2006/12/08
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「どこかでお会いしたことあったかしら?」

ヘーゼルが私の顔をまじまじと見ながら考え込んでいます。

どう考えてもスタンダードの世界チャンピオンとは接点がありませんから、初対面です。

「日本にはよくある顔なんだと思いますよ。」

私がそう言うと、そんなことない。特徴的だから覚えてるんだとおっしゃって、まだ考えている様子。

実は私もどこかで会ったことあるような気がしていたんですが、そのときは思い出せませんでした。

現役時代ショートヘアだったのが随分伸びて、銀縁の幅の細いめがねをかけています。

「あなたたちのことを教えて。」

私たちは、主にラテンをやってきたこと、2年ほど前からスタンダードに取り組み始めたこと、ここ数ヶ月ブランクがあって先生には立ち方から直されてることなどを話しました。



ヘーゼルさんはクリストファーと何度も日本に来られているので、日本のダンス事情をよくご存知でした。

ラテンもスタンダードも来年アマA級になりますと応えると、「凄い凄い!」とでっかい目を更にでっかくしておられました。

まずいなあ。期待されるほど上手くないんだなあ、これが。

私たちはスローフォックストロットをメインに、後時間があればタンゴとクイックの疑問点を聞いてほしいとお願いし、早速踊りを見ていただきました。

「さーて、どこから治そうかしら。スローに対してどんなイメージを持ってる?」

継続する波、かな。私たちの踊りは、ところどころでぶつかり合い途切れているようです。

まずはフェザーステップ。

男性は永遠にボディストレッチを継続するつもりで、女性は2歩目の右足の上でオレンジを絞るようにと言われました。

おーー。自然と2人が入れ替わり、大きな波が出来るではありませんか。

ヘーゼルは私たちと交互に組んで確認し、劇的な変化に大喜び。

リバースターン、スリーステップ、ナチュラルターン。



特に女性のヒールターンは『自分でするもの』じゃなくて、『男性の動きにつられてそうなってしまう』ものだということ。

そして、シェープはヒップを動かして作り出すのではなく足の動きから自然に作られてしまうということです。

「ちょっとワルツのナチュラルターンやってみましょ。こっち来て、スィートハート。」

あれ、スィートハート呼ばわりだ。そいえば、大将のことも坊や(boy)呼ばわり。まさかジュニアだと思われてないよね。

「波はね、フロアの上で作るもんじゃないの。フロアの下にも波を作るのよ。」



私はスキーをしたことがありませんが、たとえて言うなら直滑降です。ものすごく深いロア、しかも無理がない。これが世界チャンピオンのナチュラルターンか!!

次に質問を聞いてもらいました。クイックステップで周りを走りまわっているところから真中に切りこんでいくときの彼のリードが分からないと。

ヘーゼルは指を振りながら「分かる分かる。ここでしょ。」と言ってすぐに見せてくれました。

タンゴのステップも見てもらってちょっとリズムが変わりました。

あっという間に時間オーバーしてしまい、「ほんとはもっと見てあげたいんだけど。」

私たちはすっかりヘーゼルが大好きになってしまい、一緒に写真を撮ってもらいました。

「2年前の浅草のパーティでデモ見ましたよ。お誕生日でしたよね。」

彼女の顔がパッと輝いて、「最後の年ね。そうそう、誕生日でケーキ出してもらったのよ。」

このまま話が弾んじゃいそうでしたが、次のレッスンの方がさっきからずっとお待ちかねでしたので引き下がることにしました。

私たちは教室を出て、この後いつものラテン練習会に向かいました。電車の中で夕食代わりのパンをかじりながら今日教えていただいたことを忘れないようにダンス手帳に書き込みました。

小さくストレッチしたり身体搾ったりしながらレッスン内容を思い出していた2人はさぞ変な人たちだったことでしょう。

へーぜる





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Last updated  2006/12/09 10:07:52 AM
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