地獄へ道連れ（その１）

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2005/11/26

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テーマ：社交ダンス(8731)

カテゴリ：競技会関連

上昇を続ける機体の窓から、晴れ上がった関東平野が地球に貼りつくように見えました。巨大な高層ビル群でさえ、まるで小さなとげのように地面に生えて、遠く地平線には、まだらに雪を頂いた富士山が、そして真下には、赤茶色に紅葉した秩父連山が、温かい日差しに浮かび上がっています。

今日は今年のメインイベントの一つ、九州グランプリに向けて出発の日です。

金曜日の夜中に練習会から帰って、それから支度を始めたので、３時間しか寝られませんでした。離陸前から空気枕を用意して、万全の体制です。

機体は更に上昇を続け、やがて手が届きそうな薄っすらとかかる雲を突き抜けて、真っ青な空へ。気がつくと、空気枕がパンパンに膨張して首に巻き付いていました。

大分空港に到着したのはお昼ごろでした。別府は有名な温泉地です。宿泊予定のホテルに水着で入れるジャングル風呂があるという話を知り合いから聞いていたので、そっちもとても楽しみで、勿論二人とも水着持参です。

ところがチェックインしてみて、ホテルの案内を見ても、｢ジャングル風呂｣なんていう言葉は全く書いてなくて、男女別の大浴場があるだけのようでした。

｢おかしいね。このホテルじゃないのかな。確かにジャングル風呂があるって聞いたのに。｣

部屋においてあった観光案内を見ていたリーダーが、ライオンの写真ノパンフレットを手にとってにやりと笑いました。

｢ねえ、ここにジャングル・バスっていうサファリツアーがあるよ。これのことなんじゃないの？｣

と言うわけで、ジャングル風呂はあきらめて、別府名物の｢地獄めぐり｣にでかけることにしたのです。

（つづく）

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