南カリフォルニアの青い空

南カリフォルニアの青い空

2010.12.19
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カテゴリ: カリフォルニア




コンサートがあった。友達のラナと一緒にでかけたのだが、ベルを鳴らすと、

ベンジャミン・フランクリンみたいな老人が鼻眼鏡でドアを開けた。後で、

その方が教授で、彼の家だったことが分かった。中には背広の人もいたが来客も

パーフォーマーも実に楽な普段着で、ジーンズにティーシャツ、クリスマスの

チョッキ、トレーナーにスニーカーの人が多かった。私はクリスマス・セーターの

ユニフォーム。もう20年も同じものを着てる。50人前後が集まっただろうか。

shoko.jpg

ショウコさんは9歳でピアノをはじめ、日本では、もうプロのピアニストだった

から別に教わるとかいう必要はなかったのだが、英会話のためと、アンサンブルを



授業料はなしと言う特別扱いで、生徒のアカンパニストなどもしているらしい。

彼女自身、こちらでも生徒を取り出しているから、音楽用語を英語で表現する

練習には最高の場所である。
violine.jpg

生徒の持ち寄りランチ・パーティーを兼ねていて、プログラムは、ベートーベン、

ドビュッシー、クララ・シューマン、ブラームス、メンデルスゾーン、ヘンデル

と盛りだくさんで、3,4時間かかった。大学のこととて全員成人であったが

こちらの大学は単位をとらなくとも自由に好きな科目を学べるので、特にアートの

クラスは美術もパフォーミング・アートも結構八十歳くらいまでのリタイアーした

人々も高校から直接来た生徒と混じっている。

生徒は皆、一生懸命に演奏してるのだが「音痴」らしい人もいて、それがバイオリン

とか、チェロだったりすると最後まで聴くのがかなりつらかった。だからといって、



プログラム中お世辞抜きで、ショウコさんのグループのが一番プロに近かったのだが、

バイオリンもヴィオラも、この辺では名高いパシフィック・シンフォニー・メンバー

だと聞いて頷けた。ショウコさんはメンデルスゾーンのピアノ・コーテットNo.3と

クララ・シューマンのトリオ、Op17で、あの細い体のどこにこんなエネルギー

が潜んでいるのかと思われるほど力強く弾いた。彼女の写真にだけ、オーブが写った。

with lana.jpg



食べたり、お茶をいれたりストレンジャーと話したりし、私もラナも別々に

台所にいっては、リビングに戻ってくるのだが、戻ってくると座っていたところに

ほかの人が座っていたりするから、プログラムの半分くらいからは、ラナは部屋の

反対側に座り、私の横にはチェロの教授が座って、曲が終わると私に話しかけて

来たり、ラナはラナで隣の人と会話をしていた。老いも若きもわきあいあいとしていて、

誰が、どんな格好をしていようと品定めもせず、「私の席なんですが!」などと、

キリキリもせず、空いてる所を探して座る・・・実に和やかななのである。



アメリカに来て46年目になるのだが、最近とくに思うことがある。西岸の州の

事しかしらないが、プライベート・パーティーで全く知らない人が集まったり

しても、学長だから、教授だから、州知事だからと、へいこらしたりしないし、

バックパックをしょって、薄汚い学生でも馬鹿にしたりしない。長くアメリカに

住んでいると、このように同じように交わる態度は、たいていの日本人がだんだん

自然に身につけるようになる。これは、決して相手を馬鹿にしてるわけでも尊敬

してないわけでもない。


これを書き出したとき、今年の夏、日本ではじめてお会いしたA氏に、

「あいつは日本の心を忘れ、もうアメリカの悪いところばっかりに染まった実に

いやな女になった」とブログにくそみそに書かれたのを思い出した。

何かというと、A氏が奔走して下さった事に対する謝礼が少ないというのが一つ目、

私の態度がなれ慣れしく図々しいというのが二つ目「自分を何様だと思っているのだ」

というのが三つ目である。


その一は、あまりにも馬鹿らしいのだが、いわゆる頼みもしない親切の押し売りで、

それ相当だと思った謝礼では足らず20万円の請求をして来たのを拒否した事に

立腹したのである。仕事なら、最初からキチンと契約を交わすのがアメリカの正当な

やり方である。自分から言い出した親切に見返りを期待するアメリカ人は少ない。

それが悪いというなら、アメリカ人とは付き合わないか、余計なお節介はしないことである。

その第二、三はブログに説明してきた通りで、私はどなたとでも大体同じような親しさ

で話すし、職種、地位、貧富、老若、男女によって、言葉遣いは変わるが相手が社会的

上位だからといってヘイコラしたり、下位だからといって馬鹿にしたりどしないから

自分が「なにさま」だとも思わない。


南カリフォルニアでの、このクリスマス・コンサートは、そういう日本のわずらわしさには

何にも束縛されず、心より、くつろげ楽しめるものだった。






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最終更新日  2010.12.19 13:17:05
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