードです。キーピッチは概ね19mmを採用していて、エンターキーに隣接する記号キーはサイズ・ピッチが縮小されているのですが、これはノートPCなどでもよくあるデザインです。個人的にはこのエリアでも19mmピッチを維持してほしいです。打鍵時の違和感もそうですが、小さなキートップに所狭しと印字された日本語配列・英語配列のキーアサインはちょっと見づらいですね。とはいえ印字は慣れれば見なくなりますし、私自身、普段からこのサイズ感で慣れていれば、特に不満を感じることもなかっただろうと思います。サイズはともかく、配置は一般的ですFnキーは多くのキーボード同様Ctrlの右隣に置かれ、省略されたキーを一部のキーとの同時押しでサポートしています。他にもバッテリー残量の他、接続機器の切り換えなどにも使用します。意外なのは左右にFnキーを配置している点で、たいていここには右Altキーを置いたりアプリケーションキーが置かれていると思いますが(MOBO2ではFn + 右Ctrlで入力可)、アプリケーションキーはマウスの右クリックを使う人がほとんどでしょうし、キー単体で置くならFnキーの方が有用との判断でしょうか。充電残量の確認やBluetoothチャンネルなどを示すLEDは上部に集められています。先ほどの批判と矛盾するようですが、MOBO2が優れている点の一つに、折りたたみタイプにありがちな、メインキーに不自然なピッチやサイズ、分断が無いことが挙げられます。折りたたみタイプには折り目に隣接するキーの横幅を変速的にしたり、スペースキーに至っては分断したりなど、一般的なキーボードとは違ったバランスになっているものも少なくありません。中にはそういった制約を逆手にとり、人間工学的な配列を採用したとするものもあります。その点MOBO2は一般的なキーボードの配列を維持できていますね。折り目がキーボード中央にないので、スペースキーも分割されていません。 折りたたみ機構折りたたみの機構は、モバイルキーボードとして可搬性や収納スペースの点でメリットがある反面、打鍵感や耐久性にはデメリットとなりやすい機構だと思います。メンブレンシートの設計にも制約が発生するのか、マニュアルにはキー3つの同時押しで実行するアクションについて、注意書きがありました。開閉動作の中でキーボードの隙間を見てみると、[Z] / [X] と [ . ] / [ / ]キーの下層にフレキケーブルがあり、確かに設計上の制約はあるようです。通常の有線キーボードではこうした内部ケーブルを繰り返し曲げることはなく、消耗するのは接点やキー印字、USBポートくらいのものです。ヒンジのピンはF3 / F10 / 左Alt/ 右Fnの近くにあり、タイピングの癖によっては指先に触れてしまいそうです。特に左Altキーを親指で押すスタイルの人ですね。私自身、Alt + Tabとかよく使うので、気になります。逆の捉え方をすれば、ヒンジの突起を触れれば確実に左Alt、右Fnに指を置けそうです。スペースキーの手前はフラットになっているので、頻繁に使うスペースキーの打鍵感は悪くありません。折りたたみキーボードではフレームの凸形状が打鍵時に気になることもあるので、店頭にせよネットにせよ、選ぶ時には注意したいところです。キー入力自体の耐久性はMOBO2は300万回とされていて(最大なのか、最低なのか分かりませんが)、折りたたみではない、メンブレンシートを採用するキーボードで1000万回を謳うものとは開きがあります。静電容量式やメカニカル、光学や磁気タイプのキーボードでは3000万~1億回の耐久性を誇るキーボード市場にあって、折りたたみキーボードは耐久性にはある程度の割り切りは必要ですね。コンパクトにたためるメリットとのトレードオフです。只でさえ稼働部品の多い構造ですから、ヒンジに無用な負荷を与えないためにも、左右の支持パーツは忘れずに使いましょう。使うことで端のキーを打鍵した時の安定感が違います 打鍵感パンタグラフ式のモバイルキーボードとして、なかなか良好な打鍵感だと思います。キーストローク、打鍵感ともノートPCのそれに近く、優しくタイピングしていれば打鍵音や底打ちの反力はあまり気になりません。キー配列の項で書いた記号キーのサイズやヒンジの突起は少々気になりますが、割り切ってしまえば許容範囲内という印象です。とはいえ、それは折りたたみ式であればこそ。頻繁に使うキーボードとしては不満が残ります。安定した平らな場所に置いて使う分には不満は少ないのですが、折りたたむ煩わしさはありますし、不安定な場所で使おうとすると剛性不足を感じてしまいます。通常のキーボードなら分割されることのない外装や内部の補強板が、折りたたみ構造のために分割されてしまっているので仕方のないことではあります。 その他Bluetoothのペアリング枠は2台あり、この他にUSB-Cポートによる有線接続・充電に対応しています。モバイルで複数台に接続することは少ないと思いますが、充電残量が心許ない時に有線で使えるのは安心感があります。OS最適化は接続時に自動的に行われるようで、キーの印字にその割り当ては見当たりません。とはいえ、接続先のデバイスによっては101キー(ANSI)/109キー(JIS)の指定が必要なケースはあるようです。パッケージに ”やっぱりEnterキーはこの形” とキャッチコピーをつけている通り、かなりJIS配列の使い勝手を意識した配列だと思います。ホームポジションに指を置くと、左手親指はスペースキー中央に、右手親指は変換キーに沿うように設計されています。ただ、無変換キーはフレームの凸形状が近くにあり、親指で打鍵すると気になりますね。普段は堅牢なキーボードを好んで使っていますが、このMOBO Keyboard 2は折りたたみタイプでありながら打鍵感は悪くなく、いい意味で思い込みを覆してくれました。気になる部分もあるものの、緊急用としてはもちろん、滞在先などでもある程度快適に使えるモバイルキーボードだと思います。MOBO AM-K2TF83J/BKG Bluetooth(R)キーボード MOBO Keyboard 2 ブラック・グレー楽天で購入
2024.02.11
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