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2019.04.13
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カテゴリ: ミステリー小説
杉村三郎シリーズの1作目だということで取りあえず読んでおくかと図書館本

暗い、暗い、と云ひながら 誰か窓下を通る。
室内(うち)には瓦斯が灯り 戸外(そと)はまだ明るい筈だのに
暗い、暗い、と云ひながら 誰か窓下を通る。 西條八十 詩集『砂金』より

​●冒頭の詩は、何やら暗く重い感じ、「宮部みゆきワールドやなあ~」という感じだったのだけど、読みはじめると「えっ?予想と違うじゃん!宮部みゆきってこんなゆるい感じの本も書くんだ!」と意外だった。とは言え、確かに人が死ぬわけだし、過去にも人が死んでいるし、姉妹の三角関係ドロドロ感情もあるので決して軽い内容ではなかったのだけど・・・今まで読んできた宮部作品の中では軽すぎて異質な感じ。守備範囲が広いといえるのだろうけど、自分が宮部さんの現代小説に求めるのはもっと暗くて重いテイストだったので、好みかどうかというと微妙な感じ。(ちなみだけど宮部さんの時代小説では「弧宿の人」が最高傑作だと思っている。)​

●主人公の杉村三郎が煮え切らない感じだし、いろいろ共感できないっぽい。奥さんの菜穂子がコンツェルン総帥の娘であったり、設定がそもそもあまり共感できないのかもしれない。
〇子供はすべての暗闇にお化けの形を見出す
●聡美の幼いころ誘拐された記憶、実は誘拐ではなく、ある女性が殺してしまった父親を始末するために父と母が留守にしている間の出来事だった。犯罪の臭いがしたのかもしれない。

〇身体のどこか別のところ、衣服の下に隠された、小さいが深い傷口から漏れ出てくるような声だった
●文学的表現といっていいのかどうかわからないけど、宮部みゆきらしい描写だと思った。

●宮部みゆきさんは、ある対談で「まずタイトルを決めないと小説が書けない」「いいタイトルが決められなくてお蔵にした作品もある」と言っていたほど、タイトルを大切にする作家である。
●タイトルの「誰か」とは文字通り誰なのか?義父のお抱え運転手梶田を自転車でひき逃げした犯人の子供のこと?それとも過去に秘密があるらしい亡くなった運転手自身?運転手の長女聡美の幼い記憶にある誘拐犯?次女梨子に脅迫電話をかけてきたやつは誰だ?っていうのもあったけど・・・

●この感想を書きながら「そうだ、これは宮部みゆきのラノベっぽい小説なんだ!」と一人納得したのであった。読みかけの小暮写真館もそういうジャンルのような気がする。





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Last updated  2019.04.13 23:10:29
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