2016/06/28
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カテゴリ: 映画のはなし
金箔で覆われた豪華な肖像画は、裕福な実業家フェルディナント・ブロッホ=バウアーが、1907年クリムトに妻アデーレを描かせた作品でした。

第2次世界大戦でナチスに略奪され、その後ベルベデーレ宮殿に飾られていましたが、アメリカに住む親族がオーストリアを相手取って訴訟を起こしたんです。

国を相手に全く勝ち目のない裁判だと思われていましたが、名画はオーストリアを離れアメリカに渡りました。

これは『オーストリアのモナ・リザ』と呼ばれるクリムトの名画にまつわる実話です。


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ロサンゼルスで洋品店を営みながら静かに暮らす80代の女性マリア・アルトマン。

彼女はオーストリアの裕福な家に育ちましたが、ナチスの侵略から逃れアメリカに渡った辛い経験の持ち主でした。

アデーレはマリアの叔母で、ウィーンの大きな屋敷に一緒に暮らしていました。

クリムトやマーラー、フロイトといった学者や芸術家が集うその家に黄金のアデーレも飾られていて、マリアが9歳の時に亡くなった叔母の忘れ形見でもありました。





マリアがオペラ歌手のアルトマンと結婚した翌年、ナチスがオーストリアを占拠。



ユダヤ人家系のマリアは両親をウィーンに残したまま、夫と共にかろうじてアメリカに逃れます。





家も財産もすべて奪われ二度とウィーンには戻るまいと堅く心に誓ったマリアですが、オーストリア政府がナチスによって奪われた芸術作品を元の持ち主に返すという取り組みを始めた事を知り名画奪還に向けて行動を起こします。

まだ若い弁護士ランディ・シェーンベルクを選んだのは、マリアの友人の息子だったから。

彼はオーストリア生まれの亡命現代音楽家、アルノルト・シェーンベルクの孫でした。





ベルベデーレ美術館の目玉だった名画『黄金のアデーレ』をオーストリア政府が手放すはずはないと当人たちも思っていたようですが、ランディはマリアの辛い過去と自分のルーツに触れ、すべてを投げ打ってもこの訴訟に勝ちたいと思うようになって行きます。

クリムトも映画の中に一瞬登場しました。

返還を求めた裁判でマリアの要求を堅く拒み続けたオーストリア政府側が悪者に見えて来ます。





仲裁措置として黄金のアデーレを含め5点の絵画がマリアのものとなった時、どうしてもその絵をベルベデーレ宮殿に残したい政府側がいくらでもいいから売って欲しいともちかけるんですがマリアは拒否。

エスティ・ローダー社の社長に156億円で売却されます。

アメリカの化粧品会社ですが、社長は駐オーストリア大使も務めた方でナチスに奪取された芸術作品の奪還をライフワークとされてるそうですね。ローダー家も東欧系ユダヤ人の家系とのこと。

余談ですが私もエスティ・ローダーの口紅愛用してます。







マリア役のヘレン・ミレンが、カリフォルニアの風に染まりきらないヨーロッパの古き良き時代のエレガントをステキに演じています。

裁判に勝ち、ニューヨークのノイエ・ガレリエにこの名画が移ったのは2006年。このときマリアは90歳だったそうです。

ベルベデーレ宮殿 に10年前まで『黄金のアデーレ』があったこと、この映画で知りました。

最近の記憶とリンクしてとても興味深い映画でした。

公式サイトはこちらです。

星星星 黄金のアデーレ 名画の帰還 星星星






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Last updated  2016/06/29 12:49:14 PM
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