2004/12/26
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カテゴリ: 下町人情物語
四谷怪談で有名な、東京四谷に、聖イグナチオ教会という、大きな教会があります。ここでは、毎年クリスマスを祝う キャンドルサービス が行われ、先着順500名までがキャンドルをもらえて、それを持って、街を歩く、というイベントがあります。


私が高校1年の時、クリスマスの近いある日、テレビで、「ブラザー・サン、シスター・ムーン」という映画を見ました。13世紀のイタリアに実在した聖フランシスコの物語です。

裕福な家庭に生まれ育った彼は、騎士として戦争に行きますが、病気になって生死の間をさまよい、それがきっかけで魂の目覚めを体験します。富と名誉に結びついた教会を否定し、雪の原野に一人、石を積んで教会を建て始めるのです。初めはばかにしていた友達も、彼の澄んだ瞳を見て、自然の中に生きる喜びを知り、一人、また一人、仲間が増えていきます。

私はこの映画に、いたく感動しました。「これだ!」と、思っちゃったわけです。といっても、何が出来るわけでもなく、とりあえず、貯めていたお小遣い全てを、大した額ではありませんが、歳末助け合いに寄付しました。もっと、なにか出来ることはないか、と思っていると、冒頭でお話しした、聖イグナチオ教会のキャンドルサービスの記事を見つけたわけです。

親には「友達とでかける」といって、その年のクリスマスイブ、四谷まで行きました。もちろん、本当は一人です。教会にはもう、大勢の人が集まっていました。長めの白いロウソクのまわりを、紙で四角く囲って、炎が風で消えないようにしてあって、その4面に賛美歌が書かれていました。

夕方5時頃、そのキャンドルに次々と火がリレーされて、私のキャンドルにも灯がともりました。もうすっかり暗くなった教会に、たくさんの小さな明かりが星のように揺らめき、それは美しい光景でした。そのキャンドルをもった長い行列は、教会を出発して、街を静かに進んでいきます。リーダーの方が、次に唄う賛美歌の番号を指示されると、みんなが次々に唱和し、冬のキーンと冷えた空気の中に厳かな歌声が広がります。

私は、というと、このにわか造りの「ナンチャッテ・クリスチャン」ですから、賛美歌なんて知りません。でも黙ってると変なので、「クチパク」で、参加してるふりをしていました。繰り返しその4曲を歌うので、そのうち覚えて、だんだん調子に乗ってきました。

しかしそれよりも、ちょっとした心配事がありました。私のもらったキャンドルは、ちょっと作りが悪くて、グラグラしていたのです。ロウソクを囲んでいるその賛美歌の紙を、しっかり押さえておかないと、火が燃え移りそうでした。



「あちっ!」

思わず、手を放してしまって、燃え上がったキャンドル台は聖イグナチオ教会の乾燥した芝生に火をつけました。周りにいた人たちも、あわてて、消化に参加して、みんな燃え広がらないように、芝生と火元のキャンドルを足でバフバフ踏ん付けました。

「すみません、すみません」

と、みんなに謝りまくりながら、ボロボロになった、キャンドルの残がいを拾い集めました。焦げた芝生はどうしたらいいんでしょう。まずいです。これは、非常にまずいです。

クリスマスでよかった、と思ったのは、すべてのクリスチャンがこの日ばかりは、一年で一番慈悲の心に満ちあふれ、どんな罪でも許しましょう、というモードになっていることです。周りの方々も、リーダーの方も、みんな、何かを許したくてしょうがない気分だったのではないでしょうか。私の罪は許されました。しかし、エデンの東へと追放されたカインのように、もう2度とそこに参加することはありませんでした。

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Last updated  2008/05/05 09:15:32 PM
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Re:クリスマスの受難(その2)(12/26)  
kerorin8689  さん
「ブラザー・サン シスター・ムーン」、懐かしいです♪
私はテレビの洋画劇場で見たのですが、歌もまだ覚えています^^。 清らかな気持ちになる映画ですね。。
ろうそくは危険ですね(笑)。 火事にならなくて何より、クリスマスで皆さんが慈愛に満ちていて良かったです♪ (2004/12/26 05:24:30 PM)

大事にならなくて良かったですね  
papichan2222  さん
papichanは都電が走っている頃、上野の高校に、1年のとき9月から2,3学期通いました。四谷界隈にも自転車で行ったことがあり、坂の多い場所だったことを懐かしく思い出します。花火やファイヤーの時はバケツに水を用意しますよね。 (2004/12/26 08:55:08 PM)

Re:クリスマスの受難(その2)(12/26)  
Rodemu  さん

懐かしいです。  
Arabesqu  さん
私も見ました。というより、ミッションスクールだったので、見させられたというか。素晴らしい映画でしたね。本当にあの主題歌の冒頭部分は今でも覚えています。でも、えらいなあ。結果はどうあれ〔?〕、映画を見て行動をおこしたのですから。 (2004/12/26 09:18:15 PM)

kerorin8689さん  
StarTrees  さん
kerorin8689さんも見ましたか。
いい映画でしたよね。
ミュージカルだったのかしら?
何となく、全般的に音楽が流れていた記憶が...。 (2004/12/27 12:12:33 AM)

papichan2222さん  
StarTrees  さん
四谷界隈は坂が多いですね。
私も、中学高校は、坂の上だったので、遅刻しそうなとき、走るのが大変でした。
自転車で行くのは、相当な脚力が必要です。
さすが、papichan2222さん。 (2004/12/27 12:16:48 AM)

Rodemuさん  
StarTrees  さん
素敵な思い出ですね。
女友達って、楽しいですよ。
先日、六本木ヒルズに行った時、となりのテーブルに若い女性3人組みがいて、Rodemuさんみたいに、「来年こそ」と話していました。 (2004/12/27 12:20:26 AM)

Arabesquさん  
StarTrees  さん
Arabesquさんがミッションスクールっていうのは、とてもイメージに合いますね。
なんとなく、上品なお嬢様という感じに、私もひそかにあこがれていましたが、全然縁がありませんでした。
やっぱり、ミュージカルだったんでしょうかね。
もう一度、見てみようかな。
でも、また、それで突っ走っちゃうと、いろんな人に迷惑がかかりそう。 (2004/12/27 12:25:07 AM)

聖フランチェスコ教会  
トニー さん
「ブラザー・サン、シスター・ムーン」という映画は、題名も知りませんでした。フランチェスコという名前は、どこかで聞いたことがあるような気がしました。ストーリーを見ると、「そうだ、アッシジの教会」だと思い出しました。イタリア旅行をしたとき、このお話を聞きました。聖フランチェスコ教会は、人が少なく、静かでした。フレスコ画が印象に残っています。教会を出ると雨が降ってきました。冷たい雨でした。家内と二人で近くのバールに入り、コーヒーを飲みました。とてもおいしいコーヒーでした。冷えた体が温かくなったのをよく覚えています。映画の感動と重なるものがありました。 (2004/12/28 02:27:32 PM)

トニーさん  
StarTrees  さん
アッシジの聖フランチェスコ教会に、行かれたことがあるんですね。
私もいつか行ってみたいです。
いったことある場所が、映画に出てくると、いろいろ思い出が蘇って感慨深いでしょうね。 (2004/12/28 03:59:27 PM)

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