ある後追いファンが語る河合奈保子さん

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2024.10.06
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カテゴリ: 河合奈保子
河合奈保子さんのセカンドアルバムは「TWILIGHT DREAM(トワイライト・ドリーム)」です。Wikipediaの記載は「トワイライト・ドリーム」とカタカタ書きになっており、ものによっては「Twilight Dream」と表記されることもありようですが、私の手元にあるアルバムジャケットと帯の表記は全部大文字なので、とりあえずこれに従います。リリースは1981年5月10日、このアルバムからピクチャーレーベル仕様となり、LPの両面には爽やかな笑顔の奈保子さんがプリントされています…といっても、私はLP盤を持っていませんので、全LPのレーベル面が収録された「Naoko Premium」のブックレットで確認しています。
このアルバム「TWILIGHT DREAM」も、ファーストアルバム「LOVE」と同様にマイナーへの転調を含む曲が多く、「そしてシークレット」のようにそもそも基本がマイナー調の曲もあれば、「イチゴタルトはお好き?」のように一見ちょっと(かなり)お花畑系の曲も途中に転調があったりして、後追いファンである私にとっては、そういった面のほうがむしろ魅力的に聴こえるところです(というか、基本的に自分の好みがマイナー調ということなのですが…)。ストレートに明るい曲は、LP盤でB面冒頭の「ハートはもう春」くらいでしょうか。
アルバム冒頭の曲は河合奈保子さんの3枚目のシングル「愛してます」ですが、シングル版と異なり、冒頭に波の音が入っているのが特徴です。それと対をなすのがアルバム最後の曲「Twilight Dream」で、この曲は、ひとつ前の曲「ふたりのWonderland」が終わるとそのまま波の音が入って曲が始まり、アウトロも波の音に消えていくようになっています。つまり、アルバム全体が波の音に始まり、波の音で終わるように構成されています。
この終曲「Twilight Dream」、河合奈保子さんの曲としては初めての本格的なバラードで、Dメジャー(ニ長調)のいわゆる「3連バラード」です。元の譜面がどのように書かれていたかわかりませんが、私には12/8拍子に聴こえます。たいへん抒情的な曲で、再び竹内まりやさんには申し訳ないのですが、同じ3連バラードである「けんかをやめて」よりも「Twilight Dream」のほうが私は好きです(奈保子さん自作の「想い出のコニーズ・アイランド」とか「悲しい人」もよいですが)。「Naoko Premium」の解説によると、ご本人も初めてのバラードであるこの曲がお気に入りだったようです。
季節の移り変わりの中で、「愛を見送った」少女の姿を描いたこの曲の清澄な美しさは比類のないもので、「私が好きな河合奈保子」で10番目に収録されている(投票順位としては9位タイ)のも納得です。アレンジはシンプルで、ギターのアルペジオをから始まり、ストリングス、ベースなどが加わりますが余計な装飾を排し、奈保子さんの歌声が引き立つようになっています。基本的に船山基紀さんがアレンジを担当したアルバム中、この曲だけは作曲者の馬飼野康二さん自身が編曲も担当していますが、とても良い仕事をしてくれたものです。作詞は先年亡くなった三浦徳子さん、いまさらですが「徳子」は「よしこ」と読むそうです。
バラードだから当たり前、といえばその通りですが、この曲では初期の奈保子さんの歌い方の特徴であるいわゆる「はねた」歌い方を封印し、真っすぐな、としか形容のしようが無い歌い方をしています。この曲での奈保子さんの歌い方について、細かく分析したり解説したり、といったことは素人の私でも頑張ればできないことはないのですが、そのような試みがまったく余計な夾雑物にしかならない、ということを感じさせる純粋さがこの曲の魅力でしょう。ただ、この曲でも、奈保子さんのことばの発音がとても綺麗であることは、強調しておきたいと思います。
「​ 悲しみのアニバァサリー ​」でも同じようなことを書きましたが、「Twilight Dream」もまた、ただその歌声に静かに耳を傾けて聴けばそれでよい、そんな曲です。

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最終更新日  2024.11.15 20:12:10コメント(0) | コメントを書く
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