ある後追いファンが語る河合奈保子さん

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2024.10.06
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またいきなり別ジャンルの話ですが、旧ソ連の作曲家ショスタコーヴィチの話です。私のニックネームについている「DSCH」、そのスジの人が見たらすぐわかるのですが、ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチのドイツ語表記( D mitri Dmitrijewitsch Sch ostakowitsch)の頭文字を取ったものです。続きの SKYPARK は河合奈保子さんのファンの方には説明不要かと思います。で、ショスタコーヴィチはこの DSCH を音名に読み替え「レ(D)ーミ♭(Es=S)ード(C)―シ(H)」というモチーフにしてしばしば自らの曲に使いました。中でも弦楽四重奏曲第8番と交響曲第10番は有名です。私はかってにこの「DSCH」を自分のニックネームに使っているというわけです。

ショスタコーヴィチはロシア第一革命直後の1906年に生まれ、幼少時からピアノと作曲に天賦の才能を示し、わずか13歳でペトログラード(その後のソ連時代はレニングラード)音楽院に入学、音楽院の卒業制作として19歳の時に作曲した交響曲第1番が高く評価され、生涯に15曲の交響曲と、同じ数の弦楽四重奏曲をはじめとする多数の作品を残しました。1936年にオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』が『プラウダ』紙上で批判され(その記事はスターリン自身が書いた可能性が高いとも言われます)、第二次大戦後はいわゆる「ジダーノフ批判」によって一時職を失うなど、何度か窮地に立たされながら、終生ソ連で作曲活動を続けた人物です。
そのショスタコーヴィチについて語る際、しばしば引き合いに出されるのが、ソロモン・ヴォルコフ著『ショスタコーヴィチの証言』(以下『証言』と記します)という本です。この『証言』に関しては、出版直後から主に英語圏、というかアメリカとイギリスで真贋論争が起こり、今に至るもはっきり決着がついたとは言い難い状況です。論争の内容についてはWikipedia「ショスタコーヴィチの証言」の項にて概略を知ることはできますが、この問題に関する論文や文献は批判派、擁護派によるものいずれも邦訳されていないものが大半で、日本では一般(のショスタコーヴィチ好き)には「なんか『証言』は贋作っていわれてるらしい」ぐらいの認識かと思われます。

先に「英語圏」と書きましたが、実はアメリカやイギリスを除いた欧州ではそもそもこの問題に関心が低いというような話もあり、日本もそれに近いかもしれません。しかし、ヴォルコフはその後も「ショスタコーヴィチとスターリン」という書籍を刊行しており、これをロシア文学者として有名な亀山郁夫氏が翻訳しているような状況もありますので、『証言』の問題について、できるだけ正確な理解を持つことは、すくなくともショスタコーヴィチマニアという、世間一般からすれば極めてニッチな層にとっては必要なことだと思います。

また『証言』以外にもショスタコーヴィチに関する海外の文献は豊富にあるのですが、邦訳されているものは非常に少なく、やはり亀山氏の翻訳によるソフィア・ヘーントヴァ著『驚くべきショスタコーヴィチ』と、ヴォルコフ批判の先陣を切ったローレル・ファーイ著『ショスタコーヴィチ ある生涯』くらいしかなく、しかもこの両書とも絶版で入手困難な状況となっています。ちなみに亀山氏は自身で『ショスタコーヴィチ 引き裂かれた栄光』という著作も書いています。

そこで、たいへん困難ではありますが、私の貧弱な語学力をなんとか駆使して、ショスタコーヴィチおよび『証言』に関する文献や研究について、今後少しずつ紹介していきたいと思っています。なお、ファーイの著作は英語版はKindleで入手できますので、英語が読める方はこちらをおススメします。ほかに、ショスタコーヴィチの伝記として比較的簡易なものとして、英国ブリストル大学の教授Pauline Fairclough著 "Dmitry Shostakovich (Critical Lives) " もKindleで入手可能です。

といっても、河合奈保子さんに関する記事メインでやっていくつもりではあります。





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最終更新日  2024.10.09 23:14:49
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