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皆さんはロバート・バーンズという詩人をご存知だろうか?スコットランドを代表する国民的詩人であり、日本でも親しまれているスコットランド民謡「蛍の光」の作詞者でもある。酒と女におぼれ、37才にして極貧のうちに夭折したこの詩人は、とにかくスコットランド人にとっては特別な存在らしい。1月25日のロバート・バーンズの誕生日の前後には、こちらでは「バーンズ・サパー」「バーンズ・ナイト」などのイベントが開かれる。スコットランドだけかと思いきや、世界中のあちこちで行われているらしく、日本でも行っている団体がある。スコットランド名物料理のハギスを食べ、スコッチウイスキーで乾杯し、ロバート・バーンズの詩をジョークを交えながら朗読する。そういう趣旨のイベントである。先日、友人からそういう「バーンズ・ナイト」の一つにお誘いをいただいた。こちらは「バーンズ・ボール」ということで、正装してでかけるフォーマルな晩餐会&舞踏会、ということらしかった。おお!舞踏会ですと!期待は一気に膨らむ。外国人として、そういう正式な舞踏会を見る機会など、めったにあるものではない。とにかく、これは何をおいても見に行かねば。とりあえず、一張羅のフォーマルドレスも持参してきたし。やはりヨーロッパではフォーマルは必需品だ。え?社交ダンスはできるのかって?そんなん、できるわけないでしょ。でも、心配ご無用。舞踏会といっても、なにしろここはスコットランド。こちらでダンスといえば「ワルツ」でも「タンゴ」でもない。「ケーリー」と呼ばれるスコットランドの民族舞踊だけなのだ。ステップはとってもカンタン。要は小学校で習ったフォークダンスに毛が生えたぐらい、と思っていただいて間違いはない。しかもフォーマルというのは・・・こちらスコットランドでは、タータンチェックのキルトを意味する。そう、スコットランドの正装であるキルトのスカートに身を包んだ男性と踊るのである。あっ、そこのあなた!いま、「えぇ~、スカァトォォ?」とかいって馬鹿にしたでしょ!私も初めてスコットランドは来て、スカートをはいて歩いているお兄さんとすれ違ったときはショックを受けた。でも見慣れてくると、これがねえ。なかなかに華やかで、かつセクシーなんである。おそらく男性の民族衣装としては、最も華麗でかつエレガントなもののひとつではないか、と今では私は思っている。タータンの柄は、自分のクラン(氏族)の紋章のようなものなので、彼らはこの衣装を着ることにとても誇りを持っている。しかも!彼らはスカートの下には何もはいてない。・・・いや、はいていないはずだ。少なくとも正式には。実際にはパンツをはいている人が殆どだろうけれど、「可能性」は捨てきれないのである。つまり、お相手の男性がノーパンだ、という。ちょっとドッキリでしょ?その男性がスカートのすそを翻して踊っている姿を想像していただきたい。もしも、それが若くて逞しい男性だったとしたら・・・?ね?とにかくそういうわけ(ってどういうわけだよっ!てツッコミが入りそうだが)で、スコティッシュの民族衣装に身を包んだ男性と踊るとしたら、やはり「ケーリー」と決まっているのである。それ以外はない。「ワルツ」だの「タンゴ」だのという展開にはどうしたってならないのである。さて、男性があくまでも女性の引き立て役に徹する洗練された社交ダンスと違い、ケーリーでは、男女は全く対等だ。しかも美しさとか、エレガンスだとか、全く関係なし。とにかく体力のゆるす限り、めいっぱいエネルギーを使って踊る。そう、フォークダンスを10倍激しくしたカンジ?それがケーリーだ。始めは馬鹿にしていても、踊ってみると、これが意外に楽しい。いや、実に楽しい。子供に戻った気分。みんなでワイワイ、とにかく手をつなぎ、腕を組み、走ったり回ったり、足を踏み鳴らしたり。難しいことは何も言わない。気取ったことも何もしない。いっぱい汗を流し、ただ単純に楽しめる、そのシンプルさがいい。ということで、ハギスとワインとウィスキー、そして気の良いスコットランドの人々にほだされて、真夜中すぎまで踊って踊って踊りまくった、めくるめく?スコッティッシュな夜であった。その夜の最後のしめくくりは、みんなが輪になって手をつなぎ、互いの友情を確認しあう「蛍の光」(Auld Lang Syne)の合唱。いろいろなイベントの終わりにこの歌が歌われるのは、日本と同じだが、意味するところが多少違うようだ。日本では別れの歌のイメージが強いけれども、こちらはむしろ友情を確認しあう歌。この歌を歌いながら、私はこの「バーンズ・ナイト」の意義がはじめて分かった気がした。それが、ハギスとウィスキーとバーンズをキーワードに、世界に散らばったスコッツたちが絆を確認しあう場なのだ、ということを。
2005年01月28日
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ヒルトンとかシェラトンとか、ウェスティンなど、世界的な規模で展開されている超一流ホテル・チェーンがある。日本でもおなじみのこれらのホテル・チェーンは、たいていはアメリカ系だ。こうしたホテルに泊まれば、ゴージャスで質の高いサービスが約束されるのは確かだ。さらにこれらのホテルのメンバーになると、さまざまな特典が用意されており、世界中をVIP待遇で泊まり歩くことができるようになっている。確かにその魅力は捨てがたいし、ハワイ始めアメリカ国内とか、発展途上国、あるいは空港近くで宿泊しなければならないような場合には、こうした一流ホテルなら間違いはないし、安心だ。しかし魅力的なホテルが山ほどあるヨーロッパで、ともすれば近代的でゴージャスだが個性に乏しいホテルとなってしまうことの多いアメリカ系のチェーンホテルをあえて選ぶ必要はないだろう。折角ヨーロッパに来たならば、ぜひヨーロッパならではの味わいのあるホテルに宿泊したいものである。しかし。訪れたことのない土地で、間違いのないホテル選びをするのはかなり難しい作業である。オンラインでいろいろ検索してはみても、サイトにはいいことしか書いていないし、結局はわからなくて途方にくれてしまうこともしばしばだ。そういうときに、ひとつの目安を与えてくれるのはやはりホテル・チェーンなのである。同じチェーンでも、特徴のあるインデペンデントなホテルを集めたチェーンとか、古城ホテル系のチェーンとか、それぞれクオリティ基準と特徴とを打ち出しているので、そういうものを参考にしよう。例えば、4-5星クラスでDe Vere Hotel系のホテルに泊まったことがある。http://www.devereonline.co.uk/。ロッホ・ローモンド湖畔のDe Vere Cameron Houseというホテルで、古い貴族の城館をホテルにしたリゾート系のホテルである。 全くの飛び込みで入ったのだが、子供連れにもとても親切で、私たちは大変満足した。スコットランドのタータンチェックを多用したインテリアも素敵なら、ローモンド湖に面した広大な庭園もすばらしい。そして何より、スイミングプールやジャグジーの使用料が料金に含まれているので、子供たちには最高だった。こういう高級ホテルは子供づれではゆきにく場合が多いが、リゾート系だと意外に子供たちに寛容であるのも発見だった。このホテルチェーンは、英国国内の風光明媚なところに位置していて、いずれもゴージャスなプール付きの古城ホテルである。なるほどこの系列ホテルに宿泊すれば常にこの品質のサービスが受けられるのだな、と思った。日本ではほとんど知られていないような、こういうチェーンは他にも色々あるようなので、オンラインのホテルディレクトリなどで調べてみると面白いだろう。3っ星レベルで、ヨーロピアンな特色を打ち出しているホテルチェーンで有名なのは、ベストウェスタン系である。もともとアメリカ系のチェーンらしいが、インデペンデントなホテルのチェーンなので、それぞれとても個性的なホテルばかりだ。3つ星ながらレベル的にはかなり高く、趣のある佇まいの由緒あるホテルが多い。古城ホテルとか、プールつきのリゾートホテルなどもある。http://www.bestwestern.co.uk/また、南仏のアルル近郊で泊まったホテルも面白かった。観光案内所でたまたま紹介してもらったのだが、Silencehotelsという系列のホテルであった。http://www.silencehotel.com/embperl/multilingue/index.htmlこれは静かな郊外型のホテルで、田舎の空気とのんびりと静かな休日を楽しみたい人むけのホテル系列である。このように、ヨーロッパならではのホテルチェーンがあるので、迷ったときはこういうものを参考にしてみるのもよいだろう。尚、特にディスカウントのあるホテルを探したいひとむけには、Lastminute.comというサイトがおすすめだ。ホテルだけでなく航空券の割引料金も出していて、直前でもかなり安いチケットが買えたりまた一流ホテルの割引などが受けられるので重宝する。イギリスでは駅や空港などにカウンターも設けていて、観光案内所に取って代わる存在になりつつある。
2005年01月20日
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旅のことを書くために始めたホームページだ、ってこと、すっかり忘れてました。で、今日は久しぶりに本題に戻ります。今日は、航空券の話題。題して、「憧れのパリ、ローマへ無料でゆけちゃう方法!」なんか、ヤフオクなんかでよく売ってる何かの裏技情報のうたい文句、みたいでしょ。でも、これは別に裏技なんかじゃなくて、こちらに住んでいる人なら誰でもが知っていること。日本にいると案外そういう情報も入ってこないようなので、今日はそのことについて書いてみようと思う。ごめん、まずこれは日本からパリ、ローマというというわけではなく、例えば私ならエジンバラから、ということなのでそのことはご承知おきくださいませ。最近は日本でも、時期によってはとっても安いチケットが手に入るようになってきたが、欧米に比べると、国内外を問わず、まだまだ高いって気がする。日本を除くすべての国では、実は航空券はものすご~く安くなっている、ていうこと、知ってました?航空券だけでなく、実は国際電話の料金もものすごく安い。日本人はコスト意識が甘いので、ずいぶんいろんなところで売り手のいいなりに買わされてる、という感じがするのが悔しい・・・さて、あなたはローコストエアライン、またはバジェットエアラインという言葉を聞いたことがあるだろうか?有名なところでは、ライアンエアーとか、イージージェットとかがある。遠距離は飛ばないが、EU内でちょっとパリやロンドン、ローマなどに足を伸ばしたい、と思ったときに重宝する。日本ではスカイマークがそれを目指したけれど、結局、大手につぶされちゃいましたね。はっきり言って、これらの航空会社の運賃は、「価格破壊」である。だって、期間限定で「無料」とかいうものも出している。それもかなり頻繁に。パリだって、ローマだって、ベニスだって、うまくこれを利用すれば、無料で行けてしまうのだ!無料でなくても1000円ぐらいの価格設定は、ざらだ。実際、私の友人もタダでパリへ行ってきた。タダ、とはいえ、空港税は払うので、結局5000円ぐらいはかかるが、それでも安い。その話を初めて聞いたとき、私はちょうど家族4人で往復10万円もかけてパリへ行ったばかりだったので、悔しくて地団太踏んだ。というわけで夏、南仏へ行ったときには、断然ライアンエアーを利用して4万円で済んだので、大幅な旅費削減となった。ちなみにハイシーズンだと、エアフランスなどだとひとり4-5万とか言われたりするので、この差は実に大きい。こんなに安くして、いったい、どうやってこういう航空会社の経営が成り立つのだろう、と私などは心配すらしてしまうが、よくわからないが、一つには、まず徹底した合理化をはかっていることは間違いない。第一に人件費の削減である。つまり、予約はほとんどがオンライン一本なのだ。オペレーターもいるが数が断然少ない。(なかなか電話がつながらない)それから安い代わりにキャンセルができない、という点もミソだろう(譲渡は可能だが有料)。直前に買うと、こういうチケットでもそれなりに高いので、キャンセルされればされるほど、高い料金で買ったお客さんをいれることができる仕組みである。つまりもともと、かなりの数のキャンセルを見越して売ってるのではないだろうか。しかもキャンセルの場合、あらかじめ支払った空港使用料も返してくれないので、それがまるまる彼らの収入になるわけである。またサービスもミニマムにおさえられており、当然、機内食のサービスはない。しかし列車の車内販売のように有料で販売してくれるので、利用者側に不自由はない。その売り上げはしれたものだろうが、彼らにとってみれば純粋にコストファクターだったものが、一応は収入になるわけなので、その差は大きい。「そういう安い飛行機だと、遅れたり、荷物が届かなかったりするんじゃない?」そういう声が聞こえてきそうだ。確かにその通り。国際線への乗り継ぎには絶対使えないし、チケットを買う際の断り書きにもそう書いてある。空港が混んでたり、どこかの飛行機に遅れがあったときなど、真っ先にこういうエアラインに離着陸の時間調整のしわ寄せが来るからだ。あるいは荷物の盗難に関しても、人件費節約で管理が甘いのか、エアラインによっては盗まれることもあるらしい。しかし、それも比較の問題であって、そうそう頻繁にあるわけでもない。少なくとも私のまわりで一度もそういう目にあった人の話は聞かない。特にライアンエアーに関しては、ルフトハンザより時間も正確で荷物の紛失も少ない、というのでお勧めである。そうそう、これらのエアラインが発着する空港は、かなり辺鄙な場所にあるマイナーな空港が多いことも言っておかなければならない。パリに着くからといって、そこはオルリーとかシャルルドゴールだと勘違いしたら大変なことになる。それだけはご承知おきを。興味のある方は私がよく利用するサイト(そこからいろいろな航空会社のサイトに入れる)なので、ぜひご覧あれ。http://www.lonelyplanetexchange.com/
2005年01月19日
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パーティといえば、美味しいお料理が欠かせない、私はそう思い込んでいた。私に限らず、美味しいものを食べるのが好きな日本人には、そう思う人が多いのではないだろうか。さらにちょっとposh(上品)なパーティともなれば、何を着てゆくか、なんてことにもかなりこだわるのが日本人であろう。しかし、こちらに来て、パーティで一番大切なコトは、実は「人と人とが知り合い、また旧交を温めること」なんだと気づかされた。そのほかすべてのことは、その目的をスムーズに達成するためにある。勿論、気持ちの良いセッティング、美味しい食事とお酒、ファッショナブルな洋服・・・そういうものは、ないよりはあったほうがいいに決まっている。いや、大いに気を使ってもらいたい部分である。しかし、あくまでもそれらは「刺身のつま」。とどまるところは「刺身」を引き立てるためにあるものに過ぎない。だってひとは美味しいものを食べるだけのためにパーティへ来ているわけではないし、自分の持ち物(ブランドとか)をひけらかすために来ているだけでもないからである。ひとは「ひとと交わるため」にパーティへ来るのだ。パーティの本当のご馳走は、「ひと」だ。心地よい雰囲気の中で人と人とが知り合い、語りあうこと。そのことが「パーティのご馳走」なんである。そういう意味で、私が結構好きなパーティの形は、ちょっと食事時をはずした立食形式のパーティだ。それならば、さほど洋服にも料理にもこだわる必要がないから。洋服は普段よりは気を使っているな、と思わせるものならそこそこのものでいいし、料理も基本的にワインと洒落たNibbles(一口タイプのおつまみ)さえあればいい。費用的にもさほどかからないし。またチーズだけのパーティ、っていうのもアリだ。こちらには本当に美味しいチーズが沢山あるし、ワインとは大変相性がいいので、それだけでもう大変なご馳走だ。とにかく人と人とが知り合う、という目的なら、こういう簡単な形式が一番有効だ、と私は思っている。勿論、私んちにヒトがが来る、となればだいぶニュアンスは違ってくるけどね・・・^^やっぱりできるだけ美味しいものでもてなしたい、と思うのは人情。そして、ついつい頑張りすぎてしまうのです・・・
2005年01月18日
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英国といえばパブ、というイメージは強い。だから私はこちらに来る前は、英国人はビールばかり飲んでいるものと思っていた。しかし、こちらへ来てはじめて知ったことだが、実は英国人は大のワイン好きである。英国人のワイン消費量は、フランスを抜いてヨーロッパ最多だそうだ。ワイン産出国ではないのにもかかわらず、である。しかし何度かパーティに行くようになって、その理由がだんだんわかってきた。とにかく、パーティでビールは出ない。出たとしても、女性はまず飲まない。なんかよくわからないが、レディーがたしなむものとしては、ビールはお品がよろしくない、という感じなのだろうか?とにかくワイン(特に白)とかシャンペン、というのが一般的なようだ。確かに女性が片手に持つグラスの中身は、ビールよりワインとかシャンペンの方がスタイリッシュではある。そう、この「スタイリッシュ」というところ、英国人はかなりこだわっている感じがする。これも上流階級から始まった社交文化の賜物だろう。地元のハイスクールのPTAの集まりですら、スタイリッシュだ。初めての顔合わせ、日本だったらとっても堅苦しい挨拶に始まって、それぞれ一人づつ自己紹介、なんていうダサイことをやりそうだが、こちらは「ソーシャル・イブニング」と称して、ワインにクラッカー、チーズなどでの簡単な立食パーティ。ワインで初対面の緊張感もとれ、立食なので自由に移動しては色々なひとと個別に話せて、とっても効率的だった。さすが、こんなところまで社交の国は違う、とその実力を思い知った。こういう社交文化の国で、しかるべき「マナー」とを身につけることは、ある意味、絶対必要なスキルだろう。パーティはマナーに始まり、マナーに終わる。マナーという約束事があってこそ、パーティの品位が保てるし、品位が保てるからこそ、魅力的なパーティとなりうるのだ。洗練されたマナーの紳士淑女がたとワインを酌み交わし、ちょっとお洒落な会話をするのは、とてもエキサイティングで愉しいものだ。でもそれと同時に、ある意味、自分が試される瞬間でもあったりして、ちょっとコワイ。だって、「マナー」ですべてが見られてしまうからである。そのひとの知性、教養、そして品格。(それから、階級。)それらのすべてが「マナー」に集約され、そこで測られてしまう。結構、マナーって知っているようで、知らなかったりするのでご注意あそばせ。私もかずかず失敗したので、「マナー講座」の本を買いました。そうしたら、なんと、あとからぞぞ~って思うほどの大失敗をしてましたよ(自分で気づいてなかった!)くわばらくわばら。
2005年01月17日
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年末年始、旅行以外に何をしていたかというと、実はパーティというものにすっかりはまっていた私であった。家で開いたパーティが2回、それから友人宅にお招ばれしたのが3回、それに領事公邸での新年会。日本にいた頃の私は、パーティなんてチョーメンドークサイ、と思っていた。人と会うなら日本にはいくらでも素敵な場所(レストランでも喫茶店でも)がある。作る手間を考えたらそのほうがはるかにラクだし、更に相手がいつもの友人だったら会うより長電話で済ましてしまおうという超ものぐさモードにはまっていた。しかも近頃はインターネットという便利なものまである。新しい出会いはネット上で、ということだって十分可能なのだ・・・いや、怠け者には、ほんとうに便利な世の中になってしまっている。困ったものである。でもこちらに来て、こちらの社交文化を知るにつけ、自宅で開くパーティの楽しさ、というものにワタクシは突如、目覚めてしまったのである。まさにコペルニクス的転回である。だいいち、こちらの家はそれ向きにできている。私たちが借りているフラットは、まあ借り物なので何も自慢できるようなものはないが、それでも19世紀の中ごろ、英国がとても豊かだった頃に建てられたこの建物は、とても贅沢な作りになっている。なにしろ天井がとても高い。3m近くはあるだろうか。各部屋には暖炉と大きなベイウインドウが付いており、一部屋一部屋の作りが大きい。ラウンジもかなり広いので、パーティには最適である。住むとなると、何もかもが古いので壊れてきたりと大変だが、このラウンジに限っては私のお気に入りだ。気持ちの良いブルーのじゅうたんが敷き詰められているし、最上階なので眺めもそう悪くなく、窓からはエジンバラ城も見える(ちょい斜めだけど)。照明をうまく使うと、とても素敵なパーティルームに早変わりする。20人を招いてもまだ余裕だった。そういうわけでワタクシ的には大変気に入っていたのだが、しかしそれでもウチあたりは下の下。こちらの人の家に招かれてゆくと、どのお宅もほんとうに素敵である。外側からは殺風景に見える家でも、中にはいると実に気持ちよくしていている。たとえばコナン・ドイルが学生時代によく訪ねてきたことのある家という私の友人宅。外からはそう見えないが、中にはいるとその豪華な作りに驚く。天井まで届くラウンジの窓からは広大な中庭の眺めが楽しめるようになっているし、二階にある第二のラウンジなどは、ダンスパーティだってできてしまうほどの大広間だ。彼女たちの結婚式のときは、このホールでケータリングサービスを使って披露宴をしたのよ、と語っていたが、ほんとうにそういうことをするのにぴったりの大邸宅である。夏には中庭でバーベキューパーティを催してくれたり、またカウントダウンパーティも彼女のところへお招ばれした。同年代のお子さんがいらっしゃるので、家族ぐるみのおつきあいをさせてもらっている。旦那さんはいつも自家製のエールビールでもてなしてくれ、夫は男同士、話がはずむようだった。そのお隣に住むカップルがまた、パーティ好きで、彼らのところには常にたくさんの人々が出入りしている。家にはペルシャ絨毯がひかれ、どっしりした立調度品が趣味よく配置されている。お子さんがいらっしゃらないので彼女たちの開くパーティは、「大人のパーティ」である。彼女たちからは「英国人の社交術」に関して、ずいぶん学ばせてもらっている。しかし何といっても圧巻は領事の公邸。いや、あれはすごかった。勿論、公邸だからすごいのは当然だけど。何がすごいって、アナタ・・・、いや、いずれああいう家に住んでみたいものだとと思いました、はい。大きなレセプションルーム、ダイニングルーム、そしてコンサバトリウムつきの広大なリビングダイニング。二階もちらりとみた限りではかなり広く、ウチの子供たちが領事のお子さんと日本のテレビ番組を見ていた部屋などは、長~い廊下の突き当たりにあった。さらに三階まであるというのだから驚きである。でもね。もっとすごいと思ったのは、エジンバラにはこのぐらいの家がざらにあるってことだ。領事の公邸も、その界隈でも最も大きな家ってわけではないところが、私にはどうしても理解できない。だってあの大きさの家を維持するって、大変なことですよ。そんな財力をもつ人々が、これだけざらにいるってありうるだろうか?英国人って今でもそんなに金持ちが多いのかしらん?誰か教えて。
2005年01月14日
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英国に来て初めてのクリスマス・お正月を迎えた。こちらに何年もいる日本人の友人たちはみな、エジプト・ナイル川クルーズだの本場アルプスでのスキーツアーだのと、実にうらやましい限りの贅沢な休暇をとっている。私たちも「フィンランドのサンタ村とオーロラ観測ツアー」というフレーズにだいぶ食指は動いたが、1泊で50万円(家族4人で)という法外な金額に断念。初めてすごす英国でのクリスマスをとにかく満喫することに・・・。とはいえ、欧米ではクリスマスは何といっても家族で過ごすもの。英国人は皆、自分たちだけで家に引きこもってしまうのである。さらにイブの夕方あたりからお店というお店はレストランも含めどこも閉まってしまう。交通機関まで止まってしまうのだから驚きである(地下鉄をはじめ長距離列車ですら止まる!)たまにあいていると思えば観光客向けのばか高いところばかり。というわけでクリスマスは外国人にはかなりキツイ時期なのである。そういうこともあって、みんなエジプトだのスキーリゾートだのに逃げてしまうんだろうな。さて、私たちはクリスマスのロンドンを見てみたい、ということもあって、上記のことは十分承知しつつも1週間ほどロンドンへ出かけた。こちらに来て以来、子供たちにロンドンをきちんと見せていなかったし、この時期、各シアターでは子供向けの魅力的なプログラムがたくさん上演されているので、それも目的のひとつだった。ロンドンでシアターといえばミュージカルが人気だが、ワタクシ的には有名なミュージカルならどこでも見れるしむしろ劇場の設備的なことを考えると、東京の四季劇場などのほうが優れているのではないかと思う。むしろ私のお勧めはPantoと呼ばれるパントマイムである。しかしいわゆる日本語のパントマイム(無声の)とはかなり違って、歌ありギャグありのドタバタ喜劇のようなものである。日本でいえば年末年始のお笑い番組に近いノリで、子供も大人も楽しめる。テーマは「アラジン」、「眠りの森の美女」、「ピーターパン」、「白雪姫」など、おなじみの童話からとっているものが多いが、勿論、すべて一ひねりも二ひねりもしてある完全なパロディである。英語が完全にわからないことも多かったが、それでも笑えてしまうような、単純なストーリー展開が多いし、英語のできない人にもお勧めだ。Panto人気は高く、残念ながらロンドンではチケットが入手できなかったが、エジンバラでは「アラジン」を見た。アラジンが中国人という設定に驚いたが、これには歴史的な背景があって、なんとアラジンは英国では18世紀ごろから繰り返しいろいろな形で上演されていて、しかも中国が舞台という設定が定着したのは100年以上前のことということを聞いてさらに驚いた。英国というのは実に不可思議な国である。ミュージカルでチケットが手に入ったのは「チキチキバンバン」(古っ!)だけだったのでそれを見たが子供向けとしては十分楽しめる内容だった。それに上に述べたようなことを考えれば、これを古いって思うのは間違いなんだろうな。むしろ「古典的名作」と呼ぶべきなのだろう。「ジーザス・クライスト・スーパースター」だって堂々と上演していて、結構、人が入っているのだから。さて、クリスマスイブにはマチネーのバレエ「くるみ割り人形」のチケットを何とかゲット。オンラインでは売り切れだったが、それでもレスタースクエアなどのチケット屋さんや劇場のボックス・オフィスに行くと意外と手に入るものである。「くるみ割り人形」はクリスマスのお話ということもあって、この時期の出し物としてはとても人気がある。何より正統派でなくコミカルでとても奇抜な演出なのでとても楽しかった。ちなみにバレエはもう一つ見た。男性だけで踊るマシュー・バーンズの「白鳥の湖」である。これも演出が奇抜で面白かったが、オカマさんの白鳥の湖という感じで、ちょっと男性同士の絡みなど、子供に見せるのはどうかと思った。でもこういうの、好きな人は好きだろうな・・・そうそう、クリスマスイブには今、ロンドンで人気だという究極のエスニック、レバノン料理にチャレンジしてみた。日本にいると「えぇ~?レバノォン?」って感じで、まだまだ遠い国だが、ロンドンのハイドパークの北側の高級住宅街はすっかりレバノン人街になっていて、彼らは驚くほど金持ちだしまじめで礼儀正しい働き者が多い。レストランにしてもデリの店にしても、そのクオリティの高さに、はっきり言ってびっくりした。私たちが1週間宿泊したマーブルアーチのアパートメントホテル(2Hyde Park Square)もレバノン人経営のホテルらしいが、大変設備が行き届いていて、管理もしっかりしているしその割にリーズナブルで、大変良かった。しかも近隣にレバノン人の店がたくさんあり、勤勉な彼らはクリスマスの日も休まず営業していて、まったく困ることはなかったし、お勧めである。
2005年01月13日
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