アナログレコードではここからB面。 「Deep In The Motherlode(邦題:金脈)」はミディアムテンポ(ブルーステンポと言うそうだ)でマイクのギターが凄くカッコいい曲。 なるほど今ジャケットのクレジットを見たらマイクの作曲だった。 後半の彼のギターはまるでゴジラの吼音のような凄さがある。
7曲目は「Many Too Many」。 トニーのグランドピアノが奏でる切ないラブソング。 それにしてもト二ーの音の使い方には恐れ入る。 そしてマイクのギターソロも美しくそのままフェイドアウトしていく。
10曲目の「The Lady Lies(邦題:謎の女)」はこのアルバム中最も毛色の変わったナンバー。 途中の8分の6拍子は心躍りますね。 ちょっとナイトクラブ風のトニーのウネウネしたシンセソロも今までのジェネシスにはなかったアプローチである。 またドラムパターンやパーカッションの使い方にも新しい意欲が見られる。 オルガンの音色も気持ちいい。
アルバム最後を飾るのは大ヒット曲「Follow You Follow Me」である。 このアルバムが出来る前にフィルが「シングルヒットを出したい。」とインタビューで答えていたのだが、まさかこんなにもヒットするとは自身も予想してなかったのではないか? 軽いタッチのリズムに優しいボーカルが囁く…それだけでもう充分である。 これでヒットしないわけがない(断言! っていうかヒットしたから ^^;)。
こうして改めて聴き直してみるとやっぱり今回脱退したスティーブ・ハケットの存在の大きさを感じる。 もちろんその前に脱退しているピーター・ガブリエル(Vo.)の存在も大きいものだったが、ジェネシスという「ライブパフォーマンスNO.1」という称号を得た巨大プログレッシヴロックバンドとしては若干の寂しさも感じつつも、それでも新たな方向性を見出したこの「そして三人が残った...and then there were three...」のロック史における歴史的重要性を認識せざるを得ない、という結論に至った。